【会見】『グレート・ムタとSHINSUKE NAKAMURAのこの商品価値はGHCのベルトより上』1・1NOAH日本武道館のグレート・ムタvsNAKAMURA戦を前に武藤敬司がぶっちゃけトーク

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 30日、1月1日(日)「ABEMA presents NOAH "THE NEW YEAR" 2023」日本武道館大会にてスペシャルシングルマッチを戦う、グレート・ムタの代理人である武藤敬司とWWEのスーパースター・SHINSUKE NAKAMURAが記者会見を行った。時代の狭間に生まれた奇跡の邂逅、当日を前に両選手はなにを語るのだろうか。

武藤敬司
「武藤敬司の言葉として、まずSHINSUKE NAKAMURA、アメリカのタイトなスケジュールの中、1月1日 日本武道館に来日して試合をしてくれてありがとう。俺が思うに、グレート・ムタもSHINSUKE NAKAMURAも時代は違えど共に新日本プロレス、ストロングスタイルで育ち、そこを飛び出して大海に出て荒波にもまれて培ったこの世界観、今回の戦いはこの世界観と世界観のぶつかり合い。たぶん他のレスラー達では描けないようなアート、芸術的な最高の戦いになる予感がします。グレート・ムタ、生まれて三十数年経ちますが、過去にはアントニオ猪木、ハルク・ホーガン、スティング、(リック・)フレアー、(ストーン・コールド)スティーブ・オースティン、そうそうたる世界のトップと戦ってきました。その歴史のページに新たにこのSHINSUKE NAKAMURAの名前が刻まれることを非常に喜んでおります。当日、武藤敬司からグレート・ムタに発破をかけておきますのでよろしくお願いいたします」

SHINSUKE NAKAMURA
「まず最初に武藤選手、プロレスリング・ノア、そしてこの試合を実現可能にしてくれたWWEに感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございます。そして今、武藤選手がおっしゃった言葉の一つ一つがこれ以上ない誉れというか。いまだ自分の中では夢の中にいるようです。このありえない状況というか、2022年、この激闘の時代に決定しそして2023年1月1日、元日に実現するという。いまだに震えています、滾っています、マジで。だから何だろうな、楽しみだけじゃないんですけどこの神懸った状況、味わい尽くしたいなっていう気持ちが今非常に高ぶっています」

——武藤選手に伺います。代理人としてではありますが、改めてSHINSUKE NAKAMURA選手を前にして気持ちの高ぶりというものはありますでしょうか。
武藤「もちろんありますけど、今ちょっとみたらジャケットにグレート・ムタの刺繍みたいなのがあって。これグレート・ムタの断りもなく刺繍しているから…ちょっとロイヤリティが発生するんじゃないかと思っています」
NAKAMURA「個人的な趣味です(笑)」

——(SHINSUKE NAKAMURA選手のジャケットについて)ご自身でおつくりになられたのでしょうか。
NAKAMURA「そうですね。この世紀の、奇跡の一戦を祝うために特別なものとしてあつらえました」

——今回の一戦はGHCヘビー級王座戦の後の大トリとして行われますが、この試合順についてはどう感じていらっしゃいますでしょうか。
武藤「だいたい人の集中力っていうのは2時間~3時間がピークかな、なんて思っているなか今回11試合あるよね。本当はもう少し早いところで試合したかったんですけど、まぁ最近のNOAHの試合で日本武道館がフルハウスになったところを俺は見た事がなくて。明後日の日本武道館はほぼフルハウスになる予定ですので、ある意味グレート・ムタとSHINSUKE NAKAMURAのこの商品価値?俺の口から本当はこんなこと言いたくないんだけど、GHCのチャンピオンベルトより上かなと。ただ今回はきっとNOAHのファンじゃなく一見さんのファンも大勢観に来るはずなんですよ。だからNOAHの選手たちは素晴らしい試合をしてその人たちのハートを掴んで。全員がリピーターになればまた同じように(満員に)なるわけだから。ある意味、NOAHの選手達にも期待しています」

