【インタビュー】愛川ゆず季やKAIRIが「プロデュースさせたら世界一」と言う元スターダムGMの風香が、今なぜアクトレスガールズのアドバイザーに就任したのか?

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 2004年にJDスターでデビューした風香は、シュートボクシングやMMAファイターなどを経験した後2010年に引退。2011年からはスターダムのGMに就任し、愛川ゆず季・世志琥・KAIRI(カイリ・セイン)など数多くの選手指導を行ってきた。その中には今現在のスターダムでも活躍する選手が多いが、風香自身は2018年の第一子妊娠を機に業界から離れていた。
 その風香が、8月12日のACTwrestling後楽園ホール公演に突如現れプロデューサー就任を発表。
 なぜ今業界に戻って来ようと思ったのか?そしてアクトレスガールズに何を感じてプロデューサーに就任したのか?
 第二子の育児にも一区切りついたという風香にその思いを聞いた。

■アクトレスの子たちは色々な意味でしっかり大人

――今回アクトレスガールズのアドバイザーに就任されました
「スターダムの時もGMといいつつ何でも屋だったんですけど、アドバイザーも基本何でも屋だと思っていただけたら良いと思います(笑)」

――そもそもアクトレスガールズの坂口敬二代表とはどういった関係なのでしょうか?
「もともとは私が選手の時に『Beginning(ビギニング)』という大会を坂口さんが始められて(2007年)、その時に第一回から私を主役にしてくださっていました。当時は全然たいしたことない選手だったのに破格のギャラを提示してくれていて、坂口さんは私のことを評価してくださっているというのがすごく嬉しかった記憶があって。何か恩返ししたいなと思っていたけど私は私でスターダムを始めたからなかなかその機会がなくって。でもちょこちょこと坂口さんとは連絡をとっていた中で、すごい控えめに『素材はいいけどどうにもなってない子がいるからアドバイスしてくれないか?』みたいなことはよく言われていました。でもやっぱりアドバイスってその子の事をすごく勉強しなきゃいけないから簡単ではなくて、当時は時間がなかったんです」

――スターダムのGMだけでも大変な時期でしたね
「そんな中(2018年から)育児に入って4年半ぐらい疎遠になってたんですけど、最近坂口さんが病んでいるTwitterを見て『大丈夫ですか?』って送ったら『選手つれて遊びにいってええか?』と連絡が来まして、その時に青野未来さんと夏葵さんを連れてきてくださったんです。その2人が『なんでこの世界にこんな子がいるんだろう』と不思議になるくらい大人しくて謙虚で。こんなかわいくていい子が誰にも知られないうちに終わっちゃうのは残酷だなと。なんかしてあげたいなってその時に思ったんですよ。後日改めて坂口さんからアドバイスしてあげてって言われまして、どうせやるんだったらちゃんと仕事としてやりましょうかと言ったら『やって!』と言われてその場で即決まった感じですね」

――先日の後楽園ホール大会をご覧になって、記憶に残った子はいましたか?
「なる選手ですね。正直今のアクトレスガールズに期待が無かったんです。いい選手は外に流れていってるって勝手に思ってたから。でもなる選手のその場飛びのドロップキックに一目で心奪われて、ほかにもどんどん良い選手が出てくるし、思ってたよりめっちゃいいじゃんって。あとはバトルロイヤルに出た5人(荒幡寧々/汐月なぎさ/山田奈保/後藤智香/樹咲早姫)の入場は華やかで。全体的に想像していたよりすごく良くて、これイケるんじゃないかとその日に思いましたね」

――スターダムの初期と比べてはいかがでしょう?
「スターダムの一期生は神メンバーだったんです。愛川ゆず季がいて世IV虎(現:世志琥)がいて美闘陽子がいて、ほんとにすごかったです。アクトレスの子たちは色々な意味でしっかり大人なんで、裏方の苦労も分け合える一緒に夢を叶える同士みたいな感じですね」

■マイナスなポイントを言えば何がしたいんだろうって思っちゃった

――JDスターで一緒だったMARUさんとまたこうやって一緒にやることになりました
「MARUさんは2個上の先輩で、私がデビューの時に先輩たちが大量離脱されたのでそこまでの関わりはなかったんですけど、でも練習の後も寮に残って積極的にコミュニケーションとってくれたり、すごく優しい先輩だったのでMARUさんが居てくださって安心感と、嬉しいしかなかったです」

