「情弱どもに見せつけてやる。これが令和の最新ヒールだ」“極悪女王”ダンプ松本の後継者・刀羅ナツコが尾崎魔弓に激勝!

6日、神奈川県・横浜武道館にてスターダム『ミツカン「鍋THE WORLD」presents STARDOM TO THE WORLD』が開催。刀羅ナツコが尾崎魔弓を一騎打ちで制した。
『極悪女王』は昨年9月にNetflixで世界独占配信されたドラマであり、80年代にカリスマ的人気で女子プロレス旋風を巻き起こした伝説のヒールレスラー【極悪女王】ダンプ松本の知られざる物語を描く半自伝的ドラマ。このドラマは世間に響いて大ヒットし、ダンプ松本という女子プロレスラーが世間に再評価されただけではなく“ヒール”という存在についての理解度も上がったと言える。
プロレス界でも引っ張りだことなったダンプはスターダムにも参戦し、元々ダンプに憧れていたH.A.T.E.(ヘイト)リーダーの“悪の首魁”刀羅ナツコ(とうらなつこ)と邂逅。
極悪同盟と大江戸隊(現:H.A.T.E.)のタッグが実現した際にはナツコは「プロレスやってて、本当に初めて心から続けててよかった」と感涙。ダンプも「こういう後輩ができてすごく嬉しい」と喜び、極悪同盟興行にも呼んで後継者として育てている。
そして昨年10月にはダンプが「俺はナツコを応援してんだよ。ナツコを昔の俺みたいにしたいんだ。ナツコが有名人になるまで、知名度が上がるまで俺はずっと応援する」とナツコを後継者として指名。ナツコはこれからの“女子プロレス”という文化そのものを背負っていく存在となった。
しかし、伝説的ヒールといえばダンプ松本だけではない。尾崎魔弓という美しき悪魔が今もなお女子プロレス界に君臨し続けている。
尾崎は1986年のデビュー最初期から今日に至るまでヒールを貫いており、2023年8月には22年半ぶりにAAAWシングル王座を巻くなどその実力は健在。牧歌的な試合をする大御所も多い中、尾崎は未だに20代のトップ選手ともバチバチやり合うハードコアクイーンとして暴れまわっており、現在進行系で強さ怖さをプロレス界に刻み込んでいる。
今大会では、ナツコと尾崎のシングルマッチが実施。
2人の因縁は、先月17日のOZアカデミー後楽園ホール大会に遡る。安納サオリvs翔vs尾崎魔弓の3WAYマッチにて行われたOZアカデミー認定無差別級王座戦にナツコ率いるH.A.T.E.の面々が乱入し、試合はノーコンテストに。ナツコは「女子プロレス界にはびこる辛気くせー悪の怠慢を一掃。世直しだ。今のヒールはH.A.T.E.だけでいいんだよ。時代に取り残された哀れな代表者、それが尾崎魔弓」と真っ向から宣戦布告。尾崎もこれを受けて立つ姿勢を見せ、悪vs悪の頂上決戦が行われることとなった。
尾崎は戦前の宣言通り、正危軍の仲間を連れず1人で登場。対するナツコはこの日のH.A.T.E.フルメンバーを引き連れて入場。

ゴングを待たずに尾崎がチェーンで殴りかかるが、ナツコは表情一つ変えずに回避。すると尾崎はナツコの得物である鉄パイプを投げ渡し、ともに凶器を手にした状態でゴングが鳴る。
尾崎がチェーンで鉄パイプを弾き飛ばし、チェーン裏拳連打から首にチェーンを巻き付けた状態で場外に放り出して絞首刑に。尾崎は不敵な笑みを浮かべながらナツコを場外で引き回し、ナツコの顔を踏みつけながら妖艶に笑ってブーイングを煽りに煽る。
なすすべなしのナツコであったが持ち味のパワーファイトで逆転の糸口を掴み、ガッチリ乗っかるセントーンで圧殺。H.A.T.E.のセコンド陣も介入して尾崎を袋叩きにして行くが、さして効いた様子も見せない尾崎が裏拳やランニング・ネックブリーカー・ドロップ、さらには赤い毒霧も噴射して次々に撃退。
尾崎はチェーン裏拳からのオザキックで決めにかかるが、またもセコンド陣が総動員でナツコを救出。そんな中で尾崎がテキーラ・サンライズを決めるが、H.A.T.E.の妨害でレフェリーのカウントが遅れたため返されてしまう。

