“全日本プロレスvsGLEAT”の対抗戦を制してゼウス&イザナギがアジアタッグ王座V6!
22日、東京都・後楽園ホールにて全日本プロレス『2021 SUMMER ACTION SERIES』が行われ、アジアタッグ王者のゼウス&イザナギがエル・リンダマン&鬼塚一聖を制して6度目の防衛に成功した。
この日の全日本プロレス後楽園ホール大会は4つの王座戦や青木篤志さんのメモリアルマッチ、新人デビュー戦など盛りだくさんの内容であり、4度目の緊急事態宣言が発令されている中で事前に全席完売。団体の勢いを象徴するかのような形でビッグマッチを迎えた。
現在アジアタッグを保有しているのは、元三冠王者であるゼウスと、自らその正体を丸山敦だと明かしている謎のマスクマンであるイザナギ。
ゼウスと丸山は、元大阪プロレス所属で現全日本プロレス所属であるという数奇な運命で結ばれたタッグ。丸山がイザナギへと姿を変えてヒールユニット“PURPLE HAZE”を組織し、その頃に結果を出せずに悩んでいたゼウスを引き入れたことでゼウスも覚醒。ヒールとなってかつての“怖いゼウス”の姿を取り戻して大暴れするゼウスをイザナギが老獪なテクニックでサポートする名タッグとして昨年8月にアジアタッグ王座を戴冠し、5度の防衛を成し遂げてきた。
本来、この日はGLEAT所属となった“#STRONGHEARTS”T-Hawk&エル・リンダマンがアジアタッグに挑戦する予定であったが、今月1日のGLEAT旗揚げ戦でT-Hawkが負傷し欠場に入ったことから#SHの若手である鬼塚がリンダマンのパートナーに大抜擢。GLEAT旗揚げ戦でカズ・ハヤシから3カウントを奪う大金星を挙げて勢いに乗る鬼塚の成長ぶりにも注目が集まる試合となった。
鬼塚は試合開始直後から「ゼウス、来い!」と挑発して真っ向から打撃戦を挑み、ゼウスの強烈なチョップを受けながらも雄叫びを上げて突貫。リンダマンは鬼塚のアシストに徹してイザナギを相手取りつつ、ゼウスのチョークスラムを高角度回転エビ固めで切り返してあわやの場面を作るなど持ち前のスピードとテクニックを生かして存在感を発揮。
リンダマン&鬼塚はゼウスとの2vs1の局面を作り出して打撃戦を挑むが、ゼウスが逆水平チョップで圧倒すると、イザナギがすかさずトラースキック。さらに大阪インパクト(※ゼウスが肩車した相手にイザナギがミサイルキック)を叩き込み、イザナギがバズソーキックから仙人の首固めで鬼塚から3カウント。
試合後、イザナギは「鬼塚、キャリアじゃわかんないけど、相当の覚悟を持ってT-Hawkの代わりでプレッシャーはすごいと思うけど、それをはねのけて、憎たらしいくらいに強かった」と鬼塚のガッツを評価。
そしてゼウスは「おい!リンダマン。次もう一回やりたかったら、もともと予定やったT-Hawkを連れてこい。いつでも俺らがアジアタッグのベルトをかけてやってやる。待ってるから」とT-Hawk&リンダマンにメッセージを贈った。
一方、鬼塚は「『T-Hawkの代わりは鬼塚では無理なのか』という試合前の評判を覆したかったですけど、ダメでした。悔しいです」と肩を落とすが、リンダマンは「プロレス界というのはチャンスが急にめぐってくるものなんですよ。そういう時にそのチャンスをリザーバーなり、そこに入った人間がモノにできるかできないかでこれからのプロレス人生が大きく変わってくると思う。今日はT-Hawkの代わりというのが一般的な目だったかも知れないですけど、鬼塚一聖としてすばらしい戦いをしてくれたと思うし、今いるGLEATの戦力だという強い意識をもってこのリングに臨んでいるというのを僕は見ていたので。負けはしましたけど、押せ押せの最後だったので僕は全然悪くないと思います」と冷静に分析しつつ鬼塚を鼓舞。
そしてリンダマンは「全日本プロレスには侵攻し始めたばっかりだから楽しみにしてください。オツカレーシ!」真剣な雰囲気を明るく変えて去っていった。