【試合詳細】4・26 ドラディション後楽園ホール大会 アントニオ猪木vs藤波辰爾 藤波辰爾&越中詩郎&獣神サンダー・ライガーvs藤原喜明&ヒロ斎藤&ブラック・タイガー 長井満也&田中将斗&KAZMA SAKAMOTOvsKENSO&関本大介&YAMATO

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『DRADITION 2019 NEVER ENDING DREAM TOUR in TOKYO』
日程:2019年4月26日(金)
開始:19:00
会場:東京都・後楽園ホール
観衆:2000人(超満員)

▼タッグマッチ 20分1本勝負
倉島信行/○TAMURA(HEAT-UP)
9分30秒 逆さ押さえ込み
●藤原ライオン(フリー)/三州ツバ吉

▼タッグマッチ 30分1本勝負
坂口征夫(DDT)/○スーパー・タイガー(リアルジャパン)
7分38秒 タイガー・スープレックスホールド
浜亮太(大日本)/●新井健一郎(DRAGON GATE)

▼6人タッグマッチ 45分1本勝負
○長井満也/田中将斗(ZERO1)/KAZMA SAKAMOTO(フリー)
11分30秒 ストレッチプラム
●KENSO(フリー)/関本大介(大日本)/YAMATO(DRAGON GATE)

▼6人タッグマッチ 60分1本勝負
[ドラゴンボンバーズ]藤波辰爾/越中詩郎(フリー)/○獣神サンダー・ライガー(新日本)
11分40秒 垂直落下式ブレーンバスター→体固め
藤原喜明(藤原組)/ヒロ斎藤/●ブラック・タイガー

▼平成最後の金曜8時 DRADITION闘魂LIVE 時間無制限1本勝負
アントニオ猪木、藤波辰爾、坂口征二

アントニオ猪木が藤波辰爾とアフリカ置き去り事件や8・8決戦を振り返るトークショーを実施!ドラゴンボンバーズが復活しライガーが「新日本との橋渡しをする」

第1試合


 倉島とライオンでゴングが鳴ると、手4つからバックの取り合い、グラウンドにもつれ込んでマウントを取り合いながら転がっていくが、ツバ吉が横から倉島にローキックを見舞い、そのままタッチを受けて倒れる倉島へ蹴りを放っていく。ロープに逃れ、一旦距離を取った倉島はツバ吉の足を取ってレッグロック、体勢を入れ替えながら腕固め、腕十字と狙っていくがツバ吉がロープブレイク。両者タッチ。
 TAMURAとライオンは何度もショルダータックルでぶつかり合い、ライオンがこれを制して倒すもののTAMURAは即座に起き上がって打撃を見舞いロープに走るが、ライオンがカウンターのミドルキック。ツバ吉にタッチ。
 ツバ吉はTAMURAにミドルキックを放っていくと、TAMURAもミドルキックで反撃しバチバチと蹴り合っていく。これを制したツバ吉がサッカーボールキックを放ち、TAMURAが起きるのを待ってミドルキックを放っていくが、TAMURAはこれをキャッチして足への低空ドロップキック。倉島にタッチ。
 倉島はブレーンバスターを狙っていくが、ツバ吉は倉島の足を刈ってグラウンドに引き倒しキーロック。倉島が体を起こしてツバ吉をフォールし、キックアウトしたツバ吉に絡みついて河津掛け落としからジャーマンスープレックスホールドもライオンがカット。ツバ吉は倉島へハイキックを放つと両者ダウン。ダブルタッチへ。

 TAMURAが突っ込んでいくとライオンはカウンターでミドルキック、さらにランニングバックエルボー、ジャンピングラリアットと畳み掛け、場外に逃れたTAMURAへトペ・スイシーダ。救出に来た倉島も場外に落としてトペ・スイシーダを狙って走るが、TAMURAが場外からライオンの足を引いて倒し、リングに戻ってミドルキック。さらにTAMURAはコンビネーション打撃からバックを取るが、ツバ吉が入ってきてライオンを救出し、ライオンがサッカーボールキック、ツバ吉がPKを放ってサンドイッチ。ライオンはドラゴンスリーパーでTAMURAを絞め上げるが、TAMURAはサムソンクラッチで切り返し、これをキックアウトされるとスモールパッケージ、バックスライドと立て続けに丸め込み、カウント3を奪った。

