【試合詳細】2・10 新日本プロレス広島大会 【IWGPジュニアヘビー級】高橋ヒロムvsSHO 【IWGPタッグ】タマ・トンガ&タンガ・ロアvsタイチ&ザック・セイバーJr. 飯伏幸太&本間朋晃vs内藤哲也&SANADA
『THE NEW BEGINNING in HIROSHIMA』
日程:2021年2月10日(水)
開始:18:00
会場:広島県・広島サンプラザホール
観衆:1,135人
▼6人タッグマッチ 20分1本勝負
辻陽太/●上村優也/ゲイブリエル・キッド
8分1秒 逆片エビ固め
[鈴木軍]○鈴木みのる(パンクラスMISSION)/エル・デスペラード/金丸義信
▼シングルマッチ 20分1本勝負
●マスター・ワト
11分8秒 エムエックス→エビ固め
[L.I.J]○BUSHI
▼10人タッグマッチ 30分1本勝負
[CHAOS]オカダ・カズチカ/石井智宏/後藤洋央紀/YOSHI-HASHI/○矢野通
12分8秒 横入り式エビ固め
[BULLET CLUB]“キング・オブ・ダークネス”EVIL/ジェイ・ホワイト/●高橋裕二郎/石森太二/エル・ファンタズモ
▼タッグマッチ 30分1本勝負
飯伏幸太/●本間朋晃
11分2秒 デスティーノ→片エビ固め
[L.I.J]SANADA/○内藤哲也
▼IWGPタッグ選手権試合 60分1本勝負
【王者組/BULLET CLUB/G.o.D]タマ・トンガ/○タンガ・ロア
29分8秒 反則
【挑戦者組/鈴木軍/DANGEROUS TEKKERS】●タイチ/ザック・セイバーJr.
※G.o.Dが初防衛に成功
▼IWGPジュニアヘビー級選手権 60分1本勝負
【王者/L.I.J】○高橋ヒロム
35分38秒 TIME BOMB II→片エビ固め
【挑戦者/CHAOS】●SHO
※ヒロムが初防衛に成功
ヒロムがSHOを破りIWGPジュニア王座初防衛!挑戦表明してきたファンタズモへIWGPジュニアタッグ王座戦を要求!狂乱のタイチがアイアンフィンガーを奪還もIWGPタッグ奪取は失敗!
第1試合
鈴木軍がリングインするなりヤングライオンたちが奇襲し、乱闘となる中でゲイブとデスペラードをリング上に残してゴング。上村とみのるは場外で壮絶な殴り合いを展開する。
ゲイブはデスペラードをショルダータックルでなぎ倒してからボディスラムを狙うが、デスペラードはサミングで怯ませて間を取る。しかしゲイブは折れずに組み付いてボディスラムからエルボードロップを見舞い、辻にタッチ。
辻はゲイブとともにダブルのショルダータックルでデスペラードを吹き飛ばし、ゲイブのセントーン、辻のボディプレスが立て続けに決まる。さらに辻がオクラホマスタンピードを狙うが、デスペラードが着地すると辻の背後から金丸が一撃蹴りを入れ、辻が怯んだところへデスペラードがスピアー。デスペラード辻の顔面をロープに顔面をこすりつけてみのるにタッチ。
辻はみのるにエルボーを連打していくが、みのるはニタニタ笑いながらこれを耐え強烈なエルボーを叩き込んで金丸にタッチ。
金丸はデスペラードのバックドロップにドロップキックを合わせる連携技を見舞い、挑発的に頭を踏みつけていき辻のエルボーを耐えてサミングからブレーンバスターを狙うが、辻が逆にブレーンバスターで投げ捨てて上村にタッチを求めるが、先に金丸がみのるにタッチ。みのるがカットして辻を中央に引き戻すが、ゲイブが飛び込んできてランニングエルボー。辻は上村にタッチ。
上村はみのるにエルボーを連打してコーナーまで追い込んでいくが、みのるは「来いよ!」と正面から受け止める。上村は串刺しドロップキックからランニングエルボーを見舞い、ブレーンバスターの体勢も、みのるがフロントネックロックからゴッチ式パイルドライバーを狙う。上村は足を刈って倒してから逆エビ固めも、みのるはロープへ。ここに辻とゲイブも加わって3人でトレイン攻撃を見舞い、2人のハンマースローに上村がドロップキックを合わせる。上村はかんぬきスープレックスを狙うが、みのるはエルボーで振り払い、「来い来い来いカモンカモン!」と挑発して上村のエルボー連打を笑いながら受け止め、お返しの強烈なエルボー。上村は倒れず耐えてビンタで張り返す根性を見せるが、これに顔色を変えたみのるがボディブローからの顔面掌底連打。倒れ込んだ上村に逆片エビ固めを見舞い、タップアウト勝ち。
<試合後コメント>
鈴木みのる
「オイ、小僧3匹……なぜ俺が、こんなに長くこの場所にいれるのか。なぜ俺が、“プロレス王”と世界中で呼ばれるのか。お前ら大事なこと忘れてるぞ。それはな……強いからだ。忘れるな」
エル・デスペラード
「今日も今日とて、言うことはないね。強いて一つ挙げるとすれば、今日のメインイベントなんでしたっけ?」
--IWGPジュニアヘビー級タイトルマッチ。
デスペラード「(※軽く拍手しながら)頑張ってくれよ。なんか面白いもの見せてくれ。これぞジュニアっつうのを……」
辻陽太
「前回、新日本プロレスの公式ツイッターに、『俺の提案を載っけてほしい』って言ったよ。断られた。だが俺はあきらめきれず、自分のアカウントで“いいね”55,000集めることにした。わかってる。会社が拒否したことをやってはいけないことはわかってる。でも、俺は焦ってんだよ。考えてみてくれ。俺はいま27歳。オカダさんが27歳の時どうだった? 『G1(CLIMAX)』も獲って、IWGPのヘビー(級王座)も獲って。ジェイ・ホワイト、27歳でIWGPインターコンチ(ネンタル王座)、USヘビー(級王座を獲った)。ウィル・オスプレイ、(IWGP)ジュニア(ヘビー級王座)、『BEST OF THE SUPER Jr.』、そしてイギリス(RPW)の(ブルティッシュ)ヘビー級のベルト(を獲った)。27歳だって周りを見渡せば、活躍してるやるはごまんといる。そんな中で俺は、海外遠征にも行けず、まだ黒パンをはいて道場に住んで雑用をしてる日々だ。どうにかして俺は、この現状から抜け出して、もっとトップに昇り詰めたいんだ。いや、昇り詰めてやる。新日本プロレス、あんたらが何と言おうと、俺はあんたらに吠え返してみるぞ……」
