“マルタ共和国の力道山”ギアニー・ヴァレッタがKING OF GATE優勝!祖国にプロレス文化を広めるべく夢の扉に手を伸ばす!
- 2025-12-4
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- DRAGON GATE

3日、東京都・後楽園ホールにてDRAGON GATE『KING OF GATE 2025 ―最終戦―』が開催。“マルタの力道山”ギアニー・ヴァレッタがKING OF GATE初優勝を果たした。
毎年恒例となっているDRAGON GATEのシングルNo.1決定戦『KING OF GATE(以下KOG)』が11月6日の後楽園ホール大会より開幕。今年は32選手が参加し、全国を巡業しながら14大会に渡って開催。聖地に帰還した今大会で準決勝戦および優勝決定戦が行われる。
準決勝に駒を進めたのは、Riiita、ギアニー・ヴァレッタ、吉岡勇紀、ISHINの4名。
第1試合では、ツインゲート王座を持つRiiita、先月末に返上こそしたもののトライアングルゲート王者として無敗であったギアニーが激突。
Riiitaは身長156cmとドラゲー内でも小柄なのに対し、ギアニーは192cmの大巨人。Riiitaは身長差36cmという絶望を乗り越えられるのか、そしてギアニーが祖国に錦を飾るべく栄冠を掴みにいけるのかに注目が集まった試合。

Riiitaは身長差が関係ないティヘラで先制攻撃をかまし、ノータッチ・トルニージョ、変形ブエロ・デ・アギラを連続で放つ空中殺法で猛攻。
しかし、ギアニーにはまったく効いていない様子。むしろ怒りでパワーを増したギアニーが殴る・蹴る・噛みつくといった原始的な打撃やラリアットの連打と一気に逆転。
苦戦を強いられたRiiitaは丸め込みで粘ってコカレロ・ショットで活路を開こうとするが、ギアニーがトップロープ越しの投げっぱなしパワーボムで場外に叩きつけるというあまりにも非道な一撃。Riiitaもアイアンクロー・スラムを変形カナディアン・デストロイヤーで切り返すなど最後まで抵抗を見せるも、ギアニーがラリアット2連打からアイアンクロー・スラム。最後はキングコング・ニードロップを決めて勝利。一足先に決勝戦への切符を手にする。
第2試合では、吉岡vsISHINの準決勝戦が実施。
吉岡は怪我による長期欠場に苦しみながらも復帰後は大活躍。同郷の先輩である新日本プロレスの棚橋弘至からは必殺技のハイフライフローおよび“エース”の称号を継承するなど大抜擢を受けており、ドラゲーの真のエースを目指すべく奮戦中。
一方、ISHINは維新力の次男として鳴り物入りでデビューしたものの、現在はその出自を誰も口にしなくなるほど1レスラーとして大成。デビュー時とは見違えるほど大きくなった身体を武器にしたパワーファイトやヒール殺法、そしてなによりキレッキレのマイクや試合中の口撃でファンの心までガッチリ掴んでいる愛され系ヒールとなっている。

2人の試合はまるで形稽古のように淀み無いグラウンドレスリングに始まるが、ISHINが自慢の口撃で吉岡を場外戦へと引き込んで痛めつける大暴れ。敢えて吉岡にエルボーを連打させたうえで張り手一発で吹き飛ばしたり、吉岡の攻撃をかわして自爆させたりと格の違いを見せつけるかのような闘いぶりを見せる。
吉岡も跳躍力を活かしたドロップキックやバトルフックで逆転の糸口を掴み、ISHINのレフェリーを使った撹乱からの急所蹴りもかわして追撃のバトルフック。さらにフィッシャマン・ドライバーからハイフライフローを発射。しかし、ISHINはこれを被弾しながらも強引に首固めで捕らえて3カウント。
中盤までは互角、終盤は吉岡優勢にも見えた試合であったが、終わってみればISHINはフィニッシャー級の技を1つも出さず、吉岡にはハイフライフローまで出させて勝つという完勝の形で決勝戦に駒を進めた。
メインイベントでは、ギアニーとISHINによるKOG優勝決定戦が実施。
ギアニーはISHINが属する極悪ヒールユニット【我蛇髑髏(がじゃどくろ)】の前身ユニットから離脱する形でシュン・スカイウォーカー率いる【PSYPATRA(さいぱとら)】へと加入。我蛇髑髏と敵対する立場となって抗争を展開してきた。
11月の大阪大会で行われたトライアングルゲート王座戦では、ギアニーがISHINから3カウントを奪う形で王座が移動。トライアングルゲート戦線での因縁戦がKOG決勝戦で実現した。
ギアニーがリングインするなりISHINがショルダータックルで幾度もぶつかっていくが、ギアニーは倒れず耐えたうえでショルダータックル一発で吹っ飛ばし、アイアンクロー・スラムからキングコング・ニードロップを発射するという速攻を狙う。ISHINはギリギリで場外に逃れるが、ギアニーがエプロンからのプランチャで即座に追撃。四方の観客席へ叩き込みながら大暴れしISHINを休ませない。


場外カウント19でリングに戻ったISHINを襲ったのは、絶対に離すまいというギアニーの執念を感じるスリーパーホールド地獄。さらにブレーンバスターを狙うが、ISHINがブレーンバスターで返してドロップキックで場外へ叩き出してからセカンドロープ上を抜けるトペ・コンヒーロ。これで逆転したISHINはダイビング・フットスタンプからフロッグ・スプラッシュ。それでも起き上がってくるギアニーに張り手を猛連打し、顔面へ黒い毒霧を噴射しラリアットで叩き伏せる。
再びコーナーに上がるISHINだったが、ギアニーが雪崩式ブレーンバスターで切り返してタイガー・ドライバー。ISHINも2で返してジャーマン・スープレックスを決める意地を見せるが、ラリアットを狙ったところにギアニーのカウンターラリアットを被弾。

ギアニーはアイアンクロー・スラムからキングコング・ニードロップ、最後はスーパーキングコング・ニードロップEX(※ダイビング・ニードロップ)で3カウントを奪った。

試合後、ギアニーは現ドリームゲート王者である菊田円をリングに呼び出して挑戦を表明。
菊田も「ギアニー・ヴァレッタ!ようやく来たかコラァ!お前を待っていたぞ!」と嬉しそうに叫びつつベルトを掲げて挑戦を承諾。これを受けて斎藤了GMが今年最後の後楽園ホール大会である12月16日に2人のドリームゲート戦実施を決定した。

ギアニーはマルタ共和国初のプロレス団体『プロレスリング・マルタ』を旗揚げし、故郷にプロレス文化を根付かせるために尽力してことから“マルタの力道山”の異名を持つ。
ギアニーはTAJIRIが世界を旅する中で発掘され、2018年に全日本プロレスに参戦するため初来日。192cm 110kgの体格にブルーザー・ブロディを思わせる風体、鎖を振り回して観客席までなだれ込んでの入場、制御不能で暴れ回るパワフルな猛獣ファイトで日本のプロレスファンの心を一気に掴んだ。
コロナ禍を挟んで数年日本のプロレス界からは姿を消していたが、2024年から再びTAJIRIが日本に招聘して再上陸。DRAGON GATEでヒールとして活躍するKAIが同団体に引き入れ、以後は定着。小柄な選手が多いDRAGON GATEに於いてギアニーの体格はひときわ光るものとなった。
ギアニーは団体で一番権威あるベルトを祖国に持ち帰ることができるのか。マルタのプロレス文化発展のために人生を捧げるギアニーの奮戦に期待したい。
















