「死ぬまで私たちはプロレスラーだからな!」56日後に引退する高橋奈七永がかつての教え子たちに最後のパッション注入!

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 29日、東京都・後楽園ホールにて『アイスリボンマーチ2025』が開催。引退を控えた高橋奈七永が最後のアイスリボン参戦を終えた。

 奈七永は1996年に全日本女子プロレスでデビュー。“女子プロレス界の人間国宝”と呼ばれる大御所になった今でも若い選手たちに日本の女子プロレスの伝統を試合を通して伝え続けており、“パッション注入マッチ”と呼ばれるこの試合は女子プロ界の新たな伝統となりつつある。
 引退を見据えてマリーゴールド入団を決めたと語っていた奈七永であったが、マリーゴールド1周年となる2025年5月24日の代々木体育館大会での引退を表明。残り2ヶ月を切った引退ロードを全力で駆け抜けている。

 奈七永はアイスリボン旗揚げ戦にメインイベンターとして参戦し、フリーであった2009~2010年の2年間はレギュラー参戦。藤本つかさや星ハム子といった現在の重鎮選手たちの指導にも携わっていたアイスリボンの第二の母とも言え、その後も節目の大会には参戦してアイスの選手たちを見守ってきた。

 今回は奈七永が引退を前にかつてのホームに最後の参戦。試合は星ハム子&真琴&中森華子vs高橋奈七永&まなせゆうな&トトロさつきの6人タッグマッチで実施。
 特に奈七永との縁が深い藤本は現在選手としては欠場中だが、奈七永がアイスリボンに参戦していた際に着用していたコスチュームを着てスペシャルセコンドとして登場した。


 試合が始まる前から既に感極まって泣いているハム子と奈七永の対面でゴング。
 奈七永が「泣いてんじゃねーぞゴラァ!」と顔面をひっぱたくと、ハム子も戦闘モードに切り替えてエルボー猛連打からボディプレス。ハム子が「最後だから寝とけ!」と指示する中、真琴&中森とともにアイスリボントレイン。その後には敵味方全員が加わって組体操のように奈七永を固めながら全員で記念撮影を行う。
 【BIG☆DEKAI!!!】としてタッグを組むトトロ&まなせが得意のパワーファイトで露払いをすると、中盤には再び奈七永とハム子の対面に。

 ハム子が渾身のラリアットを連打していくも奈七永は倒れず、ビンタからの延髄斬り。奈七永がラリアットを狙ってロープに飛ぶが、なんと藤本が場外から足払いをかけてハム子をアシスト。まるで引退試合のごとく敵味方入り乱れたトレイン攻撃が行われていき、藤本も堂々とリングに上って串刺しドロップキックからのツカドーラを見舞う大暴れ。
 ブチ切れた奈七永が全員をラリアットでなぎ倒して制裁し、BIG☆DEKAI!!!が真琴を集中攻撃し合体パワーボム。ハム子&中森が全力でアシストする中、最後は真琴がトトロにバズソーキックからのオクラホマ・ロールを見舞って3カウントを奪った。

 試合後、マイクを取ったハム子が泣きじゃくりながら感謝の言葉を述べ、花束を贈呈。
 これを受けた奈七永は「アイスリボン創成期にすごくすごくたくさんの経験をさせてもらって、そのおかげで今があると思ってます。そのときにいた選手はわずかかもしれないけど、パッションの苗をアイスリボンに植えたから。その葉っぱを生やしていくのも花を咲かせていくのも自分次第だと思います。ハム子!お前が一番パッションってものがなんだか分かってるはずなんだけどなぁ?!試合すんだったらもっともっと強い気持ちでぶつかって来いよ!死ぬまで私たちはプロレスラーだからな!辞めてもプロレスラーだから。みんな魂をしっかり持って、これからの女子プロレス、大きく、大きく大きくしていってください!」と熱いメッセージで叱咤激励。最後は全員でパッションを叫びながら記念撮影を行った。


 そのまま全員でバックステージへ戻ると、奈七永が「最近関わりはなかったので、こうやって送り出してもらえるのは嬉しいっていうか申し訳ない気持ち」とあふれる感情を噛みしめる。
 さらに奈七永が「お前はなに?!セコンドで張り切って!私の昔のコスチュームなんですけど!(笑)」と突っ込むと、藤本は「奈七永からもらったやつで。全然着る機会がなくて、やっと今日着られたんですよ!似合ってますか?アイスリボンに参戦してくれてたときに着てたコスチュームで!これ、なんで私にくれたんですか?」と嬉しそうに問う。
 奈七永が「アイスリボンを背負ってねって(いう思いだよ)」と返すと、藤本は「練習が本当にキツくて試合がキツくて、西川口の道場に行くのが本能的にイヤで降りる駅を間違えたことがあるくらい本当にトラウマの存在でした。でも私はあの練習があったおかげで藤本つかさがいると思っているので。そこの部分“だけ”は感謝してます」と敢えてトゲのある言い回しで思い出を振り返って奈七永のツッコミを誘い、その場は大盛りあがり。
 リングの中でも外でも美味しいところは藤本つかさが全部持っていくといういつものアイスリボンの光景が広がった。

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