「新体制になってしんどい時期が本当に長かった」アクトレスガールズ体制変更の渦中でもがいた青野未来が涙の新王座戴冠!
12日、東京都・後楽園ホールにて『ACTwrestling 後楽園ホール公演』が開催され、青野未来が王者決定トーナメントを制して初代AWG王座を戴冠した。
2015年に旗揚げした『Actwres girl'Z(アクトレスガールズ)』は、相羽あいな(播磨佑紀)、尾崎妹加、安納サオリ、なつぽい(万喜なつみ)、ひめか(有田ひめか)、中野たむなど現在も様々な場所で活躍する選手たちを輩出。2019年からは『Beginning』と『Color's』の二団体制へ移行し、2021年に旗揚げした演劇団体『アクトリング』がコロナ禍であるにも関わらず超満員となる成功を収めていた。
しかし2021年12月31日をもってアクトレスガールズはプロレス団体としての活動終了を発表。『プロレスを用いたよりエンターテインメント性の高い公演』へと移行していたが、2022年8月より元スターダムGMの風香がアドバイザーに就任。プロレスの『アクトレスリング』と、舞台演出にプロレスの要素を取り入れた『アクトリング』という分け方でプロレス活動が再開された模様だ。
そんな中、新生アクトレスでも王座創設の動きが出始め、初代AWG王者シングルトーナメントが開催。青野未来、松井珠紗、入江彩乃、澄川菜摘のプロレスラーとして生まれた4人に加え、皇希、夏葵というアクトレスガールズの新世代がエントリーされた。
トーナメントでは、かつて数多のプロレス団体で実力を示してきた青野が順当に決勝戦まで駒を進めた反面、新生アクトレス生まれの皇希がプロレスラーとして育ってきた入江、松井の2人を下して決勝進出を決める番狂わせが発生。
体制変更の渦中で後輩たちを鼓舞しながら団体をもり立ててきた青野、新生アクトレス始動とともに中心として活躍してきた新世代の象徴たる皇希、どちらが団体の騎手となるのかに注目が集まっていた。
パワーファイターの青野に、長身を生かしたダイナミックな攻撃が光る皇希。
青野はローキック連打からのニークラッシャーと堅実な足攻めを重ねていくが、コーナーからの攻撃を狙ったところで皇希がビッグブートで場外へと蹴落とす力技で強引に流れを引き寄せ、ラリアットから必殺のアメジスト・バタフライ(※旋回式ダイビング・ボディプレス)を放つなど一気に勝負を決めにかかる。
しかし、青野はこれをかわして自爆させ、バッファロー・スリーパーでスタミナを削ってから得意のダブルアーム・スープレックス。さらに怒涛のラリアット連打で攻め立て、気迫のキックアウトを見せる皇希へバズソーキックで容赦ない追撃。最後はバックドロップで叩きつけて3カウントを奪った。
残念ながら新王座のベルトは海外での製造トラブルに見舞われてこの日に手にすることが出来なかった青野だが、優勝トロフィーを抱きしめ「ここまで来るのは、思ってたよりも険しくて、長い道のりでした」と目に涙。皇希には「これから一緒にアクトレスガールズ、全力で、高いところまで一緒に盛り上げていきましょう。皇希、ありがとう」と声をかけ抱擁を交わした。
早速王座への挑戦者を募る青野の前に現れたのは、新人の後藤智香、藤本こあら、汐月なぎさ。3人は王座への挑戦表明ではなく、「自身の成長のために青野とシングルで闘いたい」という要望を伝えるも、青野は笑顔で承諾。防衛戦ではなくいきなりシングル3人がけという試練を背負うこととなった。
バックステージに戻った青野は、「新体制になって、『しんどいな』って時期が本当に長かったので、今日この瞬間を迎えられたことが夢みたいで、ホントに最高に嬉しいです。これからは堂々と自分でも胸を張ってエースだと主張できるので、さらにアクトレスガールズみんながもっともっと自信をつけて、アクトレスガールズ全体がもっともっと上に行けたらいいなって思ってます」と団体を背負う覚悟を語った。