「自分の気持ちに嘘をつかないでぶつかれるのがプロレス」亡き盟友の遺志を継ぐ元アクトレスガールズがプロレスラーデビュー!

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 24日、東京都・後楽園ホールにて『Marigold Fantastic Adventure 2024』が開催。山田奈保が待望のデビューを果たした。

 かつて、アクトレスガールズには【てっぺん☆】というユニットが存在した。
 今年2月に不慮の事故で亡くなった朝陽さんを中心に松井珠紗、山田奈保、CatMASK calicoを加えた4人で活動していたが、朝陽さんがこの世を去ったことで状況は一変。
 「てっぺん獲らないと朝陽に報いることができない」と決意を語っていた松井はマリーゴールドへ移籍。calicoも後を追うようにアクトレスを退団して姿を消してしまう。
 最後に残った山田は「私にはてっぺん☆で得た夢があるんだ。私がいる限り終わらせやしませんよ!」と1人でてっぺん☆を守る決意を語っていたが、今年6月末に山田もアクトレスを退団。てっぺん☆は完全に消滅してしまった。

 その後、マリーゴールドの会場で練習生としてセコンド等の業務に就く山田の姿が見られるようになる。しかし山田の入団は正式にはアナウンスされていなかったため、アクトレス時代から彼女を知るファンは山田の去就を温かく見守っていた。
 そんな中、今月19日には山田が非公開のプロテストに合格。同月23日の後楽園ホール大会で正式にデビューが決まったことが発表され、満面の笑みで天を指差すてっぺん☆のポーズを取ることでマリーゴールドの“てっぺん”を掴む覚悟を示した。

 山田のデビュー戦は、松井珠紗とのシングルマッチ。
 山田はかつてのトレードマークであった拡声器ではなくマイクを手に現れ、オリジナル曲の『Kiseki』を熱唱しながら入場。


 試合が始まると、2人はかつて何千何万回と道場でやって来たであろう基礎に忠実なレスリングを見せていき、松井が「山田!デビューおめでとう!」と串刺しジャンピング・ニーを叩き込むことで流れを掴む。
 逆エビ固めなどの新人殺し技に苦戦する山田だったが、「ふざけんじゃねーぞ!」と強烈なエルボー連打から足4の字固め、フィギュアエイトで反撃。さらに「終わんねーぞ!」と着地狩りの低空ドロップキックからヘッドハンター、ペディグリーと連撃。ゆうゆうと両手を広げて待ち受ける松井にダイビング・フォアアームを叩き込み、ダイヤル固め。アクトレス時代からの山田の持ち技がさらにキレを増してフルコースに近い形で繰り出されていく。
 これらをすべて受け切った松井はカウンターのブサイク・ニーを叩き込み、ミサイルキックから必殺のMKD(※変形フィッシャーマン・ドライバー)で突き刺して3カウントを奪った。

 松井は山田に駆け寄って頭を撫で、二言三言言葉をかわす。最後は2人でしっかりと抱き合った。


 バックステージに戻った山田はボロボロの様子も、「私情を挟むんですけど、心がいっぱい過ぎて!すごい珠紗さんは私よりも一枚どころか一枚も二枚も上手でした!悔しい!もっともっと動けて、もっと力強い選手に私は絶対になりたいと思います!まだ私のプロレス道、こっから始まったばかりです!皆さんが後悔しないように私はこっから全力で歩ませていただきます!これからも山田奈保をお見逃し無く!ありがとうございました!」と晴れやかな表情で語る。

 プロレスラーになった理由にてっぺん☆の存在が大きかったかどうかを聞かれると「繋がってないと言えば嘘になります。憧れの松井珠紗さんもマリーゴールドにいらっしゃいますし、私自身もなにか新しいことを始める、プロレスを始めようってときに旗揚げ間もない女子プロレスを盛り上げていこうっていう団体が立ち上がったことで私の中の心と環境が一致して、私もここで頑張りたいと思って選びました」と複雑な表情でコメント。

 そして、「演劇とプロレスの両方を知った存在として違いはどこにあると思うか」と問われると「ホントに間違いないのは、自分の気持ちに嘘をつかないで真正面からぶつかれることです。芝居って役のフィルターがかかったり、どうしても自分じゃ出来ないような役が回ってきたときにどうしようって色々フィクションで、想像力でかきたたせて作り上げるのが演劇で、プロレスは自分自身等身大の気持ちで相手とどこまでぶつかり合えるかというところが大きな違いだなと思います」と真剣な表情で語った。

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