【試合詳細】11・27 みちのくプロレス新宿FACE大会 剣舞&ラッセ&SUGIvs拳王&MUSASHI&日向寺塁 拳剛&竹田誠志vs望月成晃&のはしたろう ザ・グレート・サスケ&大谷晋二郎&金本浩二&田中将斗vs新崎人生&ディック東郷&日高郁人&佐々木貴
『フジタJrハヤト支援大会~ハヤトエール~』
日程:2019年11月27日(水)
開始:18:30
会場:東京都・新宿FACE
観衆:588人(超満員札止め)
▼シングルマッチ 15分1本勝負
○HAPPY-MAN
9分58秒 HAPPYアタック→片エビ固め
●グリーン・アント
▼3WAYタッグマッチ 20分1本勝負
ヤッペーマン1号/○ヤッペーマン2号
9分43秒 逆さ押さえ込み
阿部史典(BASARA)/●澤宗紀(フリー)
※もう一組は[バラモン兄弟]バラモンシュウ(フリー)/バラモンケイ(フリー)
▼8人タッグマッチ 20分1本勝負
ザ・グレート・サスケ/大谷晋二郎(ZERO1)/金本浩二(フリー)/田中将斗(ZERO1)
20分0秒 時間切れ引き分け
新崎人生/ディック東郷/日高郁人(ZERO1)/佐々木貴(FREEDOMS)
▼6人タッグマッチ 30分1本勝負
剣舞/●ラッセ/SUGI(ZERO1)
12分14秒 二天一流→体固め
拳王(NOAH)/○MUSASHI/日向寺塁
▼タッグマッチ 30分1本勝負
○拳剛/竹田誠志(フリー)
15分41秒 フロッグスプラッシュ→片エビ固め
望月成晃(DRAGON GATE)/●のはしたろう
フジタ”Jr”ハヤトのエール大会でハヤトが復帰への熱い気持ちを叫び拳剛を復帰戦の相手に指名!サスケが金本とのシングル戦を熱望!拳王がみちのくに帰還!
オープニング
大会開始時間を迎えるとハヤトが入場し、しっかりとリングを拝んでからリングイン。マイクを取り観客に向けて挨拶を行った。
ハヤト「本日は、ド平日にすみませんでした。でも、来てくれてほんとに嬉しいです。ありがとうございます。ぱぱっと試合を始めて、皆さんを早く家に帰してあげるのがいいかなと思うんですけど、皆さんに今の僕の身体の現状をお伝えします。ガンの腫瘍が見つかって、手術もしたんですけど、神経を残して、その周りについてる7割位を取ったんですけど、また大きくなってきてしまっているので。まあでも、大丈夫っす。やっぱりプロレス・格闘技界にハヤトがいないとつまんないと思うんで。まあ、上から徳さん(山本“KID”徳郁さん)も見てるんで、あんま怒らせないようにしないといけないから、必ず戻ってきてまた皆様の前で、こういう挨拶はもう終わりにして、今度は戦う姿を見せたいと思います。ホントに今日来れなかった方々、たくさんいて、応援メッセージをもらったり、めちゃくちゃパワーを貰っています。今日来てくださった方、会社を休んだり、学校を休んだりして調整してきてくれてるファンの皆様、メチャクチャ大好きです。ありがとうございます。今日の試合、対戦カード、発表したんですけど、順番は今俺がここで決めます。それで大丈夫ですかね?大丈夫ですね?間違えちゃいけないんで、カンペを作ってきました。今日は僕のためにエールを贈ってくれる会みたいになってますけど、今から普通にお祭りを楽しんでもらえれば、俺は勝手にみんなからパワーを盗むんで、宜しくお願いします(笑)
(ハヤトによって試合順が発表される)
全5試合、そしてライブ。みなさんよりも俺が一番はしゃぎたいと思いますので、ド平日の中休みだと思って、明日からの学校・仕事、みんなが明るく楽しく行けるように、俺が一緒にみんなと盛り上がりたいと思いますので、皆さん楽しんでください。始めます」
第1試合
