【試合詳細】8・29 新日本プロレス明治神宮野球場大会 【IWGPヘビー級&IC】EVILvs内藤哲也 【IWGPタッグ】タイチ&ザック・セイバーJr.vs棚橋弘至&飯伏幸太 【IWGPJr.】高橋ヒロムvs石森太二 【NEVER無差別級】鷹木信悟vs鈴木みのる 【KOPW決勝】オカダ・カズチカvs矢野通vsSANADAvsエル・デスペラード

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『D4DJ Groovy Mix Presents SUMMER STRUGGLE in JINGU』
日程:2020年8月29日(土)
開始:17:00
会場:東京都・明治神宮野球場
観衆:4,710人

▼スペシャルシングルマッチ 60分1本勝負
●マスター・ワト
7分31秒 回転エビ固め
[鈴木軍]○金丸義信

▼「KOPW 2020」決定戦4WAYマッチ 時間無制限1本勝負
[CHAOS]○矢野通
7分1秒 横入り式エビ固め
[CHAOS]●オカダ・カズチカ
※あと2名は[L.I.J]SANADA、[鈴木軍]エル・デスペラード
※矢野が『KOPW2020』優勝

▼NEVER無差別級選手権試合 60分1本勝負
【王者/L.I.J】●鷹木信悟
14分56秒 ゴッチ式パイルドライバー→体固め
【挑戦者/鈴木軍】○鈴木みのる(パンクラスMISSION)
※鷹木が4度目の防衛に失敗。みのるが新王者となる

▼IWGPジュニアヘビー級選手権試合 60分1本勝負
【王者/L.I.J】●高橋ヒロム
13分30秒  Bone Lock
【挑戦者/BULLET CLUB】○石森太二
※ヒロムが2度目の防衛に失敗。石森が新王者となる

▼IWGPタッグ選手権試合 60分1本勝負
【王者組/鈴木軍/デンジャラス・テッカーズ】タイチ/○ザック・セイバーJr.
16分1秒 ザックメフィスト→片エビ固め
【挑戦者組/ゴールデン☆エース】●棚橋弘至/飯伏幸太
※タイチ&ザックが初防衛に成功

▼IWGPヘビー級・IWGPインターコンチネンタルダブル選手権試合 60分1本勝負
【王者/BULLET CLUB】●EVIL
26分20秒  デスティーノ→片エビ固め
【挑戦者/L.I.J】○内藤哲也
※EVILが2度目の防衛に失敗。内藤が新王者となる

21年ぶりの神宮球場大会で二冠を奪還した内藤に祝福の打ち上げ花火!タイチ&ザックが棚橋&飯伏を破り王座防衛!石森がヒロムからIWGPJr.奪取!みのるが鷹木とのケンカを制し王座奪取!KOPWは矢野が優勝!

第1試合


21年ぶりとなる新日本プロレスの明治神宮野球場大会の第一戦はワトと金丸の因縁戦。
 金丸がゴングと同時にガットショットを見舞い、両者ロープワーク。ワトがソバットでこれを制し、スワンダイブで飛んでいくが金丸が下から蹴り上げて撃ち落とし、場外に放り出してワトを鉄柵に打ち付け、鉄柵を踏み台にした断崖式ギロチンドロップを見舞う。
 ワトがリングに戻ると、金丸はワトをコーナーに逆さ吊りにして顔面に低空ドロップキック。さらにキャメルクラッチやサミングで痛めつける。金丸がロープに飛ぶとワトはレッグラリアートで迎撃。
 ワトは二段式の変則ドロップキックで場外に叩き出すとトルニージョで追撃。さらに金丸をリングに戻してコーナー上からダイビングアッパーエルボー。さらにモンキーフリップから以前見せた新技の変形ドライバーを狙うが、振り払った金丸がドロップキックで吹き飛ばし、ムーンサルトプレスを発射。ワトが避けると金丸も着地し、レフリーを盾にしてワトの混乱を誘い、ブリティッシュフォールで叩きつける。
 そして金丸はコーナーから角瓶を持ち出して殴りかかるが、ワトは竜巻旋風脚から新型ドライバー。さらに左右のキックから裏拳、ハイキックから変形ガロンスロー。さらにフィニッシュを狙って見得を切るが、その瞬間に金丸が下から組み付いてサムソンクラッチで電光石火のカウント3。

<試合後コメント>
金丸義信
「ま、小僧相手じゃあの程度だろ! オイ、海外から帰ってきたからってオイ、上手くいくと思うなよオイ。まだまだあいつにはプロレスの頭足りねえなオイ、出直して来いよ。黒パンツからやり直せ、黒パンツから! オイ、隣にいる天山も一緒だ、天山! あんなやつ横にいたって同じだろオイ! 天山、ワト、おまえら2人とも黒パンツからやり直せ!!」

マスター・ワト&天山広吉
「何やねん今日のは……。俺の旅はな、始まったとこや……。今日のは旅の途中のアクシデントや。旅はな、これからまだまだ続くんだ!」
天山「オイ、ふざけんなよオイ、レフェリー! オイ、あれ冗談じゃねーぞあれあんなもん! おい、ワン・ツーで肩上げてんやないかって! ふざけんなってオイ! これからワトがこれステップにして駆け上がって行くのにふざけんなレフェリーこの野郎! マスター・ワト、次はまたやってやるよ、あいつにがっつりやらせるよ!」

