「昭和の伝統文化・ダフ屋を守って貧富の格差を無くす」メロン記念日の狂信者が雀卓ともみじ饅頭が舞うリングで自転車ヘルメットの努力義務を守り王座戴冠!
25日、東京都・新木場1stRINGにて、TTTプロレスリング『CREATION 3』が開催され、【渡鳥連合】藤原秀旺&塚本拓海がTTT認定インディー統一タッグ王座戴冠を果たした。
TTT(TOTAL TRIUMPH TEAM)とは、故・ターザン後藤さんに薫陶を受け、ミスター雁之助を師に持つ黎明期インディープロレスの後継者的存在であるガッツ石島が2020年1月に“インディープロレス統一”を掲げて旗揚げした団体であり、PWC、FMW、IWA JAPANなどの流れを汲むベテラン選手たちが数多く参戦中。90年代インディープロレスの“おもちゃ箱をひっくり返したようなプロレス”の魂を令和の世に伝え続けている団体だ。
旗揚げ直後にコロナ禍を迎え、オマージュ元のFFFのごとく早々に“無かったこと”になることを危惧されていたTTTだが、同じくコロナ禍に苦しむ都内の商店会とタッグを組み、町興しのための『商店会プロレス』を各地で実施。街ゆく人々にプロレスの魅力を伝えていく草の根運動で堅実に足元を固めていったことで順調に客足を伸ばしていき、2023年1月に無事3周年を迎えた。
現在TTT認定インディー統一タッグ王座を持つ【REAL HIPSTAR】はインディー界を荒らし回るジュニアヘビー級のタッグ。広島・大阪を中心に活動するダブプロレス所属で現DOVE世界ヘビー級王者の木下と、プロレスリング紫焔出身でBASARAやFREEDOMS、GLEATなどでの活躍が知られる政岡のイケメンタッグはその実力と愛嬌から多くの女性ファンを獲得している。
また、木下は現在UFCで闘う総合格闘家・木下憂朔の兄でもあり、一部格闘技ファンからも認知されている。
一方、挑戦者の【渡鳥連合】を率いる藤原秀旺は、解散から10年以上経っても『メロン記念日』を愛し続けており、メンバーにも認知されている狂信者。
入場後にリング上で仲間たちとチンチロや鷲巣麻雀を行ったり、「脱原発を進めて俺の地元・岩手県花巻市大迫町に2.5兆円かけて水晶パワーによる発電センターを作る」と謎の政治的主張を行ったり、TTTの会場前で堂々とダフ屋行為を行って「ダフ屋という昭和の日本の伝統文化を守らねばならない」と強弁したりといった独特な世界観や過激な言動でコアなインディープロレスファンからカルト的な人気を誇っている。
2月大会では秀旺が木下の持つDOVE世界ヘビー級王座に挑戦したが、秀旺が練乳をかけたイチゴを無理矢理レフェリーの口に突っ込んで失神させたことで無効試合となっており、2人の間の因縁は消化不良のままとなっていた。
試合は、REAL HIPSTARの2人が華麗な連携で畳み掛けていく展開となるも、秀旺が法改正によって今年4月から装着が努力義務化された自転車用ヘルメットを装着してのヘッドバッド連打で猛攻。
相手がグロッキー状態となる絶好の勝機が訪れるも、秀旺らはリング上に雀卓をセットし、「座って話そうじゃないか」とボーイズトークを提案するも、ちゃぶ台返しならぬ雀卓返しを受けて窮地に。
再びREAL HIPSTARが猛攻をかけるが、再びリングに雀卓を立てた渡鳥連合が「いいから座れよ。もみじ饅頭でも食えよ」とどんぶりに入ったもみじ饅頭を差し出して休戦要請。REAL HIPSTARはもみじ饅頭で乾杯して一口かじってから雀卓返し。
木下のジャーマン・スープレックス・ホールド、政岡のAmbitionsと2人の最上位技を受けてしまった秀旺だったが、渡鳥連合のセコンドがレフェリーを場外に引きずり落としてカウントを妨害。その隙を突き、秀旺がロマンチックを突き抜けろ!(※変形バックドロップ)を決めて木下から3カウント。渡鳥連合が王座奪取を果たした。
試合後を終えた秀旺は、「伝統文化であるダフ屋行為というのをなくしてはいけない。見世物小屋というのは、大寅興行社さんという方々が1つの時代とともに無くなっていった中で、昭和の文化、無くしてはいけないものの1つにダフ屋というものがあるんじゃないかと考えています。貧困格差であるとか、世界の経済について、色々考えていたことで。格差をなくそうじゃないかっていう運動でやっています。それが良いか悪いかという話は、法的な部分でやってもらえばいいだけで、我々はとことんやらせてもらいます」と演説し、自転車に乗って夜のベイサイドへと消えていった。