「お前が捨てた団体になんの用事があるんだ?」佐藤光留がかつての盟友・大和ヒロシの世界ジュニア挑戦要求を一刀両断!
21日、東京都・大田区総合体育館にて全日本プロレス『LECクリンぱっ!presents Champions Night 3 ~50th Anniversary Tour~』が開催され、世界ジュニア王者・佐藤光留が挑戦表明してきた大和ヒロシを一蹴した。
光留は、かつて“全日本ジュニアの象徴”と呼ばれた故・青木篤志さんの盟友であり、青木さんの死後は多くは語らずも闘いの中で全日本ジュニアの魂と“青木イズム”を表現し続けてきた。
そして光留は今年2月の後楽園ホール大会で約5年ぶりの世界ジュニア王座戴冠を果たし、「全日本の中心じゃねえか?ジュニアはプロレスじゃねえか?デカくなきゃ正義じゃねえか?佐藤光留が生きてる限り、俺が全日本のリングにいる限り、俺が全日本ジュニアだ!ジュニアを教えてくれた仲間がいるんだ、1人よ。死ぬまでプロレスラーだった仲間が1人いるんだよ。裏切れないものがあるんだよ」と熱い想いを語っていた。
しかし、これに全日本の若手の成長株であり、ヒールユニット“TOTAL ECLIPSE”の若大将である大森北斗は「お前が全日本の中心なんて認めない」と噛み付いて挑戦表明。50周年記念大会の舞台で全日本ジュニアの世代交代を狙った。
試合序盤は、総合格闘技のバックボーンを持つ北斗が光留の格闘スタイルに対応し緊迫感ある互角の攻防を展開。
北斗は場外戦に持ち込んで均衡を破り、場外フェンス等を用いたラフファイトで一気に試合の流れを掴み、得意とする多彩なエルボーを軸に光留を猛攻。雪崩式アバランシュホールドやドラゴン・スープレックスといった大技も見せて光留を追い込んだ。
我慢の展開となった光留だったが、カウンターで的確な延髄斬りを叩き込んで窮地を打破し、デスバレーボムからバックドロップ。反撃を狙う北斗の動きをアンクルホールドで封じ、そのまま引き寄せてバックドロップで叩きつけて試合を決めた。
ベルトをその手に取り戻した光留の元へ、大和ヒロシが全速力で走ってきてリングイン。
大和は「佐藤光留!次のそのベルトの挑戦者は、この俺だー!佐藤光留、かつて、情熱変態バカと呼ばれたこの大和ヒロシがいるこの会場で、あんたがこんな情熱的な試合をして、それを、防衛して、黙っていられるわけが、ねーだろうが!次の挑戦者はこの俺だ。俺の挑戦を受けろー!」と熱血な挑戦表明を行い、光留にマイクを突き出す。
しかし、光留はマイクを置くよう大和に指示し、それを拾い上げてから「お前が捨てた団体になんの用事があるんだ?俺はな、お前が捨てた団体でこうやって生きてきたんだよ。お前は、捨てて、新しい団体も捨て、何を手に入れたんだ?何が情熱だ。何がバカだ。ただの嘘つきめ。ちょうどいいよ。プロレスのリングがな、本当になんでもありってことを、このベルトをかけて、お前との試合で世間に、そしてお前の親戚全員に教えてやる!二度と、この業界になんか立てねーようにしてやる」と大和を睨みつけた。
大和は武藤塾のオーディションに合格し2007年に全日本プロレスからデビュー。武藤全日本体制下で光留やKAIらとジュニア戦線を盛り上げたものの、2013年に武藤敬司のWRESTLE-1旗揚げに追随して全日本を退団した選手だ。
光留と大和は幾度も闘い合い、そして2人でアジアタッグ王座を戴冠したこともあるライバルであり盟友であった存在。そんな大和からの挑戦表明には思うところがあるようだ。
バックステージに戻った光留は「お前が捨てたんだよ、全日本プロレスをよ!都合のいいときだけ被害者みたいな面してんじゃねーぞ。次の挑戦者はゴミだ。人前でやることじゃねえんだよ。DVD?オンライン?いらねえよ、そんなもん。人の見てねえところでやってやるよ。ドリー・ファンクが見てりゃいいんだろ?そっちに繋げよ。テメーみたいなゴミとな、やるとは言ったよ。このベルトをかけていつでもやってやるって言ったよ。でもな、人前でやることなんて一言も言ってねえからな。オメーの親戚全員見てろ。お前の身内、嫁、子供、全員お前の嘘に騙されてるんだ。嘘付きが。調子に乗るんじゃねえぞ。お別れの手紙を書いとけ、馬鹿が」と吐き捨て、荒々しく会場をあとにした。