【インタビュー】2度の手術失敗で後遺症に苦しむ女子レスラーに希望の光!出口のないトンネルを照らしたクラウドファンディングの支援【前編】

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 青年海外協力隊員としてセネガルで活動し、24歳で日本に帰ってくると2015年にスターダムで女子プロレスラーデビュー。
 異色の経歴を持つジャングル叫女はすぐに頭角を表し、木村花&小波との『TOKYO CYBER SQUAD』は人気ユニットとして女子プロレス界全体から注目を浴びていた。
 しかし激しい試合の影響で、左膝前十字靭帯及び右膝外側側副靭帯の断裂及び右肩・肩鎖関節完全脱臼により長期欠場に。さらに親友の木村花の突然の死により、心身ともにダメージを負った叫女は2021年から姿を消し回復に努めることに。

 だがその叫女に待っていたのは2度の手術失敗と、その後遺症で日常生活に支障が出るほどの痛みだった。
 プロレスラーでいるために、叫女は再度の手術とリハビリに向けてクラウドファンディング(https://camp-fire.jp/projects/view/659092)を実施。
 わずか10日で100%を越え、ファンの温かさを感じて涙した叫女が今何を思っているのか。
 その思いを赤裸々に語った。

■2度の手術失敗で整形外科に対して信用信頼っていうものがなくなってしまった

――まずはクラウドファンディングに挑戦してみていかがでしたか?
「今まで応援して下さった人もそうなんですけど、友人やCAMPFIREの中で目に止まって応援してくださる方とかほんとに沢山の方に支援していただいて・・・今回携わってくださってる方達にクラウドファンディングってどういうものかをイチから学んで、その時に『感謝の気持ちを形にできる』っていう言葉にスゴイ魅かれて。いつも応援してくださる人に感謝の気持ちを忘れずにリングに立ってるし、自分がもらったものをリング上で元気一杯与えるために試合をしてるっていうのを一番のテーマに置いてるので、そういう自分のテーマにも合ってるのかなって」

――元気いっぱいの叫女さんがつらい思いをしている事を表に出さなければいけない状況でした
「実際やっぱり怪我で2年間、辛かったし苦しかったし、そういう思いをこのまま内に秘めて試合を続行するのはちょっと嘘をついてたような気持ちにもなってたので・・・実はこんな状態でした、つらかったですって言葉にすることには元気を与える側の人間なので抵抗はあったんです。なかなか怪我の手術後の状態も良くなかったから、このまま引退とかも頭に浮かんでたし、復帰できないんじゃないかと思った時に結構孤独だったし・・・(涙目で)なんかやっぱ辛いなって思って、プロレスが嫌いになりかけたじゃないけど、すごいそれも嫌だったっていうのもあって。でもクラウドファンディングに踏み切って、こうやってたくさんのご支援いただいて、改めてプロレスの力を知ることができたし、こんなにも愛されてるんだなって思って。やっぱりプロレスの世界で生きていきたいなって思ったんですよね。最初はすごい戸惑いもあったんですけど、本当にやってよかったなって今は思えてるし、本当に皆さんありがとうございますって気持ちです」

――自分の中で復帰する気持ちは固まった
「もちろん復帰前提でクラウドファンディングをやらせてもらってるんですけど、実際後遺症を抱えてしまっていて・・・後遺症の原因が究明できず治る保証も正直ないというのが事実で。そこが不透明だから言い切ることがなかなかできなかったんですけど、私はやっぱりどれだけ時間かかっても絶対にリングに戻りたいなって今強く思ってます」

――現時点で膝の具合はどのような状態なんでしょうか?
「実は3・5の後楽園大会終わってから2日間歩けなくて。ちょっと新しいトレーニングにチャレンジしてて、6パックとかあるじゃないですか?お腹につけて無理やり動かすみたいな。ああいう感じでパッドを足に貼って出力MAXにして、無理やり動かすんですよ筋肉を!めちゃくちゃ痛いんですけど、無理やり筋肉を動かして力を入れさせるという事を初めたんです。そしたら本当に次の次の日くらいには筋肉痛が出て、左足の筋肉痛が2年ぶりぐらいなんですよ!試合中は痛みを感じないんで今まで動けなかった動きとかができて、できないと言えば左足で踏み切ってジャンプとか、そういうのはやっぱり足がガクンとなって力が抜けちゃうんですけど、普段は走ることもできないのにリングの上だと走ることだったら出来たりする。今まで使えなかった筋肉が試合とトレーニングで動いた事によって、筋肉痛と肉離れみたいな感じになってしまった(苦笑)もうほんと痛くて立ち上がることもできないし、2日間歩けなくて。でもこれはいい反応だったのかなって今は思うんですけど、ただ正直膝の調子は良くないから、治療にも行ってるんですけど専門家でもないし、自分の身体なんですけど本当はわからないですねこれが良いのか悪いのかっていうのは。実際わからないから同じような悩みを持ってる人とかスポーツ選手とか格闘家、そういう人たちいるのであれば、情報収集したいなって本当思ってて。SNSとかだったらTwitter、DMとかを解放してメッセージをもらって拡散してもらって、スポーツ選手とか、そういう方たちにも届くようにして、同じような症状もってる人がどういう治療をしてるのかとか、どういう病院に通ってるのかとか、なんかそういうのを聞きたいなっていうのは思ってますね」