ゲイブリエル・キッド
「もちろん前にも言ったように、タカギと『NEW JAPAN CUP』のことも忘れてないが、今日対戦したスズキグンも無視できない。お前らはそんなに強いのか? 若手の俺たちがお前たちを怖がってると思ってるのか? いいや! お前らの誰でもいいぞ、相手になってやる。明日も思いっきりぶつかってやろうじゃないか。お前らなんか屁でもない。首根っこをもぎ取ってやる」
第2試合
1・6のTDCホールの試合後にBUSHIが「暇してるんだよ」とワトに因縁を付けたことから発展した2人のシングルマッチ。
ワトがゴング前にドロップキックで奇襲をかけてBUSHIを場外に蹴り出しトルニージョで追撃。ワトはBUSHIのTシャツを剥ぎ取ると鉄柵にぶつけようとするが、BUSHIが逆に鉄柵に叩きつけてワトを痛めつけていき、戦いの場はリングへ。
BUSHIはワトへコーナーチョップを連打し、足をロープに引っ掛けた上で足へのドロップキック、ニークラッシャー、ニーロックとヒザへの一点集中攻撃を展開し、軽いサッカーボールキックを連打して挑発。ワトはミドルキック連打からレッグラリアートでやり返し、ロープに振ってカンフーコンビネーション。さらにスワンダイブ式の攻撃を狙い、BUSHIがこれを回避すると風車式バックブリーカー。ワトは左右のローキック連打から飛びつき式ネックブリーカー。さらにレシエントメンテを狙うが、BUSHIが耐えるとロープに飛ぶ。
BUSHIはカウンターの延髄斬りを合わせると、ワトをトップロープに吊り下げてからのミサイルキックを狙うが、ワトがこれを事前に回避してスワンダイブ式ミサイルキック。BUSHIが場外に抜け出したのを見てワトは場外飛びのためにロープへ飛ぶが、BUSHIがするりとリングに入ってフランケンシュタイナー。逆にワトを場外に放り出し、トペ・スイシーダ。
BUSHIはワトをリングに戻すと低空ドロップキックからDDT、さらにコードブレイカーを狙うが、ワトがキャッチすると着地して低空ドロップキックからテリブレを狙うが、ワトが耐えてレシエントメンテ。ワトは回し蹴りを放つがBUSHIはガードして低空ドロップキック。ワトは怯まず旋風脚を叩き込み、TTDで突き刺してからRPPを発射するが、BUSHIはこれを回避して自爆させる。ワトはミドルキックを連打していくが、BUSHIはその足をキャッチしてロープに引っ掛けてからのコードブレイカー。BUSHIはエムエックスを発射するもワトはこれを回避。BUSHIは二段式延髄斬りからテリブレで叩きつけ、最後はエムエックスでトドメを刺した。
BUSHIはワトを引き起こして助け起こすかに見せかけて場外に放り出し、氷嚢の蓋を開けて倒れ伏すワトの顔に水をぶっかけてから去っていった。
<試合後コメント>
BUSHI
「この広島のビッグマッチ第2試合、川人に勝ったからこの後、IWGPジュニア(タイトルマッチ)の勝った方に挑戦します……とは言わないよ。別に川人に勝ったぐらいでさ、挑戦できるの? そんなの納得しないでしょ。俺だって納得しないよ。誰もが納得のいく答えを持って、チャンピオンの目の前に現れて。チャンピオンの前に現れるっていうのは、すなわち、IWGPジュニアのベルトに挑戦する時は、今年の『(BEST OF THE)SUPER Jr.』優勝しかねえだろ。な? だったらな、納得のいく挑戦表明、必ずたどり着いてやるよ」
マスター・ワト&天山広吉
ワト「ただ一つ、負けたけど、楽しかったよ。最後にあのコードブレーカー、足をコードブレイカーを食らってなければ、こんな結果じゃなかったはずや。俺の、この右の蹴りをかわされてしまった……。俺はあきらめてへんから。まだまだ、あきらめてへん。こんなとこで……」
天山「(※ワトの言葉を遮るように)OK、大丈夫か? いい試合やったよ。でもね、あきらめない、それは大事や。こんなことでな、負けて、もう1回2回負けたぐらいで終わるような男ちゃうやろ。まだまだいけよ」
ワト「まだまだ……」
天山「今日はチャンスやったかもしれないけど、チャンス逃がしたら、またつかみにいけよ」
ワト「またつかみにいきます」
天山「いけるんやって。そんだけのもん持ってるんたから」
ワト「俺の青い炎、消えてねえからな……(※と言い残して控室へ)」
天山「(※控室に向かうワトの背中を見送って)まあBUSHIも、敵ながらあっぱれですけど、ワトも一生懸命やってここまで来たのにね、このチャンスを逃して、もったいなかったですね。いいとこまでいって、しっかりと今日は(勝利を)取ってもらおうと思ったんですけど、残念です。でも日に日に、見るたんびに成長してるし、ワトの潜在能力ってまだまだ、まだまだ、もっともっと伸びる要素はいっぱいあるからね、しっかりと。次はどんな、なんていうかテーマっていうか。彼にとってはもう、ジュニアでガンガンやってほしいしね。上を見て、狙ってやってもらわないとね。このまま終わる男じゃないしね。負けたからって、まだまだいきますよ。こっからですよ。負けてから、そっから勝負ですよ。マスター・ワト、しっかり最後まで……最後っていうたらおかしいな。まだまだ頂点目指して、上を目指して、やってもらいたいですよ。俺は後ろから後押しするしかないです。マスター・ワト、しっかりとトップ取ってほしいと思ってるんで。まだまだこれからですよ」
第3試合
最終入場者のオカダが花道でアピールしている間にリング上の小競り合いからの乱闘が始まり、ゴングが鳴らされる。石井を中心にNEVER6人タッグ王者の3人がジェイを集中攻撃し、オカダはEVILに狙いを定める。
ジェイが場外に脱出すると入れ替わりに上がってきた石森に狙いを変え、後藤&YOSHI-HASHIがダブルのショルダータックル。カットに来たファンタズモ、そして石森にも太鼓の乱れ打ちを見舞い、BULLET CLUBセコンドの外道も引き込んで太鼓の乱れ打ち。
