【コラム】「あんたみたいなパワーキャラは間に合ってるよ」 青柳優馬が土肥こうじに投げかけた『全日本プロレスの現実』とは?

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全日本プロレスで絶賛開催中の2020チャンピオンカーニバルにおいて、青柳優馬の公式戦後に必ずといっていいほど乱入し暴力行為を繰り返してきた土肥こうじ。

その甲斐があり(?)来週月曜日、10/5全日本プロレス・後楽園大会では青柳との一騎打ちへとまんまとこぎつけた。

土肥はもともと今年4月に幕を閉じた武藤敬司のWRESTLE-1に所属していたのだが、団体解散から約半年間の流浪期間を経て、同門の芦野祥太郎率いるEnfants Terriblesの一員として全日本参戦を果たしたばかりだった。

そんな土肥はなぜ青柳にターゲットを定めたのか?思い起こされるのは両者がWRESTLE-1で初対決した4年前。試合の印象として青柳を圧倒した土肥はその勢いで全日本に乗り込み熊ゴロー(現・羆嵐)とのコンビで年末の世界最強タッグにも出場。それ以来となる久々の全日本参戦であり、もともと青柳との接点は浅くはない。

「土肥の印象?数年ぶりに対面したら、以前より断然ゴツくなっていて驚きましたね。それ以外は数年前に対戦した印象しかないんですけど。過去の因縁?変な話し、シレッと始まってフワッと終わった感覚しかなくて。やっぱりこう、そういうものはハッキリさせておいた方がいいと思うんですよ。早いうちにスパッとケリをつけておきたい。これから先、もしかしたらまた深いお付き合いになるという予感は僕自身少しもしていないので」(青柳)

あまり土肥に興味を示していないのは青柳流の作戦なのか。対する土肥は

「俺が全日本に参戦し始めた段階でチャンカンが始まった。だけど時期的にオレはもう出れなかった。じゃ、どうしようと考えたとき、青柳の顔が浮かんできた。しかもここ最近、ヤツは特にテーマもなさそうだろ?ヤツの中でもオレとの戦いの記憶は絶対に強く残っているはず。それくらいの戦いだったから。その過去がなかったことには青柳自身もできないはず」(土肥)

「ヤツは特にテーマもなさそう」という土肥だが、青柳も土肥に対し同じ印象を抱いていた

「なんというか…土肥は特にテーマもなく全日本に来ちゃった人という感じ。そういう可哀想な人にテーマを与えてやろうかな?というのが彼と戦う理由でしょうか。逆に土肥に利用されている気もするんですけど…というか、彼はチャンカンに出れなかったから僕にチョッカイ出してきたんですよね?だけど正直、僕と彼の昔の抗争を思い出す人なんて、いまさらそんなにいないと思いますよ」(青柳)

いまさら過去を知る人も少ないと主張する青柳。そのあたりについての土肥の本音は

「いや、正直いって、踏み台にするから是非ともかまってほしい、それが本音だ。青柳はチャンカンに出ても所詮勝率五分五分くらいの選手だろ?だからここでオレも、たいしたことないくせに全日本ではなぜかそこそこ地位のあるアイツを相手に結果を残せばポジション築けるだろうと、そう踏んだんだよ」(土肥)

この考えに対し、青柳は痛烈な意見を述べる

「土肥がそんな僕にターゲットを定めた理由は、きっとそれ以外にテーマが見つからなかったからではないですかね?これからに繋げるにはこれに賭けるしかなかったのでは?それならば、僕も実際いま存在感薄いんで負けられないし。そこで全日本の現実を教えないといけないし。全日本の現実?簡単に言えば『あんたみたいなパワーキャラは間に合ってるよ』ということ。あんたの攻撃は俺には通用しないよ、と。もっとパワーが凄い人は山といるんで。僕はそういう人たちに揉まれてきているんで。負ける気はしないですね、正直、全然」(青柳)

最後に土肥に「なぜ全日本でポジションを築きたいのか?」を尋ねてみた。

「正直にいう…全日本に上がりたかったからだよ。なぜ?好きだったからだよ、全日本プロレスが!ガキの頃から!」

二人の言葉から判明したことは、青柳が勝てば土肥は全てを失い、土肥が勝てば青柳は全日本の権威を完全失墜させてしまう現実。間近に迫った10/5全日本プロレス・後楽園ホール大会。青柳優馬vs土肥こうじは、全日本プロレスに対するそれぞれの現実への思いが無慈悲に交錯する一戦となる。

文・日々樹アキラ

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