「あの当時のわくわくするようなプロレスをもう一度」謎の珍獣・怪獣大集合!バークリー音楽大学卒の異色のレスラーが“怪獣プロレス”を旗揚げし子どもたちへプロレスの魅力を発信!

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 28日、東京都・秋葉原P.A.R.M.Sにて『怪獣プロレス』旗揚げ戦が行われた。

 怪獣プロレスとは、雷神矢口(矢口壹琅)が旗揚げした今までにないエンターテイメント団体。バークリー音楽大学卒というプロレス界では異色の経歴を持つ矢口が描く桃源郷を具現化すべく各界隈のプロフェッショナルが集結。
 矢口みずからが代表取締役に就任し、同社の取締役には元新日本プロレス・チーフレフェリーのミスター高橋(高橋輝男)氏、怪獣研究家UMA研究家の山口敏太郎氏、サッカーJ3ヴァンラーレ八戸取締役や銚子電鉄相談役、ITサービス事業の経営者などを兼任する田代貢一郎氏という錚々たる顔ぶれが名を連ね、成田亨氏の唯一の弟子として知られる世界的に有名な怪獣造形作家・赤松和光氏(株式会社マーミット代表)がキャラクターデザインに加わった。


 この日の旗揚げ戦オープニングでは、矢口に恨みを持つ地獄博士が会場モニターをジャックして宣戦布告。
 地獄博士の手の者と思われる面々によって中から恨みがましい声が響く謎の巨大タマゴが会場に運び込まれる中、地獄博士は「私の息子は某メジャー団体のレスラーだった。その団体の試合を仕切っていたのが雷神矢口だ!矢口はデビューから半年も経っていない我が息子に『お前には将来性が無い』と言って無情にも解雇を言い渡した。夢を壊された息子は傷心のあまり生きる気力を失い部屋にこもったまま食事も取らず廃人となってしまった!私は息子の無念を晴らすべく、矢口への報復を考え、息子の細胞核からパワーを倍増させたアバターを作り出すことに成功した。名付けて!“バイオモンスター・キラーゴロゴ”だ!私は息子の夢を壊した矢口に報復すべく、今日という日を待ちわびていたのだ!いでよ!キラーゴロゴッ!」と叫ぶ。
 人の心を失い怨嗟に支配された哀しき怪獣がタマゴの中から爆誕。矢口との一騎打ちを求めるゴロゴに対し、矢口は査定試合としてガッツリ星人とのシングルマッチを提示。

 メインイベントではキラーゴロゴvsガッツリ星人の試合が実施。復讐鬼と化したゴロゴは怨恨の感情に任せた荒々しいファイトを見せるも、時折身体に染み付いたレスリングテクニックを見せる人と怪獣の間のようなプロレスを展開。
 ガッツリ星人も分身こそしないもののガッツ溢れるファイトを見せるが、ゴロゴはベアハッグで失神させてレフェリーストップ勝ちを得た。

 また、矢口は広島の山奥で出会った謎の珍獣・ヒバゴンに襲撃された過去を持ち、そのリベンジのために今大会でヒバゴンとのシングルマッチを実施。このヒバゴンは山口敏太郎いわく1970年代に目撃されていたヒバゴンの息子ではないかとのこと。
 ヒバゴンジュニアは、『超人バロム1』で主人公の白鳥健太郎を演じた高野浩幸さんに率いられて登場。

 謎に包まれた類人猿の圧倒的パワーに苦戦する矢口だったが、起死回生のバックドロップを見舞って逆転。戦意喪失したヒバゴンが逃げ帰ろうとするも、高野さんが「行くぞ!バローーーム・クロス!」と叫んでパワーを与え、「バロム爆弾パンチで行け!」と送り出すとヒバゴンが復活。
 再び苦戦する矢口だったが、怪獣プロレスを応援する“ミスター高橋チルドレン”の童女たちが飛び出してきて水鉄砲の一斉射。水に弱いヒバゴンはみるみる力を失っていき矢口が雷神ラリアットで仕留めにかかる。しかし、脆弱な人類に負けることは珍獣のプライドが許さずヒバゴンはヒバゴンラリアットで反撃。最後はヒバゴンプレスで圧殺して勝利を収めた。


 大きな1つ目で視力に自信を持つ大怪獣ギョロン、二足歩行を得た爬虫人類の大怪獣ブルゲーター、知能に自信を持つもそうは見えない宇宙人の甲府星人、謎の蜂女に率いられたポンコツメカのPO-K2、ブラブラと3つの目玉をぶら下げる宇宙怪獣キングマンドラと、様々なオリジナル怪獣が襲来し、まさに“おもちゃ箱をひっくり返したようなプロレス”が展開された今大会。

 大会を終えた矢口は、「今年俺は30周年。馬鹿なことやってるよ。でも、一生は1回じゃねーか。誰かのセリフみたいだけど、俺もそう思うんだ。一生は1回。だったら、俺の好きなことをやって命を燃やしたっていいじゃないか!いい大人が馬鹿やったっていいじゃないか!」と胸に秘めた思いを絶叫。
 
 そして、「俺がやるからには音楽と演劇とプロレス。子供からおじいちゃんおばあちゃん。三世代で。そういうプロレスをずっとやりたい。決して大きなスポンサーはいないですけど、『一緒に楽しいことやっていこう』って仲間内でやって、それがもし上手くいったら最高じゃん。そういう夢をもう1回追いかけるっていうよりも、もう一度若い人たちに夢を見せる責任があるじゃないかなと思ったんですよね。プロレス界入って30年、インディを渡り歩いてきて、いろんなメジャー選手とも戦って、やっぱり得たのはプロレスって人を元気にするもんだし、やっぱり笑顔にするものなんですよ。今日の声援ね、これはもうヤラセでも何でもないです。30年やってきてよかったなと。俺は誰かの2番煎じじゃねえよ。WJのとき『俺は長州力の噛ませ犬じゃないよ』ってずっと俺は思ってたし、大仁田さんの輝きがすごすぎて俺はいつも隠れてるけど、光る仕事をしてると思ってるんで。そのやってきたことは無駄じゃないなと思ってますよ。あの当時のわくわくするようなプロレスをもう一度。そう思ってます」と他のプロレスラーとは違ったアプローチで子どもたちにプロレスの魅力を伝えていく気概を語った。

 怪獣プロレス第二戦および矢口壹琅30周年記念大会は、11月4日の東京ドームシティプリズムホールで開催される。矢口の無謀かつ野心に満ち満ちた門出の行方にこれからも注目していきたい。

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