胸を切り裂かれたチアガールレスラーが号泣ファイトも王座奪取ならず!「プロレスをやっている全ての人を尊敬しなきゃいけない」

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 3日、東京都・プリズムホールにてアイスリボン『プリズムホール大会2023 in 東京ドームシティ』が開催。星いぶきが芦田美歩に勝利してICE×∞王座の初防衛に成功した。

 アイスリボン最大のビッグマッチと銘打った今大会はクラウドファンディングでファンに資金を募り、選手が実際に着用したコスチュームなどの魅力的なリターンを武器に目標金額の112%を達成。大舞台にふさわしい豪華カードが並んだ。

 メインイベントでは、星いぶきvs芦田美歩のICE×∞戦が実施。

 いぶきは今年8月に20歳の現役JDレスラーとして悲願のICE×∞王座初戴冠。10月にはレスラー活動に専念するために大学を中退したことを発表し、その覚悟を示した。
 今大会でのいぶきは、リボンタッグ王座戦とICE×∞王座戦にダブル出場。大舞台でのタイトルマッチダブルヘッダーはかつて絶対王政を敷いていた藤本つかさを彷彿とさせ、ふじもとに憧れて背中を追い続けるいぶきにとって大きな試練。

 対する芦田は、映画『THE CHALLENGER-希望のリング-』のタイアップ企画でアイスリボンから今年8月26日にプロレスラーデビュー。ミス・ティーン・ジャパン2013ファイナリストの経歴を持ち、現在もすらりとしたスタイルを持つ芦田はタレントとチアダンスの教師をしており高い運動神経が武器に持つ。
 芦田はデビュー戦から勝利を飾り、デビュー1ヶ月半でICE×∞王座次期挑戦者決定トーナメント優勝を果たして王座挑戦権を獲得。どちらが勝ってもアイスリボンの新たな未来が拓けるカードが実現した。


 試合は芦田の奇襲に始まり、丸め込みやその長い脚を活かしての蹴り技などでがむしゃらに勝利を狙っていく。一気に優勢を掴んだ芦田が「いぶさん、そんなもんか!」と啖呵を切ると、場内からどよめきが起きる。
 これにブチ切れたいぶきは「ナメんじゃねーぞ!」と、女子プロレス界随一の威力を持つ逆水平チョップを猛連打。芦田の胸の皮膚が裂け、鮮血がにじみ始めるも芦田は自ら胸を突き出してチョップを受けに行く意地を見せつけていく。
 しかし、終盤戦では経験不足・スタミナ不足が顕著に見え、芦田が泣きながらうずくまってしまう場面も。それでも気持ちを奮い起こした芦田がボロボロと涙を流しながらエルボー連打で立ち向かい、前後開脚式ギロチンドロップから必殺のチアガール(※カサドーラからのレッグロールクラッチ)。これを返されると奥の手の新技であるジャーマン・スープレックス・ホールドまで見せるがいぶきの牙城は崩せず。
 しっかり受けきったいぶきがハイキック2連打から強烈なビンタ。さらにダメ押しのハイキックから必殺のいぶning Star(※変形逆打ち)で叩きつけて3カウントを奪った。

 試合後、いぶきは芦田の根性を絶賛。「デビュー3~4年くらいの力はある」とまで口にした。

 マイクを託された芦田は「私は映画のプロジェクトの一環でプロレスを始めましたが、せっかくやるんだったらベルトに挑戦したいとずっと思ってきました。なので、今回は私の人生の中で本当に本当に本当に貴重な経験だと思います。ただ、いぶきさんもアイスリボンの先輩方も、同期も、知っていると思うんですけど、私は大の負けず嫌いです!今日も必ずいぶきさんからベルトを奪いたいと思って来ました!なので、私は明日からもっともっと練習を重ねて強くなって、いぶきさんにまた挑戦表明をしたいと思うので、覚悟して待っていてください!」と折れない心を見せつけた。

 バックステージで試合中の涙の意味について問われた芦田は、「もう試合が続けられないかもしれない。このままだと、自分の弱さ、自分との戦いに負けてしまいそうっていう、自分への悔しさっていうか、『まだ行けるのに行けないかもしれない』と思ってる自分にすごい悔しくなって。でもやっぱそういうときに、応援してくださってるお客さんとか、セコンドについてくださってる先輩方の声っていうのはすごく力になって、本当にありがたかったです。プロレスでチャンピオンになってる人も、ベルトを防衛し続ける人も本当にすごいなって思って。プロレスをやっている全ての人を、尊敬しなきゃいけないってすごい思いましたね。プロレスって本当に素敵なスポーツです」と全プロレスラーへのリスペクトを見せ、自身もその1人に加わらんという気概を語った。

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