「長野県はとってもいいところだが、出身者の奴がそうとは限らない」DRAGON GATEの最凶ヒール軍が“交通事故”をネタに全日本プロレスを挑発し王座挑戦決定！

　10日、東京都・後楽園ホールにて全日本プロレス『世界最強タッグ決定リーグ戦2025【優勝決定戦】』が開催。DRAGON GATEの最凶ヒール軍【我蛇髑髏（がじゃどくろ）】が王道マットに本格侵攻を開始した。

　最近では土井成樹や他花師（吉田隆司）の全日本定期参戦によって全日本とDRAGON GATEの交流が深まっている。
　今年11月に土井が開催した自らの25周年記念大会『オレやろプロデュース2025』は「全日本プロレスとDRAGON GATEの全面交流戦」をテーマに掲げて実施。両団体とも敵地での王座戦を行うなど友好関係にあり、“対抗戦”でぶつかり合う関係ではない。

　しかし、今回全日本マットに上陸した【我蛇髑髏】は話が別だ。
　菊田はDRAGON GATE内で全ユニットから敵視されるヒール軍【Z-Brats】の一員であったが、リーダーのシュン・スカイウォーカーをZ-Bratsから追放し、団体の至宝・ドリームゲート王座も奪取。Z-Bratsの名を捨て新ユニットとして我蛇髑髏を立ち上げ、ルール無用の大悪党として暴れ回っているユニットだ。
　ドリームゲート王者の菊田だけではなく、ISHIN＆加藤良輝は若手ながらも実力や存在感は確かなものを持っており、今年11月までKAIとともにトライアングルゲート王座（※6人タッグ王座）を戴冠していた。

　この日の第4試合で行われた6人タッグマッチは“ゼンニチvs我蛇髑髏”のタイトルが付けられており、安齊勇馬＆斉藤ジュン＆“ミスター斉藤”土井成樹vs菊田円＆加藤良輝＆ISHINという好カードに。

　試合は我蛇髑髏がリング内外でのラフファイトで序盤から圧倒していき、菊田と安齊が互いを強く意識してバチバチの打撃戦を展開。
　ISHIN＆加藤のタッグワークも光り、終盤は完全にリングを支配。最後は土井が集中砲火を浴びる展開となり、加藤が土井にカデーレ・ルナ（※腕極め式の変形アルゼンチン・バスター）を決めて3カウントを奪った。

　試合後には、DRAGON GATE入門前は長野県警松本署で警察官をやっていた加藤による約8分間に渡る劇場型マイクが展開。
　加藤が「俺はある男に全日本プロレスの入門試験を落とされているんだよ。それでもう1つの夢であった警察官になった」という過去を告白した後に「全日本には全く関係ない話だけどよ」といちいち前置きをしながら「長野県はとってもいいところだが、出身者の奴がそうとは限らない。車社会の長野県松本市では一日に何件も何十件も交通事故の処理をさせられて大変だった」という旨の愚痴を漏らすと、なにか心当たりでもあるのか全日本ファンは激怒して大ブーイング。
　初参戦ながらこのマイクで全日本ファンの注目を一気に集めたうえで、ISHINとともに【むーちゃんせーちゃん】MUSASHI＆吉岡世起の持つアジアタッグ王座へ挑戦表明するという見事な流れで挑戦を受けざるを得ない状況まで持っていく。

　リングに上ってきたMUSASHI＆吉岡は険しい表情で対峙し、マイクを取ったMUSASHIも最初は緊迫感ある口調で語り始める。
　しかし、突然テンションを一転させ「いーじゃん！いーじゃぁん！やろーよ！やろーよぉ！熱いねぇ～ッ！なになに？早くゆってよぉ！今日全日本プロレスに乗り込んでくるのは知ってたけどさか、まさかむーちゃんせーちゃんとタイトルマッチやりたいとは思ってなかったからさぁ！早くゆってよぉ～！やるに決まってんじゃん！やるよぉもぉ～！早くゆってぇ？で、いつやるよ？あっ、そーか。いきなり全日本プロレスに来てね『この日にやらせろ！』なんて言いにくいよね。2人ともね。任せて！俺が全日本プロレスとPWFにしっかり言っとくよ、責任持って。だから、やろーよ！決まりだよ！やろう？！やるよ、せーちゃん！やりたいでしょ、せーちゃんも！この2人熱いもん、だって！いきなり全日本のリングに来て『アジアタッグに挑戦させろ』なんて言えないよ普通！ね？やろう！決定だよ！やるぞ！任せとけって！絶対決めるから！やらないなんて言わせない。絶対責任もってやらせるから！」とまくし立て、ドン引きする吉岡を尻目にアジアタッグ王座戦の実施を勝手に決定。
　大会後には正式に12月31日の国立代々木競技場第二体育館大会にて、両組のアジアタッグ王座戦が正式決定された。

　今回の件とはまったく関係ない話だが、長野県松本市出身の青柳優馬は全日本プロレスの入門試験の試験官を務めており、今年11月に免許失効状態で交通事故を起こして3ヶ月の謹慎＆減給50%の処分を受けている。
　そして優馬は今年8月にDRAGON GATEに初参戦した際に「何を隠そう、この全日本プロレスの青柳優馬は過去に全日本プロレスとDRAGON GATEに同時に履歴書を出した男です！しかし！返事が返ってきたのは全日本プロレスだけでした！まあ間違いなく書類落ちです！」とDRAGON GATEに入門を断られて全日本に入団した過去を告白していた。

　今回の件とはまったく関係ない話だが、同じ長野県松本市に縁があり、入門関連で奇妙な縁がある優馬と加藤の対戦もどちらかの団体のリングで実現することを期待したい。