年間135試合に出場した超売れっ子レスラー・佐山駿介がドクターストップで引退表明!全国のプロレス関係者からメッセージが殺到!
8日、東京都・新木場1stRINGにてTTT『ATTACK5』が開催され、佐山駿介が引退を表明した。
TTT(TOTAL TRIUMPH TEAM)とは、ターザン後藤に薫陶を受け、ミスター雁之助を師に持つ黎明期インディープロレスの後継者的存在であるガッツ石島が昨年1月に“インディープロレス統一”を掲げて旗揚げした団体。旗揚げ直後から新型コロナウイルス流行による大会自粛という苦難に見舞われるも、昨年7月に再開してからはほぼ全ての大会が札止めとなっており、根強いファンの支持を得ながら勢力を拡大して今年6月13日には初の新宿FACE進出を決定。
昨年6月にエースのTORUが右肩を脱臼してピンチを迎えたTTTだったが、その危機を救ったのが佐山だった。
佐山はTAJIRIに憧れてプロレスラーを志し、パンクラスP's LAB横浜で総合格闘技の素養を培ってからWNCの血を引くASUKA PROJECTで高校3年生ながらデビューを飾る。総合仕込みの鋭い蹴りや巧みなグラウンドテクニックには定評があり、フリーとなった2019年には年間135試合に出場する業界随一の売れっ子選手となった。
TTT旗揚げと同時に所属選手となった佐山は一番の若手でありながらメインイベンターを任されるようになり、CIMAとのシングルマッチを経て急成長。団体の至宝であるCCWカナディアンヘビー級王座を戴冠するなどの実績を残し、TORU不在のTTTでエースを張ってきた。
しかし、佐山は以前より目の不調に悩まされており、「チャンピオンが欠場するわけにはいかない」と無理を押して出場を続けた結果、症状は日に日に悪化。ボロボロの中で闘い続けた佐山は今年3月に王座陥落した際に目を負傷して欠場に入ったが、そこで受けた精密検査で「網膜剥離の影響でこのままプロレスを続けると失明のリスクが高まる」とドクターストップを受けてしまう。
視界の歪みや飛蚊症などで私生活にも支障が出ているという佐山は、悩みに悩みぬいた末に引退を決意。24歳の若さで現役を退くこととなった。
この日、スーツ姿でリングに登場した佐山は、ファンに病状や引退を決意するに至る経緯を説明し、「佐山駿介というプロレスラーがいたんだということをここのリングで表したい」と6月13日の新宿FACE大会で引退試合を行うことを発表した。
その後、佐山は「自分自身、こんな形で自分の選手生命が終わるとは思っていなかったので……。ベルト獲ったときも、自分が新しい景色をどんどん見せていくと、ベルトを持ってどんどんやっていくと、お客さんの前で言ったからにはもっとTTTという団体をもっと大きくしてお客さんに支持してもらえる団体にしたかったという、悔いは残ります。いきなり選手生命を絶たれることになったので、この1ヶ月本当に頭が真っ白で何も考えられない状況だったので、今後については引退してから考えたいです」とうつむきながら語った。
しかし、佐山は自身のTwitterにて「『もう見れないのか』って声がありますが俺はまだ引退してない。昨日も言いましたが過去一のコンディション作るんで。応援してくださる方にプロレスラーとして最後の恩返しをするためにも、佐山駿介の集大成を見せます!」と引退試合に向けて前向きな意志を語る。
超売れっ子だった佐山の元には、ファンのみならず全国の選手たちから引退を惜しむメッセージが殺到しており、いかに佐山が将来を期待されていた選手であったかをその数が物語っている。
6月13日に行われる佐山の引退試合は、佐山のデビュー戦の相手である阿部史典の出場が内定している他、佐山が『この人と最後にやっておきたい』と思う数人を選びぬいてタッグマッチで実施される予定だ。