「ハヤブサが亡くなるわずか1ヶ月前にこの話をした」怪獣プロレスで謎の猿人類ヒバゴンと痛み分けの死闘を終えた雷神矢口が盟友との約束を明かす

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 4日、東京ドームシティ・プリズムホールで怪獣プロレス『KAIJUMANIA 矢口30周年記念大会』が開催。謎の猿人類ヒバゴンと雷神矢口が痛み分けの死闘を繰り広げた。

 怪獣プロレスとは、雷神矢口(矢口壹琅)が旗揚げした今までにないエンターテイメント団体。バークリー音楽大学卒というプロレス界では異色の経歴を持つ矢口が描く桃源郷を具現化すべく各界隈のプロフェッショナルが集結。
 矢口みずからが代表取締役に就任し、同社の取締役には元新日本プロレス・チーフレフェリーのミスター高橋(高橋輝男)氏、怪獣研究家UMA研究家の山口敏太郎氏、サッカーJ3ヴァンラーレ八戸取締役や銚子電鉄相談役、ITサービス事業の経営者などを兼任する田代貢一郎氏という錚々たる顔ぶれが名を連ね、成田亨氏の唯一の弟子として知られる世界的に有名な怪獣造形作家・赤松和光氏(株式会社マーミット代表)がキャラクターデザインに加わった。

 9月の旗揚げ興行では、1970年に広島県庄原市西城町の比婆山の麓で目撃情報が相次いだ謎の猿人類ヒバゴンに広島の山奥で蹴撃された矢口がリベンジ戦に挑み、あと一歩のところまで追い詰める。だがヒバゴンを操る怪獣大使オグマ(高野浩幸=超人バロム・1白鳥健太郎役etc)がバロムクロスでパワーを与え、バロム爆弾パンチでヒバゴンが逆転するとヒバゴンラリアットからヒバゴンプレスで圧殺して勝利を収めていた。

 この日も同カードでの再戦となったが、前回大会で矢口は肋骨を骨折しておりエスパーの清田益章さんによるサイキックパワーでなんとかリングで闘い続ける状態に。しかし試合中にヒバゴンの足がロープにもつれて場外に向けて宙吊りになってしまい、これでヒバゴンが足首を負傷し悲痛な雄叫びをあげ続ける。まともに立てないヒバゴンを見て、本部席からミスター高橋氏がリングに上がると「お客様にお知らせ致します。ただいまヒバゴンの足をチェック致しました。かなり足首を痛めているようです。矢口選手の方も胸を痛めておりまして、ちょっと、今日は試合続行不可能になります。いずれ、再戦はさせますけれども、今日は双方痛み分けの引き分けということにさせていただきます。何卒ご了承ください」と説明し、両者負傷による痛み分けで突然の終焉となった。


 死闘を終えた矢口は胸を押さえて苦しそうにしながらも「俺は30年プロレスは愛だって言い続けてきました。やられてもやられても立ち向かっていく。ボロボロだって明日があるじゃねーかって。それを俺は皆に表現してきたつもりです。こんな時代だからこそ!一人ひとりが愛と平和をそれぞれ守り抜いて、皆に発信して行ってください。『弱小団体』って自分では絶対思ってないです。『強小団体』強くて小さい団体、これを俺は目指してるし自分でもそう自負してます。だから強小団体の意地を張って、胸を張って、俺はこれからも独自の道を進んでいきたいと思います」と宣言。

 そして最後に「引退までそう遠くはないです。体の調子ももう大仁田さんと電流爆破やり続けてボロボロだし、最後に大げさじゃなくて命懸けでやりたい。あと一つこれだけは言っておきたい。ハヤブサが亡くなるわずか1ヶ月前、札幌に行ったときにこの怪獣の話をしたら、『それ面白いね!俺絶対矢口さん、放送席座らしてよ。一緒に何か運営させてよ』って。それが俺はもうずっと忘れられなくて。コロナになってもずっと怪獣を立ち上げることばっかり考えてました。きっとハヤブサも、お涙頂戴じゃなくて、本当に見てくれてるって、俺は感じて今日はここまで頑張って来れました」と、2016年に亡くなった盟友・ハヤブサさんとの約束もあり怪獣プロレス旗揚げがあったことを明かした。

 ウルトラマンや仮面ライダー、戦隊ヒーローでもプロレス技は使用されている。この怪獣プロレスは邪道と言われる事もあるかもしれないが、会場の子どもたちの笑顔を見ると間違いなく今の世界に必要なエンターテイメントであると感じさせる興行だった。
 次回大会は4月7日、浅草花やしきで行われる予定だ。

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