【インタビュー】「普通には生きられないので下品くらいがちょうどいい」2年の沈黙を破り復活した“全ての男を狂わせるガール”夏すみれがプロレス界の新システムを構築!フリーランスの需要促進に懸ける思いとは

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 “全ての男を狂わせるガール”の2つ名とともに、リング内外で妖艶な魅力を放つ夏すみれ。
2013年のデビュー当初は清純派として活躍していたが、他に類を見ない“ビッチ系キャラ”を確立すると『試合でも崩れない鉄壁メイク』で美容業界からも注目を浴びた。
スターダムの大江戸隊を経て2020年より肩の治療により長期欠場してたが、欠場中もゲーム実況や文才を発揮した過去語りなど話題を振りまき続けた夏。2年間の休養期間を経て、今年2月に突然『フリーランスによるフリーランスのためのフリーランスサミットNOMADS’(ノマズ)』を発表した。
 発起人である夏が一体どのような思いでプロレス界に戻ってきたのか?その思いを語ってもらった。

フリーランスサミット『NOMADS'』
日程:5月20日(金)
開始:19:00
会場:新宿FACE
<参戦予定選手>
雪妃真矢、山下りな、高瀬みゆき、SAKI、優宇、安納サオリ、朱崇花、清水ひかり、櫻井裕子、網倉理奈、花園桃花、他
※チケット全席完売


――まず、NOMADS'を開催しようと思った経緯を教えて下さい
「元々、4~5年前くらいに山下とフリーの(プロレスラーの)労働組合的なものを作ろうとしたことがあったんですよ。結局、フリーって後ろ盾がないじゃないですか。私達は結構キャリアが浅い状態でフリーになっているので、例えば断りづらいオファーであったり、避けられない業界の都合みたいな部分があった中で、一個人でキャリアが浅いと中々生きづらいよねって話をしていて。その話をしてたときには、Color’sが出来る前のフリーになってすぐのSAKIさんとか、当時のフリー選手とお仕事の受け渡しと言うか、『いついつの興行、1枠空いてるから出られませんか?』ってお仕事を頂いたら、代わりにこちらも『もし良かったらこの大会出ませんか?』みたいな感じのやり取りがあったりして。それで、フリーって仲良しこよしするわけじゃないけど、横のつながりを大切にして上手く共存していくことが大事だと思ったので、労働組合的なものを作ろうと思ったんですよ。私の頭の中ではずっと“いつかやりたいもの”としてあったんですけど、それももう4年くらい前の話なのでいつの間にか流れてしまっていて。
 私は20歳でプロレス界に入って今年30になるんですけど、この10年間の中でヒザの怪我で欠場したことはあるんですけど、欠場中であってもプロレスの仕事だとか雑用だとかポスターデザインの仕事とかはしていたので全くプロレス界からは離れてなかったんですね。2020年に再度欠場に入った時に、この怪我をいい機会に『1回プロレス界から離れてみよう』って思って欠場期間中はプロレスのことを考えないように過ごしてたんですけど、その中で、『プロレスを題材としたちょっとしたなにかをやりませんか』というお話をもらって仕事を任される立場になって。私としても結局は自分の商売道具はプロレスしか無いので、いつまでもなにもせず家でひたすら引きこもってゲームしているわけにも行かないって言うので、そのお話に乗って去年からはその実現に向けて動いてたんですけど、頓挫してしまったんですよね。複数人の選手にはもう色々声をかけていて、『ここからやるぞ!』ってときに話が無くなってしまったので、自分としても結構そこに責任を感じていて。『そういう場を用意する』って言っていたのに出来なかったという後悔があって去年は精神と時の部屋に籠もってたんですけど(笑)今回も参加してる高瀬みゆきと雪妃真矢の2人にはその時も声をかけていて、精神と時の部屋に籠もって誰とも連絡を取り合わず精神修行を続けていた中で、『2人にも迷惑かけてるし腹括らなきゃな』っていうのでようやく現世に戻ってまいりまして、2人と話をしていて、元々2人の状況……高瀬であれば団体が無くなるかもしれない、雪妃であればフリーになりたいかもしれないっていうのは元々うっすらとは聞いてはいたんですけど、『逆にこれはチャンスなんじゃないか』って思って。フリーランスっていう存在が今年に入って一気に増えたことで、ある意味フリーっていう存在に注目が集まっている中で、今このタイミングを逃したらフリーっていうものがまた旬を過ぎてしまうと思ったんですね。そのときにずっと頭の中に残り続けていた、フリーだけのフリーが楽しめるフリーだけの空間を作ろうと考えて、今回は高瀬、雪妃、山下に声をかけて実現させることが出来たっていう経緯です」

