49歳の小島聡が47歳のウルティモ・ゲレーロのCMLL王座に挑戦も惜敗!「生きてりゃまだいいことあるだろ。また明日から頑張ればいいじゃねえか」
19日、東京都・後楽園ホールにて新日本プロレス『NJPW PRESENTS CMLL FANTASTICA MANIA 2020』が行われ、小島聡がウルティモ・ゲレーロの持つCMLL世界ヘビー級王座に挑戦するも戴冠を逃した。
毎年1月に開催される新日本プロレスとCMLLの合同大会は今年で10回目。1980年代から新日本プロレスに参戦し、2003年のレフェリーに転向後に日本とメキシコの橋渡しに奔走しつつ2006年に逝去したブラック・キャットさんが残した両団体の交流は選手の行き来だけではなくこうした形でも残っている。
そして、当シリーズは小島聡が輝くシリーズとなりつつある。
昨年、小島は“オリジナル・ロス・インゴベルナブレス”のテリブレとの抗争を展開し、前哨戦では継承ウエスタン・ラリアットでKOする古強者としての意地を見せ、決戦となるシングル戦では敗れたもののこの試合は世界で評価された。
さらに今年は当シリーズでもおなじみの選手であるウルティモ・ゲレーロが持つCMLL世界ヘビー級王座に挑戦する機会を得た。
日墨が誇るベテランヘビー級選手同士の対決はショルダータックルと逆水平チョップでの意地の張り合いに始まり、加熱した二人の戦いは南側客席上段にまでなだれこむ場外乱闘に発展。
さらにゲレーロは小島の所作を真似ながらもマシンガンチョップを繰り出していき、小島もオリジナルのマシンガンチョップからいっちゃうぞエルボーを決めてみせ、プランチャや雪崩式フランケンシュタイナーを繰り出すなど普段はあまり見せない立体的な攻撃で畳み掛ける。さらに小島はラリアットで試合を決めにかかるが、ゲレーロは小島の足をキャッチするとそのまま力任せに持ち上げてシットダウン式パワーボム。さらにゲレーロ・スペシャルで叩きつけて3カウントを奪った。
試合後、小島は「そうは上手くいかねえよ、甘くねえよ、プロレスは。プロレスは甘くない。とても厳しい戦いだけどさ、生きてりゃまだいいことあるだろ。死んでねえんだ。今ボロボロだけどなんとか立って歩いて帰ってきた。だったらまた明日から頑張ればいいじゃねえか。な?そういうことだ。ずっとそうやって生きてきた。CMLLの選手、これだけすごい選手がいるってことをまた実感できたってことは俺のプロレス人生の中でもとても幸せだと思ってる。全然大丈夫だから、また明日から元気よく!元気よく生きていく!」と最初はうなだれつつも最後は前を向いた。
対するゲレーロは「本当にキツいタイトルマッチだった。小島は素晴らしい選手だ。彼のような強い選手と戦えて楽しかった。小島が望むならいつでもいつでもどこでもリマッチをさせてやる。彼のような本当に強い選手はめったにいない。だが、その小島から勝ったのはこの俺だ!」と自身の勝利を喜びつつも小島を絶賛。
小島は第3世代の中でも驚異的なコンディションの良さを保ち、今月4日の東京ドーム大会では自身の試合が第0試合であったことを嘆きつつも「この状況を打破するには、自分自身が少しでも鍛えて、少しでもトレーニングして、練習もして、プロレスラーとして日々どんどん上昇して、向上心を持って過ごしていかなきゃいけない」と決意を語るなど未だトップを狙う気概を持ち合わせている。
後輩である中西学が引退を表明する中、まだまだ前線で活躍する小島の2020年の再起に期待が持たれる。