第2試合


 オカダの提唱したKOPWの決勝戦は1回戦を勝ち上がった4人による4WAY戦。
 最後に入場したオカダがコーナー上でポーズを決めているところでSANADAとデスペラードが手を組んだか、2人で矢野を集中攻撃。すると不利を悟った矢野も「待て待て待て待て!分かった分かった!ゴメン!オカダ!」とオカダを裏切って攻撃に加わるが、2人は矢野と共闘せず、SANADAが矢野をロープに振っていくが矢野はロープに捕まって耐え、SANADAを場外に放り出す。するとオカダはSANADAを捕縛し「矢野さん!カモン!」と場外飛びを要求。矢野は戸惑いながらもロープに飛ぶが、場外からデスペラードが足を引いて妨害。
 リング上ではオカダとSANADAがデスペラードをダブルのバックエルボーからサンドイッチ式低空ドロップキック。オカダは笑顔でSANADAにグータッチを求めるが、SANADAが応じようとするとガットショットからチンロック。そして矢野が「さっきはゴメン!一緒にやろうよ!」とコーナーマットを外し、オカダと共闘を要求。2人でSANADAをロープに振り、矢野がマンハッタンドロップからシーソーホイップで金具むき出しのコーナーに叩きつけ、オカダがリバースネックブリーカーで追撃。オカダがフォールに入るが矢野が引っ剥がして自分がフォール。これに怒ったオカダは矢野とエルボー合戦を展開するが、よろけた矢野がスモールパッケージ。オカダはなんとかキックアウトするが、デスペラードがオカダを場外に放り出し、矢野に殴りかかる。
 矢野はデスペラードの攻撃をかわして金具むき出しのコーナーに自爆させると、SANADAが入ってきて矢野を金具むき出しのコーナーに叩きつけ、パラダイスロック。完全に動きを封じて4WAYから3WAYに持ち込む。矢野が助けを求めて叫ぶもオカダはこれを無視してSANADAと対峙。
 オカダとSANADAは一騎打ちを求め、エルボーの打ち合いからオカダがバックエルボーで制し、ツームストンパイルドライバーを狙うがSANADAも着地してドラゴンスリーパー。抵抗するオカダをロープに引っ掛けてマジックスクリューを見舞い、ラウンディングボディプレスを放つが、オカダはこれを回避してショットガンドロップキック。SANADAが吹っ飛んだ先には矢野がおり、SANADAとぶつかった矢野は図らずも脱出に成功。
 オカダはSANADAに突っ込んでいくが、SANADAはラウンディング式で組み付いてドラゴンスリーパーからSkull Endへ。しかしここでデスペラードがコーナーに上って2人まとめてダイビングボディプレスで押しつぶし、オカダへギターラ・デ・アンヘル。これを返されるとピンチェ・ロコを狙うが、オカダはショルダースルーで切り返すが、デスペラードは「こんなもんか?」と鼻をつまみ上げてからロープに飛ぶが、オカダはドロップキックでカウンターし、変形コブラクラッチ。苦しむデスペラードはレフリーを引っ掴んで脱出を試みるがオカダはこれを許さず。しかしそこへ矢野が忍び寄ってオカダの背後からローブローを見舞い、そのままオカダをスクールボーイで押さえ込んで3カウント。

 矢野はオカダに手を合わせて謝りながらも満面の笑みで優勝トロフィーを受け取り、大喜びで観衆に勝利をアピールした。

<試合後コメント>
矢野通
「オカダくん、ありがとう! オカダくん、ごめん! 堪忍してくれ! ごめん! オカダくん、ありがとう! オカダくんが提唱したこの『KOPW』、『KOPW』、最初に獲ったのは俺だ! おい、こんな俺でもタイトル獲れるとは思わなかったよ。獲れちゃった、タイトル! それが『KOPW』! こっから俺の好きに……させてもらえるの、これ? させてもらえないの? ファン投票なんだよね? 何でもいいじゃん! 何だってやってもいいじゃん! 可能性が広がるじゃ~ん! やろうよ! みんなやろうよ! 楽しいことやろうよ! 『KOPW』! 『KOPW』! とりあえず俺が保持者だからな。今年中、防衛していけば、もっとデカいトロフィーをもらえるって噂を聞いたよ。(ことさらに声を張り上げて)そのデカいのを! この俺が! パーッと! ワーッと! もらっていくぞ、バカ野郎!」

オカダ・カズチカ
「まあ、『KOPW』、最初の保持者が決まりましたけど、残念ながら僕は勝つことはできませんでした。まさかね、『金的 OF PRO-WRESTLING』で終わるとは思わなかったですし、僕が提唱しておいて、僕がまさか3カウントを獲られることになるとは僕が一番思っていませんでした。やっぱり4WAYは4WAYで難しいところがありますし、普通のシングルマッチのように戦っていれば隙きも生まれるんだなと改めて思いました。この試合時間は何分ですかね? そんなに長いこといってないと思うんですけど、10分もいってないと思うんですけど、10分以内で3カウント獲られるなんて、レインメーカーとして初めてなんじゃないかなと思いますし、今日でデビュー16年。最短記録ということで忘れられない日になったんじゃないかなと思います。まあ、僕が『KOPW』を提唱しましたけど、これから僕がああだこうだ言うつもりもなく、これからは矢野さんが見せていくことなんじゃないかなと思います。なので、僕は僕でしっかりと。とりあえずは『G1』も始まりますし、『G1』が終わって、また『KOPW』なのか? IWGPなのか? IWGPタッグなのか? 何を目指すかわからないですけど、『KOPW』、自分で言っておきながらめちゃくちゃ悔しいですけど、とりあえずは『G1』目指してやっていきたいと思います。矢野さんに貸しも作ってしまいましたしね。まあ、矢野さんだったらと、そこに対応できない自分が凄く悔しいです。あと21年ぶりの明治神宮野球場大会ということで、やっぱり野外ということで、試合やっていても気持ちよかったですし、こういう状況なんでお客さんがこんだけの数しか入れることもできない、声も出せない。そんな中でしっかり応援してくれている中で、また是非やりたいと思いますし、その時は超満員の明治神宮野球場でたくさん声を出してもらえて、そしてメインイベントのリングには僕が立ちたいと思います。ありがとうございました」