ゴングが鳴ると両者グラウンドで首を取り合い、これを制したHAPPY-MANがアントを監獄固めで痛めつける。アントが下から打撃を見舞っていくとHAPPY-MANはフロントネックロックに取るが、これをリストを取って切り返したアントがそのままロープに飛び乗り、トップロープとセカンドロープを軽やかに跳ねながらスワンダイブ式アームドラッグ。
アントはさらに突っ込んでいくが、HAPPY-MANはカウンターのヒップアタック。二発目もきれいに決め、三発目を放つが、アントはこれをキャッチしてアトミックドロップ。さらにドロップキックを決めてからHAPPY-MANのアンテナをもぎ取ろうとしながらフェイスロックへ。
HAPPY-MANがロープブレイクするとコーナーに振って串刺しジャンピングエルボーを放つが、HAPPY-MANはこれを回避してチョップ合戦に持ち込む。しかしHAPPY-MANはみるみる劣勢になり、打ち負けたところへアントがスリーパーホールド。ぐったりとして意識を失うHAPPY-MANだったが、KO直前に息を吹き返してブレイク。
アントはHAPPY-MANをロープに振っていくが、HAPPY-MANはクロスボディで切り返し、アントの打撃を受けてハルクアップ。さらにビッグブートからHAPPYプレス。さらにHAPPYアタックを狙っていくが、アントがデッドリードライブで切り返し、みちのくドライバーからコーナーに上っていくが、HAPPY-MANはアントのアンテナを掴む意趣返しからデッドリードライブ。さらにコーナーに上がってHAPPYアタックでトドメを刺した。
第2試合
“一般人”の澤がスーツ姿でハイテンションに入場すると、バラモンや1号から「お前なんの仕事してんだよ」「なんで指怪我してんだよ」「一般人じゃねーだろ」と総ツッコミを受ける。
2号、ケイ、澤の対面でゴングが鳴ると、3組がそれぞれパートナーに肩車をさせて2階建てのロックアップ、これがすぐに崩れ落ちると1階部分を担当していた選手たちがロックアップ、さらには6人でのロックアップを見せるが、バラモンが澤に水を噴射してお開きになり、全員で会場を阿鼻叫喚の渦に巻き込む場外戦へ。
その中で1号が観客の女性からバッグやコートを奪ってリングに上がってシュウの水噴射攻撃を次々と観客の持ち物で防いでいき「千賀死ね!」の大合唱の中、コートで自らの脇の下やタイツの中をゴシゴシと拭いていく。
ここで澤が全身を躍動させて楽しそうに「せっんが死ねっ♪せっんが死ねっ♪」と踊りながらリングに入ってくると、イラついた1号が澤を押さえつけシュウが澤の顔面に水噴射。そしてヤッペーマンと兄弟が4人で澤の衣服を剥いでいくと、きちんとランジェリーを装着しており観衆が沸く。そしてヤッペーマンたちは「一般人ロケットだ!」と澤を2人で担ぎ上げて阿部にぶつけようとするが、シュウがスーツケースを澤の顔面に思いきり投げつけて派手にカットし、スーツケースをセットしてボウリング。ストライクが決まると、ヤッペーマンたちが2人で同時にビッグブートを放つが、澤はこれをキャッチして2人まとめてドラゴンスクリュー。命からがら阿部にタッチ。
阿部も2人まとめてのドラゴンスクリューで続き、兄弟をそれぞれ伊良部パンチで撃退。そして阿部とともに2号へ回転浄土宗を放っていき、さらに阿部のセットから澤がフラッシングエルボー。続けて阿部と澤がヤッペーマンを同時の伊良部パンチで撃退する師弟競演を見せると、阿部が「シャイニング行きましょう!シャイニング!」と嬉しそうに提案して2人でプロレスLOVEポーズを決めるが、これを2号が事前に回避。澤が2号を羽交い絞めにするとシュウが交通標識を持ってリングに飛び込んできて2号めがけて振り下ろすが、案の定澤に誤爆。さらにケイが澤の顔面に灰をぶっかけ、澤を押さえつける2号めがけて阿部が伊良部パンチを放つが、これもやはり澤に誤爆。ボロボロになった澤を2号が逆さ押さえ込みで沈めた。
第3試合
