【試合詳細】12・3 TTT新木場大会 【インディー統一タッグ】黒田哲広&マスクドミステリーvs政岡純&木下亨平 葛西純&ガッツ石島&政宗vs藤原秀旺&ジョニー・ヘイワードJr&ガーリン・シュー・ペローズB(後藤恵介)&ガーリン・シュー・ペローズC(竹田光珠) ツトム・オースギ&バナナ千賀vs瀧澤晃頼&阿部史典vsガーリン・シュー・ペローズB(後藤恵介)&ガーリン・シュー・ペローズC(竹田光珠)
『INNOVATION 10』
日程:2022年12月3日(土)
開始:19:00
会場:東京都・新木場1stRING
観衆:182人
▼「新木場闘会始」シングルマッチ 30分1本勝負
○梶トマト(フリー)
7分36秒 スパイダーロック
●仲川翔大(J STAGE)
▼スペシャル3WAYタッグマッチ」 45分1本勝負
[Speed of Sounds]○ツトム・オースギ(フリー)/バナナ千賀(フリー)
14分11秒 首固め
●ガーリン・シュー・ペローズB(後藤恵介)(フリー)/ガーリン・シュー・ペローズC(竹田光珠)(666)
※もう1組は瀧澤晃頼/阿部史典(BASARA)
▼「独眼竜vs渡鳥連合」シングルマッチ 30分1本勝負
政宗(フリー)
3分9秒 無効試合
木村太輔(アライヴアンドメジャーズ)
▼「ガッツ石島デビュー18周年記念試合」 ハンディキャップマッチ 60分1本勝負
葛西純(FREEDOMS)/○ガッツ石島/政宗(フリー)
16分15秒 ゴーストバスター→片エビ固め
[渡鳥連合]藤原秀旺(アライヴアンドメジャーズ)/●ジョニー・ヘイワードJr/ガーリン・シュー・ペローズB(後藤恵介)(フリー)/ガーリン・シュー・ペローズC(竹田光珠)(666)
▼「TTT認定インディー統一タッグ選手権試合」 60分1本勝負
【王者組/“最高”ミステリー】黒田哲広/●マスクドミステリー
17分10秒 Ambitions→エビ固め
【挑戦者組/REAL HIPSTAR】○政岡純(フリー)/木下亨平(ダブ)
※第2王者組が3度目の防衛に失敗。REAL HIPSTARが新王者となる。
REAL HIPSTARがタッグ結成4年で悲願のタッグ王座初戴冠!ガッツの18周年記念試合は大混乱のカード変更も葛西純とともに渡鳥連合に激勝!TORUの退団が発表され衝撃走る!
オープニング
大会開始に先立ち、石川国由会長がリングに上がり挨拶およびTORUが12月3日付で退団したことを発表した。
石川会長「皆様、本日はご来場いただきましてありがとうございます。皆様にご報告がございます。10月より欠場しておりますTORU選手より、先日退団の意向の連絡がございました。それに伴いまして、インディー統一無差別タイトルは返上されました。本来ならばこの場でTORU選手よりご報告をするべきなのですが、年内は活動を控えたいという要望があり、私が代わりにご報告を致します。ご理解をいただければと思います。TORU選手はTTT旗揚げより団体を引っ張ってくれた選手ですので、退団は受け入れがたいものがあります。ただ、TORU選手の今後のさらなる飛躍と活躍に期待して、円満に送り出したいと思います。復帰後のTORU選手には変わらぬご声援をお願いしたいと思います。TTTはガッツ石島、マスクドミステリー、瀧澤晃頼の3名の所属となりますが、実力あるインディーの選手の参戦で、これからも熱く激しい試合をご覧いただき、インディー統一を目指して突き進みます。引き続き応援とご声援をお願い致します。ありがとうございました」
また、返上となったインディー統一無差別級王座については、1月に新王者決定トーナメントを開催することを発表。所属選手およびレギュラー参戦選手が8選手出場予定であり、出場選手・トーナメント表については後日発表することが明かされた。
第1試合
年内最後のTTTの第1試合は、スピード感あふれる梶と仲川のシングルマッチ。