――実行委員会形式と発表されてますが、各選手がお金を出し合っているんですか?
「はい!出し合っております!(笑)一切協賛とかも取っていないので、完全に私達がポケットマネーでお金を出し合って。なので共通の口座を作って、そこに大会運営資金を振り込んでやっております」

――今後も協賛は取らずに自分たちでやっていく?
「取らないとは言えはしないですけどね(笑)結局、今回実行委員会形式でやろうと思ったのも、『私の自主興行じゃないな』って思ったからなんですよね。私の興行にしちゃうと結局私の色になって私の意向を聞いてもらう大会になっちゃうじゃないですか。それは良くないし私のやりたいこととも違ってくるので、フリーの子が楽しめる空間っていうのを考えて4人での実行委員会形式にしました。それはスポンサーさんとかもそうで、もちろん協賛が付いてくださると大会も演出とかにお金をかけられたり、出てくれる選手にも色々とお返しができたりするのでメリットは多いんですけど、もしそこにスポンサーさんの意向とかが入ってきてしまった場合に、自分たちのやりたいものと離れてしまうのであれば、ちょっとそれは違うんじゃないかなと思って。いうても我々もWWEみたいにもらってはないので(笑)赤字にはならないようにってことで、どうしてもの場合には方法は色々考えるんですけど、とりあえず今は自分たちでやれる力とお金でやってみようかなというところです」

――こうした大会の場合、新木場1stRINGを会場に選ぶ場合が多いと思うのですが、今大会で新宿FACEを選んだ理由はあるのでしょうか
「う~ん、新木場は1回やったんで(※2019年12月15日、夏すみれ自主興行『Forever』)。次は新宿FACEだなと(笑)あと、出てくれる選手も人気のフリー選手ばっかりなんで、やっぱ箱は少し大きく出たかったっていうところがありました」

――恐らく、皆さんが一番気になるのは夏選手がこの2年間をどう過ごしていたかだと思います
「最初はホントになにもしてなかったんですけど、免許を取りました、私!(笑)ずっと取りたかったんですけど、所属時代は練習とかで通学も合宿も出来る環境ではなかったので取れる環境じゃなかったんですけど、欠場に入ったのを機に無事今普通免許を取得いたしまして、よく群馬の山の方に行っております。その状態で半年くらいはホントになにもしてなかったです。家でゲームやって。でもその辺からちょっとおかしかったですね。人と会えなくなるか……私は当時のことを“雛見沢症候群”って呼んでるんですけど、『嘘だッッ!!』っていう部分が強かったですよね(笑)人と接するのが億劫になっていて、その状態の中で、さっき言ったお仕事のお誘いがあったんですよね。でも結局自分が不安定な状況で始めてしまったものなので、今となっては頓挫してしまったのも自分のせいかなと思うんですけど、それからはもうひたすら精神と時の部屋で精神修行を積んで、今は強くなって出てきました。年末くらいですかね」

――SNSを見ていると、最近は猫を飼われるなど気持ちとお金にゆとりが出来てきたのかなと思います
「そんなことないですわぁ~(笑)一応、頓挫してしまって精神修行に出るものの、生活するのにお金はかかりますから、この10年間……いや、人生で初めてのレベルで昼職をやりました。ただ、ただですね……NOMADS’発表の1週間前に辞めました(笑)やっぱり、思うんですけど、私にカタギの仕事は出来ねえ!(笑)10年プロレスしかやって来てない女にカタギの仕事は無理でした!(笑)まあ、今は、夜職です!今は私より猫のほうがいい飯食ってます(笑)」

――最近になってプロレスをやりたいという気持ちが復活してきたと
「あんまりこういうこと言うのも語弊が生まれそうなんですけど、そんなに誰かに言われたわけでもなく、ちゃんと自分本位で『プロレスやりた~い!』って思ったこと、ここ数年で記憶にないんですよね。今はすごくモチベーションも上がってますけど、でもこの興行を実際にやるって決まってからですかね。せっかくやるんだったら成功させたいし、成功させるんだったら次もう1回って継続したいし、継続させるんだったらそこで復帰したいしって感じで繋がっていって、今は復帰に対して前向きにやっております」


――夏選手の欠場中、P.P.P.TOKYOでの夏選手の姿を見てプロレスラーを目指したちゃんよた選手が同団体からデビューしました。夏選手が復帰すれば、いずれ対戦することもあるかもしれません
「正直、欠場期間中に色々考えちゃうんですよ。人間って暇な時間が出来るとダメって言うじゃないですか。私、暇な時間しか無かったんで色々考えてしまって、『私のプロレスラーとして過ごしてきた時間、なんだったんだろ。無駄だったな~』みたいなことも考えていたんですよ。でも、そういう中で私の試合を見てデビューしてくれたっていうのを、当時リアルタイムでは知らなかったんですけど、後々それを知ったときに、本当に涙が出て……。『やってて良かったんだ』って思わせてくれたので、そこはやっぱり私の方からもいずれはお願いしたいですね、『ありがとうございます』という意味を込めて」

