【コラム】地殻変動群発中!3月14日後楽園ホールは全日本プロレスの一大転換期な大会となる!?

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2021年に入り、全日本プロレスのリングが目まぐるしい展開に揺れ動いている。

その中でも、最大の核となってきそうなのがジェイク・リーだ。2月23日後楽園大会で数年来のタッグパートナーである岩本煌史を突如裏切り、芦野祥太郎を追放したばかりのアンファン・テリブル残党(羆嵐&児玉祐輔&土肥こうじ&大森北斗+TAJIRI)と結託。

明けて3月6日の新木場大会。悪魔に魂を売ったかのようなブラックとシルバーの新コスチュームを装着し姿を現すと、その妖艶さに会場内の女性客からは抑えきれない黄色い悲鳴が巻き起こった。そして試合でも、爽やかな好青年だった長年のイメージを完全否定するかのようなダークヒーロー的ファイトで諏訪魔率いる岩本や芦野を加えた混成軍を圧倒し完全撃破。

試合後、自らが率いる新チームの名称が皆既日食を意味する『TOTAL ECLIPSE』(トータル・エクリプス)であることを宣言。全日本プロレスの太陽である宮原健斗を覆い隠し、諏訪魔という王道の大地を暗黒の闇で支配していくことを暗示させるチーム名だ。

来たる3月14日の後楽園大会ではジェイクに裏切られた岩本と、やはりアンファン残党に裏切られた芦野が急遽チームを結成。ジェイク&児玉祐輔との遺恨決着戦がおこなわれるが、これにあたりジェイクは岩本に『最後のチャンスを与える』と、TOTAL ECLIPSE加入への改心を薦めており、決着後にはそれぞれの今後の行く末が左右される一大勝負となるのだ。そして、ジェイクが未来に見据えているのは2021チャンピオンカーニバル完全制覇であり、諏訪魔の保持する三冠ヘビー級選手権獲得であろうことは容易に推測できる。突如現れた『黒いジェイク・リー』は、このまま全日本プロレスの核となってしまうのか?大いに注目すべきところである。


そして、世界タッグ戦線にも大きな変化が。王者である宮原健斗&青柳優馬組のパワーバランスに微妙な変化が生じてきているのだ。これまでは宮原を陰で支える存在だった青柳が『陰湿』という前代未聞のキーワードを武器に、急激にその存在感を増してきているのである。

3月14日の王座戦に向けても、陰湿極まりない言葉羅列によるSNS攻撃で挑戦者のゼウス(パートナーは入江茂弘)を精神的に揺さぶり続けた。その途中経過として、3月6日新木場大会の世界タッグ前哨戦では怒り心頭なゼウスのラリアット3連発に豪沈。さらに試合後もイスで滅多打ちにされ会場外まで連れ出されたうえ、バックステージでの『しょうもない小学生以下の挑発に乗ってくれた脳ミソ筋肉野郎のおかげで、だいぶ楽しくなってきましたよ!』というコメント中にもダメ押しの襲撃を受けたが。起き上がれないほどのダメージを負いつつも、してやったりの表情で『ボクの作戦勝ちですよ!』と、どこまでも陰湿の使い分けで自らを印象付けるという日本プロレス界に前代未聞なレスラーが誕生しつつある。

そもそも青柳は昨年末に宮原とのタッグ再結成にあたり『再び(宮原と)組むのであれば対等なつもりでいく」と予告しており、いまの状況はまさしく有言実行といったところ。3月14日の後楽園では挑戦者であるゼウス&入江と同時に、宮原の絶対的存在感とも戦うこととなるのだが、もしもその全ての戦いに勝利したら…全日本プロレスには、まだだれも目にしたことがない新世紀の光景が広がることとなる。


そして、全日本プロレスにとってある意味タブーであった『ストロングスタイル』という概念を堂々と持ち込む男が現れた。ヨシタツである。全日本の『王道』に、自らの出自である新日本プロレスがかつて掲げていた『ストロングスタイル』を融合させた『王道ストロングスタイル』完成を公言したヨシタツ。新日本時代の先輩である西村修との新日本プロレス道場式合同特訓を経て自信と信頼を深め合い、3月14日の後楽園では諏訪魔と佐藤光留の待つリングへと向かう。その先の3月21日京都大会では諏訪魔の持つ三冠王座への挑戦が決定しているので、後楽園での前哨戦は『王道ストロングスタイル』試し斬り的意味合いを持つ肝心極まる一戦だ。

そして3月8日の保土ケ谷大会においては諏訪魔の口から『お前の新日育ちのバックドロップと俺の全日本のバックドロップとどっちがすごいか勝負しようぜ!』という言葉が発せられたことのより、まさに全日本vs新日本の代理戦争といっても過言ではない新たなる争点も生まれた。一昔前ならば、これは日本プロレス界を揺るがす大事件である。

三つの大きな地殻変動。いま全日本プロレスは来年の創設50周年に向け、全員が『心を』一丸にし未来へと突き進んでいる。来月には2021チャンピオンカーニバルを、そして5月16日には久々のビッグマッチとなる大田区総合体育館大会を控えているが、3月14日後楽園ホール大会の結果次第で、そこで見えてくる光景がガラリと大きく変化してくるかもしれないのだ。3月14日後楽園ホール大会は全日本プロレスの今後の流れを左右しかねない、まさに一大転換期となる可能性の高い大会となる。

文…日々樹アキラ

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