ハイテンションでトマトダンスを踊って入場した梶は、一息ついてコーナーに控えるも、後から入場してきた仲川にリング下から足を払われそうになり「ビックリしたぁ~!」と恐々。
両者しっかり握手を交わしてからゴングが鳴るも、仲川は早速梶がコーナーに置いたミニトマト(※梶のトマト型の被り物)にちょっかいを出そうとし、梶が慌ててミニトマトをキレイに畳んで置き直す。
目まぐるしいリストロックの応酬からヘッドシザースの攻防を見せクリーンブレイク。仲川がミニトマトを蹴飛ばして挑発すると第2ラウンドが勃発し、アームドラッグ、レッグスイープの応酬。梶がロープに飛ぶも、仲川はバックを取りつつ足払いをかけ側頭部への低空ドロップキックで先制。
場外にエスケープした梶は仲川を挑発し、仲川が場外に降りると入れ違いにリングへ入ってリング内での闘いを要求。この流れを繰り返し、梶が場外から「絶対に動くなよ!絶対に動くなよ!」と前フリとしか思えない要求を行うと仲川も「1ミリも動かない」と呼応。梶が恐る恐るリングに入ると仲川は本当に1ミリも動かず、梶が「いや、動かないんかーい!来るかと思ったら来ない!来ないんかーい!」とツッコミを入れて静寂を呼び、観衆に冷やしトマトを振る舞う。
2人はハイテンションなエルボー合戦を展開し、梶が延髄斬りを見舞えば仲川も引かずに旋風脚。ロープに飛ぶも梶がレッグラリアートでカウンター。追撃を狙うも仲川がトラースキックでカウンターし、梶の追撃をかわしてコーナーに自爆させ後頭部へのジャンピングハイキック。さらにミサイルキックで追い打ちし、バズソーキックをクリーンヒット。
カバーに入る仲川だったが、梶が下から首固め。キックアウトした仲川が反撃を狙うが、梶がキャッチしてスピード。2回転がして押さえ込むもカウント2。ならばと梶はもう1度スピードで押さえ込み、キックアウトした仲川の腕を取ってスパイダーロックに捕らえるとたまらず仲川がギブアップ。
第2試合
“Speed of Sounds”オースギ&千賀、瀧澤&阿部、ガーB&ガーCと2022年のTTTタッグ戦線を彩った面々による総括的な3WAYタッグマッチ。全陣営の強い要望があったため、この試合はノータッチルールにて行われることに。
いつものようにガーBが敵味方問わず握手を求めているが、めんどうなので誰も応じず。千賀、阿部、ガーCの対面でゴング。
輪になった3人は、どこかコミカルな小刻みステップからローキックで牽制しあい、阿部がガーCをヘッドロックに捕らえると千賀が2人まとめてカニバサミで倒し、3人でグラウンドヘッドロックの取り合いからスクールボーイでのフォール合戦に。
起き上がった3人がまたどこかコミカルなローキック合戦を展開し、千賀&ガーCが阿部をコーナーに追い込んでいき、存外痛い千賀の蹴りが顔面に入って阿部がビックリする中、ガーCが2人をコーナーに重ねて踏みつけ。千賀が振り払ってガーCへ低空タックルを仕掛けるも、阿部が千賀の尻にドロップキックを叩き込む。
さらに阿部&ガーCが複雑な舞踏のように千賀の両手を複雑にリストロックでくるくる回していき、巴投げの応酬から3人でクリーンブレイクしながら見栄を切り、全員タッチ。
ガーBがレフェリーに扮してオースギ&瀧澤に「ファイッ!」と促すスベリ芸を披露してから何事もなかったかのように3人で手4つで組み合おうとするが、オースギが瀧澤の足を払ってロープに飛び、瀧澤はリープフロッグで飛び越えてティヘラ。オースギも側転の要領で華麗に着地して見せ、2人で見栄を切ってにらみ合う。そこにちょこんとガーBが飛び込んできてまるで三つ巴かのようにポーズを決める。
オースギ&瀧澤が2人でガーBをロープに振るが、ガーBは瀧澤、オースギとそれぞれショルダータックルでふっ飛ばし、ダイビング・クロスボディで飛んできたオースギを軽々キャッチするというヘビー級としての貫禄を見せつける。
