39℃のとろけそうな日に商店街でプロレスラーが大暴れ!“暑い”闘いで熱中症をぶっ飛ばす!

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 28日、東京都・新宿三丁目末広通りプロレス広場にて『初夏の商店会プロレス』が開催された。

 商店会プロレスとは、末広通り商店会会長の石川国由氏が音頭を取って行っている商店街活性イベントの一環であり、公道にリングを立てて行われる観戦無料のプロレス大会。
 商店会プロレスは令和の世に1990年代のインディープロレスの魂を語り継いでいる現TTTプロレスリング代表のガッツ石島がプロデュースしており、初めてプロレスを見る人を含む老若男女が幅広く楽しめる大会を展開している。

 こうしたコツコツとした活動が評価され、2022年から商店街振興のための東京都の事業としても商店会プロレスを継続的に開催。
 お笑いを中心とした演芸&戦後の日本人を元気付けてきたプロレスを“日本の伝統文化”と位置付け、文化保存運動の一環としてリングを使ったエンターテイメントを提供するなどプロレスを見たことがない人がプロレスに初めて触れる機会を創るための草の根運動を行っている。

 今回は末広通りで今年初の商店会プロレス開催となったが、この日の東京都の最高気温は34℃。
 季節外れの真夏日であることに加え、会場は遮蔽物の無い日向。カンカン照りに晒されたアスファルトの上に建てられた鉄製のリングはとんでもない熱を放っており、周囲にはゆらゆらと陽炎が発生。こうした状況もあり、リング周辺の気温は現地の温度計で39℃を記録していた。

 鉄のフレームに木の板とマットを敷いただけのリング上の温度は測り知れず、この日の試合では選手たちが技というより灼熱のリングの上で受け身を取ることで大ダメージを負っていき、悪役レスラーはリング四隅の鉄柱に素肌を押し付けるといった残虐な攻撃を展開。裸足で試合に臨んだ柔術を得意とする選手はリング上を歩くのも一苦労であり、得意の寝技を繰り出すのに四苦八苦していた。

 メインイベントでは、ガッツ石島&神崎ユウキvs定アキラ&Regulusのタッグマッチが実施。TTTを侵略中のヒール軍【ゴキブリ商会】を率いる定らを、ガッツ率いるTTT正規軍が迎撃する構図の試合だ。


 定&Regulusは、リングの四柱やロープといった高熱を発するものを使った悪の環境利用闘法で試合を優位に進める。
 しかし、7月19日のTTT新木場大会で定の持つインディー統一無差別級王座に挑戦することが決まっている神崎が発奮。ルチャ・リブレを操るRegulusにスピード&テクニックで上回って見せ、パワーファイターの定は力自慢のガッツが押さえる好アシスト。最後は神崎が必殺のフロッグ・スプラッシュを決めてRegulusから3カウント奪取。神崎は定との決戦に向けて弾みをつける結果となった。

 広通りでの商店会プロレスも長年続いていることから“地域のお祭り”として定着しており、親子三世代で訪れる家族連れの多く見られる。
 また、通りすがりの来街者や、新宿に集まる外国人観光客が足を止めて流れでプロレスを観戦するケースが非常に多い。この日も外国人観光客がリング上のマイクに呼応してコール&レスポンスのような形になり会場全体が盛り上がるシーンも見られた。

 商店会プロレスのようなオープンな場で行われる無料のプロレス大会は、プロレスの裾野を広げていくことにつながる。大きな団体のビッグマッチだけではなく、こうした草の根運動もプロレスの発展には必要不可欠だ。現在はニッチ寄りの趣味とされることが多いプロレスだが、プロレスがお茶の間で放映され、老若男女皆がプロレスを愛していた時代をまた築き上げるためにもこうした小さな試みにも注目していきたい。

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