映画祭受賞経験を持つ映像作家プロレスラーが単独興行を開催!「俺の人生は俺が主役で俺が勇者」
2日、プロレスラーの今成夢人が単独興行『全身今成』を開催した。
今成は一橋大学世界プロレスリング同盟(HWWA)時代に金的桜ヶ丘として活躍し、武蔵野美術大学の卒業制作として創られた短編ドキュメンタリー映画『ガクセイプロレスラー』が国内外の映画祭で上映され受賞。その後TV局勤務を経てDDTプロレス映像班となり、様々な構成演出や助監督などを行いながらガンバレ☆プロレスのプロレスラーとしてカルト的人気を誇る。
2015年には朝倉兄弟などを排出した格闘技イベント『THE OUTSIDER』に出場し、2017年に“新しい地図”に所属する草なぎ剛のプロレスデビューの相手も務めるなど活躍。その後もWEBメディアでのインタビューやTBS『その他の人に会ってみた』に出演など、持ち前の独特な世界観を世に広めている。
そんな今成が朝9時半から単独興行を行うということで、内容が全く明かされていないながらも100人以上の観客が詰めかけ興行はスタート。
いきなりお客さん全員が神父に扮して現れたガンバレ☆プロレス代表・大家健のデッサンをすることになるが、このデッサン一つ一つが描いた本人の個性が出た今後の人生を歩むための冒険の書であるという説明とともに、某国民的RPGの勇者に扮した勇者イマナリが登場。
すると全身黒タイツの敵・ガンバレ☆スライムが現れ、勇者イマナリは目に見えない周囲からの攻撃になすすべもなくボコボコにされていく。しかし時間の経過とともに敵との闘いが終わりに近づいてくると、勇者イマナリはDDTで倒しレベルアップ。プロレスという技で今成は敵と戦うことを覚え、序盤の闘いから卒業した。
すると神父オオカが再度現れ、今回この興行が行われている朝9時半から10時は今成夢人が10年前に某TV局営業部で働いていた時代の出勤時間であり、毎朝名古屋のコメダ珈琲で先輩に説教を浴びせ続けられたトラウマがあると解説。当時の上司によく似た幻覚が勇者イマナリの前に現れ「大学でプロレスとか映画作ったりしててもっとイケてるやつかもと思ったんだけど、お前全然イケてねーな」とクリティカルヒットな罵声を浴びせるが、勇者イマナリは「10年前の俺とは違うんだよ!」とコメダ珈琲の豆で豆打ちを行いトラウマを払う。
続いてドキュメンタリー映画『ガクセイプロレスラー』にて主演を務めたエロワード・ネゲロによく似たコンビニ店員・ミスターローソンが現れ、勇者イマナリがSサイズのカップでMサイズのボタンを押した挙げ句にイートインコーナーでコーヒーを飲んでいたと殴りかかるが、勇者イマナリはなんとかDDTで迎撃。
ラスボスとしてプロレス業界を脅かす人工知能だという某ステーション1・2・3・4が合体した敵OSが現れると、勇者イマナリが年収を答えるまで殴り続け、勇者イマナリが10年間変わっていない年収を答えると高笑い。だが勇者イマナリは唯一ディスク開放ボタンがあるステーション1のボタンを押し、レンズユニットを故障させて勝利した。
闘いが終わると大家はプロレスラーとしての今成夢人を評価し、勇者イマナリも「大家さん、ほんとに俺にとってはあんたが神父様だと思ってる。7年前、ほんとに何もなかった自分に、プロレスをやる場所を与えてくれた大家健!自由にこのリングで表現をさせてくれるガンバレ☆プロレスを作ったのは大家さんです」と叫び、今成夢人が助監督を務めた『劇場版プロレスキャノンボール2014』の道中でルール的には意味のない野良試合を行い続けた大家と今成の姿をお互い思い出すと、二人ははにかみながら当時のように思い切りチョップを打ち合う儀式へ。
最後は今成が「いいか?自分を脇役だと思うんじゃねー。人生の主役はテメーだ。つまり勇者は自分自身だ!お前らの中にいる勇者を解き放つ準備できてるか?お前らに勇者になる覚悟はあるか?俺はあるんだよ。俺の人生は、俺が主役で俺が勇者なんだ。この朝早くから集まり、みんなそれぞれ白いキャンバスに何かを描いたよな?俺は十数年前にキャンバスを描くことから始めた。俺は自分の自画像を描くことが苦手だった。描いても描いても似なかったよ。でもどうだ?今オレは、このリングで自分の自画像を表現している!そこにあるのは、自分自身だ!みんなも、その白いキャンバスに!何かを描く人生であってほしい!俺はそう思ってます!今日はそういう意味も込めてこの大会やりました。僕は、大家代表にプロレスで表現をすることを、する機会を与えてもらいました!今日このリングにあった断片は、僕の中にあったものです。必ずこれからも、これらの断片の一部をプロレスに活かします。皆さんも、それを見たいと思うのであれば是非ガンバレ☆プロレスを見に来てください!」と自分とお客さんを鼓舞。
そして「いいですか!?そのキャンバスを描くのはあなた達自身です!3,2,1!全身今成!」の掛け声で会場が一体となったが、そこへ石井慧介が乱入し今成をフィッシャーマンバスターでKO。
全滅によるゲームオーバーとなった事が会場に流れるが、今成は「必ず石井慧介に勝ちます!2月24日見に来てください!インディージュニア俺が獲って、インディプロレスの大逆襲を俺が作ります!」と咆哮した。
自分が勇者であれば、諦めない限り何度でも立ち上がり挑むことができることをプロレスで表現した今成。強き心は時を越えて、今成は2月24日に開催されるガンバレ☆プロレス成城ホール大会で石井慧介の持つインディージュニア王座へと挑む。