YOSHI-HASHIと石森の対面となり、YOSHI-HASHIが逆水平チョップを連打してロープに飛ぶが、ファンタズモがエプロンからキックを見舞い石森も背中ひっかきで続く。
ファンタズモと石森はタッチを回しながらコーナーでYOSHI-HASHIの背中を引っ掻いていき、代わるジェイが1人で見様見真似の太鼓の乱れ打ちを放って挑発。
裕二郎に代わると、YOSHI-HASHIが4人を相手にチョップで奮戦していくが、裕二郎が顔面を踏みつけて黙らせる。EVILにタッチ。
EVILはオカダに見せつけるようにYOSHI-HASHIをコブラツイストで捕らえ、BULLET CLUBの面々が場外で数珠つなぎになって6人分でEVILを引っ張ってYOSHI-HASHIを痛めつける。
代わる石森はファンタズモとトレイン攻撃をかけていくが、YOSHI-HASHIは低空ドロップキックでファンタズモを怯ませると石森にヘッドバスター。YOSHI-HASHIはオカダにタッチを求めるが、先に石森がEVILにタッチ。EVILはYOSHI-HASHIをリング中央に引き戻すが、YOSHI-HASHIはスピンキックを叩き込んでオカダにタッチ。
オカダはエルボー連打からランニングバックエルボーを見舞い、カットに来た裕二郎はフラップジャックで撃退。EVILへは串刺しランニングバックエルボーからDDT、さらにツームストンパイルドライバーを狙うがEVILが髪を掴んで脱出。オカダはこれを振り払ってコーナーに上るが、東郷が下から追いすがって突き落とすとEVILがフィッシャーマン・バスター。EVILはダークネスフォールズを狙うが、オカダが着地してビッグブートを叩き込み、両者タッチ。
石井とジェイとの対面となると、ジェイは石井のエルボーをひょいひょいとかわしていき、逆にエルボーを叩き込むが石井は微動だにせず逆にフルスイングのエルボーを見舞いショルダータックルで吹き飛ばす。ここに石森とファンタズモが入ってくるが後藤&矢野が相手取り、後藤が2人をダブルラリアット。ジェイが後藤をジグザグで撃退し石井ニブレードバスターを狙うも、石井が耐えるとバックドロップ。しかし石井はすっくと立ち上がって即座にエルボーで反撃。ジェイはブレードバスターで叩きつけ、石井のエルボーをかわしてDDT。裕二郎にタッチ。
裕二郎は石井へビッグブートからフィッシャーマンズ・スープレックスを狙うが、石井が逆にブレーンバスターで投げ捨て、矢野にタッチ。
矢野はコーナーマットを外していくが、東郷がエプロンに上がってくるとこちらを警戒。その背後から迫る裕二郎のビッグブートをかわした矢野がもう1つコーナーマットを外し突っ込んできた裕二郎の攻撃をかわすも追撃を狙ったところで金具むき出しのコーナーに自爆。裕二郎は矢野を金具むき出しのコーナーにたたきつけてロープに振るが、矢野がターザンで耐える。東郷がエプロンから矢野をキャッチすると裕二郎がマンハッタンドロップからラリアット。両軍全員が入り乱れる展開となるも、矢野がコーナーマットで殴打してリング上を大掃除していき、裕二郎に急所打ちからのスクールボーイで3カウント。
試合後にはジェイが場外から石井を激しく挑発するも、石井が場外に降りていくと一目散に退散。石井のフラストレーションを高めてから去っていった。
そしてオカダとEVILもリングの上下でにらみ合いを展開し、EVILが背を向けて去っていこうとしたところへオカダが場外に降りて急襲。ヤングライオンたちがオカダを必死に引き剥がすとEVILはリング上にイスを持ち込みどっかりと座り込んで不敵に笑いながらオカダを挑発。この2人も因縁を深めながら去っていった。
<試合後コメント>
石井智宏
「小僧、お前、最初の2日間の勢いはどうしたんだよ? はあ? 失速すんのが早すぎんじゃねえか。おめえが元気なのは、試合後だけだな。オイ、そのエネルギーがあんだったら、それをリングで出せよ。その怒りを俺にぶつけろよ。オイ明日、俺からスリーカウント取ってみろ。俺をもう1度、大の字にしてみろよ。ああ?」
矢野通
「オイ、チェーズ・オーエンズだかなんだか知らねえけどな、このKOPWに挑戦したいとか言ってたな? ふざけんな! 人のこと卑怯者呼ばわりすんじゃねえ、コノヤロー! なんだお前、あのツイートは! 『卑怯者とやらせろ』とか言ってたな、あのヤロー。ふざけんな、お前! 卑怯者はお前だろ! この場にいないお前の方が卑怯だろ、バカヤロー! やりたかったらな、しっかりとしたプレゼンをしろ、プレゼンを! KOPWのルールをわかってんのか、お前! ちゃんとしたルールを提示してみろ、コノヤロー、オイ! そうじゃなかったらな、しっかりとしたプレゼンじゃなければ……ビジネスマンは動かない!」
YOSHI-HASHI
「オイ、明日、NEVER6人(タッグの)タイトルマッチ、この前のな、後楽園(2,2)みたいにいかないからな。この前の後楽園の借り、明日、きっちり返してやるからな、コノヤロー。覚悟しとけ」
オカダ・カズチカ
「オイEVIL、『いつでも』とか言っときながら、逃げてんじゃねえぞ、コノヤロー。お前、元2冠チャンピオンだろ? IWGP(ヘビー級のベルト)巻いたことあんだろ? まあね、所詮(ベルトを)2つ持ってなきゃ、一流と自分で思えないようなレスラーでしょ? だから『いつでも』とか言いながら、スカして逃げて、それでいいんじゃない? そのレベルなら。2冠戦? あなたがそんなことしたら、今のチャンピオンだって、(ベルトを懸けて)そうやって闘ってる人だって、そういうふうに思われますよ。まだまだだねって。ま、それでいいなら、2冠を巻いたというプライドがなければ、それでいいんじゃない? 『いつでもやってやる』とか言いながら、いつでもスカしてくれよ。それで満足だったらいいよ。ただ……俺はね、満足してられないから。別に2冠なんてものには、クソほど興味ないけど。俺やっぱり、IWGP(ヘビー級チャンピオン)のオカダ・カズチカがやってきた闘いってのに、自信、誇りを持ってますから。必ずやってやるよ。いつでもいいんだろ? いつやる? 待ってるよ、EVIL」
