【試合詳細】9・23 PANCRASE東京ニューピアホール大会[DAY TIME] 遠藤来生 vs オタベク・ラジャボフ 松井斗輝 vs 山口怜臣 谷村泰嘉vs 水戸邉 荘大

  • はてなブックマークに追加
  • LINEでシェア

『PANCRASE 356』
日時:2025年9月23日(火・祝)
会場:東京都港区・ニューピアホール[DAY TIME]
開始:12時30分

【試合結果】

〜プレリミナリーファイト〜

▼第1試合 フライ級戦 5分3R
○齋藤楼貴(暁道場)
判定3-0
●土谷wisdom勇斗(T-BLOOD)

▼第2試合 バンタム級戦 5分3R
●増田怜央(KING CRAFT)
判定0-3
○水島和磨(香取道場)

▼第3試合 フェザー級戦 5分3R
●星野柊哉(OOTA DOJO)
2R 2分35秒、フロントチョーク(タップアウト)
○関 翔渚(BRAVE GYM)

▼第4試合 フェザー級戦 5分3R
●貫井義親(OOTA DOJO)
2R 2分11秒、KO(スタンドの膝蹴り)
○大谷啓元(パンクラスイズム横浜)

〜メインカード〜

▼第5試合 フライ級戦 5分3R
―谷村泰嘉(空手道禅道会総本部TEAM TIGER)
※水戸邉の計量オーバーにより試合中止
―水戸邉 荘大(TRIBE TOKYO M.M.A)

▼第6試合 コーメイン バンタム級戦 5分3R
●松井斗輝(THE BLACKBELT JAPAN/5位)
判定0-3
○山口怜臣(TIGER MUAY THAI/8位)

▼第7試合 メインイベント フェザー級戦 5分3R
●遠藤来生(Power of Dream Sapporo/7位)
1R 3分28秒、TKO(スタンドの膝蹴り)
○オタベク・ラジャボフ(TAJMMAF GYM/タジキスタン共和国)

階級をフェザー級にあげたラジャボフが見事KO勝ち!コーメインで勝利した山口は左目の下を晴らすほどの大健闘!水戸邉の計量オーバーにより第5試合が中止に!

第1試合

 齋藤は2024年より参戦中。デビュー年は2連敗に終わり、今年はNBTにエントリー。1回戦は勝利したものの、2回戦で敗退している。出直しの一戦。
 土谷は今年2月に初参戦。米泉乾太にスプリット判定勝ちを収めている。

 1R。蹴りとパンチで押していく齋藤。土谷もパンチを返す。齋藤が組みついてケージへ押し込んだ。ヒザを入れる。土谷が入れ替えて肩パンチ。齋藤が入れ替えるが、土谷はすぐに戻す。齋藤がヒザを入れ、入れ替えてさらにヒザ。土谷もヒザを打ち込むと、齋藤が殴って離れた。
 齋藤が蹴りから組んだが、ケージへ押し込んだのは土谷。肩パンチを打つ。齋藤が入れ替えたが、土谷すぐ戻した。さらに両者入れ替え合う。齋藤が強引に倒しに行くが、土谷はすぐにたち、ケージへ押し込んでヒザ、ボディブロー。齋藤がロー、ハイキックを放ったところで終了。
 ジャッジは3名10−9齋藤。

 2R。両者ロー、パンチを打つ。齋藤がオーバーハンド。土谷、やや効いたか。齋藤はパンチ、蹴りを入れる。齋藤がロー。土谷がケージへ押し込んでヒザ。齋藤はカカト連打、さらにヒザ。齋藤が入れ替えるが、土谷はすぐに戻す。齋藤がヒザを入れて入れ替える。しかし、内谷が戻した。
 齋藤がボディとヒザを打ち込んで離れた。さらにロー。齋藤が組んでテイクダウン! ハーフマウントで肩パンチからヒジ連打! 土谷が身体を起こすと、斎藤は土谷の首をギロチンにとらえて引き込んだ。深く入っていそうだが、時間切れとなった。
 ジャッジは3名ともに10-9で齋藤。