第2試合

タイガーと浜のマッチアップで試合が始まると、タイガーはエルボー、ローキックと放っていくが浜は微動だにせず、逆に両手でタイガーを突き飛ばす。タイガーは浜のバックを取ろうとするが浜のウエストに腕が回らずクラッチ出来ずにいると浜は尻を突き出して再びタイガーを吹き飛ばす。タイガーはミドルキックで反撃していくが、浜はラリアットでなぎ倒しロープに掴まりながらタイガーに全体重をかけて踏みつけてからアラケンにタッチ。
 タイガーはアラケンにソバットを放って坂口にタッチ。
 坂口が出てくるとアラケンは後ずさりながら命乞い。坂口は掌底、ミドルキック、スリーパーホールドと攻め立てていき、アラケンが必死に浜の元へ逃げ出そうとするのを許さない。タイガーにタッチ。
 タイガーはアラケンを弓矢固めで吊り上げ、アンクルロック、アキレス腱固めと攻め立ててから坂口にタッチ。
 坂口は逃げ出そうとするアラケンに腕固め、腕十字と絞り上げるが、アラケンはロープブレイクした後場外に逃れて坂口を挑発。坂口が追ってくるとアラケンは坂口の顔面にツバを吐きかける。これに激怒した坂口はアラケンを追いかけていき、アラケンは脱兎のごとく逃げ出して会場の外へ。グルリと一周してリングに戻ってきたアラケンは浜にタッチ。
 浜は坂口にラリアット二発からエルボードロップ、さらにボディプレスを放つが坂口はこれを回避しタイガーにタッチ。
 タイガーは浜へブレーンバスターを狙うが、浜が逆に投げ返してアラケンにタッチ。

 アラケンはコーナー上からタイガーへダブルアックスハンドル。怯んだタイガーのマスクをはごうとするが、これをレフリーに止められるとコーナー上からタイガーへ飛んでいく。しかしタイガーは地対空ミドルキックでアラケンを撃ち落とし、ダブルアームスープレックスからフォールも浜がカット。ここに坂口が飛び出してきて浜をジャンピングニーで排除するとタイガーは掌底、ソバットのコンビネーションからタイガー・スープレックスホールドでアラケンを沈めた。

第3試合


 両軍が入場するとKENSOが奇襲し、全員入り乱れての場外戦からゴングが鳴る。
 リングに戻ったKAZMAはYAMATOをチンロックで絞り上げ、抜け出そうとするYAMATOの髪を掴んで妨害。YAMATOもKAZMAの髪を掴んでやり返してからショルダータックルでなぎ倒すが、KAZMAも掌底でやり返して田中にタッチ。
 田中はYAMATOへ串刺しジャンピングエルボーからエルボードロップ、さらにYAMATOを場外に放り出すと場外で長井がYAMATOを観客席で暴行。KAZMAにタッチ。
 KAZMAとYAMATOはエルボーを打ち合っていき、コーナースルーの攻防を制したYAMATOがKAZMAに串刺しドロップキックを放って関本にタッチ。
 関本はKAZMAにアトミックドロップからアルゼンチンバックブリーカー。これを長井と田中がカットすると、関本は2人をダブルラリアットでなぎ倒しKAZMAにブレーンバスター。KAZMAはエルボー連打で突っ張っていき、「チョット待って!」からの延髄斬りで関本の不意をついた一撃を入れると田中にタッチ。
 田中は関元をロープにくくりつけてジャンピングエルボー、DDTと連撃し、ラリアットを狙うが関本もラリアットで迎撃。2人は正面からラリアットでぶつかり合っていき、田中がよろけたところで関本がジャーマンスープレックス。しかし田中もすぐに起き上がり関本にラリアットを放つと両者タッチ。

 長井とKENSOのマッチアップとなると、KENSOは長居をコーナーに押し込んで張り手から腰ひも攻撃。さらに関本とYAMATOを呼び込んでトレイン攻撃を放ち、関本とYAMATOが長井にサンドイッチ式延髄斬り。そこへKENSOがラリアットからフォールもKAZMAがカットし、KENSOにトラースキック、倒れたKENSOに田中がスーパーフライを投下してアシストすると、長井はKENSOへキャプチュード、みちのくドライバーからのストレッチプラムで絞め上げタップを奪った。