後藤洋央紀
「明日の試合に言葉はいらない。スッキリさせます。以上!」
ジェイ・ホワイト&外道
ジェイ「見たか? あの負け犬たちがリングの上で偉そうにベルトを見せびらかしていたのを! 何だ、今になってNEVER6人タッグ王座のベルトがすごいってか? そらそうだよな、このジェイ・ホワイトがベルト戦線に関わっているんだからな! ニュージャパンのリングで俺と絡むことができれば、誰だって注目を浴びて価値が上がるようにできている。ニュージャパンの会社もそのことをよくわかってるから、俺に頼りっぱなしだ。それなのに、俺を守ろうとはしないのは何でなんだ? もし俺がいなくなったらカネを生まなくなるんだぞ! 利益が下がって困るのはお前たちなんだぞ! 会社はそんなこともわからないほど盲目なのか? イシイ、ゴトー、YOSHI-HASHI……そうやってベルトとの残り少ない時間を思う存分楽しんでればいい。3人揃ってリングに並んで手を上げて、なんとも楽しそうで可愛かったぞ。でもお前らがベルトを巻いていられるのも、あと一夜限りだ。明日、BULLET CLUBが新たなNEVER6人(タッグ)王者に君臨し、ベルトの価値を“リアル”に上げてやる。(※囲んでいる報道陣に向かって)お前ら、俺が何言ってるのか、わかってるのか? ああ? イエスか? ノーか?」
--イエス。
ジェイ「SHUT THE F**K UP! ゲドー、日本語でなんて言うんだ?」
外道「黙れ、クソヤロー」
ジェイ「ン? そのまま(英語のまま)言った方が早そうだな。SHUT THE F**K UP! SHUT THE F**K UP!」
外道「SHUT THE F**K UP!」
ジェイ「これで日本人にも伝わっただろう……」
石森「(※入れ替わりに、右肩にIWGPジュニアタッグのベルトを掛けて片ヒザを着いて)ジュニアタッグチャンピオンになったけどさ、誰も挑戦者に名乗りあげてこねえなあ。なんだ、俺とファンタズモがチャンピオンだからか? (※不敵な笑みを浮かべて)誰か、俺たちに新しい刺激を与えてくれよ。ジュニアの皆さん、俺たちが退屈しねえように、もう少し、頑張ってくれよな」
EVIL「オカダよ、おめえ試合後に手ぇ出してくるなんてな、とことんクズだな、コノヤロー。シングル(マッチ)なんてな、やるまでもねえよ。明日のタッグ(マッチ)で、おめえを潰してやる。(※東郷に向かって)なあ、オイ」
東郷「明日、覚悟しとけよ」
EVIL「(※控室に向かいながら吐き捨てるように)そういうことだ……」
第4試合
翌日にIWGPヘビー級王座戦を控える飯伏とSANADAの対面でゴングが鳴ると、じっくりとした腕の取り合いからグラウンドでの首の取り合い、ヘッドロックの取り合いからSANADAがショルダータックルでなぎ倒すも、飯伏はネックスプリングで起き上がってドロップキック。本間にタッチ。
本間はSANADAへエルボー連打からロープに飛ぶが、エプロンに内藤が飛び出てくると足を止めて警戒。その背後からSANADAがエルボーを見舞いロープに振る。すると内藤が場外から本間の足を引き、SANADAが低空ドロップキックを合わせる連携。4人入り乱れての場外戦となり、内藤が本間を痛めつけてからリングに上げてタッチを受ける。
内藤は本間の古傷である首を激しく踏みつけていき、スイングネックブリーカー。さらにSANADAと2人でエルボーを見舞ってコーナーに振りトレイン攻撃をかけていくが、本間はこれをかわして内藤にDDT、SANADAにコンプリートショットを同時に見舞い飯伏にタッチ。
飯伏はSANADAにスワンダイブ式ミサイルキックを見舞って場外に叩き出し、プランチャで追撃。飯伏はSANADAをリングに戻してミドルキックを連打していくが、SANADAがその足を取ってパラダイスロックを狙う。飯伏はこれを振り払って逆にパラダイスロックを狙うが手間取ってしまい、SANADAがお手本を見せるように素早くパラダイスロックで固めて低空ドロップキック。SANADAはTKOを狙うが飯伏が背面着地してハイキックを発射。SANADAはこれをかわすとマジックスクリューで反撃。両者タッチ。
本間はランニングバックエルボーからラリアットを狙うが、内藤これをガードして低空ドロップキック、ネックブリーカーからプルマ・ブランカ。本間がブレイクすると内藤は首を踏みつけてコーナーに叩きつけ、振り子式ドロップキックを狙うが内藤がエプロンに出たところで本間がラリアットを見舞って阻止。飯伏も入ってきて2人でない等にトレイン攻撃から飯伏がパワースラムで叩きつけ、本間&飯伏がダブルの小こけし。本間はこけし落としを狙うが、内藤が着地してSANADAが低空ドロップキック。飯伏が向かってくるとトップロープを下げて飯伏をエプロンに放り出し、ドロップキックで場外に吹き飛ばす。本間に対し、内藤がマンハッタンドロップ、SANADAがニーリフト、内藤が延髄斬りからフォアアームを叩き込み、最後はデスティーノで叩きつけてカウント3。
飯伏とSANADAはベルトを挟んで見つめ合い、飯伏が「いよいよ明日。俺はホントに本当に本当に楽しみにしてる。でも明日で終わりだ。もっと、もっと、もっと俺は楽しみたいよ。だから明日、思いっきり楽しもう」とSANADAに語りかけ、観衆へ「どう思いますか?!どう思いますか?!明日!楽しみじゃないですか!?ありがとうございます!どうか熱をくださいよ、熱を!」と叫ぶ。これに対してSANADAは拳を突き出し、2人はグータッチをかわしてから退場していった。
<試合後コメント>
内藤哲也
