セフィロスのテーマで東京ドームに登場した“史上最強のレスラー”ケニー・オメガが片翼の天使で勝利!
1月4日、新日本プロレスがアントニオ猪木追悼大会『WRESTLE KINGDOM 17 in 東京ドーム ~闘魂よ、永遠に~』を開催。第8試合ではウィル・オスプレイの持つIWGP USヘビー級王座にケニー・オメガが挑戦した。
2019年に新日本を去りAEWを旗揚げしたケニーが、昨年11月の新日本プロレス×STARDOM合同興行のスクリーンから突如オスプレイを「新日本の集客が減った原因はオスプレイというウイルスだ」と挑発。
前日会見でも「俺様が新日本にワクチンを打ってやる。オスプレイに今までよく頑張った、お疲れ様と背中を叩いてやりたい」と宣言し、オスプレイはケニーに詰め寄りすごい剣幕で「お前は俺たちの元を去り遠くの地でビッグスターになったかもしれないが、俺はこの団体のトップとして君臨してきた。俺の事をバカにするのをいい加減にしろ」と殴りかかる寸前に。
ケニーは「苦労した怒りを俺にぶつけるのは場違いだ。全ての憎悪を明日のリングの中に取っておくといい」と冷静にいなしていた。
この日のケニーはファイナルファンタジー7のセフィロスのテーマと呼ばれる『片翼の天使』を入場曲に、セフィロス風のコスチュームで登場。オスプレイはかつての入場曲『Elevated』で現れ会場から歓声が起きる。
試合はかつてのケニーとオスプレイの攻防を彷彿とさせる動きを見せるが、ケニーがだんだんとそれ以前の激しい試合をする姿に戻っていき、金具がむき出しのコーナーへ雪崩式DDTを突き刺すと額から流血するオスプレイの顔面を場外の鉄柵にかけた机に叩き込んでいく。
オスプレイも往復式ヒドゥンブレイドからダイビング・オスカッターと反撃しスタイルズクラッシュと猛攻を見せるも、最後はケニーがカミゴェから片翼の天使で叩きつけ3カウントを奪った。
オスプレイは号泣しながら「子供のころから、レスリングを始めた時からずっと言われてきたことがある。それは『最強のプロレスラーになるには犠牲が必要』『犠牲を払わなければこの世界で成功できない』ということ。だけど犠牲はもう十分払ってきた。ずっと闘い続けて手錠をはめられたようなこの3年間、苦しい苦しい状況の中で闘ってきた。おもりを腰につけられて海に沈められ、ずっと何も物音が聞こえない深い深い海の底で酸素を求めているような状態で苦しんできたこの3年間。その中でベストを尽くしてきた。まだこれ以上の犠牲を払うなんて…。何をすればいいのか、もうわからない。もうこれ以上の犠牲を払うなんて、まっぴら御免だ。…あと1年だけ、この犠牲を払うという状況に身を置こう。1年だけだぞ。そこから先はどこに行こうが何をしようが、俺の勝手だ…」と絶望した表情で会場を後にする。
ケニーは「俺が勝つという悲しい結果になったな。状況が違えば、俺たちはいい友人になれたかもしれないのに、本当に残念だ。今日勝ったことで自分は、史上最強であるということを証明することができた。もし今日、オマエが何か学びを得るんだとすれば、俺以外のプロレスラーはすべてサーカスの動物たちのようなものだということ。リングの中でリーダーシップを執るのは唯一無二の俺であり、ほかの者全員は俺にとっての添え物でしかない。オマエもその中の1人。オマエにリーダーの座はまだまだ渡せない。これからまた、何度もこのフレーズを聞くことになると思うが、また言わせてもらおう。グッバイ&グッナイト……Bang!」と語った。
IWGP USヘビーの初代王者であるケニーが、6年ぶりにベルトを取り戻し外敵として新日本に君臨する。AEWのトップレスラーとして活躍するケニーを、果たして誰が止める事ができるのだろうか。