無期限休養目前の髙木三四郎が大人げなさぶりを発揮!調印式直後に男色ディーノからアイアンマン王座を強奪
DDTプロレスが7月19日、東京・渋谷区のAbemaTowersで『WRESTLE PETER PAN 2024』(7月21日、東京・両国国技館)に向け、直前会見を行った。同大会をもって無期限休養に入る髙木三四郎が大人げなさぶりを発揮し、アイアンマンヘビーメタル級王座を強奪した。
髙木は「無期限休養ロードFINAL」の対戦相手に、“DDTを体現できる男”男色ディーノを指名。試合形式はウェポンランブルで、ディーノが9日に歌手ファンキー加藤からアイアンマン王座を奪い獲ったため、同王座がかけられることになった。
タイトルマッチ調印書にサインを済ませた髙木は「1月に無期限休養を発表させてもらって半年が経ったんですけど。ようやくこの日が来たかなと。休養が決まってから、いろんな人たちに自分の体調の心配をしてもらったり。本当にしばらく離れるんだということで、試合がしてみたいということで、休養に向かってるんだな、リングからしばらく離れるんだなと実感しています。しばらくはリングから離れますが、引退するわけではありませんし、必ず体調を戻して、元気な姿で戻ってきたいと思っています。そのなかで、節目の一つとして、男色ディーノと試合を行うわけなんですが、男色ディーノがDDT、ドラマティックドリームを体現する男として、最後の試合として行いたかったんですけど…」と発言。
すると、突如、声を荒げて「何だよ、このアイアンマンは! これ関係ねぇじゃねぇか! ドラマティックドリームを体現できる男として、オマエと最後に試合がしたかったんだけど。こんなんあったら…。ビビッてビビッて仕方ないだろ? こんなのいらねぇんだよ。調印書サインしたけど、無期限休養前の一つの区切りとして、DDTでやってきた証として、オマエと試合がしたい。こんなのいらない!」とぶ然とした表情。
ディーノは「バカ言ってんじゃねぇよ! 無期限休養でしょうが! 今までのキャリアを総括するタイミングでもあるわけでしょ。それで私を指名したんでしょ。これはポイズン澤田JULIEとの戦いで出来上がった、アンタが半分作ったようなもんよ。これもアンタの作品。これほどDDTを表現するベルトないでしょうが。それをいらないとか何寝ぼけたこと言ってんの! アンタがDDTを総括する試合のなかで、これは絶対にいるの」と反論。そして「ただ仕掛けが早すぎた。獲るか獲られるかピリピリすること久しくなかったから。この20何年、アイアンマンと付き合ってきて、必勝法というか攻略法、防衛法をこのタイミングで編み出しました。来ると思ってたら対応できる。後ろからはもう対応できない。そこさえちゃんとしてれば守れることが分かりました。だから私はなんとしても両国まで守り続けて、アンタとの最後の戦いに挑むつもりよ。私はアンタとのこの試合を最後と位置付ける。なぜなら、私は引退させる気でいっぱいだから。無期限休養となってるけど、引退かのような歩みを進めてるじゃない。ひょっとして復帰する気なんですか? なんかどのツラ下げてみたいになって来てませんか? だから私はそういう意味で引退させるつもりでいますよ。髙木三四郎を、この試合で」と通告した。
最後の試合で、勝ってアイアンマン王者になった場合の対応について、髙木は「このベルトは一般人、芸能人が持ったり、いろんな人が持ってるベルトなんで。もちろん男色ディーノに勝って休養するつもりなんで。本当に引退するつもりはないので。そのときに正直余計だなっていうのはあるんです。ディーノと真っ向勝負がしたかった。このベルトを獲った獲られたとか、そういう興味はいらないんです。でも、勝ったらもうチャンピオンになっちゃうかもしれないけど。でも、そういうことじゃない。男色ディーノと真っ向勝負がしたい。それだけです」と回答。
休養の期間に関して、髙木は「お答えできないと言うか…現状で体調と向き合わなきゃいけないのと、経営に専念するということがあるので。本来なら引退としてもよかったかもしれないんですけど、自分はやっぱりプロレスラー。やめたくない気持ちはあるし。だからいろんな部分がクリアして、体調が戻ってくれば、戻る気でいます」と明言は避け、「無期限休養ロードって名前がついて、引退する感じになってるんですけど。周りの空気が作り出したもので。でも必ず戻ってくるつもりなんで。男色ディーノが引退させるって言ったけど、逆だろうと。俺が男色ディーノを引退するくらい追い込んでやりますよ」と続けた。
この発言を聞いたディーノは「もし年内とかに復帰したら、“何この人”みたいにみんなが思うじゃない。今出来上がったこの空気だと、2、3年以内に復帰したら、“うわっ”と思うと思うんです。どのツラ下げて戻ってくるかは本人の自由だから、構わないんですけど。普通はできないよなと思います。というのを実感させるために、両国でワタシはもうこれ引退だなって半ば思わせるような感じにもっていってやります」と宣戦布告した。
一連のコメントに怒りが増したのか、髙木はフォトセッションが終わって、背中を向けたディーノに蹴りを入れ、ストーンコールド・スタナーでKO。たまたま立ち合っていた松井幸則レフェリーが3カウントを入れ、まんまとベルトを強奪。
髙木は「ディーノ、バカじゃねぇのか。このベルトはそういうベルトなんだよ。確かにこれはDDTを体現してるベルトだよ。だから俺はDDTを体現したまま、テメエに勝って休養してやる。引退じゃねぇんだよ!」と勝ち誇り、調印書の“挑戦者”の記載を“王者”に書き換えて会見場を後にした。
確かにアイアンマン王座は24時間365日、レフェリーさえいれば奪うことができるベルト。「この戦いにアイアンマンのベルトはいらない」と発言していた高木だが、まさに大人げなさぶり全開のてん末となった。王者と挑戦者が入れ替わってしまったこの一戦、果たして、両国でこの戦いを制するのはどちらになるのか?