――アストレス出身者として、アクトレスガールズというプロレスラーではないという概念に関してはどう思われていますか?
「日本プロレスはガチンコ思考が強くて、日本以外のプロレスはエンターテイメント色が強くて別物という感じ。私は日本のプロレスが好きだけど、エンターテイメントプロレスも別物として好きです。ここには女優がたくさんいるのでもっと明確に差別化していきたい。
だけど(後楽園ホール)見に行った時に、やってることが普通のプロレスだったので、マイナスなポイントを言えば何がしたいんだろうって思っちゃったんです。でも、先日選手に集まってもらって話をしたら、自分達もエンターテイメント的な事をやりたいけど形になっていないんですと言われたので、『良かった、目指す方向性は同じだった』と思ったので早急に始めましょうと今動き始めてる所です。なので別物としてアクトレスガールズに抵抗はなかったです。」

――試合前後をより充実させたい思いが強い
「プロレスがしっかりしてなかったら前後が良くてもはっきり言って興ざめ。なのでプロレスはしっかりやらないといけないけど、どんどん激しい内容を追求するんじゃなくて、できることを完成させて届ける。プロレス団体との差別化は試合前後の魅せ方だと思うから、そういうところはもっと打ち出していきたいと思いますね」

――今の女子プロレス界はキッズレスラーと呼ばれていた子たちが成長して若くて上手い子が注目を浴びていますが、アクトレスガールズは年齢層が高くなってきている部分もあります
「若いに越したことはないと思いますけど、女優を目指している子達が自分に付加価値をつけて最後のチャンスに賭ける思いが強いのでとにかく意識が高んです。若さの良さももちろんあるけど、それを補うやる気にいつも圧倒されています」

■浦島太郎じゃないけど裏の部分ですごい衝撃を受けました

――アクトレスガールズのOPはダンスで始まりますが、風香さんも当時のように一緒に踊られたりは
「それはないです(笑)OPダンスといえば、アクトレスってすごい逸材がたくさんいるんですけど、リングにあれだけ並ぶと皆がその他大勢に見えてしまう。それはすごくもったいないなって。『これだけ選手がいる』というところを見せたかったんだと思うんですけど、今はその段階は過ぎた。魅せれる人がしっかり中で踊る。ちゃんと魅せれる団体にしていきたいなと思ってます。できるかわからないですけど、私みたいなダンススキルの人は踊らなくていいと思う。ダンスが得意じゃないのに無理に皆と同じことをして時間をつかうより自分の得意分野を磨くことに時間をかけてほしい。アクトレスガールズは年齢的なこともあって時間がないので(笑)」

――風香さんはココ数年業界にいらっしゃらなかったわけですが、戻ってきて変わっていた部分はありますか?
「びっくりしたのが、写真を送る時にギガファイルで送ってくださいとか、チケットどうですかって聞いたらドロップボックスをダウンロードしてくださいとかめちゃくちゃ文明が進んでいて(苦笑)私が休んでいた4年半てコロナの真っ最中じゃないですか?その時代の世の中のことが全然わからないから、ほんとに浦島太郎状態で裏の部分ですごい衝撃を受けました」

――当時と様変わりした部分として、女子プロレスはスターダムの一強状態になっています
「そういわれるほどの大活躍が嬉しいです。どこにいて何をしていてもスターダムや教え子に対する愛は変わらないです。応援してます」

――アクトレスガールズの立ち位置はどう見えますか?
「アクトレスガールズは良くも悪くもいい子の集まりというか、多分(アクトレスガールズが団体として)プロレスから撤退する時に大きい舞台で輝きたいと迷った子もいたと思うんです。だけど育ててもらった団体への恩義で残った子もいて、今のところ報われてないですよね。私はスターダムや他のプロレス団体に羽ばたいた選手を否定しないし頑張ってほしい。だけど残った子達はプライド持ってここに残る選択が正解だったって思わせないといけない。オンリーワンって言葉で逃げるんじゃなくてしっかり競って勝ってほしいです」

