「自分のやりたいことを一生かけて追いかけて」岡山県凱旋を果たし佐藤光留が師匠・鈴木みのるに玉砕も故郷の子どもたちにエール

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 23日、岡山コンベンションセンターにて全日本プロレス『エキサイトシリーズ2024』が開催。岡山県出身の佐藤光留が凱旋記念試合で鈴木みのると対戦した。

 佐藤光留は1999年にパンクラスに入門し、2000年2月にデビュー。パンクラシストとしてキャリアを積み重ねてきたが、当時DDTが主催していた『ハードヒット』でプロレスデビューし、その後プロレスへ本格参戦。名だたるメジャー団体から全国各地のローカルインディー団体、さらには女子団体などあらゆる団体で活躍。DDTからハードヒットの権利を譲り受けてからは現在進行系のUWFの担い手として「格闘技としてのプロレス」を掲げ興行を行ってきた。
 さらに『ハードヒット』だけではなく独自のコンセプトを持つ数多の大会を毎月主催しており、個人として最もプロレス界に貢献している選手の1人であると言える。

 師匠である鈴木みのるとは、自身のデビュー10周年記念大会で対戦した際にはみのるの張り手で大出血。スリーパーホールドからのゴッチ式パイルドライバーを食らって3分5秒で完敗。
 この10年後に行われた20周年記念試合では、ハードヒットのリングで対峙。打撃禁止のグラップリングルールで対戦し、熾烈なサブミッションの応酬の末にみのるが急角度逆片エビ固めで勝利を収めている。

 この日は、光留が地元・岡山で3度目の正直を狙ってみのるとシングルマッチで対戦。岡山の大応援団の期待を背に光留は決戦に臨んだ。

 試合は序盤からみのるが優勢。開始早々にボディに鋭い打撃を打ち込んで怯ませ、その後もサディスティックなまでの猛連撃。光留に必死に声援を送る女性ファンへ「うるせえ、ブス!」と吐き捨てるなど大ヒールぶりを発揮。和田京平レフェリーにも反抗的な態度を取ってすべてを敵に回していく。
 光留は、地元ファンの大声援と和田レフェリーのスローリーなカウントに救われ決死の反撃を開始。真っ向からのゴツゴツとした打撃合戦を展開し、ゴッチ式パイルドライバーを狙うみのるを腕ひしぎ逆十字固めで捕らえるなど勝利寸前の状況を幾度も作り出す。
 得意の水車落としから腕十字を狙っていく光留だったが、これを逃れたみのるがゴッチ式パイルドライバーで突き刺して3カウントを奪った。

 満身創痍の光留がマイクを取り、「全日本プロレス岡山大会ご来場ありがとうございます。全日本プロレスにはいろいろな価値観を持った選手がいます。佐藤光留は所属じゃないです。鈴木みのるも全日本プロレスとはなんの関係もないです。でも、父親も母親もこの世にひとりずつしかいないように佐藤光留の故郷もどんなに酷いこと言われようとこの岡山しかないんです。東口は変わりました。でも、岡山駅に着いた瞬間、ここが僕の生まれ育った場所だ。25年間、俺はプロレスラーになって岡山に帰って来てかっこいい姿見せて、ざまあみろって言いたかったんですが……、俺負けてばっかりで。でも関係ない。俺はプロレスが好きで、この瞬間2024年2月23日ここに、全日本プロレスの真ん中でしゃべってるから。これが俺の姿だから!みんな、岡山のこともっともっと好きになって、出来れば次の岡山大会も見に来てください」と故郷への熱い愛の気持ちを熱弁。

「今日、レスリング部の高校生たくさん来てるでしょ。佐藤光留を初めて見た子も、たくさんいるでしょ。俺のことなんて覚えなくていい、プロレス見なくてもいいから、自分のやりたいことを一生かけて追いかけて追いかけて。次は君が岡山の真ん中で叫ぶ番だから」と、岡山県の未来を作る若者たちに思いを託した。

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