渡辺未詩が決勝で遠藤有栖を破り、『東京プリンセスカップ』初制覇!9・20大田区でプリプリ王者・瑞希に挑戦へ

東京女子プロレスが8月23日、東京・後楽園ホールで夏のシングルトーナメント『東京プリンセスカップ』決勝戦を開催し、渡辺未詩が遠藤有栖を破り初制覇を果たした。渡辺は9月20日、東京・大田区総合体育館でのビッグマッチ『WRESTLE PRINCESS Ⅵ』で、プリンセス・オブ・プリンセス王者の瑞希に挑戦する。
渡辺は2022年以来、2度目の決勝進出。その際は坂崎ユカに敗れ、準Vに終わっている。かたや遠藤は“エース”の山下実優を下すなどの快進撃で初めて決勝に勝ち上がり、新世代による決勝戦となった。

前半はレスリングの攻防でしのぎを削った。渡辺がバックグリーカーを繰り出せば、遠藤は串刺し式ドロップキック。さらに遠藤がキャメルクラッチで締め上げると、立ち上がった渡辺は態勢を入れ替え、首を固定してジャイアントスイング。遠藤はドロップキックで場外に落とすと、エプロンで鶴ヶ城。遠藤は再びキャメルクラッチで絞り上げるも渡辺は耐えた。遠藤が必殺の什(じゅう)の掟を狙うも、踏ん張った渡辺はダルハンマー連打。エルボー相打ちから、渡辺はエルボー連打、ダブルハンマー。そして雪崩式アバランシュホールドもカウントは2。遠藤は水車落とし、スーパーキックから什の掟にいこうとするも、渡辺は回避して背中にチョップ。レーザービームからティアドロップでトドメを刺した。
渡辺は「優勝しました! トーナメントの決勝戦、3年前のあの夏以来、この場で勝つことができました。決勝戦の相手が有栖でよかったってすごく心の底から思っています。このトロフィーができた回に決勝戦で私はユカさんと戦って。そこから決勝戦、あの夏ってワードが…。あの試合中は楽しかったのに、なんか悔しさみたいなトラウマみたいなものがずっと残ってて。きっとこのトロフィーを触れることができたら、それがなくなるんじゃないかなって。本当の意味で強くなれるんじゃないかなって思っていたので、今さらにプリセンスの頂点で強くなれました」と歓喜のマイク。そして「私がこの夏、プリセンスの頂点に立ったということはもう一つ、この夏やりたいことがあります。瑞希さん出てきて下さい!」と呼び掛けた。
瑞希がリングインすると、渡辺は「私から言います。そのベルトに挑戦させて下さい!」と挑戦表明。瑞希は「とんでもない、実力も気持ちも強いプリセンスなんだなって、改めて思いました。そして改めてバケモノだなって思いました。でも、このベルトを未詩から獲ったときよりも、みんなと一緒に叶えたいこと、やりたいこと。もちろん未詩とも一緒に叶えたいことと、明確にハッキリ自分のなかで決まってて。プリセンスになりたいって思ってたけど、私がプリセンスやから、今ここにベルトがあるって思えるくらい、私は今意味分からんくらいプリセンスやで!」とキッパリ。渡辺は「瑞希さんはとって強くてプリチーで、すっごいプリセンスだなって思います。でも、この夏一番プリセンスは私で。結局、こうやってプリセンスとして返り咲いた私、きっとそんな私が持っていたときよりも、高まってるベルトの価値、追い越せると思ってます」と言い返した。瑞希は「どっちがこのベルトにふさわしいプリセンスなのか? 9月20日、大田区総合体育館でこのベルトを懸けて戦いましょう!」と受諾し握手を交わした。
バックステージで渡辺は「私がずっと忘れられない夏以来、ずっとどこかいつかこれ(トロフィー)に触れなきゃ、自分のなかで解決できないみたいな気持ちがずっとあって。夏が来る度にそれを思い出しながら戦ってて。やっと今年、こうやって優勝することができました。これで自分のなかで感じてるだけなんですけど…。すごくそれが大きな一歩として、ここからこれと歩む日々はすごく見える世界が変わっていくと思うし。ここからさらに今日挑戦表明もしたので、もっともっと強いプリンセスになれるように頑張ります」と優勝の喜びに浸りながらも、気を引き締めていた。
準優勝に終わった遠藤は「今年の遠藤有栖の夏はここで終わった。私、強くなったよね? 私は強くなった。だから絶対、来年は優勝する。応援してくれたみんな、家族、お父さん、ありがとう。今年はこれで終わったけど、また来年があるから見ててください」と話した。
渡辺の挑戦を受けることが決まった瑞希は「なんとなく未詩がまたプリンセスの称号を取りに来るのは感じてたというか。でも今日優勝してる姿を見て、実力だけじゃなくて心も強いんだなっていうのをすごく感じました。でも、やっぱりバケモノ…。プリンセスなことは認めますよ。バケモノのようなプリンセスだなって改めて思いました。未詩からベルト獲って、私はプリンセスなんだって言ってて。でも今はもう私がプリンセスだから、このベルトがここにあると思えるくらい。これから先、東京女子のみんなと応援してくださっている皆さんとやりたいこと、叶えていきたいことを、もちろん未詩と叶えていきたいことが明確に自分のなかであって。だから、負けたくないです。だから、この夏の大バケモノ・プリンセスと、このベルトを懸けて戦います」と語った。イッテンヨン(1月4日)、後楽園とは王者と挑戦者の立場が逆になっての再戦となるが、「あのときの苦しさとか、すごい体に染みついてるというか記憶にも残ってるから。絶対に苦しくなるんだろうなっていうのは感じるけど、あのときよりも未詩はもちろん私も強くなってると思うから。プリンセス・オブ・プリンセスらしい試合をしたいなと思います」と話した。
また、同団体では新たにリーダー制度を新設し、山下実優が初代リーダーに就任したことを発表。山下は「これからも1選手として戦っていきたいと思います。今までもこれからも東京女子の一人ひとりが輝いて、ここまで大きくなったと思います。さらに世間の皆さんに知っていただけるよう、みんなでいろんなことをやっていきたいと思います。そのためにリーダーとして必要なことをやっていきたい。私の人生を東京女子に懸ける覚悟はできてます」と決意表明。
なお、9・20大田区に元WWEスーパースターのプリシラ・ケリー(旧名=ジジ・ドリン)が出場することが決まった。2018年には当時プリプリ王者の山下と激闘を繰り広げた実力者で7年ぶりの参戦となる。