令和の格闘探偵団がゴキブリに敗北。公式ライバルの阿部史典を制した藤原秀旺が藤田ミノルとの変なおじさん対決へ

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 6日、東京都・新木場1stRINGにてTTTプロレスリング『CONVICTION 7』が開催。藤原秀旺が阿部史典を破ってインディー統一無差別級王座の初防衛に成功した。

 TTT(TOTAL TRIUMPH TEAM)とは、デビュー前に故・ターザン後藤さんに指導を受け、デビュー後にはミスター雁之助に師事した黎明期インディープロレスの後継者的存在であるガッツ石島が2020年1月に“インディープロレス統一”を掲げて旗揚げした団体。90年代インディーの空気を色濃く残したディープなメンバーが参戦しており、令和最新型の“平成”を創り上げている。

 また、TTTは都内の商店会と協力してプロレスでの町おこしを行っており、老若男女にプロレスの楽しさを伝える草の根運動を展開。これが実を結んで安定した集客を実現し、旗揚げ4周年を迎えた今年の12月28日には団体初の後楽園ホール大会開催を決定するなど成長を続けている。

 TTTでは、総額数十億円に及ぶとも言われる大富豪・石川会長の財産に目をつけた“唯一神”藤原秀旺の侵略を旗揚げ時から受け続けている。
 松田優作さんを敬愛する秀旺が今年5月に結成した悪の軍団【ゴキブリ商会】は暴力に物を言わせるタイプのヒールではなく、怪しい政治主張を行って観衆を洗脳しようとするタイプのヒール。秀旺は過激な活動が目立つ某政党の関与を主張していることから、本当に触れてはいけないタイプの人間なのではないかと疑われている。

 秀旺は毎回毎回大会開始前にはゲリラ公開記者会見を行っており、「消費税制度の撤廃」「医療・保険・介護・育児にかかる費用をすべて無償化」「昭和の伝統文化・ダフ屋を守って貧富の格差を無くす」「脱原発を進めて俺の地元・岩手県花巻市大迫町に2.5兆円かけて水晶パワーによる発電センターを作る」など実に香ばしい公約を掲げながらアジテーション。
 最初こそ懐疑的だったTTTファンも徐々に洗脳されていき、現在では記者会見を解散させに来たTTT側の人間にブーイングが飛ぶ状態となっている。

 そんな秀旺だが、意外なことに実力は確か。奇抜な言動からは想像出来ない基礎に忠実なファイト&奇抜な言動でリング内外を支配しており、今年6月にはTTTの至宝たるインディー統一無差別級王座を戴冠。

 そんな秀旺だが、「過去に対戦して1度も勝てていない阿部史典にリベンジをしたい」というまるで普通の人のような希望を口にして初防衛戦の相手に指名。種類・毛色が全く違う“やべーやつ”同士の対決が実現した。


 秀旺は入場時にニュートラルコーナー下に祭壇を設営。2柱のモアイ像と福助人形セットを祀り、コップに注いだ水にイースターパワーを込めてから飲み込む。団体によっては相対的に“変人枠”に入れられることもある阿部だが、ここでは阿部が一番の常識人枠に。
 試合が始まると、秀旺がモアイ像と福助人形をリング中央に設置。2人でこれにぶつからないように闘っていく奇妙な光景が広がる。これを除けばパワーでは秀旺が、テクニックでは阿部が上回る一進一退の好試合が展開されていく。
 しかし、秀旺のピンチのゴキブリ商会のゴキブリたちが乱入して阿部を袋叩きに。阿部もゴキブリを振り切って澤宗紀直伝お卍固めを決めるも、秀旺がチェックに来たレフェリーを引っ張り込んで一緒に倒れ込むことで強引に脱出。レフェリーが倒れている間に秀旺がサーベルで阿部をぶん殴り、ロマンチックを突き抜けろ!(※変形バックドロップ)から100%メロ~ンジュース(※高角度パワーボム)を決めて3カウントを奪った。

 マイクを取った秀旺は、初防衛の感慨に浸ることもなく淡々と「日本のジュニアヘビーの活性化のために、これからも闘っていきましょう。今日から正式に藤原秀旺の公式ライバルとして認めます」と阿部に通告。
 観衆が「公式!」「公式!」と熱いコールを贈る中、阿部は「イヤに決まってんだろォッ?!嬉しくねーよぉ?!イヤだよ!イヤだよそんなの!」と全力で拒否しながら退場。


 その後、秀旺がなんの脈絡もなく藤田ミノルを次期挑戦者に指名すると、自身の売店で他人事のようにリング上を眺めていた藤田が「俺ェ!?」とぶったまげる。
 藤田がリングに上がろうとすると、秀旺は「上がってこなくて結構です。もうお帰りいただいて結構です」と対話を拒否。淡々と次回8月10日大会での防衛戦を決定した。

 大会後、報道陣を売店裏に呼びつけた秀旺は「私のライバルであるアンジュルムの佐々木莉佳子が卒業したということで刺激を受けてますし、僕自身も前に出ようと思いまして。TTT、俺が顔としてやっていきますんでね。年末の後楽園ホール大会は藤原秀旺の記念日的な大会になると思います」と演説。
 報道陣に質問を促すも、誰かが喋ろうとするたびに秀旺が「お帰りいただいて結構です。お帰りください」と対話を拒否。そのまま新木場駅前の松屋へと消えていった。

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