瀧澤がドロップキックで2人まとめてふっ飛ばすと、各チームのパートナーがリングになだれ込んできて乱戦となり、SOS&阿部&ガーCが輪になる中で瀧澤がその中心でガーBをウラカン・ラナで押さえ込むエストレージャが完成。
さらに、瀧澤がオースギに足4の字固め、ガーBが瀧澤にWARスペシャル、ガーCがオースギにアームロック、千賀がガーBにコブラツイスト、その上によじ登った阿部が全員の体を絡めながらの卍固めをかけるという令和最新版の現代アートを完成させるも、数秒で崩壊。
ガーBが場外に逃れると、瀧澤がプランチャで追撃。そこへSOSがプランチャの編隊飛行で追撃。さらにガーCがトペ・スイシーダを発射するが、反った足がトップロープに引っ掛かって頭から場外に急角度で落ちていくアクシデントで観衆が肝を冷やす。
日頃の鍛錬の賜か、ガーCはピンピンしており、オースギをリングに放り込んでミサイルキックで追撃。背後から迫ってきた阿部を場外に放り出すが、阿部はアイル・ビー・バックからの伊良部パンチを叩き込む。ガーBは阿部をショルダータックルでふっ飛ばすが、千賀がダイビング・クロスボディ。瀧澤が千賀へダイビング・クロスチョップを見舞うという目まぐるしい攻防が展開。
さらに瀧澤がスワンダイブでの攻撃を狙うが、千賀がロープ際へと転がって回避。着地した瀧澤をガーCが丸め込もうとし、この3人で輪になってのチョップ合戦が勃発。時計回り、反時計回りとチョップが巡っていくが、次第にガーCのみにチョップが集中するようになり、これを振り払ったガーCがドロップキックで2人まとめてふっ飛ばし、スーパーマン・プッシュアップ。パンプアップした筋肉を見せつけてから千賀にハリケーンドライバーを狙うが、瀧澤がカットし、千賀がガーCにトラースキック。瀧澤が千賀にRKO。ガーBがカットすると、阿部がガーBに回転浄土宗。オースギの阿部への攻撃をガーBに誤爆させ、2人を重ねて阿部が回転浄土宗。
オースギ&阿部がガーBへダブルブレーンバスターを狙うが、逆にガーBが2人まとめてブレーンバスター。さらにボディプレスで2人を圧殺しようとするが回避されて自爆。オースギがガーBにオクラホマロールも、阿部がカットしてエビ固め。オースギが阿部を突き飛ばしてエビ固め。阿部がオースギを突き飛ばしてエビ固め。阿部が足4の字固めを狙うとオースギが下から蹴飛ばすも、阿部がアイル・ビー・バックで戻ってきてハムロール。オースギがキックアウトする際に阿部をロープ際へふっ飛ばし、そこへ千賀が場外から地対空ドロップキック。
SOSが阿部にダブルのランニング・ブレーンバスターで叩きつけ、オースギがツキノイシで突き刺すも阿部はバックを取って離さずそのまま卍固めへ。ここへガーBが飛び込んできて2人まとめてラリアットでなぎ倒し、ガーBがオースギにジャーマン・スープレックスを狙うが、阿部がガーBに伊良部パンチ。
ガーBがよろめいたところをオースギが首固めで3カウントを奪った。
第3試合
TTTにレギュラーとして定着しつつある政宗は、言わずとしれたメキシコ仕込みのテクニシャン。対する木村も柔道殺法をベースに地味ながらも名試合を量産する職人であり、両者のシングルマッチにはインディーファンから熱い注目が集まっていた。
しかし、木村は大会当日に左足の親指を負傷し、歩行もままならずにガーB&ガーCの方を借りてよたよたと入場。会場はざわつき、レフェリーも試合が出来るのかと疑問を呈するが、木村は断固として折れず、そのまま試合が行われることに。
ゴングが鳴ると手4つで組み合うも、踏ん張りが効かない木村があっという間にロープに追い込まれる。木村はチョップの猛連打で反撃するも、政宗に左足を軽く蹴られただけでバランスを崩して倒れてしまう。
政宗は左足へのストンピング、レッグスプレッド、ロープに足を絡めてのストンプと冷酷に左足を攻め続ける。
政宗がロープに振ると、木村は左足を付いた途端に転んで動けなくなってしまう。政宗は容赦なく追撃を加えようとするが、たまらずガーB&ガーCが救出に入り1vs2で政宗を攻撃。さらに秀旺&ヘイワードもリングに飛び込んできて政宗を袋叩きに。