「俺のホームであるここ広島で、皆様の予想通り、皆様の理想通り、デスティーノお見せすることができましたよ。相手チームに本間がいると、こんなにも簡単に計算ができるなんて、本間に感謝だね。明日も、対角線に本間がいるんでしょ? ということは、明日もここ広島のお客様に、デスティーノ、お見せできるってことだね。ところで、ところで、辻、辻、今日なんかコメントは残した? “55,000いいね”目指してるんでしょ? 今、“25,000いいね”? ということは、あと“30,000いいね”だよ。あと“30,000いいね”。まあこっからどうやって増やすかね? 辻は何か考えてるのかな? 早くしないと、時間切れになっちまうぜ。明日も広島大会があるんだ。明日一気に“30,000いいね”アップできるような試合、そしてコメントを残してくれることを、俺が楽しみにしてるよ。じゃあ、また明日も、俺のホームであるここ広島で、またお会いしましょう。アディオス」
SANADA
「誰のためでも、何のためでもなく、明日は自分のために、まぶしいくらい輝いてやるよ」
本間朋晃
「(コメントスペースにたどりつくなり崩れ落ち、フロアに顔を突っ伏したままで)内藤、俺のこと、じゃまくせえか? じゃまくせえか? でも俺は、何回負けても、何回負けても立ち上がる。明日、明日、明日、明日、絶対お前から取る。(※立ち上がりながら)よく言うだろ、『終わりよければすべてよし』ってな。明日絶対お前に……ピンフォール……必ず!」
飯伏幸太
「(※右肩にIWGPインターコンチネンタル、左肩にIWGPヘビー級のベルトを掛けて)もう明日、シングル(対決)を待つのみ。ちょっと、もうリング上で言ってしまったけど、あれが本当に、僕のすべて。このシリーズで本当に、本当に、楽しみたかった。そして、実際に楽しかった。今日はもっともっと楽しみたいと思った。だから明日シングルで、決着をつけよう。俺はまだまだ足りないよ、こんなんじゃ。とりあえず明日勝って、夢を叶えるから」
第5試合
タイチが鈴木軍の仲間であり同郷の飯塚高史が引退の際にリングへ置いていった忘れ形見であるアイアンフィンガー・フロム・ヘルを継承して丸2年。タイチは常に専用の袋に鉄の爪を入れて行動をともにしており、ここぞの大一番には盟友の爪を振るって勝利を掴んできたというタイチの相棒とも言える存在となっていた。
タイチはザックとの“DANGEROUS TEKKERS”でIWGPタッグ王座として君臨していたが、1・4東京ドーム大会では“G.o.D”タマ・トンガ&タンガ・ロアに奪われたアイアンフィンガーの攻撃を被弾した上で敗北。タマはタイチから寝取ったアイアンフィンガーを「大好き、アイアンフィンガー!ベストフレンド!」といたく気に入り、常に一緒に過ごして食事をともにするなどまるで恋人のように過ごしてきており、再戦が決まった両組の前哨戦のさなかでも相棒を取り戻そうと必死になるタイチを翻弄。
タイチは精神を病み始めておりTwitterでもさらわれた恋人を想って「毎晩寝れねぇんだよ。頭おかしくなる」など連日悲痛な声を上げていた。
この日、タマはどれかにアイアンフィンガーが入っていると思われる大量の紙袋を持ち込み、「アイアンフィンガーどこですか?ドッチニシマスカー?」と挑発していく。タイチがその紙袋に手をかけた瞬間にG.o.Dが奇襲。4人が場外に散っていく中でリング上ではDOUKIが鉄パイプで邪道の竹刀と切り結んでいき会場外へ排除していく。
タイチは6つの紙袋を次々と漁っていくが、中から出てきたのはヤマザキパンのダブルソフト、ボクシンググローブとハズレ。その隙にタマがタイチをボディスラムで叩きつけ、残り4つの紙袋を引き上げる。タイチは怒りのサミングからサッカーボールキック。3つ目の紙袋から出てきたのはアンパンマンのぬいぐるみ、4つ目の紙袋から出てきたのは卓球のラケット、5つ目の袋から出てきたのは手袋。最後の紙袋をタマが引き上げて場外に逃れると乱戦となり、紙袋は解説席の金丸のもとへ。タイチとタマがリングに戻っていくと、金丸は「おい、タマ!ここにあるぞ!」と紙袋を掲げて挑発して開封。しかし中から出てきたのは女性用ブラジャー。
怒り狂うタイチをロアが火の玉ボムで叩きつけ、タマの高速ブレーンバスター、ロア、タマがトップロープ越しのローリングセントーンを見舞い、ロアがスリーパーホールドでじっくりと痛めつける。ロアが押さえつけるタイチへタマがドロップキックを見舞い、燃えるタイチがミドルキックを連打していくもタマはジャンピングハイキックで反撃。ロアにタッチ。
ロアはヘッドバッドでコーナーに押し込み串刺しラリアットを狙うが、タイチがブートで止めてジャンピングハイキック。ザックにタッチ。
ザックはロアにランニングエルボースマッシュからエルボー連打。ロアはエルボー1発でザックを吹き飛ばすとロープに飛ぶが、ザックは二段蹴りからオーバーヘッドキック、ヒジへのフットスタンプから腕を固めていく。これをタマがカットに来るとネックツイストで撃退し、倒れ伏すロアに小刻みなローキックから腕を固め、再びヒジへのフットスタンプ。さらにロアのエルボーを受けても離さず腕を固めていきビッグブートからロープに飛ぶが、ロアはカウンターのスピアーを突き刺す。そしてタマ&ロアがそれぞれボディブローからタマのリバース・ガン・スタン。カットに来たタイチにもリバース・ガン・スタンを見舞う。G.o.Dはザックへ合体トンガンツイストを狙うが、ザックがオーバーヘッドキックで脱出。G.o.Dはそれでも揺るがずザックをコーナーに振ってトレイン攻撃。さらにタマのフラップジャックからロアがザックをキャッチしてのパワーボムを狙うが、ザックが胴絞フロントネックロックで切り返し、カットに来たタマへはタイチが聖帝十字陵。ロアがこれをブレイクすると、タイチ&ザックがロアへトレイン攻撃。タイチのミドルキックからザックのPKが決まり、ザックがザックドライバーを狙うが、ロアも負けじとエイプシットを狙う。ザックはロアに絡みついて再び胴絞フロントネックロックに移行も、ロアはこれをぶっこ抜いてのジャックハマー。両者タッチ。
