「世界中のレスラー!お前ら全部知った気になってんじゃねーぞ!」エル・リンダマンが未知のルールでAEWのリオ・ラッシュを制し初代G-RUSH王座戴冠!
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22日、東京都・後楽園ホールにて『GLEAT Ver.16』が開催。エル・リンダマンがリオ・ラッシュを制して初代G-RUSH王座戴冠を果たした。
GLEATは新興団体の強みを活かして実験的な試行錯誤を行っており、様々な仕掛けをプロレス界に送り出してきた団体。
今年1月には、7分1本勝負&2カウントフォール&2エスケープルールの『G-RUSHルール』を新設し、同ルールでのワンデートーナメントを開催。優勝者には特別な賞品が贈られることがアナウンスされていた。
エル・リンダマンが同トーナメントで優勝を果たすと、賞品の正体はリオ・ラッシュとの初代G-RUSH世界王者決定戦であったことが判明。GLEATにはプロレスのシングル王座のG-REX王座とタッグ王座のG-INFINITY王座に加え、LIDET UWF王座の3本のベルトが存在しているが、G-RUSH王座は新たな4本目のベルトが創設されることとなった。
リオはインディー団体を経てWWEに渡り、新日本プロレスへ上陸。IWGPジュニアヘビー級王座戦線に絡むなど最前線で活躍していたが、体調不良による欠場からフェードアウト。現在はAEW所属となり、GLEAT参戦で日本再上陸を果たすこととなった。
とにかくハイテンションなリオは、リングでリンダマンと向かい合うなり超早口の英語でひたすらに話しかける。世界を知るリンダマンだが、このテンションには付いて行けなかったのか「日本語で喋ってくれよ……」と困惑一色の様子。
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試合が始まるなりスピーディな丸め込みの応酬やハイテンポな打撃合戦が展開されていき、リンダマンがノータッチ・トペ・コンヒーロで先制。リオもとんでもないスピードで突っ込むトペ・スイシーダで即座に反撃していき、開始1分で場内は大熱狂。
勢いに乗ってガンガン攻めていくリオだったが、リンダマンはターンバックル・エクスプロイダーで流れを変えてラリアット合戦でも勝利。熊殺し、雪崩式腕十字、ジャーマン・スープレックス・ホールドと畳み掛けていくが、リンダマンが必殺のタイガー・スープレックス・ホールドを狙ったところをリオがラッシュアワー(※変形オスカッター)で切り返す。
リオはファイナルアワー(※フロッグ・スプラッシュ)を放って試合を決めにかかるが、リンダマンが剣山で迎撃。丸め込みで粘ろうとするリオをタイガー・スープレックス・ホールドで叩きつけてリンダマンが2カウント奪取。6分48秒の試合とは思えない濃密な内容となった。
試合後、リンダマンが握手を求めると、リオは人差し指を立てて再戦を求めながらもニヤリと笑って握手に応じる。その後はリンダマンがリオの手を掲げて健闘を称え合い、クリーンな空気の中で試合は幕を閉じた。
バックステージに戻ったリンダマンは「このルールでやってる奴は他にいねーんだから“世界王座”は言いすぎだろ」と自嘲しつつも「世界を知ってるエル・リンダマンが獲ったんだから箔が付いたもんだろ。リオ・ラッシュも世界中回って世界全部知ってるレスラーだよ。だけどリオ・ラッシュはこのG-RUSHのルールだけは初体験だったみたいだからな。いいか、世界中のレスラー!お前ら全部知った気になってんじゃねーぞ!このGLEATにはお前らの知らない世界、もっと面白い世界を俺たちが創り上げていくんだからな!」と啖呵を切る。
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対するリオは「彼の力は認めざるを得ないが、2位になるのは好きじゃない。こんなルールは俺の国ではやったことが無かったし、彼をどこか過小評価していたことが敗因かもしれないな。ただ、俺がGLEATに来るのはこれが最後じゃない。俺は諦めが悪い男なんだ。すぐにまた日本のファンと会う機会があるだろう」と再登場を予告した。