 3R。プレッシャーをかけていく土谷。齋藤はパンチ、前蹴りから組んでケージへ押したが、離れた、土谷がパンチを振るが、齋藤はかいくぐってケージへ押し込んだ。入れ替えた土谷。齋藤はカカトからヒジを入れて離れた。
 土谷がパンチを振るが、齋藤はもぐって組み、ケージへ押し込んだ。入れ替えた土谷。しかし離れた。
 齋藤が組み、投げて上に。ヒジを打ち込む。立ちたい土谷だが、齋藤はヒジを打ち込みギロチンへ。しかし、これは極まらず、齋藤はさらに引き込んで羽交い締めに。しかし、そのままひっくり返した。
 残り30秒。齋藤はハーフで押さえ込みながらヒジ連打! さらにバックに回り、チョークを狙うが時間切れとなった。
 ジャッジは3名ともに30-27の3-0で齋藤が勝利。

第2試合

 増田は2024年よりパンクラスに参戦。今年のNBTは1回戦で消えたが、5月の復帰戦では松元奏太にTKO勝ち。連勝し勢いをつけたいところ。
 水島は今年のNBTエントリーで初参戦。2回戦で敗退し、これが復帰戦となる。

 水島が飛び出してパンチ。増田がタックルに入ると、水島はこれを受け止めるが、ケージへ押し込んだのは増田。水島がヒザ。両者入れ替え合うが、展開なくブレイクがかかる。
 水島がパンチで出る。ケージ際で左右パンチを入れるが、増田の右がヒット、水島ダウン! 増田は追撃のパウンド。しかし、水島立ち上がった。増田が組んでケージへ。ヒジ、ヒザを打ち込む。
 両者離れた。水島がローから距離を詰め、パンチ連打。右フック、ワンツーがヒット! ケージまで下がった増田に飛びヒザ! 増田は組みに行ったが、水島は切って離れた。
 アグレッシブに攻めて行く水島。増田はタックルでしのごうとするが、水島は切る。水島は引き込んでパウンドラッシュ! 増田は離れて立ち、ケージに詰めてヒジ。残りわずかで水島がタックルから尻もちをつかせ、パウンドを入れたところで終了。
 ジャッジは1名が10-9増田、2名が10-9水島。

 2R。水島がジャブ。増田がローから片足タックルへ。尻もちをつかせた。そのままケージへ押し込む。水島は立つが、増田はバックを取っており、ボディ、ヒザを入れる。水島もボデイを殴る。しかし、展開なくブレイクがかかった。
 また積極的に打撃を出していく水島。パンチの3連打をヒット。増田も右をヒット。前蹴り。間合いが近い。アッパーから左ストレートを打ち込む水島。増田は下がらず出ていく。大振りの右を出したが空振りに。増田は右ハイ、ジャブ。片足タックルに入りテイクダウン! 水島はケージ際で倒されたが、ケージを使ってすぐに立った。
 増田が離れると、水島は詰めていく。右アッパー、左パンチ、さらに右フックを振る。増田が右ハイを放ったところで終了。
 ジャッジは2名が10-9増田、1名が10-9水島。増田はやや疲れが見えるか。

 3R。お互いパンチ。増田が片足タックルからテイクダウン。しかし、水島はすぐに立つ。水島のワンツーがヒットし、増田が後方にダウン! しかし、すぐに起き上がりタックルに入る。しかし、水島はこれを切った。
 スタンドに戻ると。水島がパンチで出る。増田にケージを背負わせ、パンチを入れる。水島ジャブ、ロー、左ミドルと攻める。増田はタックルに入るが、切られてしまう。しかし、増田は再び片足タックル。水島はケージでこらえ、パンチを入れる。そのまま押し込んでヒザを打ち込むが、離れた。
 水島が蹴り。増田はパンチで出ると右がヒット! 水島もパンチ、左ミドル。お互い倒したい。増田もパンチを振るが、倒すには至らない。打ち合って終了。
 ジャッジは3名とも29-28、3-0で水島が勝利。
 荒削りだが、アグレッシブに攻めた水島が気持ちで勝った。