ここで初めて顔色を変えた尾崎はセコンド陣をチェーン攻撃で排除してから改めてナツコを仕留めにかかるが、ナツコが青い毒霧を噴射して視界を塞ぎ、奪ったチェーンを腕に巻き付けてのラリアットからデスバレーボム。さらに桃のバット攻撃と合わせたデスバレーボムで尾崎から3カウントを奪った。
ナツコは「このババア、随分大人げねーんだよなぁ!1人で乗り込んでくる?H.A.T.E.がいるスターダムに?そんなんじゃカッコつかねえよ。なにベビーみたいなこと言っちゃってんだよ!尾崎、これで分かっただろ?もうお前の時代じゃないのぉ~!認める気になったか?そら、言ってみろよ。今は誰の時代だ?」と語り、大の字に倒れたままの尾崎の口元にマイクを突きつける。
尾崎が「今誰の時代?尾崎魔弓様様様の時代だよ!」と吼えると、ナツコがセントーンで追撃し「口だけご立派だな!さすがババアだ!無駄に歳取っただけあるわ!」と罵倒。激怒の声を上げるOZアカデミーのファンに対しては「うるせぇ!黙って聞いてろ。テメーOZにいた奴だな。覚えてるぞ、情弱!情弱!」と煽り返す余裕も見せた。
しかし、ナツコは「尾崎、私はすぅ~ごく粘着質なんだよ。お前のそのきたねー口から“刀羅ナツコ”の名前が出るまで、テメーのこと、ず~~~っと追いかけ続けてやるよ!」と今後も尾崎を付け狙っていくことを宣言。単純な1回の勝ち負けでヒールとしての器を測らない意志を見せた。

バックステージに戻ったナツコは「あんだけ啖呵切って『1人で乗り込んでやる』とか言っといて。いいか?ヒールにはな、別にルールなんてねーんだよ。勝った負けた、それだけだろーがよ。アイツは1人で乗り込んだ時点で私に勝てる兆しは1ミリもねーんだよ。OZアカデミー、客何人入ってんの?あんなショッパイ団体。あんなのが一番上だったら、さっきリングの周りにいた情弱しか入んないんだろうね。だから情弱どもに見せつけてやるよ。一番最新のアップデートされた、これが令和のヒールってやつだ。時代に置いてけぼりにされてるジジイやババアどもは喜ばないかもしんないけどぉ~?」と笑う。

一方、尾崎は「正危軍とやり口が似てるかな。1vs1で来いとも言えないし。今日の試合もみんな出てくると思ってたから。それは分かりきったこと。刀羅は調子に乗ってるよね。私に火を点けたな。これから見もの」と不敵に微笑む。
そして、自団体の後楽園ホール大会での王座戦をブチ壊しにされた怒りをスターダムの岡田社長へと向け「社長として責任取って明日OZのファンに謝りに来て欲しい。それは礼儀じゃない?社長として当たり前でしょ?」とド正論を吐いて翌7日のOZアカデミー新宿FACEへの来場を要求。また岡田社長がひどい目に遭ってしまうのか心配の声が集まる。

なお、敗れて退場していく尾崎を安納サオリが退場口付近でじっと見つめており、2人は一瞬だけ目が合った。見つめ続ける安納に対し、尾崎はそれを無視して去っていった。OZアカデミーで愛憎あふれる因縁戦を展開している2人の関係に、スターダムマットでも進展は訪れるか。