「人生諦めてもなんとかなることあるんだな」男色家レスラーが二冠王となり16歳の男子高校生レスラーをオトナにすることを宣言

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 20日、東京都・後楽園ホールにてDDT『God Bless DDT 2024』が開催。男色ディーノがDDT EXTREME王座&アイアンマンヘビーメタル級王座の二冠王となった。

 DDT EXTREME王座はチャンピオンが試合ルールを決定できるという性質を持つため、そのときの王者が誰なのかによって色がガラリと変わる王座。時には凶器が乱れ飛ぶデスマッチルールで行われたり、“目隠し乳隠しデスマッチ”などDDTイズムを凝縮したルールで行われたりと、そのときのDDTの空気を象徴したものとなっている。

 今回、王者として男色ディーノを迎え撃つことになった彰人は『nobodyknows+ルール』という名古屋イズム溢れる名前のルールを指定。
 この試合形式は、2014年9月28日の後楽園大会で当時の王者であったディーノが挑戦者の彰人に課したルールと同じ。その際は彰人が勝利して王座戴冠を果たしたが、ディーノはその試合形式を覚えていないのだと言う。

 このルールは事前に9つの勝利条件・NGムーブが用意され、試合前にその中からレフェリーが選んだ1つを採用して実施するもの。勝利条件を満たした選手が勝利、またはNGムーブを犯した選手が敗北。どのルールが採択されたのはかレフェリー以外誰も知らないまま行われるという内容だ。

 試合前には「1カウントフォールを奪ったら勝ち」「英語を使ったら負け」「ディーノの愛犬・ハクにお手をさせたら勝ち」「ロープエスケープしたら負け」「相手セコンドへの攻撃を成功させたら勝ち」「先にコーナーマット1つを外したら勝ち」「場外カウント3でリングに戻れなかったら負け」「3カウントフォールを奪った後に告白を成功させたら勝ち」「コスチュームを1枚でも脱いだら負け」という9つのルールが明かされ、レフェリーがくじ引きでルールを決めて1人だけ認識した後に試合開始。

 付き合いの長い2人による読み合いに読み合いを重ねた高度な攻防が展開。互いに関節技でロープエスケープさせようとしつつ、ディーノにケツを掘られた彰人が場外カウント3を超えてしまうも、採択されたルールはこれではなかったためセーフ。
 ディーノは「ナイ……藤哲也!」と男色ナイトメアを狙ってタイツを下ろそうとするが、敗北のリスクがあるためタイツを下ろせず。彰人が必死に阻止してコーナーマットを外しにかかるが、ディーノが阻止してカウント1奪取。これもセーフで試合続行。
 ディーノは愛犬・ハクをリングに上げるが、良い子にしていたハクちゃんも気が乗らないのかさっさとリングを降りようとしてしまう。ディーノは必死におやつで気を引き、お手をさせることに成功。それでも試合は続行されることに。
 ディーノは「恥かかせやがって!」と逆ギレしてセコンドに襲いかかるが、逆にブレーンバスターで投げ返される。その間に彰人が足4の字固めでセコンドからタップを奪ってセコンドクラッシュに成功も、セーフで試合続行。その後のグラウンドレスリングでディーノが彰人のタイツを剥ぎ取ってセクシーな下着を丸出しにさせるが、これもセーフ。
 ディーノがリップロックからの男色ドライバー。さらに久々のムーンサルト・プレスを発射するが、彰人がかわしてサムソンクラッチで3カウント奪取。

 マイクを取った彰人は「男色さん、10年前、この全く同じ形式で試合をしましたよね?男色さんは覚えてますか?男色さんは多分あのときは『彰人くんにはそこまでヤっちゃいけない』って頭にあったと思うんですよ。けど10年あって色々変わっちゃいました。だって、見てホラ!僕をこんな姿にしていいと思って試合してるんだから!だからこの10年間で貴方と少しだけでも信頼関係が出来たんじゃないかなって思ってます。10年の間、男色さんが言う通り、一番変わったのは僕かもしれないです。怪我もたくさんしました。後輩もたくさん出来ました。なんなら、偉くなりました。闘い方の考えだって変わりました。けど、貴方は10年間、1度も芯は変わらなかった。貴方が誰かの脇役に回ったとき、僕はすごい悲しい、悔しい気持ちになりました。けど、貴方の心が変わってないのは分かってたんですよ。でも僕はそれがイヤだった。その理由はただ1つ。それは貴方が主役じゃないから。男色さん。約束してください。別に貴方の生きがいとか正直どーでもいいんですよ。貴方がこの団体でそのままの姿でずーっと主役を狙う!そんな選手でいてほしいです。貴方がこの団体を良くしようと守ってくれてるのは分かってます。僕だってこの団体のために今は24時間365日尽くしてるんですよ。男色さん、これで貴方と和解しようとか仲良くなろうなんてこれっぽっちも思ってないんです。この団体のために一緒にこれからもずっとやっていきましょう。そう、このDDTのためにやっていきましょう!」と大演説。彰人が小指を突き出すと、ディーノも小指を絡めてみせた。

 その瞬間に試合終了を告げるゴングが鳴り響く。
 これで彰人の勝利かと思われたが、レフェリーが勝者として掲げたのはディーノの手。告白の締めに使った「DDT」が英語禁止ルールに引っ掛かったために彰人の敗北になった形だ。


 王座戴冠に対してまったく実感が湧いていない様子のディーノであったが、11月23日の後楽園ホール大会で初防衛戦が組まれたことを告げられると、ディーノは夢虹(ゆに)を挑戦者に指名。
 夢虹は2016年に8歳でキッズレスラーとしてデビューするも、マスクマンとして正体を隠して練習生として1からやり直し、昨年3月から素顔に戻って再出発を果たした16歳の現役高校生レスラー。
 今林久弥GMは「16歳の男子高校生と男色ディーノをシングルマッチさせるのはコンプライアンス的に問題がある。会社的に怒られる」と拒否するが、ディーノは「夢虹がどんな気持ちでリングに立ってるか分かってる?まだ高校生?違うね!もう高校生!自分の人生でやりたいことくらい自分で決める年だろうが!決めるのはお前らじゃねえ。夢虹だ!」と絶叫。

 これを受けた夢虹は「やらせてください!断る理由なんて無いです!」と熱く応じる。アイアンマンヘビーメタル級王者である夢虹と、ディーノのEXTREME王座を互いにかけるダブルタイトルマッチが決定された。
 しかし、その決定直後にディーノが夢虹をスクールボーイで丸め込んで3カウント奪取。ディーノが2冠王となったため早速ダブルタイトルマッチではなくなってしまったが、アイアンマン王座が動かなければ2つのベルトをかけた試合として行われる見込みだ。


 バックステージに戻ったディーノは「気付いたらベルトが2本私のもとにある。分からんもんだね。人生諦めてもなんとかなることあるんだな。諦めないほうが可能性は上がるけど、諦めても生きてる限りなにかがあるんだな」と中年男性に刺さるメッセージ。
 そして8歳のときから知っている夢虹を1人の“プロレスラー”として全力で潰しに行く覚悟とともに「夢虹をオトナにして見せます」とコメント。そのためにはリップロックなどの男色殺法もすべて使っていくことを宣言しているため、夢虹の純潔に危機が迫る。

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