第4試合


 獣神サンダー・ライガーがドラディションに初参戦。新日本プロレスの所属選手がドラディションに上がるのも初だと会場でアナウンス。

 ライガーは藤原に歩み寄って握手を求め、藤原がその手を握り返すとライガーは深々と頭を下げる。しかしヒロには「出てこいコラ」と挑発し、その2人でゴング。
 ライガーとヒロはロックアップで組み合って押し合い、その後は腕取りからライガーが足を取ってレッグロックに行こうとしたところをヒロがロープブレイク。両者タッチ。
 越中とフラックになると、越中がブラックにヒップバッドを連打しフェイスロックをかけながらヒロを挑発。越中は藤波を呼び込みダブルのショルダータックルを見舞ってから藤波にタッチ。ブラックも藤原にタッチ。

 藤波は藤原とロックアップで組み合ってコーナーに押し込み、藤原の頭をコーナーに叩きつけるが、藤原は自らコーナーの金具へガンガンと頭を叩きつけ、額から流れ出る血を指で拭って舐め、ニヤリと笑う。そして一本足頭突を3発見舞うと、両者タッチ。

 再びライガーとヒロのマッチアップとなるが、ヒロはライガーを自分コーナーに押し込んで藤原、ブラックとともにライガーへチョーク攻撃。そのまま藤原にタッチすると、藤原はライガーに脇固め。ライガーがブレイクするとブラックにタッチ。
 ブラックはライガーをコーナーに上げてマスク剥ぎを狙い、これをレフリーに止められるとライガーを宙吊りにして顔面に低空ドロップキック。続けてヒロがコーナーからダブルアックスハンドルを投下し、タッチを受けてライガーにチンクラッシャー、セントーン、チンクラッシャーと連撃してコーナーに振って突撃。ライガーはカウンターで掌底を叩き込んで越中にタッチ。
 越中はヒロにヒップアタック。飛び出してきたブラックにもヒップアタックを見舞い、場外に逃れたヒロにエプロンからダイビングヒップアタック。ヒロをリングに戻してブレーンバスターを狙うが、ここにブラックが入ってきて越中をダブルでブレーンバスター。両者タッチ。
 藤波と藤原のマッチアップとなると、藤原がダブルチョップ、一本足頭突きを見舞ってブラックにタッチ。
 ブラックは藤波へビッグブートを放つが、藤波はこれをキャッチしてドラゴンスクリュー。ライガーにタッチ。

 ライガーはブラックのバックを取るが、ブラックは後ろ足を蹴り上げて急所攻撃を放つと、コーナートップからダイビングエルボードロップからフォールに入るが、越中と藤波がカットし、ブラックへ藤波がドラゴンスクリュー、越中がヒップアタック。続けてライガーがランニング掌底から垂直落下式ブレーンバスターでブラックを突き刺し3カウントを奪った。
 ライガーは藤波、越中としっかりと握手を交わし、観客席の四方に頭を下げてから退場していった。