タイチとタマの対面となると、タイチが喉輪を仕掛けアックスボンバーで叩き伏せる。タイチはステップキックからデンジャラスバックドロップを狙うが、タマはトンガンツイストで切り返す。タマはタイチへガン・スタンを狙うが、タイチが直前で振り払いデンジャラスバックドロップ。タイチはパンタロンを脱ぎ捨てるが、その瞬間にロアがラリアットからオクラホマスタンピード。ザックが飛びついて胴締めスリーパー動きを止めるが、G.o.Dは合体トンガンツイストで撃退。G.o.Dはナイトフォールからスーパーパワーボムを狙うが、タイチがタマをブレーンバスターで投げ捨てて回避。ロアがすかさずエイプシットの体勢も、ザックがタイチを引き戻して着地させ足払い。タイチがバズソーキックから渾身のエルボー。タイチは「終わりだ!」と叫んでザックとともにザックメフィストも、ロアがレフェリーの足を引いて場外に引っ張り出し、レフェリーが頭を打って失神。タイチとロアのアックスボンバーとラリアットがぶつかり合い、ロアがエイプシットを狙うもタイチが着地してハイキックからジャンピングハイキック。ダブルダウンとなる。
しかし、ここで序盤に退場したはずの邪道がDOUKIを振り切ったか左手に竹刀、右手にアイアンフィンガー・フロム・ヘルをはめて花道から登場。邪道からアイアンフィンガーを受け取ったタマはニヤリと笑って振りかぶるが、ここにDOUKIが飛び込んできて延髄斬りで救出。タイチに駆け寄るDOUKIの背後からタマがアイアンフィンガーで一撃入れ、タマがタイチにアイアンフィンガーを突き刺そうとするが、タイチはフロントハイキックでアイアンフィンガーを吹き飛ばし、ソバット。タイチがよろよろとアイアンフィンガーを手に取り、高々と掲げあげて装着しようとするがロアが背後から襲撃。再びアイアンフィンガーを手にしたタマだったが、ザックが背後からスリーパーホールド。タイチがアイアンフィンガーを装着して雄叫びを上げるが、ここでレフェリーが復帰してタイチの凶器使用を咎める。
タイチがレフェリーを突き飛ばして、タマにアイアンフィンガーを突き刺すと邪道が竹刀で一撃。タイチは邪道にもアイアンフィンガーを突き刺し、タマに狙いを定めるとタマは土下座して命乞いしながらタイチに謝罪。タイチは構わずタマの顔面にアイアンフィンガーを突き刺すと、レフェリーがタイチの反則負けをコールした。
怒り狂うタイチはレフェリー、セコンドのゲイブにもアイアンフィンガー。錯乱したタイチを止めに慌てて解説席から飛び込んできた金丸にもアイアンフィンガーで殴りかかろうとし、金丸&ザックが必死にタイチを止める。狂乱するタイチだったが、金丸がアイアンフィンガーを袋にしまうとタイチはバタリと倒れ込み、2人の肩を借りて退場していった。
<試合後コメント>
G.o.D
タマ「(※アゴをさすりながら引き揚げてきて)アイアンフィンガーの力はすげえ……」
ロア「まず最初に、今日2月10日は親父(キング・ハク)の誕生日だ。パパベアー、誕生日おめでとう。二つ目に、タイチ、俺たちは何をかけて闘ってるんだ? これ、ベルトだろ? アイアンフィンガーじゃないだろ? タイチ、一体全体あれは何だ? お前は正真正銘のバカなのか? 自分のせいで負けたってわかってるのか? どうやらお前はタマの心理戦に見事に乗せられてしまったようだな」
タマ「アイアンフィンガーは俺の物でもあるのに……。何か聞こえてこないか? ン、俺だけか?」
ザック・セイバーJr.
「(※肩をすくめ、両手を広げて)一体何が起きてるのか、俺には訳がわからない。まるでデイヴィッド・リンチの映画の世界の中にいるかのようだった。アイアンフィンガーは呪われている。普段の俺なら気の利いたコメントをしてるところだが、今日はもう言葉にできない。悪夢が起きてしまった。ベルトを取り戻せなかったことは悔しいが、タイチを責めるつもりはない。やっぱりG.o.Dはクソ野郎だし、いつまでも勝つためにズルを繰り返してる。タイチがアイアンフィンガーを使ってしまった気持ちも理解できる。残念ながら今日は勝利のZIMAはなしだ。いつになったらG.o.Dからベルトを取り返せるんだ? イライラする。俺とタイチのタッグはまるで結婚生活のようで、良くなったと思った次の瞬間には悪くなって、アップダウンが激しい。お互いのためにも少し休んだ方がいいと思う。チームを解消するって意味じゃなく、少しタッグ戦線から離れよう。ちょうど『NEW JAPAN CUP』が待ち構えているしな。俺は元々シングルプレーヤーだってみんな忘れてないよな? テッカーズ(テクニック)では誰も俺には及ばない。これからは『NEW JAPAN CUP』に全神経を集中させていく。とにかく、アイアンフィンガーがタイチの元にようやく戻ってきて良かった。ベルトはあきらめてないし、いつか必ず取り戻そう。でも今は、ちょっと気持ちを整理する時間をくれ」
※タイチはノーコメント
第6試合
両者ゴングとともに突っ込んで正面からエルボーで打ち合っていき、額を突き合わせてにらみ合う。場外になだれ込みながら試合開始から6分以上エルボーで打ち合っていき、7分以上経過。
ヒロムがコーナーエルボーを連打して追い込むと串刺しラリアットを見舞い、さらにロープに飛ぶがSHOはスピアーを発射。SHOはヒロムの腕を取って左右のミドルキックを連打しPK。そしてジャーマン・スープレックスを狙っていくが、ヒロムはこれを抜け出すとカサドーラ式コンプリートショット。ヒロムは串刺しラリアットを連打し突っ込んでくるSHOをカウンターのフロントスープレックスでコーナーに叩きつけるとデスバレーボムを狙うが、SHOが着地してエルボー。さらに突っ込んでいくSHOをヒロムがロープを下げてエプロンに出し、ショットガンドロップキックを狙うものの、SHOはラリアットで迎撃し奈落式ブレーンバスターを狙う。ヒロムもエプロンに着地するとトラースキックを見舞い、奈落式パワーボム。両者場外で大の字に。先にリングに戻ったヒロムはコーナーに上って場外飛びを狙うが、SHOが下から追いすがってエプロンパワーボム。