――2度の手術失敗で今病院とはどういうお話をされていますか?
「実際整形外科に対して信用信頼っていうものがなくなってしまっていて、今はフォースオピニオンくらいまで進んでるんです。目に見える治療はすごい積極的にしてくださるんですけど、私の場合目に見えない、触ってとかそういうので分からないところに後遺症が出てしまっているので・・・手術失敗したところはおそらく次の手術で良くなると思うんですけど、後遺症の部分は原因がわからないままだと治療も進められない。いろんなことを試したりとか色んな先生の所に行って意見を聞いたりという感じになってるので・・・先日も病院で先生の何気ない一言だと思うんですけど、『この原因は何か分からないね』と言われるとなんかすごい泣けてくるんですよね。そのまま病院で過呼吸になって泣き崩れるとか・・・2回セカンドオピニオンの場所とサードオピニオンの場所で同じようになって泣き崩れてしまって」

――精神的にも追い詰められていますね
「絶望感っていうか、『誰も私の膝のこと分からない、もう治せないんだ一生治らないんだ』みたいな気持ちにさせてくるんですよ(苦笑)先生はそんなつもりないと思うし、私が手術を2回失敗してるっていうのもあって精神的な問題を抱えてるんでしょうね。治療に対しても後ろ向きになっちゃったりとかしてて、病院今日行けませんとかもやっぱりあったんですよ。でもクラウドファンディングを始めて、こんなにも応援してくれてる人がいるって感じて治療にやっと前向きになれてるっていうか、こんなこと言ってられない、色んな所に行っていろんな意見聞いて、もう注射も痛いんですけど、ヒアルロン酸だったりとかステロイドだったりとか、これからやる治療は腿の内側に筋肉と神経があるんですけど、その間に生理食塩水を注射して滑りをよくするとか。そういう治療するんですけど、腿の内側に注射するとか痛いじゃないですか!?そういう痛い治療も沢山あるんですけど、なんとか乗り越えて、絶対怪我を治すんだっていう前向きな気持ちにはなれてる状況ですね」


■やっと光が見えてきた、希望が見える

――次の手術はどのような事をするのでしょうか?
「前十字靭帯の手術は成功しまして、半月板を次の手術で切除してしまう。リスクとしては90%ぐらいの確率で変形してしまうので大きいリスクですけど、現役プロレスラーで早く復帰をしたい人は半月板切除に踏み切るんです。その辺は自分も納得してるし、新日本プロレスのレスラーさんが行ってる病院で皆さんそこで成功されてるので、それは大丈夫だと信じてます」

――あとは後遺症ですね
「今後遺症で痛いところは、皿全体が踏ん張ったりする時に激痛なんですよ。日常生活で辛いのは階段の上り下り、あれがまだ上手くできない。筋力測定をした時に、今までが100%だとしたら20%も戻ってないんですよ。どういう状態かというと、歩行ができるだけなんです。階段の上り下りは40%戻らないと難しい。走るのは60%なのに、私は筋力的にも階段は厳しい状況でさらに痛みが出る。現状筋力トレーニングもできないから次に進めない」

――筋肉が癒着しちゃってるんですかね
「今の先生は筋肉と神経がくっついてて、滑りが悪くなってて筋力が収縮すると同時に神経が引っ張られたりとかするから痛いんじゃないかって意見をもらえてて。試合のダメージで治療ができない部分もあるので、4月14日の最後の試合を終えて痛みがなくなってきた時に試していきます。クラウドファンディングで集まったお金で色んな治療に挑戦できるっていうのが本当にありがたいです」

―――お話を聞いてると表情が明るくなってきていますが、復帰までの希望が見えてきている状況ですね
「自分は原因がわかるのに結構かかると思っていたし、『治らないんじゃないか』と絶望した時期もあったので、ほんとにいいお医者さんに巡り合えていい治療をしていくことができそうで、想定より早い復帰ができるかもしれませんね」