<試合後コメント>

獣神サンダー・ライガー&藤波辰爾
ライガー「いやぁ!ありがとうございましたァ!ハッハ!ありがとうございましたぁ~っ!」
藤波「やっぱ楽しい!ありがとうございました!」
ライガー「いやぁ~!ハッハハ!ありがとうございました!ドラゴンボンバーズの復活だぞコラぁ~!ヒィ~ッフゥ!……あれっ?!越中さんは?!越中さんはぁ?!」
藤波「ちょっとね、俺次トークショーだから」
ライガー「エェーッ?!」
(藤波は先に退席)
ライガー「言葉じゃ何も言えない。ドラディションに新日がどうのこうのじゃなくて、僕が初めてドラディションのリングに上がれた喜び。それと、上がることを許していただいた藤波さん、あとドラディションの関係者、ホントに、ホントに感謝致します。それから、会場に集まってライガーを応援してくださったファンの皆様も、本当に本当にありがとう!今日、新日本は僕のふるさとの広島大会だったんですけど、僕は敢えてこちらに参戦させてもらいました。それは、僕のふるさと広島を軽んじるんじゃなくてね、やはりここでドラディションに上がっておかなければ、いつ上がれるんだろうって。僕のケツは決まってるんで、これで上がれなかったら僕はずーっと後悔し続けるだろうと思って、ホント万丈の想いで今日はドラディションに上がらせていただきました。なんか、いいね。モニターで(過去の映像を)見てても、あの頃の……ドラゴンボンバーズのメンバー、みんな若いな!あぁ、俺もアレ地毛だったと思う。今は色んな理由で地毛じゃないけど……まあそういう懐かしさもあって、いつもより気合が入ってる感じですね。ドラディションまだチャンスが有ればどんどん上がりたいと思うし、LEONAも今ケガで欠場中ですけど、ウチの若手たち、ヤングライオンとバチバチぶつからせてもいいんじゃないかと俺は思う。今までLEONAは大先輩と言われるレスラーたちとずっと当たってきたけど、やっぱり同じ年代のやつとバチバチ意地張り合ってやってくほうが、彼の今後のレスラー人生の役に立つと思うし。俺が、ケツが決まってる俺がやれることは、そういう道筋を立ててやることなのかなと思っています。それでドラディション出場というのもあるんですけど、まあ色んな意味で今日は僕の思い出に残る一日です。あまり僕がこうやって長々とインタビューするのって珍しいとマスコミの皆さんは思ってるかもしれないですけど、それだけ僕の気持ちの中では大事な一日でした。猪木さんにもお会いすることが出来た。坂口さんも来られている。藤波さん、藤原さん、ヒロさん、越中さん……そういった中で、プロレスが出来る幸せ。これをまた明日から新日本プロレスでも糧にして頑張っていきたいと思います。僕からは以上です。ありがとうございました!……越中さんと藤波さんなんで来ねぇのぉ?!俺、ハブ?!さては!(笑)大丈夫かなぁ。俺すっげぇ嬉しかったのに。誰も来ないって……『どうなんだ』って書いといて!『ライガー怒ってた』って(笑)」

アントニオ猪木&藤波辰爾トークショー



 後から猪木が入場し、藤波が握手を求めると猪木は闘魂注入ビンタ。ひっくり返る藤波だったが、起き上がってまた握手を求めると猪木は満面の笑みを浮かべてその手を握り返す。

藤波「今日は猪木さんにリングに上っていただき、本当に感無量です!今最初にビンタもらいましたけど(笑)」
猪木「元気ですかーッ?!元気があれば何でも出来る。バカヤローッ!色々とある毎日を送ってますけどね。国会という狭い世界は非常識が通らないっていう(笑)今日はそういうこと無しでやってくれるっていう……あ、違うんだね(笑)」
藤波「今日は段取り通りいきませんよ(笑)段取りはもう忘れてください」(司会者へ)
(猪木の背後である北側客席から「こっち向いて!」などの大歓声が上がる)
猪木「腰が悪くて後ろ向けねぇんだよ(笑)今日は普段しない話をしましょう。ね。世の中つまんないしね」
藤波「段取りがつまんないって(笑)」
猪木「いや、段取りがつまんないとは言ってないよ。やっぱりね、出たとこ勝負が面白いでしょ(笑)なんか『今日はビックリすることがある』って聞いて、昔の女を全部揃えるのかなって思ったりね(笑)女性の話とね、政治の話はご法度ですからね(笑)」

――30年前に控室で藤波選手がハサミを持ち出したときの猪木さんのお気持ちは
猪木「そんな昔のこと忘れちゃったよ(笑)あっ、北海道でね!」

――沖縄です(笑)
猪木「あっ、沖縄。ホントにね昔の話は……」
藤波「ハサミある?(笑)」(観客席へ)
猪木「昔は全国を旅してましたからね。毎晩部屋でね、今みたいにコンビニがいっぱいあるわけでもないし、終わったらみんな部屋でね、一日の終わりにして、今こんなこと言ったらえらいことになりますけどね、よく事件になったね、部屋で博打を打ったりね(笑)」
藤波「それはダメです!やめましょう!(笑)」
猪木「いや、そういう歴史はちゃんと教えとかないとね?(笑)今テレビを見てるとね、ちょっと手を出したとか怒ったとかね、俺なんかね、師匠の力道山からどんだけぶん殴られたかって(笑)で、一回もぶん殴ったことがないのは藤波選手」
藤波「プライベートでは一切手を上げてないんですよ。試合会場とか、試合会場とかね、試合前に練習をするんだけど、そのときに、僕はやったつもりはないんだけど、選手が長い巡業をやってると疲れてくるんですよ。そのときに猪木会長が会場に来たときに、だらけたような感じに見えたんでしょうね。そのとき僕が一番近いところにいたんですよ。それでね、腕立て伏せのプッシュアップボードっていうのがあるんですよ。そのプッシュアップボードでパーンと殴られましてね。その時は僕もいい意味でね、いい雰囲気でやってた頃ですよ。それで頭パックリ割れてね(笑)もうそのときは僕は試合する前から頭から血が流れてたっていう。お客さんは不思議に思ったでしょうねぇ」
猪木「あのね、今からでも時効になってないから訴えても大丈夫だよ(笑)まあそのくらい気が入ってたと言うか、先輩からもやられてたりね、それが当たり前というかね」
藤波「ホント、ピリピリムードでしたね。あの頃はよその団体に負けるなっていうね、選手はもちろんのこと、営業もスタッフも全員がピリピリしてましたから、ホントにだから、真剣勝負でしたね」