SHOはリングに戻ると、倒れたままのヒロムをぶっこ抜いてジャーマン・スープレックス2連発からジャーマン式腕十字。ヒロムがロープに逃れるとさらにヒロムの抵抗を振り切ってジャーマン・スープレックス。さらにSHOは雄叫びを上げてラリアットを放つが、ヒロムが回避して投げっぱなしジャーマン。SHOは拳を握りしめてすぐに立ち上がると、両者正面かららラリアットを打ち合い、打ち勝ったSHOがロープを背にするヒロムに串刺しラリアットを連打。ヒロムはこれをキャッチしてぶら下がり式首4の字固めに捕らえるが、なんとSHOはこれをぶっこ抜いてのパワーボム。
SHOはショックアローを狙うが、ヒロムはショルダースルーで切り返し、再び正面からのエルボー合戦を展開。SHOが左右の連打で打ち勝つと、ヒロムも立ち上がって左右の連打。さらに互いに追走串刺しジャンピングエルボーを打ち合っていき、ヒロムがランニングエルボーを見舞えばSHOもランニングエルボー。SHOがラリアットを放つとヒロムもラリアットで撃ち落とし、ヘッドシザースホイップから入るD。SHOはこれを持ち上げてパワーボムもヒロムは離さず絞り上げ、SHOが脱出するとコルバタを狙うもSHOはこれを耐えてチキンウイングアームロック。ヒロムがロープを目指すとローリングしてリング中央に引き戻していき、パワーブリーカー。
SHOは弓を引いてショックアローを宣言も、ヒロムがヘッドバッドでカウンターし、互いにラリアットの打ち合いへ。ヒロムがトラースキックでカウンターして突っ込んでいくがSHOもジャンピングニーでカウンター。両者再びダブルダウンへ。
SHOが先に立ち上がり、もう一度ショックアローを狙い、ヒロムが再びヘッドバッドでカウンターするとバッククラッカーからラリアットを3連打。ヒロムもラリアットで迎え撃って打ち合いとなるも、SHOが打ち勝ってラリアット。SHOはクロスアーム式パイルドライバーからショックアローを狙うが、持ち上げられた反動を使ってヒロムがDDT。
ヒロムはビクトリー・ロイヤルからTIME BOMBを狙うが、SHOがこれを着地。ヒロムは振り向きざまのトラースキックを何発も打ち込んでいくがSHOは倒れずさらに打ってくるよう挑発。SHOはジャンピングニーを発射も、ヒロムがキャッチ。しかしSHOはキャッチされることを先読みして腕を取りながら倒れ込み三角絞めへと持ち込む。ヒロムはこれをぶっこ抜いてコーナーデスバレーボムで叩きつけ、TIME BOMB。SHOはなんとかキックアウト。ヒロムはラリアットで吹き飛ばし、最後はTIME BOMB IIで突き刺してカウント3を奪った。
両者満身創痍で倒れ込む中、エル・ファンタズモがリングに飛び込んできてヒロムへスーパーキックを放とうとする。ここにBUSHIが入ってきてファンタズモを止めると、ここに石森も参戦してリング上は大混乱に。まだ立ち上がれないヒロムを引き起こしてファンタズモがスーパーキックを発射も、ヒロムはなんとか回避してエルボー連打で2人を撃退。
ファンタズモ「お前に屈辱を味わわされた俺たちが黙ったままでいると想ったのか?お前がそのベルトを巻いているのは相応しくない。お前は会社に気に入られてるからそのベルトを持ってるだけだ。俺はお前のそのベルトを巻くまで日本から離れることはない。覚悟しろ!俺がスーパーキックたった一発でお前からIWGPジュニアヘビー級王座のベルトを奪ってやる!」
ヒロム「おい。ファンタズモ!いいだろう、このベルト、お前とかけて戦ってやるよ。ただし!お前らが持つIWGPジュニアタッグ、俺とBUSHIさんで挑戦させろ!それが交換条件だ!ほら、用が済んだだろ?さっさと帰れよ。ほら、帰れ!やってやるからほら、あせんなって。帰れ。帰れ。帰ってくれよ。帰れ。帰ってくれ!帰ってくれ!帰れ!」
ファンタズモ&石森が退場すると、ヒロムはBUSHIと拳を合わせてから再びマイクを取る。
ヒロム「うおおおおおおお!!俺は!生きてるそ~~ッ!SHOとあれだけ馬鹿みたいに思い切りぶつかっても、俺は、俺の体はピンピンしてるぞ!俺は元気だァ!俺が何を言いたいと思う?何が言いたいか分かるか?プロレスが元気ないんじゃねえ。今、この地球が、この地球が!元気ねーんだよ!声を出せるものが元気よく発信しないでどうする?マイナスなことばっか喋ってどうする?誰がそんなんで元気になんだよ!だから俺は世界が元気を取り戻すまで、叫び続けるぞ!俺たちレスラーが声を出せないみんなの代わりに、俺達が、思いっきり叫んで!思いっきり叫んでやるーッ!元気、元気、元気だ!元気だ!元気だ!元気だ!元気だ!もっと!もっと!喋れねーんだろ!?その手使って思いっきり、手が砕けるまで拍手して見せろ!そんなもんか?たりねーぞ。もっとだ!もっと!もっと!もっと!もっと!お前らの!お前らの!もっと!もっと!もっと!みんなで!楽しもうぜ!」
ヒロムは退場間際に解説席に座っていた棚橋に「棚橋さん、俺がアンタに見せつけるよ。これがIWGPジュニアの闘いだぁ!」とベルトを突きつけ、決意表明をして去っていった。
<試合後コメント>
高橋ヒロム
ヒロム「(※右手一本でテーブルの上にベルトを立てて置いて、へたり込むようにイスに座る。祝杯用に用意されていたZIMAを手に取り)これは、これは、伝説のお酒じゃないですか。(※1本手に取って)ちょっと待ってください。(※ZIMAの栓を開けようとするが、左手が利かないので開けられない。そこで)開けて。開けて。開けて、開けて……。(※スタッフの1人が栓を開けてあげると、『乾杯』と言ってから一口飲んで)ああーーーー! 効くーーーー! なに聞きたいですか? 頭が回らないんで、質問していただけるとありがたいと思います」
――初防衛おめでとうございます。
ヒロム「ありがとうございます」
――SHO選手(と)のものすごい気持ちのぶつかり合いだったと思いますが、闘ってみてSHO選手の思いはどのように感じましたか?