——武藤選手が“世界観と世界観のぶつかり合い”になるとおっしゃっていましたが、SHINSUKE NAKAMURA選手の見解はいかがでしょうか。
NAKAMURA「まず、第一に一度は引退時代の相手として候補に挙げてもらったことに対して非常に驚きと感激を致しまして、このカードの実現に向けて尽力させて頂いたのがあるのですが、世界観の戦い…なんだろう、それもある。でも僕の中では世界観の融合も起こればいいなとは思っていますね。かつ、自分の中にやっぱりリングに上がっていったん触れてしまえば、そこから何が変化して、何を感じるか。そして何が生まれるかっていう部分が、非常に陳腐な言い方ですが楽しみです。まぁある意味恐怖でもありますけど、ワクワクだとかどうしてもそういう感情が止まらないですね」

——魔界に入りこもうとか、自分の世界に引き込もうなどではなく、その時の歓声を大事にしていこうという事でしょうか。
NAKAMURA「そうですね。今までもそうでしたし、だからこそ全身全霊むき出しで1日の試合に臨みたいと思いますね」

——SHINSUKE NAKAMURA選手はWWEの時と同じようにバイオリンの生演奏があるという事ですが、グレート・ムタ選手は何かスペシャルな入場などはあるのでしょうか。
武藤「いやたぶん…俺はまだ聞いてないですね。たぶんないですね。普通通りに。もしかしたらスモークとかはあるかもしれないけど、今回入場はSHINSUKE NAKAMURAに譲りますよ」

——SHINSUKE NAKAMURA選手のWWEでの活躍について武藤選手はどう感じていましたか。
武藤「気にしようとはしてなかったんだけど、必然的に映像とか情報として入ってきたりして、気にせざるを得なかったというのが実情ですね」

——SHINSUKE NAKAMURA選手と言えば初めて日本人としてロイヤルランブルを制したり様々なベルトを獲得していますが、武藤選手の中でSHINSUKE NAKAMURA選手の活躍で一番印象に残っているのはどういったことでしょうか。
武藤「確かコロナになる前かな?俺もニューヨークに行って新日本プロレスのリングに出たとき、彼はレッスルマニアに出ていたんだよね。しかもその前の年は(レッスルマニアの)メインかなんかでやってるよね。なかなかレッスルマニアのメインは普通のレスラーじゃできないよ。その辺は素晴らしいと感じました」

——当初は引退試合の相手として名前が挙がったというお話でしたが、SHINSUKE NAKAMURA選手を引退試合の相手に一度想定したというのはどういうお気持ちだったのでしょうか。
武藤「率直にWWEに行って、さっき言ったようにレッスルマニアでメインに出た商品価値。東京ドームを2月21日にやるという事はもう決まっていたので、それを集客するにはふさわしいレスラーじゃないかなと思って。オファーもしたと思います」

——SHINSUKE NAKAMURA選手にとって武藤敬司選手というのはどういう存在でしょうか。
NAKAMURA「僕はこのプロレス界、一歩足を踏み入れたときからファンであった気持ちは封印してですね、武藤選手にしても蝶野選手にしても、自分がファンとして見ていた先輩達すべてに対して競争相手であるという意識で尖がって接してきましたね。武藤敬司選手とは過去IWGPを懸けて2回戦っていますがその時は大きな壁となって立ちはだかられ、自分としては目の上のたんこぶ、ほろ苦い経験をさせてもらってきました。ただ今回、自分が戦うのはグレート・ムタですが、武藤選手に引退試合の相手として名を挙げてもらえた、そして武藤敬司がリングを降りてしまう、グレート・ムタが魔界に帰ってしまうと。この状況の中ではどうしても自分の本物の感情をさらけ出さずにはいられないです。やっぱり僕の中では中高生の頃、グレート・ムタは僕のアイドルでした。大好きでした。その相手と時代は違えど肩を並べることができてリングで対戦することができるという。なんだろうな…言葉では本当に言い表せないんですけど、この実現に至る経緯も全て神懸っているなと。だからもうすでに感情が滾りまくっているというか、そんな感じです」