第3試合

 星野は今年のNBTでパンクラスデビュー。2回戦で敗退し、復帰戦に臨む。
 一方の関は今年4月大会でパンクラスデビュー。松岡拓に判定勝ちを収めている。

 1R。片足を取った星野がケージへ押してテイクダウン。関はガードポジション。星野がチョークにとらえると、関は足で防御、立ち上がった。星野は立ち際にヒザを入れタックルに入るが、切られた。
 星野が前蹴りを放つが、これがローブローになりタイムストップ。2分ほど中断して再開された。関が右ストレートをヒットさせる。星野はジャブから組んでケージへ押し込む。関はこらえて倒されない。
 関はパンチ、星野は前蹴り。星野は片足タックルにはいるが、関は切った。星野が再びタックル。関はこれをギロチンにとらえるも、外されて下になってしまう。
 星野はバックマウント。立ちそうな関。星野はおぶさったまま。関は前方に落とそうとするが、星野は落ちずバックをキープする。星野はバックマウント。関はカカト。終了。
 ジャッジは3名10-9星野。

 2R。お互いパンチ。関が組んでケージへ詰める。星野は片足を取る。関はこらえ、片手をつくと、星野が頭部に蹴り。関はパンチで出て星野をケージへ追い込み、左右のパンチを打ち込む。星野は防戦一方に。
 星野はケージ際を回る。関は星野を追ってパンチを打つ。関はタックルにはいると、星野の首をギロチンにとらえて引き込む。そのまま後方に回転し、マウントで絞めると、がっちり入りって星野がタップ!

第4試合

 貫井は今年2月にNBTエントリーでパンクラスデビュー。過去には他団体で6勝6敗4分というキャリアを持つ。
 大谷は2018年より参戦。2021年までの7戦しているが、その後パンクラスマットを離れていた。今回は4年3ヶ月ぶりに復帰する。

 1R。貫井が距離を詰め、ケージに押し込む。しかし、大谷が組んでテイクダウン! ボディとヒジくぉ入れながらサイドへ移行。貫井はブリッジで返そうとするが、大谷に潰される。
 立ち上がりたい貫井。しかし大谷は押さえ込んで立たせない。ヒジを打ちながらハーフマウントへ。そのまま大谷が上をキープして終了。
 ジャッジは3名とも10-9大谷。

 2R。タックルに入ろうとした貫井に、大谷のヒザがヒットし貫井がダウン! 大谷がデビュー7年で初のKO勝利!

第5試合

※試合中止

第6試合

 7月の『PANCRASE 355』で組まれていたが、山口の負傷により中止となったカードが再び組まれた。
 松井は高校時代、ボクシングで国体3位の実績を持つ。パンクラス参戦当初はフライ級で闘っていたが、昨年11月、バンタム級に階級を変更。矢澤諒に秒殺KO勝利を収めている。バンタムでの感触を確かめたが、今年3月、井村塁戦では井村塁に一本負けを喫している。
 山口は昨年のNBTで優勝、さらにMVPを獲得した。今年の4月には平岡将英を完封、判定勝ちし4連勝中と波に乗る。
 打撃の松井と、グラウンドの山口。両者激しくぶつかる一戦。

 1R。山口が片足タックルからケージへ押し込む。松井はこらえて倒れない。山口は粘り強く攻める。バックに回りケージへ。殴る。さらに松井の片足を取るが、これは外した。
 松井が投げるが、山口はこらえてケージへ押し込む。山口は離れたが、片足を取りに行く。離れた松井だが、山口は間を置かずすぐに片足タックルへ。松井は立つ。左右パンチを振る山口。さらに投げてテイクダウン! 殴る。離れたい松井。山口は逃がさずボディを殴る。
 離れて、松井がパンチを振る。かわした山口が組んでバックを奪いケージへ。お互い殴る。松井はローを入れるが、山口がキープして終了。
 ジャッジは3名とも10-9山口。