ヒロム「思いねえ……当たり前なんだよ。最強を目指す? IWGPジュニアのベルトが欲しい? そんなの当たり前なんだ。当たり前のことが、どれだけ大事か。SHOはよく理解してるよ。チャンピオンとして、言わせてもらえるなら、最高の対戦相手、最高の防衛戦の相手だった。なんか、前哨戦長えなあって最初思ったけど、タイトルマッチが近づくにつれて、だんだん寂しい思いをしてきたよ。まあ、明日も、まだ闘えるんだろ? 明日のカード、(対戦相手に)SHOいるよね? でも、なんか違う。前哨戦とはもう違う。そういう闘いじゃないところで、SHOはどれだけ見せれるか。SHOが大事なのは、そういうところなんだよ。『BEST OF THE SUPER Jr.』(公式戦での)シングルマッチ、結果残しました。そのあとは? いつもそうだ。俺がSHOにアドバイスを送るなら、そういうところだ。ただ、変わったよ。『SUPER Jr.』のあともガンガンやってた。その気持ちが伝わった。だから俺だって、対戦相手としてあいつを選んだんだ。ただ俺が、リーグ戦の1試合(に)負けたからSHOを選んだんじゃない。そのあとSHOはどう動くのか、楽しみ見てた。このあとだよ。このあとSHOがどうやって動くか。それが一番大事なんだ。ま、言わなくてもよくわかってるだろ。そんなこと、俺がもういちいち言うような相手じゃないな。悪かった。訂正するよ」
――そして試合の直後には次の挑戦者(としてファンタズモが名乗りをあげました)。これはチャンピオンとしての宿命というか……。
ヒロム「そうだね。どんな、どんな形であれ、あれが挑戦表明の、あいつなりのやり方なんだろ。まあ、なかなかイライラさせてくれる挑戦表明の仕方だな。でも悪くないよ。BUSHIさんが助けに来てくれて、そしたらなぜが石森もやってきた。だったら俺が言うのは一つだろ。IWGPジュニア王者、そしてIWGPジュニアタッグ、2冠を狙う、それは当たり前の話。(※目の前にあるIWGPジュニアのベルトを手に取って)このベルトに挑戦させてやるかわりに、交換条件としてIWGPジュニアタッグ、俺とBUSHIさんで挑戦させてもらう。それがでいいなら、やろうぜ、ファンタズモ。(※ベルトをテーブルに置こうとしたが滑り落ちかけて)おおっと、おっとおおっと……。おおっと、危ない危ない。おおっ、イキがいいわ。いい試合したあと、イキがいいんだ。元気元気、元気いっぱい……この元気が大事。世界中にそれが俺、足りてないと思うんだ。元気ってすごく大事な言葉。俺はすごく好きだね。元気いっぱいな子、俺は好きだな……。だから……(※うまくテーブルのベルトが置けず)ちょっと、テンション上がりすぎだよ。俺よりテンション高いじゃない。ちょっとどうしたの、今日? そんな動いちゃって。もうビックリする。もう! かわいいんだから……。(※もう一口ZIMAを飲んで)いやあ……。
--このシリーズを通してというところもあるかと思うですが、明日はメインで(IWGPヘビー級とIWGPインターコンチネンタルの)2冠戦があるというなかで、今日、ジュニアのタイトルマッチをSHO選手とメインで闘った。このあたり、ヒロム選手はどんな思いがあったのでしょうか?
ヒロム「大事なことなんじゃないの? シリーズの最終戦、2日間あるビッグマッチ。その1日目で、ジュニアのタイトルマッチがメインイベントで組まれたんだ。この意味、俺は理解してるよ。なあ、会社のみんなも言ってほしいんだろ? 俺に言ってほしいんじゃないか? な? 俺の新しい夢。東京ドームでIWGP(ジュニア)戦を(メインで)やる。言ってほしいんだろ? 何回でも言ってやる。そして俺は叶える。俺は夢を宣言して、叶える男だ。どうでしょう? どうでしょう? どうでしょう? どうでしょう? どうでしょう?」
――ありがとうございました。
ヒロム「いいんじゃないでしょうか。いいんじゃないでしょうか? ほら、これ見てるんでしょ? いろんな人が見てるんでしょ? 中継のほら、ライガーさんだったり棚橋さんだったり、見てるんでしょ? あとはそっちに占めてもらったらいいんじゃないですか。僕は休みますよ。腕も痛いしね。明日も試合なんで。明日も思い切りSHOとぶつかり合うのが、楽しみで仕方がない。それではありがとうございました」
SHO
「(コメントスペースにたどり着くやボディーを押さえながら崩れ落ちるように両ヒザを着き、痛みをこらえながら声を振り絞るように)IWGPジュニア、そしてこの新日本ジュニア……感想、この一言。メッチャ楽しいな! そして、やっぱりこの、新日本ジュニアの生態系のピラミッドの頂点に立つには、そんじょそこらのレスラーじゃなれねえな。俺にこれからできることは一つしかねえ。もっと、強くなることだ」
エル・ファンタズモ
「(※BULLET CLUBのTシャツに袖を通し、ネットキャップをかぶると、傍らにあったイスを引き寄せて座る)ヒロム、お前が何を言ったのか知らねえ! 俺は日本語は話さないんだよ! それにお前がどれだけ英語を理解してるのかも知らねえし、この場で改めてお前がわかるように言ってやろう。(※足を上げてリングシューズを見せつけながら)俺のリングブーツはボクシングのシューズでサイズは12(インチ)。そして、ブーツの中にあるのは黒と赤のボーダーの靴下だ。そしてこの靴下の中にあるのはプロレス界最強のキックを繰り出す俺の脚だ。ヒロム、お前はまだ運よく1度もサドンデスを食らってないが、この技でお前からスリーカウントをとってこの俺様が次期IWGPジュニア王者になる。会社が望まなくても、そうなる。もう一度言っといてやる。俺はそのベルトを腰に巻くまで日本から離れない。(※テレビカメラに向かって『TOO SWEET』とポーズをとる。そして引き揚げようとするが、祝杯用に用意されていたZIMAのボトルが目に入り、1本手にすると)おい、このZIMAはヒロムに用意されたものか?(ZIMAのボトルに触れ)オオ、冷えてんな! ヒロムにはキンキンに冷えたビールが用意されてんのか。俺の時は、生温かったけどな。さすが、やっぱりヒロムはニュージャパンのお気に入りだな。俺も1回首の骨を折って復帰すれば、会社から大事にしてもらえるのか? ンン?」