“負けたら即引退スペシャル”に臨んだ黒田哲広が王座防衛で2ヶ月ぶり2度目の引退回避!引退ネタの乱用指摘に「僕の師匠がそれやる人だから(笑)」
20日、東京都・新木場1stRINGにてインディー統一連合TTTプロレスリング『INNOVATION 6』が開催され、【“最高”ミステリー】黒田哲広&マスクドミステリーがTTT認定インディー統一タッグ王座の初防衛に成功した。
TTT(TOTAL TRIUMPH TEAM)とは、故・ターザン後藤さんに薫陶を受け、ミスター雁之助を師に持つ黎明期インディープロレスの後継者的存在であるガッツ石島が2020年1月に“インディープロレス統一”を掲げて旗揚げした団体であり、PWC、FMW、IWA JAPANなどの流れを汲むベテラン選手たちが数多く参戦中。90年代インディープロレスの“おもちゃ箱をひっくり返したようなプロレス”の魂を令和の世に伝え続けている団体だ。
TTTには、インディー黎明期を知る黒田哲広が旗揚げ時からレギュラー参戦中。
30年近いキャリアを持ちながらも一切衰えを見せないパワー&テクニックを見せており、“伝統芸能”と呼ばれるまでに昇華された哲っちゃん足殺し、哲っちゃんカッターなどの独自の動きで観客を沸かせている。
TTTではコミカルな試合をすることも多い黒田だが、マスクドミステリーとのタッグ【“最高”ミステリー】では無類の強さを見せており、今年6月には【Speed of Sounds】ツトム・オースギ&バナナ千賀を破ってTTT認定インディー統一タッグ王座を戴冠。
このときの黒田は、王座戦が決まると「必ず取ります。取れなかったら引退します!」とまさかの“即引退”宣言。直後に「あっ、ウソです。言い過ぎました(笑)引退だけクローズアップしないでくださいよ?ホントに引退しちゃうかもしれない」と茶化したものの、黒田の口から“引退”の言葉が出たことに業界はざわついていた。
そんな“最高”ミステリーの初防衛戦の相手となったのは、【渡鳥連合】の藤原秀旺&塚本拓海。
黒田は、挑戦表明を受けた際には「次のタッグで俺たちが負けたら、2人とも引退してやるよ!あ、ちょっと言い過ぎました。絶対勝ちますけど、負けても引退しないです。その気持ちでやります。分かったかこの野郎!負けたら引退してやるよ!どーですかお客さん!」と、FMWの某レジェンドを思わせるゆるゆるな引退観を提示していた。
試合が始まると、黒田と塚本が重厚なグラウンドレスリングを展開し緊迫した空気が流れるが、現在渡鳥連合は秀旺を中心に内紛の危機に瀕しており、セコンド介入を用いた得意のラフファイト連携は内輪揉めによって空回りし不発に終わる。
黒田は、コーナーポストを使った哲っちゃん足殺し、哲っちゃんカッター、ラリアットからの冬木スペシャルと得意技で畳み掛けて塚本を無力化し、最後はミステリーと秀旺の対面を作り出す。
攻勢に出るミステリーに対し、秀旺が見事なドロップキックでカウンターし必殺の100%メロ~ンジュース(※高角度パワーボム)を狙うが、黒田がラリアットでカット。アシストを得たミステリーが数年ぶりに解禁した切り札・旋回式チョークスラムで叩きつけて3カウントを奪った。
初防衛に成功した黒田は、「“負けたら即引退スペシャル”をなんとか勝ってよかったです。お約束ですよ?嘘ですよ?」と安堵した様子でおどけて見せる。
最近頻繁に“引退”の言葉を口にすることを指摘されると、「仕方ねえっすよねえ。僕の師匠がそれやる人だから(笑)会ったら怒られそうですけど(笑)」と舌好調。
しかし、「それは師匠への愛やリスペクトなどのプラスの感情によるものか」と問われるとしばらく黙り込み、「ありがとうございましたっ!」と爽やかに笑って去っていった。