ここへ後半戦に出場予定であったガッツ&葛西が政宗を救出しにリングへと駆けつけると全員入り乱れての大混戦となり、試合続行不可能と判断したレフェリーが無効試合を宣言した。
ガッツ「オイ!テメェら寄って集って卑怯だぞ!アァ?コラ!」
秀旺「うるせぇ、ばか!」
ガッツ「なんだこの野郎!若作りした少年みたいな格好しやがって!コラお前!お前46だろ?!オイ!」
秀旺「なにがやりたいんだ!ばか!」
ガッツ「うるせぇこの野郎!葛西さん、政宗さん、よかったら我々3人で組んでアイツらとやりましょうよ!」
秀旺「なんだコラ!」
ガッツ「やってやるっつってんだコラオイ!逃げんのか!」
秀旺「うち、4人いるからよ、4vs3だな。遊んでやるからよ。おい、葛西!お前この野郎!」
ガッツ「今すぐやってやるよ!」
秀旺「今すぐはダメだろ、休憩があんだよお前。休憩後にお前をぶっ潰す!いわゆる、ぶっ潰す!」
(※秀旺らが去っていく)
ガッツ「……と、いうことで!休憩後に熱い闘いやってやりますんで、皆さん応援の程よろしくお願いします!ありがとうございました!」
大会進行スケジュールに律儀な秀旺により、休憩時間後のハンディキャップマッチが行われることが決定。
第4試合
ガッツ率いる“真GUTS軍”と、秀旺率いる“渡鳥連合”は長年バチバチの抗争を展開しており、2人は常に敵対関係にあったものの、今年10月にデスマッチで対戦後に一定の絆が芽生え、まさかの越境タッグを結成。
同年11月には黒田哲広&マスクドミステリーの持つタッグ王座に挑んだものの、誤爆が相次ぎ試合中に空中分解。タッグ王座戦は無効試合となり、その直後に緊急決定した6人タッグ王座戦では、秀旺らが保持していた王座がガッツ&黒田&ミステリーに移動するなど、泥沼の争いはさらに混迷。
さらに、休憩前の乱闘によって急遽カードが変更となり、3vs4のハンディキャップマッチに。物事が予定通りに進まずその場の勢いで新たな闘いが生じるこの状況は2人の抗争を象徴したものとも言える。
この日のガッツは、666で長年抗争を展開するライバルであり盟友でもある葛西、プライベートでもよく話すという政宗と数では劣るものの絆では渡鳥連合+ガーリンズに負けないチームで臨んだ。
一番最後に入場してきた葛西がコーナーに上ってポーズを決めようとしたところで渡鳥連合らが奇襲。観衆からブーイングが起きる中で全員入り乱れた場外戦となり、闘いのゴングが鳴る。
最初にリングに戻ったのはガッツと秀旺。2人はバチバチとチョップを打ち合い、ガッツがショルダータックル合戦を制すると2人は再び場外へ。
続いてリングに上ってきたのは葛西とガーC。エルボー合戦を制した葛西が「リバースタイガードライバーッ!」といきなりの大技を宣言して持ち上げようとするとガーBが慌ててカット。ガーBの串刺しラリアットからガーCがミサイルキックを発射も、葛西が回避してガーBへと誤爆させ、ガーCにはラリアット。
続いてリングに上ってきたのは政宗とヘイワード。体格に勝るヘイワードがナックル連打から十字を切って祈祷式パワーボムを狙うが、クラッチを切った政宗が脇固めで組み伏せ、そのまま足を取って骨喰。ヘイワードがロープを掴むと、政宗が619で追撃するが、場外から木村が政宗の足を引いて妨害。場外でガーB&ガーCが政宗を袋叩きにした後、リング上で秀旺がおおきく振りかぶってのナックルを連打。政宗が捕まる展開に。
渡鳥連合+ガーリンズの太鼓の乱れ打ちからガーCのギロチンドロップ、ガーBがガッツらに見せつけて挑発しながらのワンハンド・ボディスラム、ヘイワードの喉輪からマスク剥ぎ未遂、秀旺のロープへの顔面こすりつけとクイックタッチを回しながら連撃。
