女子にモテてたヒエラルキー上位の同級生が9年経てば俺が王者でアイツは後輩。ギブアップを奪って握手し「俺に追いついてきてくれてありがとう」

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 5日、東京都・後楽園ホールにてDDT『D王 GRAND PRIX 2021 Ⅱ the FINAL』が開催され、竹下幸之介が上野勇希を撃破して優勝を果たした。

 『D王 GRAND PRIX』とはDDTのシングルリーグ戦。今回の決勝戦に残った竹下と上野は大阪市立咲くやこの花高等学校時代の同級生。竹下は「あのルックスだったので女子人気は一番。女子にモテてる奴は全員敵だと思ってた。会話という会話をしたことなかった」と当時を振り返る。上野は、竹下が現役高校生プロレスラーとして闘う姿を見て自らもプロレスラーを志し2016年にデビュー。
 上野が坊主頭に黒パン一丁の新人だった時代、既に竹下は史上最年少でKO-D無差別級王座を戴冠しており、2人の間には大きな大きな差があった。しかし上野はデビューからの5年で少しずつその差を縮め、ついに対等な立場で団体の頂を争う場にたどり着いた。

 序盤からフランケンシュタイナーや場外飛びの応酬となり、激しい場外戦のさなかで竹下が上野の腰からエプロンの角に叩きつけるブレーンバスター。これで機動力を削がれた上野は一気に劣勢となり、竹下のパワーファイトで一方的に攻め込まれる展開が続く。
 試合開始15分を過ぎ、余裕を残し仁王立ちの竹下は上野の激しい打撃ラッシュを涼しい顔で受け止め強烈なエルボー一発で黙らせる。それでも上野はメゲずにハーフネルソン・スープレックス、雪崩式フランケンシュタイナー、フロッグスプラッシュ、BME(ベスト・ムーンサルト・エバー)を発射も竹下が剣山で迎撃。さらにはブレーンバスター合戦から2人でトップロープを超えて落ちていき 竹下が硬い床の上でブレーンバスターを見舞うという衝撃的な場面も見られた。
 終盤には互いに死力を尽くし、竹下はクロイツ・ラスからザーヒー、上野はコーナートップの金具に顔面から突き刺すインプラントDDTやドラゴン・ラナなどを見せる激しい攻防が展開されるも、最後は竹下が胴絞めPlus Ultraでギブアップを奪った。


 試合後、竹下は「俺の隣に来てくれてありがとう。俺に追いついてきてくれてありがとう」と上野を讃え、しっかり握手を交わして抱き合う。
 KO-D無差別級王者が優勝したため王者による挑戦者指名が行われることになり、竹下が「挑戦者として迎え入れたい対戦相手は決まっています。その選手は……」と語りだすと、今回のD王で30分フルタイムドローに終わっていた岡林裕二がリングへ上がり「俺に決まっとるやろオイ!12月26日、挑戦させてもらう」と挑戦表明。12月26日の代々木体育館第二大会でのタイトルマッチが正式決定されると、2人は握手を交わしながら睨み合った。
 
 2021年下半期の竹下は、7月にKING OF DDTトーナメントで優勝し、8月には当時の王者であった秋山準からKO-D無差別級王座を奪取。そして無差別級王者としてD王制覇を果たすなどシングル完全制覇と言える大車輪の活躍を見せた。
 竹下がこのまま2022年に向けてDDTの大エースとして君臨し続けることが出来るのか。その答えは12月26日の代々木体育館第二競技場大会で見ることができそうだ。

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