田中と東郷でゴングが鳴ると、両者全く無駄のない美しいチェーンレスリングを展開し、首の取り合い、腕の取り合い、アームドラッグの応酬とシームレスな攻防を見せてクリーンブレイクし、両者タッチ。
日高と金本の対面となると、ロックアップを振り払った金本がソバットで先制し、日高とのミドルキックの打ち合いに。両者が同時に放ったハイキックが両者の側頭部に同時にヒットすると両者たたらを踏むが、耐えきった日高がソバットからロープに飛ぶも、金本は払腰でカウンター。両者距離を取ってタッチ。
人生と大谷の対面となるとショルダータックル合戦となり、大谷が優勢。すると人生はリープフロッグや側転で大谷のタックルをかわして拝み渡りを決める。すると、佐々木が「岩手の先輩とやらせてください!」と同郷のサスケとのマッチアップを熱望したため両者タッチ。
佐々木が張り切ってリングに飛び込んでいくが、サスケは「コォォォ……」と息吹を吐きながらゆっくりと気を練っていき、困惑した佐々木は自軍コーナーに戻って「アレなんすか?」と先輩たちに指導を仰ぎに行く。その間にもサスケは気を練り続けていき、佐々木が「岩手で俺が憧れたサスケさんじゃないよ!別人だよ!変わってしまったよ!」と心底悲しそうに嘆く中、麺棒で気を伸ばして程よい幅にカットした上で鍋に入れて茹で上げ、最大まで高めた気を佐々木へ放出。佐々木はこれをバキューンポーズで受け止め、一度は押し負けそうになるものの「バキューン!」とサスケの気ごと撃ち返してサスケを吹き飛ばす。しかしサスケは起き上がり小法師のように座禅ポーズで跳ね起きてくると、佐々木のガットショットを受けて何度も跳ね起きてみせる。
人生に代わるとリバーススプラッシュを放って東郷にタッチ。東郷は佐々木、日高とともに海援隊ポーズを決めてみせる。佐々木に代わるとチンロックからサスケの額を拳でグリグリと痛めつけ、東郷にタッチ。
東郷はサスケにセントーンを見舞い、さらにDDTで突き刺していくが、サスケは自身の頭をガンガン叩きながら「全然効いてない!」とアピール。すると東郷は2発目のDDTからブレーンバスターを狙うが、これをサスケがブレーンバスターで投げ返して大谷にタッチ。
大谷は東郷をコーナー下に座らせて顔面ウォッシュ。カットに来た佐々木は金本が別のコーナーに振って顔面ウォッシュを見舞うと、サスケが大谷の応援にやってくるが、ロープを突き抜けた大谷の足がサスケに誤爆。さらにこれを助けに来た日高にも顔面ウォッシュが誤爆するという伝統芸能を見せる。
東郷は大谷に十字架固めからキックアウトに合わせてクロスフェイスで捕らえるが、これは金本がカット。すると佐々木が飛び込んできてゼロ戦キックでかねもとを吹き飛ばし、さらにトラースキックを放つが、これをキャッチした金本がそのままグラウンドでアキレス腱固めへ。これを日高にカットされるとドラゴンスクリューから串刺しブートを狙うがこれを回避した佐々木が延髄斬りからトラースキックからフォール。
これを田中がカットすると人生がコーナーからブレーンチョップを放って田中を叩き伏せると拝んでからの念仏パワーボムを狙うが、田中はこれをショルダースルーで切り返して弾丸エルボー。さらにラリアットを狙うが、人生が足を取って曼荼羅捻りから極楽固めへ。そして日高がサスケにショーンキャプチャー、東郷が金本にクロスフェイス、佐々木が大谷に卍固めを決める四重奏を見せる。
これをブレイクした各選手たちが場外に出て乱戦となると、サスケがコーナートップからセントーンアトミコを投下し敵味方まとめて押しつぶす。さらに日高をリングに戻してXPWを見舞い、「ラムジャム!ラムジャム!」と煽りながらもセントーン・アトミコを投下。日高はこれを回避し、リバースDDTからショーンキャプチャー。これは人生が田中と揉み合いながらも必死にカットに入り、日高が体制を崩したところでフルタイムドローのゴングが鳴った。