政宗はガーCのボディへナックルを見舞うが、ガーCはシャツをめくりあげて見事に割れた腹筋を誇示。政宗がガーCの腹肉をつまみ上げると、怒ったガーCがウルティモ・ドラゴン・スリーパー。さらにガーBがボディスラムで叩きつけ、政宗の上にガーCを前落としで叩きつけ、セントーン。さらにガーリンズが2人で政宗をロープにふろうとするが、政宗が2人へまとめてチンクラッシャーを見舞い、ようやくガッツへタッチ。
ガッツは全員を次々とショルダータックルでなぎ倒していき、ガーリンズへダブルラリアット。さらにガーBへトドメのラリアットを狙うが、ガーBが回避して逆にラリアット。秀旺にタッチ。
秀旺はナックル連打からラリアットも、ガッツもラリアットで迎撃し正面衝突。熾烈な打ち合いをガッツが制してなぎ倒すと葛西にタッチ。
葛西は秀旺を挑発しながらコーナーへ振って串刺しラリアットを狙うが、秀旺がチャンス of LOVE(※フライングニールキック)で迎撃し、ハイアングルバックドロップ。さらにラリアットを狙うが、葛西がラリアットで迎撃し延髄斬り。そして竹串の束を取り出し、秀旺の額に花を咲かせると秀旺の額から流血。葛西は竹串の刺さった額から突き刺すブレーンバスターから政宗にタッチ。
政宗は秀旺に腕固めをかけながら首元へエルボースタンプの猛連打で序盤戦の報復を行っていくが、ガーリンズ&ヘイワードが飛び込んできてカット。当然ガッツと葛西も駆けつけて大混戦となり、ガッツが秀旺をボディスラムでセット。葛西がコーナーに上ってゴーグルを装着し、誰もがパールハーバースプラッシュを期待したところでヘイワードがカットし、場内からはブーイング。その混乱に乗じて秀旺がガッツへローブローを見舞って危機を脱する。
渡鳥連合らのトレインラリアットから秀旺&ヘイワードのダブルブレーンバスター、ヘイワードのミリオンダラー・バスターとガッツが連続被弾し、4人での合体祈祷式パワーボムを狙うが、政宗がカット。ヘイワードがガッツをロープに振るが、ガッツはフライングニールキックで迎撃。
場外に逃れていたガーリンズには政宗がプランチャで追撃し、葛西がヘイワードにパールハーバースプラッシュ。強力なアシストを得たガッツがゴーストバスターで突き刺してヘイワードから3カウント。ガッツが18周年記念試合を勝利で飾った。
試合後、この結末に納得がいかない秀旺が葛西へ食って掛かり乱闘に。葛西が秀旺を押さえ込むと、政宗が竹串を拾い上げて秀旺の足をチクチクと刺していく。
ガッツ「オイ!渡鳥連合!見たか!この超強力助っ人、葛西さんと政宗さんの力を!お前ら今日は大人しいなあ?ぐぅの音も出ねえのか!今日は大人しく帰れ!」
(※秀旺が葛西につかみかかるも、多数に無勢で場外に排除される)
葛西「なにがやりてーんだテメー!さっさと帰れこの野郎。さっさと帰らないとまたイジメちゃうぞ!お前、1vs1でやってもいいぞ」
(※秀旺も両手の人差し指を突きつけて1vs1が上等だと意志を見せ去っていく)
ガッツ「葛西さん、1vs1、いいんですか……?あっ、じゃあまた、そのときはオファーさせていただきます。皆さん!今日は私のデビュー18周年記念試合をご覧頂きましてありがとうございます!葛西さん、政宗さん、ありがとうございました!18年やって、19年、20年、そしてまたその後もどんどんやっていきますんで、皆さんご声援のほどよろしくお願いします!ありがとうございました!」
第5試合
TTT認定インディー統一タッグ王者として盤石の政権を築く【“最高”ミステリー】黒田哲広&マスクドミステリー。
TTTにレギュラー参戦している黒田は、なぜか毎回「負けたら引退します!」と軽いノリで“負けたら即引退スペシャル”での王座戦を行い連続防衛に成功。引退ネタの乱用を指摘されると「僕の師匠がそれやる人だから(笑)」とFMWの某レジェンドを思わせるゆるゆるな引退観を語りつつ、今年11月にはTTT認定インディー統一6人タッグ王座も戴冠して二冠王となるなど往年の強さが健在であることを示している。