——SHINSUKE NAKAMURA選手は元日に試合をするという事、しかも日本で試合をするという事についてはどう感じていますでしょうか。
NAKAMURA「日本で試合をすること自体が待ち望んでいたというところなんですけど、コロナもあって約3年以上になるんでしょうか?日本で試合をすることができなかった。あとはWWEの興行として日本に帰ってくることは何度かありましたが、今回はそれまでとの全く違う状況での試合。かつ特別なもの。奇跡的に実現に至った。しかも日本で、日本武道館で、元日に。これ以上の特別感はないなと誇りに思います」
武藤「ところで皆さん気にしているんだけど、1月4日東京ドームの新日本、行くの?」
NAKAMURA「その予定はありません」
武藤「ないの?」
NAKAMURA「何も声をかけられておりません、残念ながら(笑)」

——グレート・ムタとの一戦がNOAHで実現するという事が、見ている側として不思議な感覚なのですがSHINSUKE NAKAMURA選手はどう感じていますでしょうか。
NAKAMURA「グレート・ムタの代理人である武藤選手はNOAHの所属ではないんですかね?」

——そうです。
NAKAMURA「全てにおいてこの試合は奇跡としか言っていないから、それ以上のボキャブラリーが無くて申し訳ないんですけど、あり得ないことが起こった、という事に全て総括されるんじゃないですかね」

——奇跡というお話がありましたが、WWE側の状況というのもあったと思います。仮に1年前にこういったお話があった場合実現していない、という事でしょか。
NAKAMURA「実現していないです。実際に三度目の正直と言いますか、いろんなことがありましたので」

——SHINSUKE NAKAMURA選手としては今年キャリア20年という事で、その最後の締めくくりにこのような試合があることについてはどう感じていますでしょうか。
NAKAMURA「意識してなかったですね。自分が20年やっているっていう事も意識していなかったです。まぁでも本当に何か見えない力に背中を押してもらっている感はあります」

——今回のグレート・ムタとの対戦が決まったことについて、他のWWEのスーパースターの皆さんの反応はいかがでしたか。
NAKAMURA「みんな信じてなかったです。だからSNSにあげられたこの写真(対戦カード画像)、これいつやったやつ?って聞かれたんですよ。昔やったんでしょ?って言われて。いや、違うんだよ、これ1月にやるんだよって言ったらみんなアゴ外れそうになっていましたね。あとはファミリーとしてプロレスを続けている選手なんかもグレート・ムタを、WCW時代、NWA時代観て育ったという事で、物凄く興奮していたりして。レスラーじゃなくても設営に携わっているスタッフの方とか照明の方とかも。やっぱり凄いことが起こったんだなって。普段声はかけてくれるんですけど、プロレスの話をしない方でもそこまで反応がありました」

——今のお話を聞いて武藤選手はどう感じたでしょうか。
武藤「いやもう昔苦労して頑張った成果というか。辞める前にそういう事を言葉として聞けてうれしいですね。レスラー冥利に尽きますよ」

——今年はアントニオ猪木さんがお亡くなりになられたり、武藤選手が引退を決断したりなど、本当に時代の転換期だと思いますが、この一戦でSHINSUKE NAKAMURA選手に時代を託す、などの気持ちはありますでしょうか。
武藤「うーん、時代を託すとかちょっとおこがましいからさ。やっぱりSHINSUKEが言っていた通り、そんなに重苦しく試合はしたくないね。やっぱり楽しみたいよ。こっちが楽しまなかったらきっと観ている人も楽しくないだろうなと思って。そんな気持ちで試合します」

『ABEMA presents NOAH "THE NEW YEAR" 2023』
日程:2023年1月1日(日・祝)
開始:16:00
会場:東京都・日本武道館

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