「全日本プロレスは本物のプロレスだ!」宮原健斗が石川修司との死闘を制し三冠ヘビー級王座防衛!
21日、東京都・大田区総合体育館にて全日本プロレス『LECクリンぱっ!presents Champions Night 3 ~50th Anniversary Tour~』が開催され、宮原健斗が石川修司を下して三冠ヘビー級王座V2を果たした。
全日本プロレスの至宝たる三冠ヘビー級王座はジェイク・リーが保有していたが、昨年12月の年内ラストマッチでジェイクが鼻骨骨折および左眼窩内側壁骨折の怪我を負い王座を返上したことから空位に。
その後、今年1月に新王座決定トーナメントを制した宮原健斗が約2年ぶりに三冠ベルトを巻くことになり、2月には因縁のアブドーラ・小林を制して初防衛に成功。
そこへ石川修司が現れ「46歳になって、若い奴にゆずんなきゃなって思ってる自分がいたけど、よくよく見たら、俺がやっぱり一番強いなって。エースなんて座はいらねぇけど、強さの象徴の三冠ベルト、それは俺に必要だな。この50周年ていう大事な全日本プロレス、そして武道館大会に、俺はそのベルトを持ってチャンピオンとしてメインに立ちたい。だから、俺の挑戦受けてくれよ」と挑戦を表明。
宮原も「最高vs最強、春の大一番で勝負だ!」と応じ、3月21日の大田区総合体育館大会で防衛戦を行うことを宣言した。
ここ数年の石川は三冠戦線から一歩引いた位置におり、最近は全日本の“明るく楽しい”部分を担うことも増えてきていた石川だったが、今月12日の前哨戦で宮原の“秘策”で試合中に失神させられるという屈辱を味わい、試合終了のゴングを無視して大暴れし宮原を医務室送りにするという“怖い石川修司”の姿も垣間見せた。
石川は宮原と幾度も死闘を展開してきており、その度に“宮原殺し”と題した新技を開発。今回の一戦に向けては、宮原殺し2022(※リバース・ファイヤーサンダー)を開発して臨んだ。
この2人は、全日本プロレス45周年記念で行われた両国国技館大会でも三冠ヘビー級王座をかけて闘っている。その際には挑戦者として臨んだ宮原が三冠ベルトを奪還するという結果に終わったが、立場が逆になったこの試合の結末がどうなるのかに熱い注目が集まった。
試合は、全日本のヘビー級の闘いを象徴するかのような真っ向からのぶつかり合いが展開され、体格に勝る石川が全体重をかけながらのコブラクラッチや、槍投げのように宮原の頭からコーナーに投げつけるなど圧倒的なパワーを見せつける。
これに対し、宮原は低空ドロップキックを中心に巨漢殺しの定石である足攻めで石川のペースを崩し、石川の意識が下に向き始めると得意のフロントハイキックやブラックアウトで顔面を貫いていく。
石川は宮原殺し(※変形ファイヤーサンダー)、宮原殺し2019(※変形レッグロック・スープレックス)、宮原殺し2022と宮原のために開発した技の数々で一気に試合を決めに行くが、宮原は“秘策”の1つであるウラカン・ラナで切り返す。石川はなんとかキックアウトしてみせるが、宮原は怒涛のブラックアウト連打から必殺のシャットダウン・スープレックス・ホールドを決め、32分28秒の死闘に終止符を打った。
試合を終えた宮原は、全日本プロレスは明るく楽しく激しいプロレス。そして王道!そして本物のプロレスだ。“本物”とはなんなのか?それは見てたら分かるよ。本物か、それ以外かな。『全日本プロレスはデカい奴の闘いだ』とな。ああ、それも“本物”の中に含まれるよ。世間一般が求めるプロレスラーというものは、身体で銭が取れなきゃいけねーんだよ。俺はそうやって育ったからな。身体でな、飯が食えるんだ。それが本物だ。今日の戦いを通じて、俺はその本物を見せたかった」と石川戦を振り返る。
そして宮原は、全国の会場で三冠戦を行っていきたいというビジョンを語り、4月9日から開幕するチャンピオン・カーニバルに向け、史上初となる三冠王者としての2度のCC優勝を成すことを誓った。