二冠王となってホクホクの黒田に対し、タッグ王座への挑戦表明を行ったのは【REAL HIPSTAR】政岡純&木下亨平。イケメンタッグの挑戦表明に「若い芽は潰す!」と意気込んでいた黒田だったが、REAL HIPSTARが低姿勢の敬語で話を進めたため黒田もつられて丁寧な対応になり、にこやかに2人の挑戦を受諾。
しかし、挑戦が決まるやいなやREAL HIPSTARが本性を現して挑発的な捨て台詞を吐き、黒田は「偉そうに!上から目線で!有刺鉄線バット持ってきますよ!あっ、すんません今の嘘です(笑)ガハハ!嘘です!有刺鉄線ボード用意する!……あ、嘘です(笑)」となんとも締まらない怒りを顕にしていた。
結成から4年が経つREAL HIPSTARは人気と実力を併せ持つ強力タッグだが、意外にも2人でのタッグ王座戴冠歴は未だ無い。大ベテランのヘビー級タッグを相手にベルトを奪えば一気に格が上がることにもなり、今後のためにも絶対に勝ちたい一戦であった。
いつもは陽気に入場しリング周囲のファンにアピールしてからリングインするREAL HIPSTARだが、この日は真剣な表情で花道からまっすぐリングイン。最近政岡が気に入って使っている“清掃中”のボードも凶器として使用する気が無いようでさっさとリングに隅に置く。
試合前の握手は無く、黒田と政岡の対面でゴング。
ロックアップで組み合い、黒田は押し込んでからクリーンに離れるが、政岡が押し込んだ際には頭を撫でるジェスチャーで挑発。手4つで組み合い、黒田が巧みなリストロックからグラウンドに組み伏せてトゥーホールド。さらにショルダータックルでふっ飛ばすと、両者タッチ。
ミステリーと木下の対面となると、スピードで翻弄しようとする木下をミステリーが捉えてショルダータックルを見舞うが、木下もすぐにゼロ戦キックで反撃して政岡にタッチ。
政岡は木下と2人での連携攻撃を狙うが、ミステリーが1vs2のチョップ合戦に打ち勝ち、木下にチョークスラム。序盤からミステリーの必殺技が炸裂し、大ダメージを負った木下は戦線を離脱。
ローンバトルを強いられることになった政岡は、黒田に顔をペチペチ張られながら「終わりか?」と格下扱いされる屈辱を受ける。政岡も強気にチョップで返していくが、黒田の強烈なダブルチョップを受けて膝をついてしまう。黒田がロープへ振ろうとしたところを振り返しつつDDTで突き刺して難を逃れた政岡だったが、タッチを求めた青コーナーの先に木下はおらず。
未だ場外でダウン中の木下をよそに黒田がコーナーポストを使った伝統芸能・哲っちゃん足殺しを仕掛けると、木下がよろよろとカットに来るが、黒田は軽々振り払って鉄柱に叩きつけつつの串刺しラリアット。再び木下は倒れて動けなくなってしまう。
黒田は膝十字固めで痛めつけつつミステリーにタッチ。ミステリーもレッグスプレッドから足へのにードロップを連打し、黒田にタッチ。
黒田はロープを使ったニーロックから串刺しラリアットを発射も、ブートで止めた政岡がミサイルキック。木下も根性でコーナーにたどり着き、大声を張り上げてタッチを求める気迫を見せる。
タッチを受けた木下は黒田に真っ向からエルボー合戦を挑み、猛連打で優勢に。黒田がサミングを発射するも、木下はこれを白刃取りして延髄斬り。さらに得意のフィッシャーマンズ・スープレックス・ホールドで黒田の巨体を叩きつけるも、すぐにキックアウトした黒田がラリアット。
黒田はDDT、ラリアット、冬木スペシャルと厳しい攻撃を見せ、最近はめったに見せない哲っちゃんバスターまで繰り出すもカウントは2。黒田は地団駄ラリアットを発射も、かわした木下がバックを取りジャーマン・スープレックスを狙う。黒田は後ろ足を蹴り上げての急所蹴りで脱出しロープに飛ぶが、木下はカウンターのドロップキックを顔面に突き刺し、政岡にタッチ。黒田もミステリーへとつなぐ。
突っ込んでくるミステリーに真っ向勝負は不利と感じたか、政岡はかわしつつサミングで隙を作り振り子式セントーン。さらにトラースキックを発射も、これを読んでいたミステリーがかわすと同時にロープへ走りランニング・クロスチョップ。さらに暗闇脳天落としから串刺しラリアットを発射も、政岡が回避し、REAL HIPSTARのダブル串刺しバックエルボー。さらに木下のバッククラッカー+政岡のダイビング・フットスタンプの合体技が炸裂。
