「だってアレがSHOのやりたいプロレスなんでしょ?」旗揚げ52周年記念大会でIWGPジュニア王者のSHOがIWGP世界ヘビー級王者の内藤哲也相手に肉薄!
6日、東京都・大田区総合体育館にて新日本プロレス『旗揚げ記念日』が開催。内藤哲也がSHOとの王者対決を制した。
新日本プロレスは1972年3月6日に旗揚げされており、毎年この記念日には旗揚げの地である大田区の体育館で記念大会を開催。
近年ではメインイベントでIWGPのヘビー級王者vsジュニアヘビー級王者のシングルマッチが行われることが風物詩となっている。
現IWGPジュニアヘビー級王者のSHOは、2月の北海きたえーる大会にてエル・デスペラードを制して初の王座戴冠。
しかし、この勝利は急所攻撃&凶器攻撃、HOUSE OF TORTURE(HOT)の仲間たちによる場内暗転&セコンド介入といった汚い手を尽くしてのもの。かつてひたむきに“無差別級”の頂点を目指していたSHOの姿を知るファンからは、あの頃のSHOがどう頑張っても届かなかったジュニア王座をこのような形で手にしたことを残念がる声が上がっていた。
旗揚げ記念日のメインイベンターの座を掴んだSHOは、IWGP世界ヘビー級王者の内藤にも不遜な態度を取り続ける。これを受けた内藤はSHOの現状を残念がりながら「負けたら恥だから王座を返上」という旨の言葉を口にしていた。
この日、SHOは入場するなりマイクを取り「ブエナス・ノーチェス!クソ大田区!アイツは早々に俺に負けるからよ。アイツの代わりに俺が先に挨拶しといてやる。アイツの持ってるベルト、今日俺に負けたら返上するんだろ?公式さんよ、ちゃんと公式に発表しといてくださいよ。返上させてやるからよ!内藤さっさと入ってこいや!オイ!」と挑発。
内藤の入場曲がかかるとSHOは赤コーナー側の花道へ直行。隠れ潜んで待ち伏せし、内藤が出てくると背後から奇襲。IWGP世界ヘビー級のベルトを掲げて「返上じゃコラ!」と勝ち誇る。
しかし、試合が始まるとSHOは今まで積み上げてきた確かな技術で内藤の足へ一点集中攻撃。内藤の動きが鈍ったところへパワーブリーカー、ラリアット、クロスアーム式パイルドライバーとジュニア離れしたパワー技で畳み掛けていく。
表情や所作こそHOT加入後の挑発的なものだが、中盤までの試合運びはかつてのSHOの動きがより洗練されたものとなっていた。
試合も終盤に差し掛かると、SHOはレフェリーを内藤にぶつけて気絶させ、イスを用いてヒザを滅多打ちに。それでも内藤は折れずにコツコツと首への集中攻撃を積み重ねていき、雪崩式フランケンシュタイナーやスイングDDTで対抗。
SHOが再びレフェリーを気絶させると、HOTのEVIL、成田蓮、金丸義信、高橋裕二郎がリングになだれ込んできて内藤を集団暴行。すると、L.I.Jの高橋ヒロム、辻陽太、BUSHI、鷹木信悟が救出に駆けつけてセコンド同士の大乱戦へ。
乱戦のさなかにSHOがトーチャーツールで内藤に殴りかかるが、これをかわした内藤がホップアップして急所蹴り。トーチャーツールにツバを吐きかけてから投げ捨て、垂直落下式バレンティアからデスティーノで突き刺して3カウントを奪った。
SHOはノーコメントで会場をあとにしたが、内藤は「SHOの闘い方、俺は否定しないよ。だってアレがSHOのやりたいプロレスなんでしょ?じゃあ誰に何言われようと関係ない。自分の信じる道を突き進めばいいよ」と激励とも皮肉とも取れるコメントを残した。
終盤こそ“いつもの”展開となり敗北したSHOだったが、実力はIWGP世界ヘビー級王者に対しても通用するものであることをこの試合で証明した。
IWGPジュニアヘビー級王者としてSHOがどのような試合を行い、どのようなものを残していくのか。今後の新日本ジュニアにも注目必至だ。