エル・デスペラード
「(バックステージのイスに座るのを拒否し)負けた人間がこんなとこに座れるか。う~ん、おもしれえな、これ。タイトルが獲れなかったっちゅうのはあるが、あれ年内これを保持して、最終的に決定戦みたいなのがあるようなこと言ってなかったっけ? う~ん、まあ俺の把握の仕方が悪いのかもしれないけど、あれだよな? 一回獲ったからって、ずっと持っているわけじゃないんだろ? 年内もう一回でも、矢野がチャンピオンになってるんだから、あれが『やる』っつたらできるんだよな? 確か。違った? (うなずく記者たちを見て)うんうんって言ってるから、多分そうなんだろう。オカダにちょびっと触れて、勝てるかもしれない、本当に(指でジェスチャーして)これぐらいのところまで行ったんだけど、やっぱあのドロップキック怖いね。鼻が取れたかと思いました。それ以上にSANADA、しゃべれんじゃねえかよ。しゃべれよ。最初からしゃべってろ。反芻しているのかと思った。口は動いてるのに声が出てこなかったから。で、矢野。勝ち負けにすら触ることなく4WAYが終わってしまった。こんなに恥ずかしいことはない。まあ、なんだかんだ言って、あのままいってたらギブアップしてたけどな。まあ、それはおいといて、矢野さん! 防衛戦やりません? お願いします。なんか、せっかくなんだからさ、こういう変則的なスタイルなんだから、ルール持ち合ってさ、投票してさ、楽しもうよ。ね?」

第3試合


 ゴングを待たずに両者ド付き合いが始まり、ゴングとともに両者は突っ込んでいって殴り合い。みのるがフロントネックロックで捕らえれば鷹木はブレーンバスターでぶっこ抜き、場外に放り出してみのるをナックル&チョップで痛めつける。
 鷹木がみのるをリングに戻してエプロンに上がると、みのるはリング内から鷹木へぶら下がり式腕十字。反則カウント4で離すとランニングブートで鷹木を場外に突き落とし、今度はみのるが場外で鷹木を鉄柵攻撃やナックルでいたぶっていく。
 みのるは鷹木をリングに戻し「どうした鷹木!ケンカしに来たんだろ?!」と挑発してサッカーボールキック。すると鷹木は「来い!コラ!」と正面からPKを受け止める。鷹木は逆水平チョップ、みのるはエルボーで打ち合っていき、鷹木がナックルからの龍魂ラリアットでこれを制する。
 鷹木は串刺しラリアットからバックドロップ。みのるは楽しそうに大笑いしながら起き上がってエルボーを連打。さらに串刺しビッグブートからPKを叩き込む。みのるは「立てコラ」と鷹木の顔面を小刻みに蹴りつけていくと、鷹木は鬼の形相で起き上がってエルボー。みのるもエルボーで応戦し、足を止めての打ち合いに。みのるはビッグブート、鷹木はパンピングボンバーを放っていき、みのるがビッグブートからスリーパーホールドからゴッチ式パイルドライバーを狙うが、耐えた鷹木が担ぎ上げてデスバレーボム。両者大の字に。
 両者ふらふらと起き上がると、鷹木が天に向かって吼え、パンピングボンバーを叩き込む。これを返されると龍魂ラリアットを狙うが、みのるがビッグブートで反撃するとその足を取って担ぎ上げ、MADE IN JAPAN。鷹木は「まだだ!」とラスト・オブ・ザ・ドラゴンの体勢も、背面着地したみのるが鷹木の襟足を掴んで後頭部への一本足頭突き。さらに正調一本足頭突き、ノーモーションヘッドバッドと立て続けに叩き込み、みのるが左右の掌底を連打。鷹木はこれを耐えきってナックルからヘッドバッド。さらにパンピングボンバーを狙うがみのるがスリーパーホールドで切り返し、ゴッチ式パイルドライバーの体勢へ。鷹木はクラッチを切るとショートレンジラリアットを連打し、ロープに飛んでパンピングボンバーを狙うが、みのるがここ一番で見せるドロップキックで鷹木の顔面を撃ち抜く。
 両者四つん這いになりながらヘッドバッドでぶつかり合い、膝立ちになってエルボーの打ち合い。さらに立ち上がって互いにフルスイングのエルボーを打ち合い、みのるが鬼の形相でヘッドバッド。鷹木もヘッドバッドで返し、再び目まぐるしいエルボーの応酬。これを制したみのるがスリーパーホールドから天を指差してからのゴッチ式パイルドライバーで3カウント。
 みのるが2017年4月以来2度目のNEVER無差別級王座戴冠を果たした。

<試合後コメント>
鈴木みのる
「おい鷹木……。鷹木……。ロスインゴなんてチャラチャラしたやつしかいねーのかと思ったら、ちゃんと喧嘩できるじゃねーか。でもな! まだまだクソガキだ。おまえの力じゃ俺の首は獲れねえ。俺とおまえじゃ歩いている場所も違う、道も違う。位置も違ければ高さも違う! そう、おまえは俺の足元歩いてんだ。ただの平民……いやいやいやいや、ただのナメクジ、蛆虫と同じところしかテメーは歩いてねーんだよ。……なんだオラ。さあ、行くか。俺ちょっと用事がある。帰るさ。何もなきゃ帰るさ。次あんだよ。オイ、プロレスの王様はやることが山ほどある。プロレスの世界でな! ハッハ(ニヤリ)。
(※カメラマンを睨みつけ)何でおまえしわ寄せてんだおまえ、オイ! おまえだよ! 何でおまえ(※眉間を指し)ココにしわ寄せてんだオイ! オイ! 何でおまえしわ寄せてんだこの野郎オイ! おまえだおまえだおまえ! おまえちょっと来いよこっちへよ。オイ! 何ここにしわ寄せて気に入らねーのかコラ! 気に入らねーのか!! 俺が勝ったんだ。勝ったのは俺だ。そして強いのも俺だ。仲良く、楽しく、残りの試合やっとけクソガキ共! 根こそぎ貰うぞ」

