「俺は死ぬまでプロレスラー!」20周年を迎えた“ターザン後藤の後継者”ガッツ石島が至宝奪還を果たしインディー統一に向け驀進!
28日、東京都・後楽園ホールにて『TTT旗揚げ5周年記念スペシャル&ガッツ石島デビュー20周年大会』が開催。ガッツ石島が自団体の至宝奪還を果たした。
TTTプロレスリングは、故・ターザン後藤さんが掲げた“インディー統一”の遺志を受け継ぐガッツ石島が旗揚げした団体。90年代インディーの空気を色濃く残したディープなメンバーが参戦しており、令和最新型の“平成”を創り上げている。
2020年1月に旗揚げしたTTTは旗揚げ直後にコロナ禍に見舞われ、いきなり興行が出来なくなり解散の危機に瀕するという波乱の立ち上がりを見せる。
しかし、TTTは同じくコロナ禍にあえぐ地元商店街とタッグを結成し、商店街振興のためのプロレスイベントを継続的に行うといった草の根運動で支持を拡大。この活動は行政にも認められ、東京都の商店街振興事業の一環として多数の商店街と合同で行われるようになるなど社会から高く評価されている。
波乱万丈の5年間を経て、TTTは今大会で初の後楽園ホール進出を果たした。
メインイベントでは、藤田ミノルの持つTTT認定無差別級王座にガッツ石島が挑戦。
ガッツ石島は、学生プロレスを経て2004年12月に自らの団体『ガッツワールド』を旗揚げすることでプロデビュー。故・ターザン後藤さんから学生時代に指導を受け、プロデビュー後はミスター雁之助に師事してきた黎明期インディープロレスの後継者的存在だ。
既存の団体で下積みを経験せずに裸一貫でプロの世界に飛び込んだガッツだったが、その行動力と人望でインディー界隈で確固たる地位を築いて20年もの間この魔窟の最前線で闘い続けてきた。
自身の団体で過去3度後楽園ホール大会を開催してきたガッツだが、これが初のメインイベントであり、しかもシングル王座戦ということで気迫をみなぎらせていた。
藤田ミノルは現在インディープロレス界を荒らし回るベルトハンターとして大活躍しており、8月大会でインディー統一無差別級王座戴冠を果たしたことでユニオンMAX王座とのシングル二冠王に。TTTでは観衆の洗脳活動を主とする奇行系ヒールユニット【ゴキブリ商会】の一員として暴れている。
かつてターザン後藤さんが掲げた“インディー統一”の夢を叶えるべく旗揚げされたTTTにとって、先にその夢を達成しかねない藤田は真っ先に潰さねばならないターゲットだ。
試合は、序盤からゴキブリ商会と正規軍のセコンド同士の乱闘が発生する荒れた立ち上がりに。
ガッツはプランチャを見舞って場外の敵味方全員を圧殺する豪快な逆転劇を見せ、巨体を活かしたパワーファイトで圧倒。藤田もセコンドを使った集団戦法、イスやギプスを使った凶器攻撃などインサイドワークで最後までガッツを苦しめるが、ガッツは渾身のラリアットで突破。最後はこだわりのフェイスバスターを決めて3カウントを奪った。
約1年5ヶ月ぶりの至宝戴冠を果たしたガッツは「今日は20周年の試合でしたが、プロレスを20年間してきて、一番最高の日です!ここにいる仲間たち、そして関係者の方々、そしてお客さんがいる限り、俺は死ぬまでプロレスラーだァ~~ッッ!!」と万感の思いを込めて絶叫。
そして、約1年後となる2026年1月9日に2度目の後楽園ホール大会を開催することを宣言すると、観衆は大歓声でこれを祝福。大会は大団円の内に終わった。