山本”KID”徳郁の愛弟子・フジタ”Jr”ハヤトがガン再発で再手術へ「俺ならまた勝てんじゃないかな」

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 15日、東京都・後楽園ホールにて『みちのくプロレス2023年東京大会Vol.2 ~武陵桃源~』が開催。フジタ”Jr”ハヤトがガンの再発を明かした。

 フジタJrハヤトは、高校時代にレスリングの全国大会に出場し、みちのくプロレス入団後に山本”KID”徳郁に師事して総合格闘技も習得したハイブリッドな実力派レスラー。新日本プロレスの『SUPER J-CUP』や『BEST OF THE SUPER Jr.』に出場するなど他団体でも活躍しており、東北ローカル団体の選手ながらその知名度は高い。
 ハヤトは2017年から膝の靭帯完全断裂によりリハビリ生活を続けていたが、その最中でガン(脊髄腫瘍髄内腫瘍上衣腫)が発見されさらなる闘病生活を強いられることになった。それでもハヤトは折れずに「師匠が出来なかったことを俺がちゃんとその想いを背負ってまたリングへ帰って来たいと思います」と復帰を宣言し、一度は2019年6月の後楽園ホール大会での復帰が決まりかけるも抗癌剤治療による体調面から延期に。
 しかし、ハヤトは「上から徳さん(山本“KID”徳郁さん)も見てるしまだやらなきゃいけないことがあるんで、絶対死ねない」と復帰を諦めることなくリハビリを続け、紆余曲折の末に昨年7月1日の後楽園ホール大会で復帰。
 復帰戦でMUSASHIから東北ジュニアヘビー級王座を奪取し、今年7月にはLIDET UWF世界王座も戴冠するシングル二冠王に。さらに新日本プロレスのIWGPジュニア王者・高橋ヒロムとのシングルマッチを岩手県・矢巾のみちのくのリングで実現するなど、あっという間にプロレス界の中心人物となっていった。


 この日のハヤトはセミファイナルの6人タッグマッチ、フジタ“Jr”ハヤト&新崎人生&義経vsMUSASHI&ディック東郷&OSO11の試合に出場。
 ハヤトは、恩師・人生のアシストを受けつつ義経との軽妙なコンビネーションも発揮してガンガン攻め込んでいき、ライバルのMUSASHIとも一歩も引かぬ打撃戦を展開。最後は圧倒的体格差のあるOSOの分厚い胸板をミドルキックの連打で粉砕し、串刺しヘルムからのK.I.D(※胴絞めフロントネックロック)で勝負を決めた。

 激戦を終えたハヤトだったが、リング中央に座り込んで静かに感慨にふけっている様子。人生から肩を抱かれて促されてマイクを取ったハヤトは「復帰して1年ちょっと。僕の中ではすべての試合には意味があると思ってリングに上って、皆さんの前で闘うこと。自分が望んでこのリングに上がってきて、そしてあの新日本プロレスの高橋ヒロム選手を矢巾に連れていき、それを見た人たちが『感動した』とか『ハヤトの試合がベストバウトだろうよ』って言ってる人たちがいることを、本当に本当に嬉しく思います。そんな中……このタイミングで再発してしまって。来月半ばから終わり頃に手術が待っているので。自分にこれから先待ってることが、自分が乗り越えられるのか、もう1回乗り越えられるのか、自分でもわかってない状態です」とガンの再発に伴う再手術&欠場を発表。

 場内の空気が悲壮感に溢れるも、「でも、やりたい選手もいます。高橋ヒロムなんて俺が東京ドームに行ってリベンジしても面白いなと思うし、毎年12月のホールは宇宙大戦争なんで、俺とヒロム組で出たら面白いと思いますよね?そういう楽しいことを考えながら、またちょっと二冠王として来年からちょっと、いつになるか分かりませんが、また帰ってこられるよう。それと、今日が最後なのか分かりませんが、諦めないでまた皆様に感動をお届け出来るようなレスラーになってまた帰ってこれたらいいと思いますので、応援よろしくお願いします」とファンに復帰を約束。恒例となっていた宇宙大戦争開始への導入マイクも行い、大歓声を浴びながら退場していった。


 バックステージに戻ったハヤトは、「『ここに来てか』って感じですし、悔しくて悔しくて仕方がないんですけど、これはね、僕が背負った格闘技人生なので受け入れたいと思いますし、それでもこうやって送り届けてくれるみちのくの仲間とか、ファンの皆さん、スタッフ・関係者、もちろん記者の人たちも。たくさんの人に囲まれているんで、『また俺なら勝てんじゃないかな』っていう気にも、あのリングに上ったら起きるね。でも、『もう戻れねえかも』なんて思ってるのが8割。でも、まだやんなきゃいけないこともあるし、もっと『ハヤト、それ言っても大丈夫?』みたいなこと言って、みんなをドキドキさせたいね」と思いを吐露。

 現在の体調については「神経の、自分の中での移植手術をしたときと同じくらい腫瘍も大きくなっちゃって、またそれが神経に当たり始めてて。ちょっとしたことで動けなくなったり痺れたりしてしまうんで。これじゃあリングに上がるのも失礼だなと思うし」と明かした。

 そして、「手術の前日までに与えられた試合は思い切り勝ちに行くし、欠場するって分かってるからってベルトを返すために負けたりしないんで。チャンピオンのまま引退できたら最高だなって思ってるくらいなんで。残りあと、30日(のGLEAT TDCホール大会)。やっと防衛戦ですから。俺のこと忘れてたんじゃないかな?それか、労ってくれてたのかわかんないんですけど、『そんなの必要なかったのに』って思わせますよ。でも、今日の試合だけで言うと、僕は今日がみちのくラストだったんじゃないかなと思いながらリングに上がったんで。これはこれで、もし戻れなくても悔いはないし。これまでに出来なかった拳王戦、やりたかったよ。AMAKUSA選手、やりたかったよ。でも、出来ないことも、他の選手や後輩たちが叶えてくれればいいし、俺は最後まで自分の、ハヤトらしいレスラー人生を送れたらと思ってるんで。これで終わったとしても、悔いはない。これがもう1試合できるように、来年は皆さんと違う場所で闘うんで。帰ってこれるか分からないですけど、また元気な姿で帰りたいと思いますんで、よろしくお願いします」と決意を語った。

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