 2R。山口がリズムを取り、パンチから組む。松井は入れ替えてヒザ連打。ケージへ押し込む。いったん離れる松井、山口が片足をつかむが、松井がケージで押し込んだ。松井がヒザ連打。離れた山口に松井が蹴り。
 プレッシャーをかける山口。左パンチがヒット、松井がダウン! しかし、すぐに立った。山口はパンチでケージへ追い込んで行く。左右パンチから片足をつかみ引くが、松井は外した。
 山口がケージへ押し込みヒザを打ち込むと、これがローブローとなりタイムストップ。3分ほどインターバルをはさみ再開。
 パンチを振る松井。山口はこれをかわして組んだ。しかしケージへ押し込んだのは松井。ヒザを打ち込む。しかし、山口がケージへ押して殴る。
 残り1分。山口がケージ際でヒジ連打! 松井は脱出するが、やマグとは再びケージへ追い込んで殴る。松井も細かく殴って終了。
 ジャッジは3名ともに10-9山口。松井には疲れが見える。

 3R。松井が左右ジャブ。山口はすぐに距離を詰めてタックルへ。松井アッパー。しかし、山口すぐに組んでケージに押し込んだ。離れた松井はパンチを振る。
 バックに回った山口はケージへ押し込んでいく。抜けたい松井。山口はバックを取ったまま反対側のケージへ。松井はヒザを打ち込み離れる。パンチを振る松井。山口はこれをかわしてタックルにはいるが、切られてしまう。
 右パンチを打ち込む松井。山口はタックルに入るが、また切られた。山口またタックル。切ったタイミングでまたタックル。さらに切られたが、左パンチを打ち込んでタックルへ。松井は受け止めてケージに押し込んだ。ヒザを打ち込んで離れる。
 山口がバックハンドからケージへ押し込む。松井はボディを殴る。さらに押し込む山口。松井はボディを殴る。山口は一瞬離れて右パンチを入れる。松井は引き剥がして離れるが、山口は追いかけてタックルへ。松井に切られると引き込んだ。上になった松井に最大のチャンスが。逆転を狙い、パウンドとヒジを連打!
 残り1分。山口も下から殴り返している。パウンドを入れる松井。残りわずかでKOできるか。殴り続けたが、終了となった。
 ジャッジは3名yとも29-28、3-0で山口が判定勝利。

 勝ち名乗りを受ける山口は、左目の下が大きく腫れていた。しかし、晴れやかな表情。アマチュアで輝かしい実績を残し。鳴り物入りでパンクラスに参戦。これまでの6戦も判定。実力は見せながらも、どこかスッキリしない試合もあった。しかし、今回はこれまでで一番、気持ちの伝わる熱い試合だった。ハイペースの攻めも素晴らしかった。今後の課題はスタミナか。

【山口 試合後コメント】
――IMMAF強いですね。
山口「僕は2〜3年前からずっと言ってたんですけどね。アマチュアを舐めてたらダメだぞと。みんな、もっとやらないと」

――今のお気持ちを聞かせてください。
山口「まず、松井選手。みんなからも若手同士の潰し合いって言われたりとか、お互い多分、誰もやりたがらないような者同士の試合だったと思うんですけど。ちょっと他団体にはなっちゃうんですが、僕のコーチの春日井たけしさんが自分の名前で復帰して、怖いものに立ち向かうんだってやってるのにすごく勇気をもらって、僕もこういう潰し合いをやっていかないと、この先のステージとか言ってられないなと思ったんで、今回は自分も、恐怖だったりとか、キツイことを乗り越えるっていうのがテーマでした」

――まさにそれを感じさせる試合展開でした。開始と同時にタックルに入って、ケージレスリングに持ち込んでという展開でしたけど、作戦通りでしたか?
山口「そうですね。前戦は、みんなに圧勝したって言われるんですけど、ぶっちゃけ自分自身では80点くらいで勝ったなと思ってて。で、今回のテーマは、自分が120%出して、それでも相手が強かったら、もう散ってもいいと思って。3Rはちょっとバテちゃったんですけど、最初からそう思って行きました」