試合が終わればノーサイドということで、ベテランたちはリング上での再会を喜び合い、それぞれ各選手と笑顔で握手。最後は全員で手を挙げて健闘を称え合った。
<試合後コメント>
ザ・グレート・サスケ&金本浩二&大谷晋二郎&田中将斗
サスケ「結果的にはね、私の時間配分の過ちっていうのは否めなくはないんですけど」
金本「いや、勝てましたよね?」
サスケ「あれを経てじゃないと私は今何も出来ない身体なんで」
金本「でも、こねすぎですよね?まあでも、サスケ選手に『お前何年選手や!』って言われてたのに組むとは思わなかったですよ」
サスケ「でも、いつかやりたいっすよね、シングルマッチで!」
金本「付け合せや、俺は(笑)」
サスケ「でもホントにね、ちょっと悔しいですけど、20分じゃ足りない!ということですよ!」
――ハヤト選手のエール興行ですが、この大会について一言ずつコメントをお願いします
大谷「こういった大会で声をかけていただいで、本当に感謝してますね。こんな豪華な試合に入れてもらって、みちのくプロレスさんに感謝しています。ハヤト選手に伝えることはね、プロレスラーは何度でも立ち上がる人間ですから。なんべんも立ち上がるスーパーマンが集まったのが、プロレスラーですから。信じてます!みんな信じてるんで、待ってます!」
金本「ハヤト選手に活を入れるじゃないけど、俺の試合を見て元気をだしてもらいたい!新日本のSUPER JUNIORで俺に負けて負けて、最後は俺に勝ったやろ?その勢いを取り戻してほしいと思ったし、そのために俺は神戸からここまで来たし、ハヤトには絶対復帰してもらって、もう一回、俺みちのくにハヤトにタイトル挑戦して負けてますからね。もう一回あのときのハヤトを取り戻して欲しい。それだけや。そのために俺は頑張りました」
田中「火祭りにも出てもらったり、僕らのユニット・弾丸ヤンキースの仲間でもあるし、本当にまたリングの上で隣に立つなり、目の前に立つなりのその時を僕は楽しみに待ってるんで。いつまでも待っています」
サスケ「今日はね、みなさんが団体の垣根を超えてね、『届け!ハヤトに!』という想いで集まってもらって、これはどの業界でも無いと想いますね。スポーツ業界とかいろんな業界見てもね、『誰かのためにみんな集まろう!』っていうのはプロレス界だけだと思いますし、改めてプロレス界にいさせてもらってよかったなって、しみじみ思いました。本当に業界の皆さん、ありがとうございます。素晴らしいです」
新崎人生
――試合を終えていかがですか
「まだ途中なので。今日はまだなんとも言えないんですけど、ハヤトのために皆さんが手を挙げてくれて、ハヤトも今日は副作用も大分ちょっと、調子がまあまあいいみたいで、非常に、今のところは試合を見て楽しんでくれてるんじゃないかなって。とにかく今日は出てくれた方々、見に来てくれたお客様、こうやって集まってくれたマスコミの方にも感謝を。これでハヤトがちょっとでも元気になってくれればっていう大会なので」
――ハヤト選手の父親代わりとしての想いは
「ただ、今は1レスラーとしてこの大会に参加していますので、そこは割り切ってやりました。ハヤトに感想を聞いてみたいと思います」
J-REXXXライブ
ハヤトの友人でもあるミュージシャンのJ-REXXXがリング上でライブを行い、『MINORITY』『アミシャツ』『最近の若いやつは』の3曲を披露。
コール&レスポンスで会場が一体となり、会場はリングを中心に多幸感に満ちた空間となった。
第4試合
両軍一人ずつ順番に入場し、MUSASHIが最後に入場するとラッセらを奇襲して乱闘となる中ゴング。
リングに残ったのは拳王とラッセ。拳王がエルボーの連打からPKを放つが、ラッセがこれを回避してスクールボーイ、さらにロープに飛んでジャンピングエルボーで一矢報いて両者タッチ。