鷹木信悟
「マジか……。言葉が出ない……。言葉が出ねーよ!! (※机を叩き)負けちまえば、内容なんて関係ねーんだ。あいつは、鈴木は鬼の首を獲ったように俺のことどうせ、ボロクソ言ってんだろうな。だからこそ負けたくなかった。(※机を叩き)だがよ、鈴木みのる! 俺たちの喧嘩、こんなもんじゃねーだろ。どっちかが病院送りするまで、どっちかが動けなくなるまでやるんじゃねーのかオイ! 確かに俺は3カウント奪われて負けた! だが俺はこうして動けるぞ。オイ、動けるぞ。これで3カウントはい終わりなんて言わせねーからなオイ! だからこそ俺はあいつに負けたくなかった……。何が何でも負けたくなかった。終わりじゃねーぞ! 俺がこの後行くのは病院じゃねえ。病院なんて行くか! こんな悔しい思いしたらなー、寝れねーからよ。俺はこれから“エニタイムフィットネス”に行って朝までがっちりトレーニングしてやるからな! このままじゃ終わんねーぞ!!」

第4試合


 ヒロムは古傷である左肩をテーピングでガチガチに固めて試合に臨むが、石森はゴングとともにヒロムの左肩を蹴撃。ヒロムは一瞬怯むも即座にエルボーで反撃していき、石森とのロープワークの応酬からコルバタ系の技を狙い合うスピーディな展開となるも、石森がミスティカでヒロムの左肩からマットに叩きつけるとヒロムは痛みに悲鳴を上げながら場外にエスケープ。しかし石森は息もつかせず三角跳びケブラーダで追激し、ヒロムをリングに戻してヒロムの左肩へのファイヤーバードスプラッシュ。さらにYes Lockで捕らえるがヒロムは即座にロープに逃れて場外へエスケープ。
 ヒロムは距離をとって回復の時間を稼ごうとするが、石森はすぐに追っていってヒロムをリングに戻し、左腕へロープを使ったアームロック。ヒロムはまたも場外にエスケープして脱兎のごとく逃げ出すかのように見せ、追ってきた石森と入れ違いにリングへ入ってサンセットフリップパワーボムの体勢へ。しかし石森は自らバク宙で飛んで着地するという驚きの返し技を見せ、ヒロムの左肩から鉄柱に叩きつける。
 石森はヒロムをリングに戻してロープに飛ぶが、ヒロムはティヘラで迎え撃ち串刺しラリアットから低空ドロップキック。そしてヒロムは自ら左肩のテーピングを引きちぎり、場外に逃れていた石森にエプロンからショットガンドロップキック。
 さらにヒロムはファルコンアロー、串刺しラリアットと見舞い、フロントスープレックスでコーナーに叩きつけようとするが、石森は空中で身を翻してコーナーに着地。ヒロムは下から石森を担ぎ上げてデスバレーボムの体勢に入るが、石森はリバースフランケンシュタイナーで切り返す。石森はさらに突っ込んでいくが、ヒロムはフロントスープレックスで石森をコーナーに叩きつけ、両者大の字に。
 ヒロムは石森をダイナマイトブランジャーで叩きつけ、ラリアットからロープに飛ぶが、石森が背後から組み付いて後頭部から突き刺す急角度ジャーマン。ヒロムも即座にジャーマンで返すと、両者正面からラリアットで正面衝突。ラリアットの打ち合いを制したヒロムは垂直落下式コンプリートショットと呼べる形の新技を繰り出し、カサドーラからのコンプリートショット。さらにTIME BOMB IIの体勢も、石森が切り返してサイファーウタキ。石森が突っ込んでミスティカ式で入るYes Lockで絞り上げるが、ヒロムはなんとかロープブレイク。
 石森は指で作った銃口をヒロムに向けてブラディークロスを狙うが、ヒロムはアームドラッグで切り返してから飛びついてフランケンシュタイナーの体勢も、石森が耐えてターンバックルパワーボム。しかしヒロムは怯むこと無く立ち上がってトラースキックからロープに飛ぶが、石森はカウンターのラリアット。そしてブラディークロスの体勢も、ヒロムが担ぎ上げてターンバックル・デスバレーボム。続けてヒロムがTIME BOMB、これを返されると雄叫びを上げてTIME BOMB IIの体勢も、石森が新技と見られるリバース式のブラディークロスからYes Lock、さらに左肩を脇固めのようにガッチリと固める新技のBone Lock(変形Yes Lock)で絞り上げてヒロムからタップを奪った。

<試合後コメント>
石森太二
「ついにヒロムを倒して、このベルトを獲ったぞ。しかし、凄え暑い。凄えな、ヒロムきゅんの執念。あんなさ、肩ぶっ壊れてんのに全然タップしねえんだよ。それだけこのベルトに懸けた想い、それは伝わったよ。今回、あいつの肩の怪我があったかもしんないけど、プロレスにはこうだったとか、怪我してなかったらとか、そういうのはないから。勝負の世界はそんな甘くない。ヒロムきゅんはデッカい夢を、そればっかり追ってないで、もっと地道な現実を見ないとな、クククク(うつむいて含み笑い)。まあ、このベルトはゴールではなく、あくまでスタートだから。これからゆっくり、じっくり、リボーンしていくよ。(立ち上がって)It’s reborn!!」