――焦ってトレーニングしなければ
「だから無期限休業ってしたんですよね(苦笑)ほんと慎重に治療していきたいと思います」

――ファンの思いが確実に力になっていますね
「クラウドファンディング始めて、本当にどんどんいい方向に行ってるような気がするんですよ。それはやっぱり自分が治療に前向きになれたから。病院に行って、先生の話も今までは聞き入れないみたいな感じだったのが受け入れやすくなった。『それってどういうことですか?』とかそういう会話ができたりすることによって、この結果を導き出せたのかもしれないから。本当に私はクラウドファンディングで自分の中で光と言うか希望と言うか、この2年『希望・光』って程遠い言葉だったんですよ。もう『暗闇』とか『出口のないトンネル』とかずっとそんな感じだったので。やっと光が見えてきた、希望が見えるなあとそういう思いになれたって感じですね」

■私はジャングル叫女に戻りたいし、プロレスラーとしてまだやり残したことがたくさんある

――欠場中の2年間は社長秘書をやられてたということですが、どういう経緯で社長秘書に?
「正直怪我もあったんですけど、どうしても花のこともあってプロレスに向き合えない時間っていうのがすごくあったんですね・・・情報も入れられない、SNSも見れない、さらに手術して動けなくなって家に引きこもりになって。割と精神もかなり辛いなって時があって。お給料も試合してないから厳しくなってきて、でもプロレスの世界には戻れなくて、試合だけじゃなくて他の仕事も受けれない。そういう時に知り合いから『こういう会社があって今秘書を探してるんだよ』って案内を受けて。そのまま履歴書持って面接行って、そしたら次の日から働いてよって言われました」

――具体的にどんな業務を?
「最初は研修みたいな形で始まったんですけど、もう毎日出勤して朝の掃除から始まって、で、社長が出勤する前に新聞用意したり靴磨いておいたりとか、お礼状とか手紙書いたりとか。あとお花とか送ったりするじゃないですか?ああいう事務系が多かったです。社長が打ち合わせに出かける時は車を駐車場から引き上げて車寄せで待ってて、運転手としてナビも見ちゃいけないんですよ。都内の地図を頭に入れて、その日行く場所を全部調べて。車寄せも場所によって違うじゃないですか?ホテルの車寄せどっから入るとかも全部調べて、頭に入れて行くんですよ。もちろん事前に行く所わかってるんで、その前夜までには調べて。 通勤しながら予習してっていう。半年ぐらいたってから営業もやってよって言われて、秘書もやって運転手やって営業もやってっていう感じでした。で、土日の空いた時間でリハビリとかトレーニングしてっていうのを最初は続けてました」

――ハードですね。営業先の方も突然ジャングル叫女が来たらビックリしませんか?
「知ってくださってる方にはビックリされました(笑)広告代理店だったのでテレビ関係メディア関係と仕事をすることが多かったから。でも私ジャングル叫女として仕事してなかったのが実際で、社長も格闘技とか知らなくて私のことももちろん知らなかったので。一人の女性として社会で仕事してるって感じでしたし。知らない人に自分から言うことはなかったですね。もちろん仲良くなって「実はプロレスラーもやってて、今欠場してるんですけど」っていう話で盛り上がったりもするんですけどね」

――今はその会社を円満退社された
「社長は膝の状況もわかってくれてたんで、今後は治療に専念して行きたいっていうことも汲んでくださって。12月には会社を辞めて、私もどうしても優先順位が正直仕事の方が上だったわけです。自分のプロレス復帰やリハビリよりも眼の前の仕事が上に来てしまうので、やっぱりリハビリに集中できてなかった。面倒見てくださった社長には申し訳なかったんですけど、やっぱり私はジャングル叫女に戻りたいし、プロレスラーとしてまだやり残したことがたくさんあるから。そしたらやっぱり怪我もしっかり治さなきゃいけないんで、責任が伴う仕事はもうできないですって言いました。中途半端ができないんですよね、どっちかしかできないんだなって思いました。二足の草鞋とかは私は履けないなと思って(苦笑)そういうことも理解してくれて辞めたって感じですね」

後編に続く

『NOMADS’vol.3』
日程:4月14日(金)
会場:新宿FACE
開始:19:00
チケット:https://www.ticketpay.jp/booking/?event_id=42929

▼メインイベント ジャングル叫女 休業前ラストマッチ~Never Surrender~
ジャングル叫女/松本浩代/優宇(EVE)
vs
山下りな/高橋奈七永/水波綾

▼セミファイナル 3WAYマッチ
[galaxy Punch!]SAKI/清水ひかり
vs
[ゆきあの]雪妃真矢/安納サオリ
vs
[SPiCEAP]尾﨑妹加/本間多恵

▼シングルマッチ
高瀬みゆき
vs
真琴

▼タッグマッチ
夏すみれ/チェリー
vs
花園桃花/小橋マリカ

▼タッグマッチ
小林香萌/関口翔
vs
[COLOR'S]網倉理奈/櫻井裕子

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