日向寺と剣舞の対面となると、両者スピーディなロープワークの攻防を行うが、剣舞がこれを制してフランケンシュタイナーで放り捨てると両者タッチ。
MUSASHIとSUGIとなると、両者アームドラッグの応酬からSUGIがフランケンシュタイナーでMUSASHIを場外に放り捨て、場外飛びのフェイントで挑発。
日向寺がSUGIを背後から襲撃すると、剣舞が入ってきて日向寺をカニバサミで倒し、ラッセが低空ドロップキック、SUGIがランニングシューティングスタープレスと連続で見舞っていき3人で「絶好調!」と人差し指を天に突き立てる。
しかし、MUSASHIと剣舞の対面となるとMUSASHIがエルボーで打ち勝ち、軽快にタッチを回しながら拳王がサッカーボールキック、さらに日向寺が「退団前に素顔を暴いてやる!」とマスク剥ぎを狙っていく。これをSUGIにカットされると向きを変えながらリング四方に見せつけるほどの滞空時間のブレーンバスターを放ち、MUSASHIにタッチ。
MUSASHIは剣舞をコーナーにくくりつけて串刺しのチョップやドロップキックを見舞い拳王にタッチ。
拳王は剣舞に串刺しダブルニーアタックを見舞い、弱々しくエルボーで反撃する剣舞に「どうした?来いよ来いよ」と頬を突き出して挑発。剣舞は強烈な張り手を見舞ってこれに応えると、拳王も「いてぇな!」とビンタでお返ししてブレーンバスターを狙うが、剣舞はこれを振り払ってドロップキックを見舞いSUGIにタッチ。
SUGIが出ていくと日向寺とMUSASHIが2人でSUGIを捕獲してロープに振っていくが、SUGIはオーバーヘッドキックで2人まとめてリングの外に叩き出すと、ラッセと剣舞が同時のトペ・スイシーダを発射。さらにあとからSUGIがサスケスペシャルで飛んでいき、MUSASHIに741からブファドーラを放つ。MUSASHIはこれを回避してドロップキックのコンビネーションを放つが、SUGIが飛びついてDDT。ここに拳王が入ってきてSUGIにあびせ蹴りを見舞うと、コーナー上からラッセがミサイルキックを発射して拳王を撃退、日向寺が延髄斬りからのスピアーでラッセを撃退すると、剣舞が日向寺に619、ラッセが日向寺にフィッシャーマンズスープレックスを見舞うと、ラッセ&剣舞が日向寺へ同時に延髄斬りからのトラースキック。そこへSUGIが千本桜で追撃し、剣舞が厳鬼を叩き込んでフォール。
しかしここに拳王が飛び込んできて剣舞とラッセへミドルキックを叩き込んでいき、剣舞の側頭部に後ろ回し蹴りをクリーンヒットさせて撃退。ラッセをミドルキックの連打でコーナーまで追いやるとMUSASHIが串刺しジャンピングエルボーからファルコンアロー、ジャーマンスープレックスホールドと畳み掛け、これを返されると二天一流で突き刺して試合を決めた。
試合後、ハヤトがリングに上ってくると参戦選手たちと握手を交わしていき、拳王にも右手を差し出す。これをしばらく見つめていた拳王だったが、最終的にハヤトの手をしっかりと握り返し、2人は固く抱き合った。
第5試合
のはしと拳剛の対面でゴングが鳴ると、ロックアップからリストの取り合い、さらに両者ロープに飛んでロープワーク合戦を展開し、のはしがカニバサミからヘッドバッドを放ち、これを回避した拳剛が低空ドロップキックものはしもこれを回避。両者タッチへ。
竹田と望月は両者突撃していくが、望月が即座にフロントハイキックを放って先制するとエルボー、ソバット、ミドルキックと畳み掛けてショルダータックルを狙うが、これは竹田が逆にショルダータックルで吹き飛ばす。竹田はさらにタックルで突っ込んでいくが、望月がロープを下げて竹田をエプロンに出すと、のはしが竹田を押さえつけ、ロープ越しのランニングサッカーボールキック。