高橋ヒロム
「(イスを蹴飛ばして)敗者にどうもご丁寧にイスまで、マイクまで用意してくれたよ。
ありがとうございます。(テーブルにもたれかかりつつマイクを握り)完全に俺の負けだ。何の言い訳もない。散々言われた。ヒロムの肩やべえんじゃねえかとか、本当は首がやばいんじゃないかとか、散々言われてきた。でもな、レスラーは痛めているところを傷めつけてなんぼだ。ちゃんとルールの中、俺は完全にやられ、そして肩が痛いからだとか、首が痛いからだとか、そんなことを言われてかばわれても何もうれしくねえし。悔しいよ。相手の痛いところを狙うなんぞ、レスラー、受け身を覚えてその次に習うことぐらい単純で重要なことだ。その上で俺はキッチリ完全に自分の意志でギブアップしちまったんだ。悔しいけど、石森、お前のほうが強いし、この新日本プロレス、一番強いのはお前だ。だから、俺に見してくれよ。俺から、一番強かった俺から、IWGPジュニアのベルトを奪ったお前のIWGPロード、俺に見してくれ。どれだけこのプロレス界、おもしろくさせるのか、この俺に見してくれ。俺はすぐに獲りに行くからな。それまで持っとけ。
(だんだんテンションが上がって立ち上がり)なあ、俺は諦めねえぞ! 負け続けて這い上がった人生だ! 俺は何度でもやってやるからな! 俺は諦めねえ! 俺はお前からIWGPジュニアのベルトを奪う! それまで俺にキッチリ見してくれ! 完全に俺の負けだ(と言って、マイクを叩きつけて退場)」

第5試合


 飯伏とタイチの対面でゴングが鳴ると、2人が正面から組み合おうとしたところで飯伏の背後からザックが急襲。棚橋が大声でそれを教えたため飯伏はすぐに振り返って迎撃し、棚橋&飯伏がダブルのバックエルボーでザックを排除し、タイチにもダブルのバックエルボーから腕を組んでのダブルエルボードロップ。
 棚橋がタッチを受けると、タイチにフライングフォアアームを見舞うも、タイチは即座にデンジャラスバックドロップで反撃。全員場外に散って乱戦となり、タイチが棚橋へ鉄柵へのギロチンホイップから鉄柵を使って首を絞めていき、棚橋を一旦リングに戻して場外カウントを止めてからさらに場外でマイクケーブルを使って「なにが絶好調だ!」と吐き捨てながら棚橋の首を絞め上げる。
 戦いの場がリングに戻るとザックがタッチを受け、ネックロック、ネックツイストと首へのダメージを集中させ、タイチにタッチし2人で棚橋の首を踏みつける。
 タイチはザックともにチンロックで棚橋の首を痛めつけてザックにタッチ。
 ザックはフェイスロック、クロスアームスリーパーと捕らえてさらにネックツイスト。タイチにタッチ。
 タイチは「なにが調子いいだ?そんなもんか。辞めたらどうだ?馬鹿じゃねえか?」と顔面を蹴りつけ、棚橋がエルボーで反撃すると喉輪で黙らせる。さらにタイチがジャンピングハイキックを放つが、棚橋はこれをガードしてブーメランアタック。飯伏にタッチ。
 飯伏はザックを場外に突き落としてからタイチにパワースラム、場外に落ちたザックへプランチャを見舞い、すぐにリングに戻ってタイチにその場飛びのシューティングスタープレス。さらにドラゴンスープレックスを狙うが、タイチはこれを振り払ってソバット。タイチは「食らわしてやる」と強烈なミドルキックを放つと、飯伏もミドルキックで反撃。そのまま両者ミドルキックを打ち合っていき、タイチがジャンピングハイキック。そしてパンタロンを脱ぎ捨てて天翔十字鳳を放つが、飯伏はこれをキャッチしてソバット。タイチがハイキックを叩き込むと飯伏もたたらを踏みながらもハイキックを返し、両者バタリと倒れ込む。両者タッチへ。
 棚橋はザックの蹴りをキャッチしてドラゴンスクリュー。さらにザックの足をロープに絡めてのドラゴンスクリューと続け、テキサスクローバーホールドも位置が悪くザックが決まり切る前にロープブレイク。棚橋はスリングブレイドを狙うが、ザックが腕を取ってバックスライドを狙う。棚橋がこれを耐えているとここにタイチが入ってき棚橋の顔面にフロントハイキック。そしてタイチは「折るぞ!」とユニオーネの竜巻の体勢も、飯伏がミサイルキックでザックを吹き飛ばす豪快なカット。そして飯伏がタイチをフルネルソンで捕らえ、棚橋が因果応報(掟破りのユニオーネの竜巻)。さらにザックにも因果応報。棚橋はザックへスリングブレイドを狙うが、ザックはこれをキャッチして脇固めから足も固める変形のジム・ブレイクス・アームバー。そこへ飯伏がザックの腕を強引に外してそのままカミゴェの体勢も、タイチが飯塚高史の形見であるアイアンフィンガーフロムヘルを持ち出すとザックを解放して腕へのハイキックで地獄の爪を吹き飛ばす。さらに飯伏は棚橋とともにザックへゴールデン☆ブレイド2連発。そして棚橋がコーナートップからハイフライアタック、続けてハイフライフローを放つがザックがこれを回避し、タイチが飛び込んできて2人でザックメフィスト。これが完璧に決まるとこれで3カウント。