――藤波選手は16歳の頃、日本プロレスから猪木さんの付き人をして50年になります。最後は横浜で闘うという長い歴史がありますが、どのような想いがありますか
藤波「ホント僕は今幸せっていうか、僕はもうホントに、今はこうやって横に座らせてもらってますけど、今も一人のプロレスファンなんですよ」
猪木「今日は俺のアレじゃないんだからさ、そんなに持ち上げなくていいんだよ(笑)」
藤波「いや、でも昔ホントにね、猪木会長が口走ったりね、試合終わった後宿舎に戻るでしょう?その後食事終わってフロントでね、選手がそこでね、猪木さんの話を聞くのがね、これが一番いい時間でしたね。それが各地の試合でそういう時間が必ずあったんですよ」

――猪木さんがアフリカに藤波さんを連れてったという……
藤波「またその話する!(笑)」

――それを猪木さんは覚えていらっしゃいますか?
猪木「寒い時期に置いてった気がする(笑)ホントの話をすると、全部頼んでね、日本のレスラーのやってる代理人に、その時まだワシントン条約が出来てなかったんで、それこそシマウマの革だとかね、象牙だとかね、ちょうど俺が急用ができて一日早く帰ることになってね、だから『藤波を宜しく頼みます』とお金もしっかり置いて、そしたらその野郎、そのままお金を持って逃げちゃった(笑)それで迎えも来なかったってあとで聞いてね、どこにもいなかったって」
藤波「朝起きたらね、もうそのポーターいないんですよ(笑)もういたのはマサイ族だけ(笑)その中でね、僕はもう夜も寝れなくて過ごしてね。でも不思議なのはね、あの頃って携帯無いんですよね。衛星電話もね。でも日本から急用が入ったって……どういうわけで日本から急用が入ったのかっていうのは(笑)でもあのときホントにね、どうやって日本に帰ったかわからない。どうだったかな、タンザニアからインドのボンベイとかかな?北京についたらねホッとしましたよ。それが17歳、18歳の頃かな」
猪木「可愛い子には旅をさせろってね(笑)」
藤波「でもあのとき僕が帰ってこれなかったらどうなってたんだろ(笑)」
猪木「ホントにね、若いときに何があるかわかんないけど、歳を重ねてみると、まあそういう一つ一つが財産だってのがね、それがよく話をするんだけど、アレがあったからアメリカ行こうがどこ行こうが何も怖くなくなったってね」
藤波「ホント、アレ以来カバンひとつ持って世界中どこでも行けるようになって。それを今うちの怜於南にも(海外に行かせるとき)真っ直ぐ行かせるんじゃなくて、色々経由させて行かせるんです。そこで色々な出来事があるだろうって、経験させながら行かせますよね。でもアレはいい経験になりました」