拳剛が入ってくると拳剛にもサッカーボールキックを見舞っていくが、拳剛は怯まず望月の顔面に鋭いビンタ。すると望月はニークラッシャーから膝裏へのローキックを放ちアキレス腱固めに入るが拳剛は自力でロープへ。望月はのはしにタッチし、2人でレッグスプレッドを見舞う。
拳剛はのはしに目もくれずコーナーに控える望月にエルボーを見舞い、のはしはロープに飛ぶと竹田が場外から足を引き倒し、そのまま全員で場外乱闘へ。
リングに戻ったのはのはしと竹田。竹田はニーリフトを連打してのはしに膝をつかせると拳剛にタッチ。
のはしは拳剛にすがりつきながらエルボーで反撃していくが、拳剛は余裕で受け止めてエルボーでのはしを吹き飛ばすと竹田にタッチ。
竹田はのはしをロープにくくりつけてロッキンポ。拳剛にタッチ。
拳剛はのはしをバタフライロックで固め、のはしがブレイクするとコーナーチョップから串刺しエルボーを狙うが、これをかわして組み付いたのはしがバックドロップで一矢報いると望月にタッチ。
望月は拳剛をチョップで張り倒してからロープに飛ぶが、竹田がエプロンからニーアタックで妨害。すると望月は二角蹴りで竹田を排除し、拳剛にツイスター。そしてのはしへ「休んでんじゃないよ!」と発破をかけてリングに引きずり込み、拳剛をコーナーに振ってのはしを武器として扱うかのように何度もコーナーに振ってエルボーを打たせていく。そしてのはしが拳剛をトップロープとセカンドロープの間にセットし、望月が一角蹴り、のはしがヘッドバッド、望月がPKを連撃してフォールに入るが竹田がカット。望月は拳剛にツイスターを狙うが、これを耐えきった拳剛がブレーンバスターで叩きつけ竹田にタッチ。
竹田を拳剛は望月にトレイン攻撃を見舞い、反撃を試みる望月へダブルのフラップジャック。さらに拳剛がダイビングダブルフットスタンプを投下し、竹田が正面からロッキンポ。さらにリバースUクラッシュを狙っていくが、望月が後ろに着地すると両者蹴り合いに。望月はPKを連打していき、竹田のロッキンポを両腕でガードして右ストレート。のはしにタッチ。
のはしはコーナー上からダイビングクロスボディを投下し、加勢に来た拳剛を延髄斬りからのドロップキック、タイガースープレックスで叩きつけ、ダイビングヘッドバッドと試合を決めにかかるが、これはギリギリで竹田がカットに間に合う。のはしと拳剛はエルボーで打ち合っていき、劣勢となったのはしがゴツッと会場に鈍い音が響き渡る強烈なヘッドバッドを叩き込んでロープに飛ぶが、拳剛がドロップキックでカウンターし、変形ポールシフトからフロッグスプラッシュを投下して3カウントを奪った。
試合後、4人は笑顔で健闘を称え合いそれぞれと握手。望月と竹田は互いに笑顔で人差し指を突きたて合ってシングルでの再戦を誓うと、握手をすると見せかけて両者再び人差し指を突きたてて笑いあった。
エンディング
メインイベント終了後にハヤトがリングに上がり、メインを戦った4人と握手を交わし、そのままマイクを取る。
ハヤト「……今日は泣かないって決めたんですけど、もう途中からずっと泣いてました。ホントにありがとうございます!今日来てくださったファンの皆様、本当にありがとうございます。新崎社長に聞いてほしいことがあります。そして拳剛、ちょっとおいで。今日、いや、今日まで本当にたくさんの人たちからのメッセージを貰って、この3年間で手術もめっちゃして、腫瘍も取ったんですけど、神経にくっついてるものは残して。その理由は、ただ一つ。俺は、このリングで試合がしたい!今日出てくださった先輩方、そして、俺たちは皆さんに元気になってほしいからこのリングで戦ってるんで、これは、この姿は、俺はホントはイヤです。ですから、試合をさせてください……!俺が、生きるためには、このリングで……もうどんな姿になってもいいです。ただただ、試合がしたい。これは、俺だけの判断では出来ないところだ。拳剛、もう『おかえり感』とかいいから、俺とシングルをやってください」