<試合後コメント>
タイチ&ザック・セイバーJr.
タイチ「俺らのプランが上回ったようだな。棚橋! 棚橋! え、乾杯? ああでも俺ダメだ、車だ今日ちくしょう。しょうがねーな、しょっぱい水でよお……。乾杯は」
(※タイチが水で、ザックがZIMAで乾杯をし) 
タイチ「(※記者達に向かって)乾杯って早く言えよこの野郎! なんなんだ。オイ、棚橋! 絶好調だ、好調だ? 絶好調が復活した? カンバックして見せる? カンバックして見せかけさせたんだよ! 意味分かるか? おまえが調子に乗ると、わざと俺らが引き立ててやったんだ。それぐらいもわかんないか、なあ? バカだなおまえは心底。おまえによ。おまえに復活もクソもねーんだよ。もともとよ。別に復活してねーんだよおまえ。ただ、ちょっと勝ったぐらいで。それも全部わざとだ。俺らの全て手の内に踊らされて、おまえが調子取り戻りたと。おだててやったんだ俺らがよー。絶好調ですね棚橋さん。じゃあやりますか。何も変わっちゃいねーんだおまえ。その超好調ぶりを出さしてやってからのコロっと、これら、もう俺ら最初から練っていた。わかってたんだよ。あいつを調子に乗らせてやろうって。そっから一気にいってどん底につき落としてやるって。どうだ? ゴールデンボールズ!」
ザック「終わりだ」
タイチ「もうないだろ! ゴールデンボールズの馬鹿なファン共もよ。今日の俺らの戦い見て、文句つくとこあった? 前の時はよ、なんかガチャガチャガチャガチャブスな女どもがよ、あいつら2人に抱かれたい女どもがよ。ガタガタ言いやがってよ。今回はどうだ、ガタガタ言えんのか? 調子に乗った棚橋が悪りいんじゃねーか? 俺らに文句つけるやついんのか? もうねーだろ。ゴールデンボールズもぐうの音も出ねーだろ飯伏! やっぱりおまえは死神だったな。おまえがいるから棚橋が勘違いすんだよ。棚橋があんなんなってオメー。やっぱりおまえは死神だった。俺が読んだ通り、棚橋、おまえも俺が読んだ通り調子に乗ったとこで、コロっと全て、全て、俺らの手の中でおまえら踊ってたんだよ。それぐらい気付かないか。だからこの結果になってんだよ。ベルトはあいつらを求めてない、おれらを求めてんだ。分かるか、なあ? このベルトは俺らを求めて戻ってきたじゃん」
ザック「誰も俺たちを止めることはできない。ゴールデン・ボールズはお終いだ。バカ供が。防衛戦でも負け、今日のリマッチでも俺たちに敗北。そもそもリマッチの権利さえなかったくせに。俺たちは心優しいから仕方なく挑戦させてやっただけだ。だが、俺たちは同時に危険なんだ。でもこれであいつらも完全に終わりだろう。エースは死んだ。ベルトはデンジャラス・テッカーズのものだ。俺たちこそが新日本最強のチームだ。もう誰も俺たちを止められない」
タイチ「オイどうすんだ新日本プロレスよ! おまえらが一番可愛がってて、一番獲って欲しかったチームが2回も俺らにやられて。まさか3回目も出してくんじゃねーだろうな(苦笑)。下らねーことぬかすなよ。オイ、おまらゴールデンボールズのファンも誰も認めねえ。まあゴールデンボールズも終わったけどな。どうすんだ新日本プロレス。いいんだなじゃあ? 約束通り、このベルトが俺らにあるってことはよ、なあ? 俺らが、前も言った通り俺とザックが中心なってやっていくぞ。俺らにだってよ、プランがあるんだ。この先のプランがあるんだ。だからこのベルトはゴミみたいなベルトかもしんねーけどよ、ゴミみたいなやつが挑戦して来っからよ。ゴミみたいなもんにも価値あんだよ、一応な。俺らにだってよ、考えてることあんだよ。」
ザック「ベルトの防衛こそが第一の目標だ。お前らバカ供、目を見開いてよく見とけよ」
(※ここで、なぜかコメントルームの火災報知器が鳴る)
タイチ「ほら、火災発生だよ、ほら。火事だ火事」
ザック「お前ら俺たちにケンカ売ってんのか? 火災報知器が鳴ってるのにケータイ見てるとはどういうことだ!」
タイチ「何早く終わらせろっていうのか喋るのをよ! それ鳴らしてテメー、オラガキ! おまえ鳴らしたんだろわざとよ! 早く帰れってことか! なんだおまえこの野郎!」

――鳴らしていません
タイチ「おまえだろこの野郎! おまえゴールデンボールズの刺客かテメーこの野郎!」
ザック「何で誰も気にも留めないんだ? やっぱり新日本は俺たちに喧嘩を売ってるんだろ。ちっとも笑えないぞ」
タイチ「いつまでも喋ってやるぞこの野郎! 10分でも20分でもこの野郎テメー! なんだあいつこの野郎、ふざけんな。いいところでよ。まあそういうこった。他にいねーだろ。俺らにもうこねーだろ。俺らはよ、実力だけじゃねーんだ。(※頭を指して)こっちもあんだよおまえらと違って。こっちも全て使うんだよ。今日の試合みたいにな。ただ勝ちますって言ってるだけねえ。なあ、ゴールデンボールズ! おまえらが身体をシェイプしてもさ、どんだけ絞っていい身体になっても意味がないってこと今日わかったろ? 最後にでるのは(※お腹を叩き)体重差だ。体重差とこのザックのこのからみつくこのボディーだ。わかったか。なあ絞ってなあ、筋肉つけたって意味ねーんだよ。次行くぞ。これ(IWGPタッグベルト)持って。次は『G1』だ、なんだ? 知らねーぞ。『G1』ももうなしだ。」
ザック「次は『G1』か? でも俺たちはタッグ王者だからな、『G1』なんて今はどうでもいい」
タイチ「こんな暑いのに。つーかこれ(※IWGPタッグベルトを叩き)ある以上俺ら、やらせてもらうぞ。な、今はまだ言えないけどな、ザックな。まあ楽しみにしとけよ。残念だったなゴールデンボールズ。解散だ。あとは好きにしろ。死神さん、俺のとこに来てもいいぞ」