――ちゃんよた選手の試合はご覧になったことありますか?
「はい。こっそりデビュー戦を見に行きました。すっごいいい新人さん、っていうかいい選手だなってホントに思いました。感動したし、当日にはコロナの影響で急遽カードが変わってっていうので、初めてリングに上がる選手にとって戸惑いも多かったと思うんですけど、それを見せない戦いっぷりで、『すごいの出て来たな!』『うかうかしてられないな!』って気持ちになりました。先日PPPに久しぶりに顔を出しまして、ちゃんよた選手と初対面してビンタしてやりました(笑)」

――ブロンコバスターを使う選手も増えてきました
「そこですよね、ハイ。そこなんですよぉ~。でも、いかんせん私も最近腰を振っておりませんので、ブロンコに関しては衰えが見えてしまうのではないかと思うので、今日から私は復帰に向けて1日500回腰を振りたいと思います(笑)」

――夏選手ほどの選手にもなれば男性方面も引く手数多だと思うのですが、欠場期間中はどうだったのでしょう
「欠場期間は人を斬って肉フックに吊るというゲーム(※Dead by Daylight)を家で黙々とやっておりましてですね……。途中で、蒸しパンを見るとつい悪夢を思い出して発狂しそうになるという、そんな日々を過ごしておりました(※夏すみれは精神と時の部屋での修行中、パン工場でバタ子さんとして働き、気が狂いそうになって1日で辞めた)」

――これからはまた妖艶な夏すみれが見られると
「私みてぇなモンは、普通には生きられないので。下品くらいがちょうどいいんじゃないですかね」

――最近DVD購入の問い合わせもあったということで、新しいイメージDVDの発売もある?
「オファー……あります?(笑)あるなら全然やりますけどね~♪ただ、30っすよ、あたし(笑)」

――最近、30代でグラビアを出して非常に好調な売上を記録した選手もいらっしゃいます
「へぇ~!私が2016年にDVD出したときには私に7万円しか入らなかったんですけどね……」

――今後、DVDやグラビアも含めてプロレス以外での活動はなにかしていくのでしょうか
「3月から新宿二丁目でバーを始めまして。自分で経営するのではなくてあくまで知り合いのお店をお借りする形にはなるんですけど、週4日をやりつつ、昼間の時間とか休みの日は全部練習に当てようと思ってるので、その動きも全部復帰に向けて。ちょっと昼間のお仕事をしていると練習時間も確保できないので、昼に働いていると復帰が遠のいてしまうなと思ったので、バーを始めますので、29歳コンカフェ嬢の夏すみれに会いに来てくださ~い♪(4月3日より新宿二丁目Bar TANTRA内で正式オープン)」

――最後に、ファンの皆さんにメッセージをお願いします
「5月20日、新宿FACEで19時からフリーランスサミット『NOMADS'』を開催するんですけど、この大会の成功っていうのが自分の復帰にとっても非常に大きな鍵になると思ってます。やぱりやるのであればチケットを完売させて札を止めたいし、私にとっての大会の成功っていうのは札止め以外はありえないと思っているので、夏すみれの復帰を心待ちにしていただいている方は、是非是非私の復帰のためにも遊びに来ていただきまして、成功に導いていただけたらと思います。私も裏方にはなるんですが、会場では全然バタバタ走り回っているので、久しぶりのプロレス大会に関わるということで皆さんの顔を見られるのを非常に楽しみにしておりますので、良かったら2年ぶりに会いに来てください!よろしくお願いします!」

 5月大会ではまだプロレスラーとしての復帰ではなく、レスラーとしてのリハビリが必要だという夏すみれ。
 3月のPPP乱入ではマイクのパワーは変わっておらず、むしろ妖艶さは増していたと言える。そんな夏が手掛ける新たな仕組みは、プロレス業界の勢力図を変えるものになる可能性がある。“団体力“ではなく“個人”の力が集まった時にどのようなパワーが産まれるのか?
 発表から1ヶ月経たずにチケットが全席完売したプレミア興行となった『NOMADS'』。女子プロレス界の新たな伝説のスタートを目にして欲しい。

フリーランスサミット『NOMADS'』
日程:5月20日(金)
開始:19:00
会場:新宿FACE
※チケット全席完売

<参戦予定選手>
雪妃真矢、山下りな、高瀬みゆき、SAKI、優宇、安納サオリ、朱崇花、清水ひかり、櫻井裕子、網倉理奈、花園桃花、他

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