東日本大震災で幼少期に被災した女子プロレスラーが“諦めない心”を試合で伝える

11日、東京都・新宿FACEにてマリーゴールド『Marigold Spring Victory Series 2025』が開催。MIRAIが勇気みなみに試合を通して“諦めない心”を伝えた。
岩手県宮古市出身のMIRAIは、小学生のときに東日本大震災で被災した1人。
2012年5月に初代タイガーマスクが東日本大震災で被災した家族を大会に招待し、MIRAIはそこでプロレスを初観戦。MIRAIはこれをキッカケにプロレスラーを目指すようになり、初代タイガー&新間寿の後押しを受けて2019年5月に東京女子プロレスでデビュー。その後はスターダムへの所属を経てマリーゴールド旗揚げに参画。団体の中核をなす屈指の実力者となった。
2024年7月には宮古市観光親善大使に任命され、自らも初代タイガーのように子どもたちを導けるような“ちびっこたちのヒーロー”を目指している。
この日、MIRAIは勇気みなみとシングルマッチで対戦。
勇気は昨年8月にマリーゴールドで再デビューを果たしたばかりの新人であり、同年の新人王を受賞した期待の新星。MIRAIは勇気を一人前のプロレスラーに育てるべく、厳しい態度でこの試合に臨むことを語っていた。

試合が始まると勇気が勢いよく飛び出していってエルボーを連打も、MIRAIは真っ向からこれを受けきってボディスラム。さらにえげつない角度の逆エビ固めで捕らえ、勇気がロープに向けて伸ばした手も巻き込んで完全に封殺。
リング中央に引き戻された勇気は心が折れたか動きを止めてしまうが、MIRAIは「お前諦めんのかオイ!折れんなよ!」と鼓舞。これで息を吹き返した勇気が全身全霊のエルボーを連打していき、首極め腕卍や多彩な丸め込み技で最後まで貪欲に勝利を狙うガッツを見せる。
MIRAIは勇気の頑張りを評価してか、新人にはあまり出さない最上位技であるミラマーレ・ショック(※旋回式ハリケーン・ドライバー)を繰り出して3カウントを奪った。
試合後にはMIRAIが勇気に手を差し伸べてガッチリ握手。試合を通して“諦めない心”を伝えた。

試合を終えたMIRAIは「3月11日っていうこの大事な日に勇気みなみとシングルマッチを組まれて、最初はどうなるかなって思ってたんですけど、今はよかったなと自分は思ってます。早々に折れそうになってたけどさ、あのあとやられてもやられても立ち上がる気持ちを自分は感じたよ。お客さんはみんな勇気のことを応援してた。何度やられても立ち上がる勇気にお客さんもすごい乗ってたね。自分が伝えたいプロレスを勇気が見せてくれたんじゃないかと思います。勇気、まだまだだけど、その気持ちを持ってたから必ず上に行けるから。折れるな!」と勇気にエール。どんなに逆境に置かれても諦めずに立ち上がっていく心の大切さを伝えた。