棚橋弘至&飯伏幸太
飯伏「大丈夫ですか? 大丈夫っすか?」
棚橋「うわああああああ、くそっ!!」
飯伏「何で負けたんですか? え、入ったんじゃないですかハイフライフローが。勝ってないっすか。何があったんすか? 完全に優勢だったじゃないですか。何が起きたっすか」
棚橋「せっかくさ、飯伏くんが俺を待ってて、こうしてタッグもねタイトルマッチにこぎつけたのに。情けない! 本当ごめん。でも! ……今日は負けてしまったけど。……まださ、俺はゴールデンエース、まだ続けたいと思ってるけど、それが本当にいいことなのかどうか。……すぐには答えでないと思う。だから! 飯伏くん……またいつか組もう。またいつか組んでくれ! 俺が絶対、調子上げて、今よりも調子よく戻ってくるから。それでいいか?」
飯伏「棚さん。棚橋さんが、僕のところまで来てくれるんだったら」
棚橋「オシッ!」
飯伏「僕はいつでも組みますよ」
棚橋「オシッ!」
飯伏「一旦……、一旦」
棚橋「そうだな」
飯伏「そのタッグ戦線としては、ここで」
棚橋「そうだな。『G1』も始まるしな……」
飯伏「でも!」
棚橋「でもこのまま中途半端で終わらせるの本当なんか俺のキャリアの中で一番悔しいから。絶対、絶対またいつかでいいか」
飯伏「それは僕も思ってます。これは終わらせてはいけないと思ってるし。ただ、僕は僕で、シングル戦線。『G1』も始まるし。絶対に『G1』をトップで、そして棚さん」
棚橋「うん」
飯伏「そこで、また組みましょうよ」
棚橋「それ言っちゃう? それ言ったら俺『G1』獲るよ!」
飯伏「同じブロックだったら負けません」
棚橋「そうだな、ブロック分けまだわからないもんな」
飯伏「もし、違うブロックだとしても決勝で会いましょう」
棚橋「そうだな、そういうことになるよな。そしたら俺が完全に復調したって証明にになるからな」
飯伏「そこで勝ったら、さらに僕は認めますよ」
棚橋「じゃあ『G1 CLIMAX』の決勝で俺が勝たないとタッグは組めないってことだよな?」
飯伏「組めないっす」
棚橋「よしわかった! 答えは出たぞ!」
(※棚橋はここで去り)
飯伏「答えは出ました。僕が優勝します。でも優勝したら、僕、権限ありますよね、発言権、ね。そしたらまた組めます」

第6試合


 EVILが試合前のベルトの一時返還を行っているところでディック東郷が内藤につっかかり、内藤が場外へ放り出して排除。内藤の目が場外の東郷へ向いたところでEVILがIWGPヘビー級のベルトで内藤を殴打し、場外で内藤を痛めつける中でゴングが鳴り、EVILと東郷はウルフパックポーズを合わせてふてぶてしく笑う。
 EVILはリングの下から2脚のパイプイスを持ち出し、内藤の首に1脚かけて残るもう1脚でフルスイング。神宮球場だけにホームランを意識したか、EVILはバックスクリーンを指差す。
 内藤がよろよろとリングに戻ると、EVILは東郷がコーナーマットを外しておいた金具むき出しのコーナーに内藤を叩きつけ、フェイスロックでじっくりと痛めつける。内藤はファンからの応援を受けて立ち上がりEVILを振り払ってロープに飛ぶが、場外から東郷が内藤の足を引き倒し、EVILがスイングネックブリーカーで追撃。さらにEVILはブレーンバスターを狙うが、着地した内藤がスイングDDTを狙う。EVILはこれを途中でホイップして外すものの、内藤は即座にロープへ飛んでドロップキック。
 内藤はEVILのラリアットをかわしながらロープへ飛び、場外の東郷へスライディングキック。さらにEVILにはフランケンシュタイナーから振り子式ドロップキックを見舞い、拳を神宮の空に突き上げる。そして内藤はスイングネックブリーカーからプルマ・ブランカ。しかしここで東郷がイスを持ってエプロンに上がると内藤はこれを警戒して技を解除。EVILは内藤のキックをキャッチしてレフリーに持たせた上で股間へ低空トラースキック。さらに内藤の足をロープに引っ掛けて延髄ラリアット、宙吊りになった内藤の顔面へフットスタンプ。そしてEVILは内藤をエプロンに連れ出してダークネスフォールズを狙うが、内藤はリング内に着地して水面蹴り。続けて断崖式のスイングネックブリーカー。
 内藤はEVILをリングに戻してコーナーに上げると雪崩式フランケンシュタイナーからグロリアを狙っていくが、EVILが抵抗するとストンピング連打から引き起こす。しかしEVILが三たび金具むき出しのコーナーへと叩きつけ、串刺しラリアット、さらにトップロープからの雪崩式ブレーンバスター。さらにEVILはダークネスフォールズから内藤の首を掻っ切る仕草を取り、EVILの体勢に入るも、内藤はこれをかわしてバックを取る。EVILは背面に走り金具むき出しのコーナーへ4度目のアタックをかけるも、内藤は怯まず組み付いてスイングDDT。
 内藤はEVILに浴びせ蹴りからグロリア。さらにリバース式のスイングDDTからデスティーノを狙うが、EVILがサミングからレフリーへ突っ込んでいって視界を塞ぎ、東郷が場外から内藤へイス攻撃。すかさずEVILがEVILの体勢も、内藤がギリギリでかわしてエルボースタンプを連打。そしてエプロンに上がってきた東郷へEVILをぶつけてロープへ走るが、EVILはレフリーを盾にして内藤の突撃を防ぎ、EVILがレフリーを金具むき出しのコーナーへ叩きつけて失神させる。
 無法地帯となったリングに東郷がリングに上って内藤へストンピング、フィストドロップと痛めつけ、EVIL&東郷がマジックキラー。しかし、ここでBUSHIがリングに飛び込んできて内藤を救出。するとBULLET CLUB側からも外道がリングに上ってBUSHIを排除。
 その隙にEVILがパイプイスを振りかぶるが、内藤はガットショットで未然に防ぐ。さらにその隙に東郷が背後から忍び寄ってスポイラーズ・チョーカーで内藤の首を絞めあげていくが、ここでSANADAがリングに飛び込んできてEVILにドロップキック、東郷へTKO。再び介入してきた外道はBUSHIがコードブレイカーで排除し、SANADA&BUSHIがそれぞれの相手へプランチャで追撃し、邪魔者を鉄柵の外まで連れ出して完全な1vs1の場面を作り出して内藤をアシスト。
 内藤はEVILのラリアットをかわして延髄斬りからジャンピングエルボー、コリエンド式デスティーノ、そして内藤はデスティーノを狙うがEVILはレフリーを引っ掴んで妨害するとラリアット。EVILはEVILの体勢も、内藤はエスペランサで切り返し、EVILのローブローも読み切ってガード。そして強烈な張り手からバレンティア、そして最後はデスティーノで叩きつけ、3カウントを奪った。