――アフリカ時代の話も色々ありましたが、そろそろ8・8の横浜決戦の話を
猪木「この間テレビ見て思い出しましたね。ちょうどね、たしか俺が膝を痛めてね、手術したときだったかなぁ。その頃はやっぱ限界が来てる状況もあったし、『次の時代に』っていう想いもあったんで。まあでもホントにね、いい試合だったとか自分で言うのもおかしいからね。見た人が『あれはいい試合だった』って言うもので」
(会場から「いい試合だった!」と大歓声)
藤波「あれはまだ、僕が34歳だったかな。猪木さんは44、45でしょう?実際その一時間、8月8日リング上暑いときですから、だってクーラー無いんですね。暑かったですね。暑いですよ。それがあの中で、コンディション悪かったから、ホント『どこからこのエネルギーが湧いてくるのか』ってホント怖かったですね」
猪木「相手が憎らしいからだよ(笑)」
藤波「あっ……ハイ(笑)汗がね、出すぎちゃって僕はね、変な話ですけどね、1日半おしっこ出なかったんですよ。それくらい出し切っちゃった」
猪木「あんまり汗かかなかったなぁ。昔は水飲んじゃいけないって、今は水飲めて。時代が変われば、どっちがいいのかは別にして、ただスタミナだけはね、よく走ってましたから」
藤波「猪木会長の付き人やるとみんな試合終わって、寝る前に必ず走るんですよ。みんなだから、みんな一緒に走るんですけどね」

――猪木さんの付き人をやっていた時代から50年が経ちました
藤波「猪木会長の付き人になって東京で初めて暮らしたときにね、宿舎へ、猪木会長のお家に下宿しましてね」
猪木「俺がね、追放されたときにね、日本プロレスから。そのときに『こんな悪いやつを追い出した』って東京スポーツがね、一面でね、みんな万歳してたんですよね。」
藤波「それはね、報道ですから、なにもそんなに悪いの書かれたと思います」
猪木「いやいや、その話はね、写真を見たら藤波選手と、あと誰だったかな。木戸(修)か。みんなで下向いてんだよ。それで『彼らに声かけないと悪いなあ』って思ったのが、それで声かけて、色々決断するの大変だったと思いますよ。当時の新聞は『こんな悪いやつをプロレス界から追い出した』ってアレでしたよ。悪いやつは生きてます(笑)」

――それで藤波さんは猪木さんの家に転がり込んだんですね
藤波「そのとき、日本プロレスは代官山に事務所と宿舎があってね、その道路を出た反対側に猪木さんの新日本の事務所を開いてね、その距離がすごく遠かったこと。ホント命がけでその新日本プロレスの道場からカバンをどうやって持っていったか分かりませんけど、命がけで道路渡って猪木さんの事務所に逃げ込んだことを覚えてますね。道場ができる前の思い出ですね。新日本プロレスが出来て新弟子で一人で奮闘してたわけでね、(山本)小鉄さん、北沢さん(魁勝司)、柴田さんね、ホント少数の選手でスタートしたんですね。でも忘れちゃいけないのはね、新日本プロレスにはもうひとり忘れられない人がいるんですよね。今日は是非、この方と猪木会長が並んだところを目に焼き付けたかったんですよ。この方です!」

(坂口征二が入場)

坂口「どうも、お久しぶりです。息子が試合出てたから久しぶりに後楽園に来ました。ホント後楽園っていいですね。試合してないから来ないけどこうして後楽園ホールに来るとなつかしい。いい雰囲気で」

――新日本プロレスで猪木さんと合体したのは46年前になりますが、そのときの思い出を
坂口「46年ですか……ちょうど日本プロレス出て50何年になりますけどね、そのときは猪木さん来られて、藤波が入ってきて、ちょっと袂は別れましたけどね、新日本プロレスと日本プロレス、それから2年くらいですかね?オールスターっちゅうのがあって。若いときだったから、勢い良くしてました」
藤波「ほんとあの頃はね、少人数でやってて、生きのさんの新日本プロレスに日本プロレスから来ていただいてホントにね、なんちゅうか選手、若手はたくましさというか、勇気が湧いてきましたね。試合数、興行数は変わるわ、お客さんの数は変わるわ、おまけにテレビ朝日がね、当時はNETテレビでしたけど、あとはホント年々ね、盛り上がってきましたよね。ホントね、ファンの皆さんと一緒にね、僕自身がね、見たかったんです。猪木会長がね、お客さんがいる中でもう一回ね、気合を入れるのをやっていたきたいなと。坂口さんもいらっしゃいますし、例のやつを!」