政岡はAmbitionsを狙うが、ミステリーが抵抗を見せると首固めからトルネードクラッチ。さらに脳天への踵落としからロープへ飛ぶが、ミステリーがパワースラムで迎撃し強烈なラリアット。
ミステリーはチョークスラムを狙うが、政岡が着地してスクールボーイで転がし、木下がコーナーに駆け上がってダイビング・ダブルニーアタック。ミステリーは強引に2人まとめてチョークスラムで叩きつけようとするが、2人は暴れて同時に着地。木下のジャンピングニーから政岡のトラースキック、2人同時のトラースキックから政岡がAmbitionsで突き刺して3カウント。REAL HIPSTARが悲願のタッグ王座戴冠を果たした。
政岡「おい!新木場ァ!やっとォ!やっとォ、REAL HIPSTARがタッグのベルト巻いたぞォ!チャンピオンチーム……いやいや、元チャンピオンチーム!強かったけどなあ、お前らみたいなジジイが!(※木下が気まずそうに政岡からそっとマイクを奪おうとするも政岡が離さず)ベルト持ってるより、俺らが持ってたほうがこのベルトも喜ぶんじゃこのクソボケが!」
木下「純さん、純さん、言い過ぎ!(笑)年内ラストなんだから、謙虚に行こうよっ!えっとぉ、ジジイ……ではなく、ベテランの、大先輩のお2人に、REAL HIPSTARがタッグ組んで4年でやっとやっと手にしたタッグベルトの相手がお2人で本当に良かったです!ありがとうございました!あの、関西人なんですごく長い時間喋ってしまいそうなんで、今日は年内ラストの興行ということで、良かったら、僕が言うのもおかしな話ですけど、今日リングに上った皆さん、もう1度ここに集まってもらえませんか!ダメですか?ふふっ(笑)」
(※各選手たちがリングに集結)
木下「今日デビュー記念日のガッツさん、ミステリーさんもそうでしたね」
ガッツ「(12月3日はミステリーの)リアル記念日」
木下「ミステリーさんからも一言お願いします!」
ミステリー「12月3日!思い起こせば17年前、マスクドミステリーはここ新木場のリングで誕生しました。17年、なんとかやってこれています。まだこれから18年、19年、20年と皆様の前で戦えたらと思います!本日は負けてしまいましたが……これからもよろしくお願いします!」
(※会場四方に向けて全員で記念撮影タイム)
ガッツ「2022年はこれでTTTの興行はおしまいになりますが、2023年もまたみんなで気合を入れて頑張っていきたいと思います!まずはね、空位になってるシングルの王座トーナメントがありますんで、必ず俺かミステリーか瀧澤の誰かが優勝するように頑張っていきたいと思います。多分、優勝すんのは俺だけどね?(笑)ということでね、皆さんね、また来年2023年も気合を入れてインディー統一に向けて頑張っていきますので、多大なる応援よろしくお願いします!ありがとうございました!」
<大会後コメント>
政岡純&木下亨平
政岡「やっとォ、REAL HIPSTARがタッグのベルト獲ったぞォ。拍手ゥ~」
木下「よかったなぁ~♪(※拍手しながら)」
政岡「たしかにチャンピオンは強かったけどよ、あんなジジイが持ってるより俺らが持ってる方がこのベルトも喜んでるよ。(※ベルトに向けて)なあ?」
木下「ホントにその通りやね。リングでも言った通り我々が初めてタッグベルトを巻くにあたって、箔が付いた相手だったんじゃないかと思います。しっかりとね、このベルト巻くまでにここまで4年かかりましたからね。ここ新木場で始まったREAL HIPSTAR、4年……長い!(笑)最低でも4年は守りましょう!」
政岡「OK!ここで、このTTTで獲ったTTTのベルトを持って、この団体のタッグ戦線グッチャグチャにかき回したるからな!」
