田村潔司と山本喧一の弟子同士が代理戦争?!UWFインターの系譜の激突はインディー統一をかけた一戦へ!

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 7日、東京都・新木場1stRINGにてTTTプロレスリング『CONVICTION 12』が開催。クレイジーラバーズが若き挑戦者たちを蹂躙した。

 TTTプロレスリングは、故・ターザン後藤さんが掲げた“インディー統一”の遺志を受け継ぐガッツ石島が旗揚げした団体。90年代インディーの空気を色濃く残したディープなメンバーが参戦しており、令和最新型の“平成”を創り上げている。

 今年12月28日には後楽園ホールへ初進出が決まっているなど勢い付いているTTTだが、勢いが付いてしまったことでインディー界の猛者が集結することに。至宝たるインディー統一シングル王座は【ゴキブリ商会】藤田ミノルに、インディー統一タッグ王座は【クレイジーラバーズ】竹田誠志&塚本拓海に奪われてしまっている。

 そんな中、気を吐いているのはTTTの若手である【神橋(しんきょう)】神崎ユウキ&橋之介。タッグの至宝を奪還せんと挑戦状を叩きつけ、12月28日の後楽園ホール大会での挑戦を認めさせた。

 神崎はかつて山本喧一に師事してMMAを学び、その後は全日本プロレスの練習生に。デビュー戦の日程まで決定していたが急性硬膜下血腫で倒れてデビューが流れ、プロレスラーの道を断念して退団。俳優に転向した後にMAKAIでプロレスと再び出会いプロレスラーとして復帰を果たした。
 橋之介はプロレス界の名脇役として名を馳せた故・ウォーリー山口さんの実子。タイガー戸口(キム・ドク)に師事してデビューしたが、以降は父の後ろ盾を使うこと無く一貫してフリーとして活動。自らの意志で泥水をすすり続けてきた孤高のハイフライヤーだ。
 2人ともプロレスラーとしてのスタートは輝かしいものとは言えなかったが、ともにTTTに入団して“インディー統一”という下剋上の野心を胸にいだいたことで覚醒。地べたからプロレス界のトップを目指す志を持つようになった。


 この日は、塚本拓海vs橋之介、竹田誠志vs神崎ユウキとシングルマッチで前哨戦が2試合実施。
 塚本と橋之介の一戦は、塚本が橋之介に好きなように攻めさせた上で終盤に一気に反撃。最後は怒涛の大技ラッシュで畳み掛けて必殺のずどんで沈めるという格の違いを見せつけるかのような試合となった。

 一方、竹田と神崎の試合は前哨戦であると同時に別の見方も出来る試合。
 山本喧一の弟子である神崎に対し、竹田はU-FILE CAMPで田村潔司に師事した弟子。山本と田村は色々あって不仲であることが知られているため、この試合は弟子同士の代理戦争とも言える。


 試合は序盤から神崎がスピードで翻弄していくが、竹田はどっしりと受け止めた上でボディへのニーリフトを的確に蓄積。ロッキンポも早くから繰り出していき、垂直落下式ブレーンバスターやコーナートップからのサンセット・フリップなど普段は見せない引き出しも開けて圧倒。
 神崎も隙を突いての電光石火で勝機を作り、必殺のフロッグ・スプラッシュを決めるも竹田を仕留めるには至らず。フィニッシャーを返されたショックからか追撃が遅れた神崎にロッキンポを叩き込み、Uクラッシュを決めた竹田が3カウントを奪った。

 クレイジーラバーズはプロレスファンならば誰もが知る強豪タッグ。デスマッチのみならず通常ルールでもその強さを疑う者はいない。
 神崎&橋之介はまだ若くキャリアも浅いためクレイジーラバーズ超えの可能性は低いと見られているが、インディー統一の大願成就を果たすにはいつかは超えなければならない壁だ。その“いつか”を今すぐ手繰り寄せるには、若さゆえの勢いで試合中に殻を破るしかないだろう。
 インディー界のタッグ屋の世代交代が成されるかも知れない12月28日のTTT後楽園ホール大会に注目したい。

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