 その後、北沢幹之さんが入場し3人と握手を交わす。

藤波「僕のプロレス入りの恩人です。もう北沢さんがいたからこそプロレス界に入ることが叶いました」

 その後、全選手がリングに上がる。

猪木「国会で質問して、安倍総理に『元気ですか?!』と聞いたら『心臓に悪いからやめてくれ』って(笑)昨日も国会で、学生たちが見学でいるんです。それで、言葉をかけて『元気ですか?!』って言ったら、『元気があれば何でも出来る!』と逆に言われてしまうんですね(笑)というわけで、ホントリングの上から若い人たちにメッセージを送りたいと思います。思いが叶いますように。大きな夢を持ってもらって。一つだけ余分なんですけど、選挙に出てくれって言うんですよ。で、今選挙事務所を懸命に探したけど、いいところが見つからない。北朝鮮に頼んでね、選挙事務所を作ってもらおうかなと思っている(笑)行くぞ!1!2!3!ダーッ!!」


藤波「本日は最後までご観戦ありがとうございました。平成最後の大会で僕の夢に付き合っていただきありがとうございました。まだまだタイトルの通り、ネバーエンディング・ドリーム・ツアーっていうね、僕の夢はまだまだ続くっていうね、まだまだプロレスでいろんな夢を見ていきたいと思います!本日はありがとうございました!」

<大会総括>

藤波辰爾
――久々に猪木さん、坂口さんとリング上で対面した感想は
「ほんと今回はね、ライガーについてもね、ホントに良くまた会場までね、また久しぶりに後楽園に来てくれてほんと助かった。自分の夢でもあるしね。このタイトルはそのために描いたものが実際にこうやって実現できた言葉って実現して続けていけるようにっていう、ホント感謝してますね」

――坂口さんがリングに上がることは直前に決まった?
「これは最後まで誰にも言わなかったです。僕の中にはあったんですけど。前に、何ヶ月前か去年かな、猪木会長と坂口さんと3人で食事したんですよ。その時に会長と坂口さんがホントにいい顔をしていたんですよ。これは僕一人が楽しんでる場合じゃないなって。プロレスファン全員がね、この猪木会長と坂口さんのもう1度並び立つ姿をね、見てもらいたかったんですよ。平成最後だったりするからね。令和っていう新しい年を迎えるという意味ではね、いろんな、残していこうかなって。……良かったねぇ、坂口さんねぇ、(坂口が登場することを)言ってなかった、会長には。まあ2人が並び立つ姿はいいね。新日本プロレスのね、旗揚げの時を思い出した。あの京王プラザでね、2人がね、握手してね、組み合ってる姿ね、あのとき俺は若手だったけど、あのときのね、あの二人が立ったときに『これで新日本プロレスはなんとか持ちこたえられるな、やっていけるな』っていうのはね、僕はあれでね、あの二人の姿を見てね、自信を持ったっていうかね、新日本プロレスが。良かった、僕のハプニングを」

――8・8の話をいくら振っても猪木さんは乗ってきませんでした
「多分、どっかでファンがジョークでハサミをリング上に投げ入れたらどうしようかと思った(笑)またハサミ持ったら切らなきゃいけなくなっちゃうから(笑)」

――ハサミのことは猪木さんも記憶にあったような様子でした
「ありましたねぇ」

――リング上でビンタを受けたことの感想は
「いやぁ~、思わず僕も嬉しさも有り、ひっくり返りましたけどね、懐かしいねぇ。まだまだビンタもね、これも続けてほしいですよね。選手ももらい続けてほしいね。ホントは今日最後にみんなでビンタやるんだったなぁ。みんなリング上がってきてたもんなぁ(笑)あ~、猪木さんが持たないか(笑)いやぁ、あの2人はいいね。うん」

――今日の大会について猪木さん、坂口さんからなにかお言葉は有りましたか
「いや、(トークショーが終わってから)会ってないもん。俺ももう走り回ってたから。まあ選手がリング上上がればツーカーの仲だしね?まあ坂口さん猪木さんとももう50年になるけど、親よりも猪木会長といるほうが長くなったっていうね」

――トークショーも猪木さんが段取りを無視した独壇場と化していましたね
「段取り通り行くのをあの人嫌うからねぇ」

――今日はライガー選手も初出場しました
「そう!ライガーもね、上がってくれてホントすごい今いろんな状況の中で勇気がいったと思いますよ。その中で、僕もね、気持ちよく送り出すね、次に繋がるいい新日本もまた、快く送り出してくれてね、次に繋がる夢の第二部を見れそうかなって気持ちがね、うん」

――ライガー選手は「LEONA選手と新日本プロレスの橋渡しをしたい」と仰っていました
「そうですね。LEONAもほとんど足はもう完治してね、足が治り次第!」

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