木下「長らく呼んでもらってるんでね、しっかりと結果を残し続けましょう」
政岡「俺らの色に染めたろう」
木下「僕らがずっと持ってるんで、これからも僕らがチャンピオンだってことを是非とも覚えといてください!ありがとうございました!」
ガッツ石島&マスクドミステリー&石川国由会長
――オープニングではTORU選手の退団発表がありました
ガッツ「本人からの意向でこういう形になったので、それを尊重して。石川さんも言ってたけど、円満退団という形で送り出しました」
――年明けから活動再開されると発表がありましたが、またTTTのリングに上がる可能性は今のところありますか
ガッツ「それは機会があれば」
――2022年のTTTを振り返っての総括をお願いします
ガッツ「インディー統一を掲げてインディー統一連合としてやってますけど、今日の最後の試合では、所属のミステリーが外様のREAL HIPSTARに負けましたけど、お客さんも所属が負けたからって悲しい雰囲気になるわけでもなく、逆にハッピーエンドになったっていうかね。団体なんだけど、団体の枠にとらわれないというか。元のFFF、統一機構のように。我々は統一連合として、所属か所属でないかに関係なく選手1人1人が個性を出してしのぎを削っているので、そこがTTTのいいところだと思うし。今年のシリーズは『INNOVATION』、新機軸というタイトルを掲げていましたけど、所属であるかないかに関わらず良い選手を上げて、しのぎを削ることがTTTの新機軸、INNOVATIONだと思った一年でした」
――新機軸といえば、来年から王座トーナメントという新しい試みが行われます。トーナメントの出場選手については決まっていますか
ガッツ「私とミステリー、瀧澤、黒田さん、王座戦に前絡んだバナナ千賀、あとは渡鳥連合から出てきて8名でやる予定です」
――今日はガッツ選手の18周年記念試合も行われましたが、個人として振り返っていかがですか
ガッツ「葛西さんとは666で10年以上対角にいて闘ってきましたけど、今日はじめて組ませていただいて。あとは偶発的に政宗さんとも組めて。政宗さんとは結構プライベートでお話させていただいたり、呑んだこととかあるんで、18周年に繋がりのある方々と組んで試合することが出来たんで、結果的に充実した18周年って感じがしました」
――ミステリー選手も今日はリアルデビュー記念日でしたが、試合は残念な結果に終わってしまいました
ミステリー「そうですねえ。全力で行ったつもりだったんですけどねえ……。最後は彼らの勢いに押し切られたかなあと思いました。負けた事自体は悔しいんだけど、同じ意味かもだけど、悔しいけど、悔いとしては残らなかったかな。試合としてはタイトルを失ったけども、満足はしています。俺自身また次のものが生み出せるかなって試合だったかなと思います」
――今日は若い2人に遅れを取った形ですが、まだまだ負けないと
ミステリー「そうですね。彼らのようなレスラーがTTTに上がってくれているっていう嬉しさもあるので。その彼らに今日は負けましたけど、年間を通して来年まだまだ負けられねえってところを見せていくので、そういう意味ではとても意義のある試合でしたね。まだ俺6人タッグのベルト持ってるからね」
ガッツ「そうですねえ」
ミステリー「二冠王からただの6人タッグ王者になっちゃったけども」
ガッツ「無冠じゃないからね」
ミステリー「無冠じゃない」
ガッツ「頑張っていきます」
ミステリー「次はここ(腰)にシングルを巻いて、また二冠王を目指します」
ガッツ「俺も二冠王目指してっからね」
ミステリー「しのぎを削っていきましょう」
――石川会長、2023年に向けてのビジョンはなにかありますか
石川会長「所属は3人になりましたけど、インディーの実力ある選手に参戦していただいて、インディー統一の理想に向けて突っ走っていきたいと思います」
ガッツ「今日は、まさにインディー統一の理念に沿った大会でした。特にメインはね。いいと思いますよ」