――今回120%出し切れましたか。
山口「はい。今の僕の実力はあれです」

――前回は80点と言っていましたが、今回は何点くらいですか?
山口「うーん、最初の流は100点、120点に近いパフォーマンスだったのかなって思うんですけど、やっぱり相手のディフェンスが上手かったりとか、自分がテイクダウンできなかったっていうところで徐々に削れて行って、3Rはまあこのまま行けば判定で勝てるっていう弱いところが出たんですけど。僕が感じている課題っていうのはそこって言うよりも、もう少し組みのところにこだわらずに打撃戦も混ぜたりとかすれば、もっと商務も少なくできたのかたって言うのは、技術的な反省でもあります」

――でも、相手が得意なパンチを完全に出させない闘いでした。その中でも、離れ側に自分からパンチを出して組むみたいなのを繰り返して、果敢に前に前に出ていく感じ。その中で一発フラッシュ気味のダウンがあって、あんまりダメージはなかったかも知れませんが、パンチでダウンを取りました。あの辺は得意なんでしょうか。
山口「あれはずっと練習してました。僕の練習相手に聞いてもらえばわかると思うんですけど。これは僕の造語なんですけど『一生、俺のターン』というつもりで、壁に貼り付けて殴ってもう一回下に入ってっていうのを延々とやって来たんで、ああいう形でやりました。近距離のボクシングっていうのを、タイガームエタイにフーリーっていうメキシカンのコーチがいるんですけど、インファイトのボクシングっていうのは僕の得意とするところなんで、ケージを背負わせたところでのボクシングっていうのは僕も自信があったんで、それと、僕が得意なケージレスリングを混ぜて、っていうところをぶつけました。

――そういうことなんですね。タックルで距離をゼロにして、空間が空いたところで近距離ボクシング。いいマッチングですよね。
山口「ありがとうございます」

――勝ちましたが、顔にけっこうダメージがありますね。最後にインサイドでパウンドとエルボーでのダメージですか。
山口「うーん、効くっていう感じではなかったんですけど、あの場のノリと最後しがみついたら勝てるっていうので、ちょっともらい続けちゃったカナ、はあるんですけど、思ったよりは見た目だけのダメージかなっていうのは思います」

――ハキハキ答えてくださってますしね。深刻なダメージはなさそうですね。
山口「はい(笑)」

――さて、今後の展望を聞かせてください。
山口「はい。さっき裏でも話してたんですけど、今回ランキング5位を倒して、去年はコンスタントに試合を続けてNBTで優勝、MVPを獲って、さらに遡ると僕はアマチュアのMMAでも世界大会で銀メダルを獲ったりとか、もう実績も充分ですし5連勝だから、次はタイトルマッチでお願いします」

――期待したいですね。ありがとうございました。
山口「ありがとうございました」

第7試合

 7位の遠藤は2021年より参戦中。コンスタントに試合を行い、ランカーたちと激闘を繰り広げてきた。直近の試合は、6月のRIZIN海道大会。ザーシバーディンを流血に追い込み、今回、見事に凱旋を果たした。
 一方のラジャボフは、昨年7月に初参戦。当時5連勝中だった髙城光弘に一本勝ち。同年12月、田嶋椋との一戦が予定されていたが、体重オーバーにより試合中止となってしまった。今回はフェザー級に上げて遠藤に挑む。

 1R。遠藤が前蹴り。ラジャボフはプレッシャーをかけパンチを振る。遠藤は距離を保っている。遠藤はフェイントをかける。
 ラジャボフがワンツーを打ち込むと、遠藤は圧でケージ際まで下がってしまう。ラジャボフが左ハイを蹴るが、遠藤はこれをブロック。
 ラジャボフはパンチ、ヒジで襲いかかる。遠藤は片足タックルでしのごうとする。遠藤がケージに押し込んだが、ラジャボフは入れ替えてヒジ。遠藤はタックルで飛び込むが、切られ、ヒザをもらってしまう。下がったところにラジャボフ
がハイキック。
 遠藤は再びタックルに入るが、ラジャボフはがぶってパンチを打ち込む。ケージに押し込む遠藤。しかし、ラジャボフはパンチを入れる。さらに入れ替えてヒザ!
 なんとか組んでしのごうとする遠藤だが、またラジャボフのヒザが入る。さらにヒジ! そしてヒザがヒット! 崩れ落ちる遠藤。ラジャボフが追撃の蹴りを入れると、レフェリーが止めた。