内藤「ブエナス・ノーチェス!神宮球場~ッ!21年ぶりの新日本プロレス、神宮球場大会。そして、野外にて行われる真夏のビッグマッチ。皆様、楽しんでいただけたでしょうか?今回の神宮大会の成功は、テレビの前の皆様、インターネットの前の皆様、そしてこの熱い中、わざわざここ神宮球場に駆けつけてくださった皆様のおかげ。心から感謝致します。グラシアス!アミーゴス!まだまだコロナの影響で我慢の日々が続きますが、その我慢の先に明るい未来がきっと待っていると思うので、エスペレーモス・フントス!一緒に乗り越えていきましょう!ではでは、神宮大会、最後の締めはいつものアレ。でも、でも、今日は皆様と一緒に大合唱が出来ませんが、是非心のなかで一緒に叫んでください。新日本プロレス、21年ぶりの神宮大会のフィナーレ、最後の締めはもちろん、BUSHI!SANADA!ヒロム!鷹木!イ・内藤!ノス・オトロス!Los Ingobernables de Japón!」

 そして神宮の夜空に花火が上がり、内藤の勝利を祝福。内藤はリングに寝転び、夜空に向けて拳を突き上げた。

<試合後コメント>
内藤哲也
「もうレスラーになってかなりの時間が経つけどさ、未だにプロレスファン気質が抜けないからさ。この神宮球場、21年前、レフトスタンドで見ていたこと、あの頃のこと、思い出しながら試合しちゃいましたよ。これはもしかして、プロとして失格かもしれない。これが俺の一番の弱点であり、一番の武器かな。21年前の俺に改めて言いたいよ。『キミは21年後、この神宮球場大会のメインイベントで試合し、そして勝利して、マイクで締めることになるよ』ってね。21年前の俺がレフトスタンドにいたら喜んで、『デ! ハ! ポン!』って、心の中で叫んでくれたことでしょう。とりあえず2本のベルトを獲り返した、いやレンタル期間が終了しただけ。返してもらったから。9月から始まるシリーズ、短期シリーズだけどさ、多くのお客様に去年散々言った偉業を達成した姿をお見せしに行きますよ。誰も求めてないかもしれない。誰もそんなこと望んでないかもしれない。そんなこと関係ないよ。俺がやりたいだけだから。俺が見せびらかせたいだけだから。『ほら、宣言通り偉業達成したぜ』って姿を見せたいだけだからさ。誰に何を思われたって構わないよ。俺がしたいことをする。それだけ。9月の3日から2本のベルトと共に入場しますよ。
さあ、皆様質問ありますか? いや、残念ながら今日は答える時間がないな。明日? 明後日? また会見があるんでしょう? え? 俺の場合ないの? そんなことないよね。俺のためにもちゃんと会見は用意されてるんでしょ? ならさ、そこで語ろうかな。そこで皆さんの質問にお答えしようかな。今日はさ、カンサードだよ。疲れちまったよ。じゃあ、俺、帰るわ。でも、今日こうして神宮球場で試合ができて気持ちがよかった。たださ、もっと多くの皆様にスタンドを埋めていただいてる状態の神宮球場でやりたかったッスよね。いろんな困難なことがあるけど、きっとその先に明るい未来が待ってるよ。そう信じて、俺はこれからもリングに立つから。
皆様も目をしっかり開いてさ、俺、そしてロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンの動向をしっかりチェックしたほうがいいよ。じゃあ、皆様、またお会いしますか。アディオス!」

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