――今風香さんがアクトレスガールズで一番やりたい事っていうのはなんですか?
「よりエンターテイメントプロレスに近づけたいです」

■愛川さんとKAIRIとかは私のプロデュースを世界一と言ってくれた

――ちなみに今お子さんお二人(2歳と4歳)いますが子育てはいかがですか?
「やっと落ち着いてきました!今までは集中したくても、パソコン開いたらパソコンの上にガンガンガンって乗って潰されるから、結構いいパソコン買ったのに開けないみたいな。電話しててもなんか『ママー!ママー!』だったのでなんにもできなかったですけど、Youtube見て静かにしててくれる時間ができたから、少し自分の時間を確保できるようになりましたね」

――お子さんたちは試合は見に行かれるんですか?
「プロレスはやるのは好きみたいで、練習を見に行くと青野未来ちゃんとかに襲いかかって行くんですよ(苦笑)やるのは好きみたいなんですけど、観るのはあんまり興味ないみたい」

――旦那さんの一輝さんは試合は
「次男が生まれたときが一回目の緊急事態宣言の翌日で、練習に行ける状態じゃなくなったので、セミリタイア中だけど今年か来年には試合したいと言っていました」

――今K-1の選手のプロデュースも関われているとか
「8月からK-1のKiho選手のプロデュースもしています。すごくビジュアルが良くて努力を惜しまない原石なので、ぜひ皆さんに知ってほしいです」

――アクトレスガールズとの絡みも今後あるのでしょうか?
「今のところはないんですけど、格闘シーンとかでコラボができたらおもしろいですね」

――こういう形で風香さんが色んな方々からプロデュースを頼まれる要因はどこにあると思いますか?
「一つは単純に時間が空いたこと。ブログにちょっと育児に余裕ができたって書いた事が皆が声をかけやすくなった事らしいんですけど、なんですかね、トークショーで愛川さんとKAIRIが私のプロデュースを世界一だと褒めてくれたんですよ。あの2人にそう言ってもらえると逆にどこが?って考える機会になりました(笑)私は何も持っていない子をある程度のところまで押し上げるのは得意だから底上げはできると思うんです。けど、(ロッシー)小川さんが決まった選手をひたすら持ち上げてスターをつくっていたように、これからは底上げと並行して看板選手をつくることもやっていかなきゃいけない。不平等で成り立ってる世界だと頭で理解しててもそれが私にはできなかったから心を鬼にすることが今後の課題かなって」

――団体としての資金力も当時と違うと思いますがそこに対する不安はありますか?
「そんな状況も受け入れるしかないので、お金がないなら頭使おう、労力使おうって思ってます。みんなが選手兼スタッフとして動いてお金を生み出す。それを予算にして少しずつ使えるお金を作っていく。その仕組みや役割担当はミーティングで決めました。不安に思っても、やるしかないので前向きです」

――ありがとうございます。では最後にこれを見てアクトレスガールズを知った方へメッセージをお願いします
「今の時点で自信満々にすごくいいです!なんて言える状態ではないですけど、多分皆さんが抱いているイメージは覆せるほどの衝撃は受けてもらえると思うので、お試しでいいのでぜひ一度見に来てほしいです。直近ですと9月18日に新木場1stRingで昼夜興行がありまして、こちらはお芝居メインなんですけど劇中の中のフルコンタクトアクションは圧巻です。足を運んでいただけましたら嬉しいです」

舞台『カウント2.9!』
会場:新木場1stRing
開始:昼公演13:30 夜公演18:30

<キャスト>
夏葵/坂本茉莉/荒幡寧々(昼のみ)/阿川祐未(夜のみ)/青野未来(昼のみ)/皇希(夜のみ)/澄川菜摘/松井珠紗/なる(昼のみ)/山田奈央(夜のみ)/福永莉子/入江彩乃/岩井杏加(昼のみ)/ちあき(夜のみ)/中山ヤスカ/汐月なぎさ/新井みずか/金光くみ/井村和胡/月代彩佳/水嶋さくら/甲部優花/轟もよ子/後藤智香/喜屋武蓮/MARU/大和武士/石川はるか/みあ朝子/藤本こあら

演出:田中寅雄
演出助手:安川結花

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