16歳MMAファイターが空前絶後の打ち合い制す!まぶたを腫らし「ストライカーでも組みでも勝てるレベルになってくる」

8日、大阪・176boxにて『BODYMAKER presentsGLADIATOR 031』が開催。第16試合ではルキヤと宮川日向が、仕切り直しの復帰戦に挑んだ。
2024年5月のプロデビュー戦から連戦連勝負け知らず、4月6日に行われたGLADIATOR 030にてプロデビューからわずか5戦目にしてメインイベンターに駆けあがるも、34歳ベテラン・神田T800周一(パラエストラ広島)に完敗した16歳のルキヤ(正道会館 大河道場)。同じく前回の大会で永留惇平(mma rangers gym)に判定負けした宮川日向(SMOKERGYM)は、GLADIATORバンタム級で研鑽を積んできた。バックボーンがキックボクシング同士のリスタートを賭けた闘いは、両者の試合前コメントからも凄まじい打ち合いになるであろう予兆はあった。
ルキヤが「相手選手はストライカーですが、打撃で上回りたいです」と臆面もなく宣戦布告し、対する宮川も「やっと思う存分打撃が出来ると思うので殴り合い出来るのを楽しみにしております」と、どちらも喧嘩上等の構えで迎えた試合当日。
1Rから白熱の攻防。出会いがしらの右ストレートを放ってルキヤを倒した宮川がパウンドラッシュでフィニッシュを狙うかと思いきや、強靭な腰を使って瞬間立ち上がったルキヤがすぐに上から宮川に拳を落とす。下から蹴り上げて立ち上がった宮川が強引に倒してサイドを取るとルキヤの脇腹へパンチ。熱狂の大声援飛び交う中で、瞬き許されぬ攻防が続く。
逆転の好機掴んでバックを取ったルキヤの拳が宮川の後頭部に入り試合が中断。イエローカードで-1ポイントのルキヤがバックスピンキックで魅せる。
2R、息上がる両者の魂に観客の声援が共鳴し、一体になったかの如く会場内の温度が明らかにヒートアップ。本能的に前進してきたルキヤの右がヒットし、ダウンした宮川にそのままパウンドラッシュ。ここでレフェリーが試合を止めた。

まぶたが腫れあがったルキヤは疲労困憊の様相。それでもマイクを握り「今回は組みをちゃんとしようと思ったんですが、練習不足で出来なかったんで。次戦までにストライカーでも組みでも勝てるレベルになってくるんで応援よろしくお願いします!」としっかり締めてふらつきながらケージを降りた。
歳を取ると人はペース配分を考えるようになる。明日動けなくなるといけないから自分自身にブレーキをかける。長いこと使ってきた体は、あちらこちら壊れかけているからというのもある。ずるくなり要領良く立ち回ることを覚えたからというのもある。
無限の可能性を秘めた若者の未来は老人が危惧するほど脆弱ではない。観客の声援に応えて命を削り、魂を燃やして興行を大いに盛り上げた彼らはプロのなかのプロだ。ケージの中でのルキヤは16歳の少年ではない。ひとりのプロ格闘家としてなすべきことをまっとうし、責任を果たしたルキヤと宮川にリスペクトを捧げたい。
『BODYMAKER presentsGLADIATOR 031』
日程:6月8日(日)
開始:13:00 ※オープニングファイト12:30
会場:大阪・176box
▼第16試合 GLADIATORバンタム級 5分3R
○ルキヤ(正道会館 大河道場)
2R 2分54秒 TKO※パウンド
●宮川日向(SMOKERGYM)