逮捕報道で1年以上の報道被害にあったプロレスラー大谷譲二が恩人の団体に入団し再スタート!「『プロレスやっててよかった!』と思える瞬間を共有していきたい」
23日、東京都・新宿FACEにて『P.P.P. TOKYO ~狂乱のバブル、百花繚乱祭~』が開催され、大谷譲二がP.P.P. TOKYOへの入団を発表した。
大谷は学生プロレスをバックボーンに2015年にミスター雁之助率いる『ガッツワールド』でデビュー。ガッツワールド解散後は田村和宏が代表を務めるプロレスリングHEAT-UPに所属し活躍していたが、一昨年の11月にファンの女子高生と歩いていたところ職務質問を受けて青少年健全育成条例違反の疑いにて逮捕された。この報道がテレビのワイドショーなどでも取り上げられると、大谷は団体から謹慎処分を受けネット上やプロレス界からバッシングを受けることとなった。
だが大谷は捜査を受けた結果、そもそも被害届も出ていない状況のため数日で不起訴処分となり釈放。しかし報道では不起訴処分になった事も数日で釈放された事も被害届が出ていない事も触れられず、世間では“逮捕された”というイメージのままバイト先なども転々とする事態となってしまった。
謹慎中のままコロナ禍となってしまった事で大谷の復帰戦は白紙となり、汚名返上する機会を与えられないままバッシングだけが続く状態へ。そのまま昨年10月に所属団体も退団した大谷に、学生プロレス時代からの直属の先輩である三富政行が声をかけ自らの団体である『P.P.P. TOKYO』のリングで復帰の場を用意。
今年1月に三富は大谷の復帰戦の相手を務め、「俺はずっと一人でここまで突き進んできた。突き進んできてわかった事がある。それはやっぱり一人じゃ越えられない壁があるんだよ。大谷、この団体の所属になってくれ。10年経ってまた仲間になってくれよ」と勧誘。しかし、大谷は思うところあってかその答えを保留していた。
この日、三富と大谷は久々の師弟タッグを組み、“#STRONGHEARTS”T-Hawk&入江茂弘とタッグマッチで対戦。
逆水平チョップの威力に定評のあるT-Hawk、そしてそのT-Hawkが2018年11月に対戦した際に「今年食らった中で一番痛かった」と評したチョップを持つ大谷の2人がバチンバチンと激しいチョップを打ち合っていき、互角の攻防を展開。
圧倒的な体格差のある入江に攻め立てられて大苦戦する大谷だったが、三富が要所要所で救出して鼓舞し、三富のトラースキック+大谷のスライディングDなどの連携技も決めて持ち直していく。大谷は入江にランニングエルボーやフィッシャーマンズ・スープレックスなど得意技を畳み掛けていくが、これを耐えきった入江が雪崩式バックフリップからビーストボンバーで吹き飛ばし、カウント3を奪った。
試合後、三富は改めて大谷への熱い想いを語り「あのときはぐらかした答えを聞かせてくれ」と再び大谷を所属選手として勧誘。
大谷が「違うんですよ。はぐらかしたんじゃなくて、僕の問題なのに、三富さんにまた何か謝らせてしまうことがあったら嫌だから……」とその胸の内を語り始めると、マイクを引ったくった三富が「お前のためなら何でも責任とってやるよ。その仲だろ。俺はその覚悟を持ってPPPの高みを目指してやろうと思ってるんだよ!」と叫ぶ。
これを受けた大谷は涙声になりながら「三富さんにまたなんか謝らせてしまうことがあったら嫌だから言ったのに全然わかってくれない。だけど、それ昔からだ。またお世話になります。ありがとうございます」と語り、2人は固く抱き合った。
試合後、大谷は「プライベートでも『僕が入ることのメリットってあるんですか』と伺うことがよくあって、迷っていたんですけど、こうやってまた言ってくれるってことは、(所属の道を選んで)いいのかなって。復帰してからP.P.P.、2戦目なんですけど、勝敗に関わらずスカっとしたことが無いんで。これはブランクなのか、なんなのか、ちょっと分からないですけど……」未だ不安な気持ちがあることを正直に吐露。
三富は「P.P.P.は『令和のバブルを作り出す』って言ってるんですよ。令和のバブルっていうのは、みんなの心の“いいね”の数を増やすってことなんですよ。大谷、今プロレスやってて心の“いいね”が全然ついてない気がするから。『プロレスやっててよかった!』と思える瞬間をこれから共有していこう。お客さんと、仲間と、ファミリーと!みんなと共有していこう!」と大谷を明るく鼓舞した。