【ラジャボフ ケージ上コメント】
「トーキョー! コンニチハ! 皆さん、試合を見に来てくれてありがとうございます。日本に来てとても嬉しくて、それから、みんなチームの人谷にはすごく感謝しています。特に勝ったのは兄ちゃんのおかげなので、皆さんありがとうございます。皆さん、パンクラス、ありがとうございます。アリガトウ! トーキョー、ジャパン!」

【ラジャボフ 試合後コメント】
――見事なKO勝利めでとうございます。
ラジャボフ「ありがとうございます」

――今のお気持ちを聞かせてください。
ラジャボフ「それは私の仕事なので。本当は2Rで勝つかなと思っていましたが、こんなに早く勝てるとは自分でも思いませんでした。相手はとても強い選手なので、本当に仕事がうまく行きました」

――日本での2戦目ですが、少しは日本に慣れましたか?
ラジャボフ「日本は3回目で、とても気に入っています。いろんなところにも行ったりして、食べ物も食べたり、ホテルの近くのエリアを散歩したり、迷子にならなくなりました」

――では、試合前のコンディションはバッチリでしたか。
ラジャボフ「試合は初めてではないので、自分の身体のことは全部わかっていますし、心の準備しかしていません。身体の準備は何年もしていることなので、心の準備は試合前にバッチリしました」

――最後、フィニッシュのヒザ、それからその前のエルボーも効いていたと思いますが、得意なところですか。
ラジャボフ「今回の試合は、身長が同じくらいではなく、私より身長が低い人が相手だったので、練習はしたことがありますが、試合の中でヒジやヒザを使ったのは初めてです。今まで、普通のパンチやキックはしたことがありますが、ヒザとひじは初めてです」

――まるでいつも使っているようなテクニックに見えました。
ラジャボフ「練習は本当にたくさんしていました。でも、試合の中では初めてです。練習の時も、何度も磨いて磨いて磨いて、でも今まで使うチャンスがなくて、今回は試してうまく行って、すごく喜んでいます」

――6位の遠藤選手に勝ったということで、6位以上に入ると思いますが、今後もパンクラスに継続参戦したいと思っていますか?
ラジャボフ「まだプロとして試合に出るのは始まったばかりなので、もっとたくさん練習しなければならないですし、ヒジ、ヒザ、もっと磨かなければならないと思います」
通訳「彼はシャイなんです」

――そんな感じですね。試合を見ると荒らしい人のように見えますが。
ラジャボフ「試合に行く時は何も考えていないです。だから、周りはみんな緊張しているんですが、私は緊張していないです」

――大物ですね。
ラジャボフ「(照れ笑い)」
通訳「ほら、シャイでしょ(笑)」
ラジャボフ「スポーツだから、ケージの中では動物みたい。でも、ケージの外では普通にしないとだめです。静かで、あまり目立たないようにしないとだめです」

――ギャップが魅力ですね。
通訳「オンとオフの切り替えをしっかりしているようですね」
ラジャボフ「もしかしたら演技かもしれないですよ(笑)」

――では、最後にファンの皆さんにメッセージをお願いします。
ラジャボフ「日本人もすごく好きになって、何人か友達もできました。みんな応援してくれますし、ぜひ試合の時も、試合じゃない時も迂遠して欲しいです。お願いします」

――ありがとうございました。

(写真・文/佐佐木 澪)

  • はてなブックマークに追加
  • LINEでシェア

関連記事

サイト内検索

日別

2025年9月
« 8月    
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  

月別

ページ上部へ戻る