本田理沙に捧げるバックドロップで勝利したバラード歌手が自民党政権に生活保障を要求!「緊急事態宣言で試合の出来ないプロレスラーに年間200万円の給付金を」
8日、東京都・新木場1stRINGにてTTT『ATTACK5』が開催され、藤原秀旺がTORUとのTTT認定インディー統一無差別級王座の前哨戦に勝利して独自のマニフェストを叫んだ。
TTT(TOTAL TRIUMPH TEAM)とは、ターザン後藤に薫陶を受け、ミスター雁之助を師に持つ黎明期インディープロレスの後継者的存在であるガッツ石島が昨年1月に“インディープロレス統一”を掲げて旗揚げした団体。旗揚げ直後から新型コロナウイルス流行による大会自粛という苦難に見舞われるも、昨年7月に再開してからはほぼ全ての大会が札止めとなっており、根強いファンの支持を得ながら勢力を拡大して今年6月13日には初の新宿FACE進出を決定。
藤原秀旺は“唯一神”を自称し、入場後にリング上で仲間たちとチンチロや麻雀を行ったり、VHSや昭和アイドルグッズ等ノスタルジックな凶器を持ち込んだりと独特な世界観や過激な言動でコアなインディープロレスファンからカルト的な人気を誇る教祖的存在。
秀旺は、昨年にはプロレスラーから料理研究家への転向を表明し、その後すぐにバラード歌手に転向。その後も試合は続けているが「プロレスラーとしてではなく、あくまでバラード歌手としてリングに上っている」と主張しており、最近は謎の“秀水晶”なる物体の持つパワーに傾倒して「脱原発のために2.5兆円をかけて水晶パワーによる発電センターを作る」という理想を掲げている。
秀旺は、6月13日の新宿FACE大会にて、TTTが新設するシングル王座・インディー統一無差別級王座の初代王者決定戦でTORUと対戦することが決定している。
さらに同大会では、これまでTTTの最高峰の王座として扱われていたCCWカナディアンヘビー級王座をかけ、王者・木下亨平にユニオンMAX王座&BJW認定デスマッチヘビー級王座の二冠王である塚本拓海が挑戦することも発表済み。
今大会のメインでは、TORU、秀旺、塚本という来月のビッグマッチの主役たる3人が “三麻デスマッチ”なる珍妙な試合形式で闘うことが秀旺の独断で決定していたが、試合直前に秀旺の気分が変わったということで通常の試合形式で行われることに。
この日のために麻雀のルールを必死に覚えて臨んだTORUは肩透かしを食らったばかりか、秀旺は試合が始まっても姿を見せず“藤原秀旺”と名付けられたモアイ像のフィギュアが試合に参加していたことが気になってしまい本来の力を発揮できず。
実質的にTORUと塚本のシングルマッチのような形で試合が進んでいくが、試合終盤に秀旺がひょっこりと現れ当然の権利のように試合に参加。自身のセコンドを大量投入してTORUを袋叩きにし、最後は持参した本田理沙さんの80年代の等身大写真がプリントされていると思われる巨大なタオルでTORUを包んだ上でのバックドロップで試合を決めた。
試合後、マイクを取った秀旺は「今日、今、この場所から、プロレス緊急事態宣言、発令!」と叫んで足早にリングを降りる。
後を追って話を聞くと、「プロレス緊急事態宣言は、闘うリングのないプロレスラーに給付金を1人年間で200万くらい出せっていう方向で政権与党に陳情していこうと思っています。泡沫政党の人たちを集めて、野党連合みたいなものをやっていこうと思う。社民党以外の野党連合ってことになると思う。そのへんはちゃんとこの業界のことを考えて私が一番先にプロレス緊急事態宣言を発令しました」と独自のマニフェストを淡々と語り、「80年代のパワーというものを俺に集結させる」と本田理沙さんの等身大タオルを大事そうに抱えて去っていった。