(2人は固く握手を交わし、しっかりと抱き合う)
拳剛「……俺からしゃべることはなんもないです。ハヤト、最後に……アカン!俺が泣きそうや!俺はもう喋らへん!ハヤト最後に来てくれたみんなに挨拶しろや!」
ハヤト「いつになるか分かりませんが、俺が試合をするときはアイツとシングルでバチバチやります。今日出てくださった選手の皆さん、僕は一緒に記念撮影をしたいので、出てきていただいたら嬉しいです」
(全選手がリング上に集まり、人生がマイクを取る)
人生「本日は、たくさんのご来場、そしてハヤトのためにと手を挙げていただいたレスラーの方々、そしてマスコミの方、本当にありがとうございました。レスラーは、このリング上で殴られたり、蹴られたり、投げられたり、その痛みに耐えることが出来るのは、お客さんの声援があるからです。先程、ハヤトから『試合がしたい』と……苦しい抗がん剤の治療や、ガンの痛みと、リングに上がることで戦えることがあるんだったら、その望みを叶えてあげたいと思います。ただ、ハヤト。担当の先生とちゃんと話をして、了解を得てきて欲しい。我々の判断では難しいところなので。皆さんの応援が、ハヤトにとって一番の抗がん剤だと思います。これからも応援よろしくお願いします」
(全選手による記念撮影の後、大・ハヤトコールに応えて再びハヤトがマイクを取る)
ハヤト「本日はたくさんのご来場ありがとうございます。そして出てくださった選手の皆さん、本当にありがとうございます。また必ず帰ってきて、ここにいる選手を倒したいと思いますので。皆さんもう少し待っていていただけたらと思います。今日は本当にたくさんの、たくさんの元気をありがとうございました!……もう喋ったら、喋ったら、また泣いちゃうんで。みなさん明日からもお仕事があるんで、早く帰りましょう(笑)今日は本当にマジでありがとうございました!家に帰るまでがこの大会なので、家に帰ってご飯もいっぱい食べるでしょう。そのときに、片手で『ハヤトエール良かったな』って呟いてください(笑)本当にマジで、たくさん、本当にありがとうございました!次は俺からみんなにエールを贈りたいと思いますので、よろしくお願いします!」
<大会後コメント>
新崎人生
――大会の最後に、ハヤト選手から「試合がしたい」という言葉がありました
「レスラーですから、試合がしたいっていうのはハヤトはずっと前々から言っていたことだったので、本人がやりたいのであれば。ただ、背中の、腰の痛みとか完璧ではないと思うので。それで試合のダメージで悪影響がないのであれば、さっきも言ったように、お客さんの声援だったりとか、リングに上がるためのモチベーションだったりとか、ガンが少しでも治療が前に進むのであればいいとは思います。本来であれば今年の6月に復帰したいと行っていたんですけど、その直前に手術で腰の骨を削ってしまったので叶わなかったんですけど、痛みが取れればまたやりたいっていうのは本人の中ではあるみたいですけど、実際、リングに戻れたからと行って病気が治るわけではないので、まだ。1回、2回リングに上ったとしても、キッチリ病気を直してですね、本当に“復帰”と言える日がまたくればと思います」
――これまでガンを克服してリングに復帰された選手はいますが、まさに闘病中の中で復帰への熱い思いを語られました
「本当に、今ハヤトは身体もやせ細ってないし、見た感じはすごい健康的なので、行けるじゃないかなと思うんですが、抗癌剤の副作用が酷くて、全く動けないような状況にある日も多いので、そこで調子のいいときにトレーニングをして、それが本人の『早く復帰したい!』というモチベーションになってますから、今それを奪うことは出来ないですね」
――医者のゴーサインが出れば実現させてあげたい?
