寝取られたアイアンフィンガーをタイチが奪還もIWGPタッグ王座奪取には失敗!「少しタッグ戦線から離れよう。互いのためにも少し休んだ方がいい」
10日、広島県・広島サンプラザにて『THE NEW BEGINNING in HIROSHIMA』が行われ、タイチ&ザック・セイバーJr.がタマ・トンガ&タンガ・ロアの持つIWGPタッグ王座の奪取に失敗した。
タイチが鈴木軍の仲間であり同郷の飯塚高史が引退の際にリングへ置いていった忘れ形見であるアイアンフィンガー・フロム・ヘルを継承して丸2年。常に専用の袋に鉄の爪を入れて行動をともにし、ここぞの大一番には盟友の爪を振るって勝利を掴んできたタイチの相棒とも言える存在だ。
タイチはザックとの“DANGEROUS TEKKERS”でIWGPタッグ王者として君臨していたが、1・4東京ドーム大会では“G.o.D”タマ・トンガ&タンガ・ロアに奪われたアイアンフィンガーの攻撃を被弾した上で敗北。タマはタイチから寝取ったアイアンフィンガーを「大好き、アイアンフィンガー!ベストフレンド!」といたく気に入り、常に一緒に過ごして食事をともにするなどまるで恋人のように過ごしてきており、再戦が決まった両組の前哨戦のさなかでも相棒を取り戻そうと必死になるタイチを翻弄。
タイチは精神を病み始めておりTwitterでもさらわれた恋人を想って「毎晩寝れねぇんだよ。頭おかしくなる」など連日悲痛な声を上げていた。
この日、タマはどれかにアイアンフィンガーが入っていると思われる大量の紙袋を持ち込み、「アイアンフィンガーどこですか?ドッチニシマスカー?」と挑発していく。タイチがその紙袋に手をかけた瞬間にG.o.Dが奇襲。4人が場外に散っていく中でリング上ではDOUKIが鉄パイプで邪道の竹刀と切り結んでいき会場外へ排除。
タイチは6つの紙袋を次々と漁っていくが、中から出てきたのはヤマザキパンのダブルソフト、ボクシンググローブ、卓球のラケット、手袋、女性用ブラジャーと無関係なものばかり。焦れるタイチは精彩を欠いて攻め込まれ続けたが、ザックの奮戦によって終盤にはようやく本来の調子を取り戻していく。しかし、ここで序盤に退場したはずの邪道がアイアンフィンガー・フロム・ヘルを持って再登場。
タマはアイアンフィンガーを装着してタイチに殴りかかるが、タイチはフロントハイキックでアイアンフィンガーを吹き飛ばし、奪い返したアイアンフィンガーを装着し雄叫びを上げるとタマが土下座しながら命乞い。レフェリーが咎める中でタイチがタマにアイアンフィンガーを突き刺し、タイチの反則負けがコールされた。
怒り狂うタイチはレフェリー、セコンドのゲイブにもアイアンフィンガー。錯乱したタイチを止めに慌てて解説席から飛び込んできた金丸にもアイアンフィンガーで殴りかかろうとし、金丸&ザックが必死にタイチを止める。狂乱するタイチだったが、金丸がアイアンフィンガーを袋にしまうとタイチはバタリと倒れ込み、2人の肩を借りて退場していった。
ザックは「ベルトを取り戻せなかったことは悔しいが、タイチを責めるつもりはない。やっぱりG.o.Dはクソ野郎だし、いつまでも勝つためにズルを繰り返してる。タイチがアイアンフィンガーを使ってしまった気持ちも理解できる。お互いのためにも少し休んだ方がいいと思う。チームを解消するって意味じゃなく、少しタッグ戦線から離れよう。ちょうど『NEW JAPAN CUP』が待ち構えているしな。俺は元々シングルプレーヤーだってみんな忘れてないよな?ちょっと気持ちを整理する時間をくれ」とDANGEROUS TEKKERSは一歩引こうという心境を語り、タイチはノーコメントで会場を後に。
ロアは「まず最初に、今日2月10日は親父(キング・ハク)の誕生日だ。パパベアー、誕生日おめでとう。二つ目に、タイチ、俺たちは何をかけて闘ってるんだ?これ、ベルトだろ?アイアンフィンガーじゃないだろ?お前は正真正銘のバカなのか?自分のせいで負けたってわかってるのか?どうやらお前はタマの心理戦に見事に乗せられてしまったようだな」と闘いを分析。
そしてタマは、「アイアンフィンガーは俺の物でもあるのに……。何か聞こえてこないか?ン、俺だけか?」となにかに魅入られてしまったように呟いて去っていった。