インディープロレス統一を目指した全国No.1の売れっ子レスラーが電撃退団!
3日、東京都・新木場1stRINGにてTTTプロレスリングが『INNOVATION 10』を開催し、同団体の絶対的エース・TORUの退団を発表した。
TTT(TOTAL TRIUMPH TEAM)とは、故・ターザン後藤さんに薫陶を受け、ミスター雁之助を師に持つ黎明期インディープロレスの後継者的存在であるガッツ石島が2020年1月に“インディープロレス統一”を掲げて旗揚げした団体であり、PWC、FMW、IWA JAPANなどの流れを汲むベテラン選手たちが数多く参戦中。90年代インディープロレスの“おもちゃ箱をひっくり返したようなプロレス”の魂を令和の世に伝え続けている団体だ。
TORUは、フリーランスであった2018年には全国のプロレスラーの中で最も多くの団体に出場し、常に全国を飛び回っていた売れっ子レスラーとして知られた。TTTの旗揚げとともに入団し不動のエースとして強い期待を背負っていたものの、怪我に泣き団体内ではシングル戦線からはしばらく遠ざかっていた。
しかし、TORUは他団体で王座戴冠を果たすなど結果を積み上げていき、今年6月にはTTTの至宝・インディー統一無差別級王座を戴冠。名実ともにエースの座を勝ち取った。
今年10月22日には自身の14周年記念大会も行っていたTORUだが、その数日後から急遽欠場へ。同月29日にはTTTより『「私的な事情により当分の間試合への出場を控えたい」との連絡がありました』とリリースがあり、11月30日にはTTTから書面で公開されたTORUからのメッセージで「個人的な事情でとてもリングに立てる状況ではありませんでした」「今は心身の回復に努めることに集中し、年内いっぱいは活動を休止します」と状況を報告。保持していたインディー統一無差別級王座の返上と、来年以降の活動再開もアナウンスしていた。
この日の大会オープニングでは、石川国由会長がリングに上がり、TORUの退団を報告。
「TORU選手はTTT旗揚げより団体を引っ張ってくれた選手ですので、退団は受け入れがたいものがあります。ただ、TORU選手の今後のさらなる飛躍と活躍に期待して、円満に送り出したいと思います。復帰後のTORU選手には変わらぬご声援をお願いしたいと思います」とTORU本人の意志を尊重した円満退団であることが語られるも、絶対的エースの突然の退団報告にファンは理解が追いつかず、会場のざわめきはしばらく収まらなかった。
大会後、ガッツ石島代表はTORUの退団を残念がりながらも本人の意志を尊重したことを語り、TORUの復帰後にまたTTTへ出場する可能性もゼロではないとした。