「そうですね。それはもう、実現させてあげたいですね」
フジタJrハヤト
――ハヤトエールを終えて試合後には「試合をしたい」というお言葉もありました
「僕は、何回も言ってますけど、見る側は向いてないんですよ。だから今日は、プロレスとか格闘技を見て、ちっちゃい頃に戻って、思い切り騒ごうかなと思っていたんですけど、始まったら始まったで、『うーん、俺はなんで見てんだ?』って思ったり。でもみんなすごい試合をしてくれたし、だから余計に出たかったですよね。でもやっぱり一番は、ファンの人達からパワーをもらうのは、俺らの仕事ではありえないことなんですよ。だからこれだけ仲間もファンも待ってくれてますし、戻らないと。その思いが強くなったっすね」
――人生選手は医師との相談でゴーサインが出たら実現させてあげたいと語っていました
「まあ完全に暴走気味に俺は言ったので、ここから先生を説得するのも俺ですし、俺がいつ行けるかっていうのは俺次第なので。まあ、でも、大丈夫っす。大丈夫って思って治療もしてるし、リハビリもしてるし、復帰に向けてやってきてるので。復帰というか、俺が『試合がしたい』って言ったのは、完全復活に向けて……もうね、うんざりなんですよ。毎日毎日病院行って。ホントに。暴れたい、そろそろ。その相手にふさわしいのは拳剛だと思ってるし、アイツの今日の試合を見て『一緒にやろう』って言ってよかったなって。誘った場所もここだったので。なんかね、やっぱあの金髪の赤いやつとやりたいですね。思う存分けれてないし、蹴られてないと思う。アイツの蹴りを見てると思いますよね。
……なんだろうな。心配しないでっていうのは無理だと思うんで。でも、多分みんな俺が元気にリングに上がったら『おかえり!』感が出るだろうし、でも、『そんな身体で試合しないで』っていう気持ちももちろん、そういうのも聞くし、そういうのを全部受け止めて『やっぱハヤトはリングが似合うな』って思ってもらえるような試合がしたいと思うし、説得して、それが一回こっきりにならないように、後々も続けるし。やっぱ、ガンという大きいものに負けそうになるときってあるんですよ。でも、全然。つーか、俺が倒さないで誰が倒すんだって。やっぱね、上からものすごいパワーが……見てくれてるんで。そこの分も俺が倒したいなって思うし、戦うことも諦めないし。いいんじゃないですかね、戦いながら病気と向き合っていくのも。俺は生きるためにそうしたいから先生も説得するし、まだやらなきゃいけないことがあるんで、絶対死ねないし。だから戦います。……最高でしたね。今日一日」
――担当医の先生にリングに立ちたいという思いを伝えたことは
「手術前とか何回もしてましたし、もちろん僕が復帰するために始めの手術もしたし、ヒザの手術とか。僕を復帰させるためのAWESOMEなチームがあるので、その先生たちとは、いついつ復帰したいとか、復帰となると相当な連戦とかもありますし、そういうのはできるのかとか、そういう話はちょくちょくはしてるんですけど、今までは僕が周りに発信してこなかったから、実現しないというか、なんかすごいワガママですけど、身体も自分の中で考えながら試合に出れたら一番いいし、それをしていく上で、腫瘍も無くなって、もう大丈夫となるんだったら、それが一番最高ですよね。だから、このまま何もしないでただただ主要が大きくなって、治療が続いて……っていう状況がすごく嫌なので、なにか僕にストレス発散できる場所って言ったら、あそこ(リングを指差して)しかないので。だから、僕の相手とかは大変ですよね。まあでも、それでも拳剛なら来てくれるんで、思いっきり。だから、いついつここでちゃんと復帰したいっていうのは、まあ、ただ『試合をさせてくれ』って感じですね。僕だけの気持ちで言ったらいつでも大丈夫です。まあでも、親もいるし、会社の人達にも心配かけてるし。一番なのは、僕が試合して元気になってもらうことなんで、それができる日が近ければいいなと思いますね」
――身体が楽なときにはトレーニングをしている?
「そうですね。体の調子がいいときにはミット蹴ったりしてるので。それも徳さん(山本“KID”徳郁さん)のチームでやってるんで。写真が飾ってあるんですけど、見られてる感がすごいんで、ちょろっと無理しちゃうときもあるんですけど、やっぱりサンドバッグとかあるジムにいるときが一番楽しいし。でも、なんでそこに行くかって言ったら、みんなが待ってるこの場所に帰って来たいからなんで。俺たちは戦って、『アイツ、ガンでも試合してんじゃん。じゃあ俺もなんか出来るかな』って思ってもらえるような人じゃないといけないので、今日はいつもと逆だなっていう。ただ、(元気を)たくさんもらって、それを返せるのは僕はリングで試合をすることだと思っているので。だから思いっきり治療もして、がんばりますよ。腫瘍なんて余裕です、足立区のヤンキーに比べたら(笑)……まあでも、今日は楽しかったですね。寝れそうです」