30周年を迎えた新崎人生が56歳でスパニッシュフライを初披露!バックステージでYouTuberデビューも宣言

  • はてなブックマークに追加
  • LINEでシェア

 6月25日(日)、宮城県仙台サンプラザホールで開催された新崎人生30周年記念大会。メインイベントでは新崎人生とMUSASHIのシングルマッチが行われた。

 MUSASHIはフジタ"Jr"ハヤト不在のみちのくプロレスで、ハヤトの抜けた穴を埋めるべく看板を張って活躍を続けてきた。体格はひとまわりもふたまわりも大きくなり実力も充分備わってきている。
 新日本プロレスの『SUPER J-CUP』や『BEST OF THE SUPER Jr.』にも参戦して知名度を高め活躍の場を拡大していた矢先に2017年にガン(脊髄腫瘍髄内腫瘍上衣腫)が見つかり、闘病生活を余儀なくされてしまったハヤトだったが、2022年7月2日後楽園ホールで5年ぶりに復帰するやいなやMUSASHIが輝きを鼓舞してきた東北ジュニアヘビー級のベルトを奪取。王座陥落のMUSASHIはその後ハヤトを追い落とさんと世代闘争をぶちあげるが、2023年5月6日、翌7日ともに結果残せぬままハヤトによって抗争の終焉が宣言される。
 世代闘争が果たしてハヤトの宣言通りにあっさり終わりを迎えるのかどうかはともかくとして、6月25日(日)仙台サンプラザホールにおいて開催された新崎人生30周年記念興行メインイベントで、人生とのシングルマッチ一本勝負が行われた。

 以外にも思えたがふたりは今回がシングルマッチ初顔合わせ。新崎人生は1992年11月19日ユニバーサルプロレスでマスクマンとしてプロレスラーデビュー。翌年1993年6月、新崎人生として素顔でみちのくプロレスに登場以来30年を経たいまなお驚異のグッドシェイプで若手と並んで一切のそん色なく存在感を放ち続け、2023年3月に郷里である徳島県で開催された30周年記念大会後のインタビューでも「30周年は通過点に過ぎない」と引退はないと明言し、たゆまず成長を続けていく意欲を語っている。
 MUSASHIと人生の間に遺恨はなく、抗争、遺恨マッチが受ける傾向の我が国では、逆に「なにもない」ところから始まる闘いは、どうなるかまったく予想がつかないので興味深いものがあった。

 ジャッジは、全日本プロレスから和田京平名誉レフリーが特別レフリーとして招かれた。
 人生のあとに入場してきたMUSASHIの表情は意外にも能面の如く無表情で、心中伺い知ることは難しかった。しかし押し合いからロープを背負わせた人生への離れ際のMUSASHIの張り手に空気が一変。人生のまなざしに怒りの焔が宿ったと見るや察した和田レフリーが割って入ってここは人生に抑えろとジェスチャー。
 人生がコーナーに上って拝み渡りを披露すると、三階席まで入った観衆は拍手喝采。しかしパワーボムを辛くも切ったMUSASHIが人生の腰をエプロンに叩きつける。MUSASHIの攻撃は止まらず、エストレージャ・フトゥーロで勝負に出るが人生の非情の足剣山が腹を突き刺す。
 人生の大ピンチに観衆から大人生コールが起こる中、MUSASHIが二天一流で決めの態勢。これを返した人生が曼荼羅ひねりからの満を持しての念仏パワーボムもカウント2。MUSASHIをコーナーへセットした人生が最上段から初披露のスパニッシュフライを華麗に決め、MUSASHIを散らしてフィニッシュ。


 前半はMUSASHIが優勢に思えた。あわやのシーンはいくらもあった。或いは勝てた試合だったのかもしれない。そのことは人生も試合後マイクで触れていた。
 勝者にあって、敗者にはないもの。MUSASHIには決定的に欠落しているものがある。それを補うためには、捨てねばならないものがある。
 人生は拳王がこの前日6月24日(土)に徳島県で開催した『拳王 Debut 15th ANNIVERSARY【MATCH】~since 2008』で語った言葉「安定臨めば進化なし」を引用、精進を重ね35周年まで突き進んでいくと締めた。
 バックステージでも、新たなる試みとして「ユーチューバーになります。YouTubeチャンネル開設します。目指せ、登録者数10万人」と宣言。
 幾つになっても新しいことを臆せず挑戦し続ける人は老化しないそうだ。

 この日開場の物販コーナーには、発売されたばかりの新崎人生30周年記念Tシャツが仙台七夕の飾りのように色とりどりに並べられ、多くのファンが買い求めていた。
 Tシャツに描かれているのは三鈷杵。とても象徴的なデザインだ。
 三鈷杵は、煩悩を砕き智光を顕す、祈る者の三業がそのまま仏様の三密に通じるとされ、ちなみに高野山には、空海が投げて山に落下したと伝えられる『飛行の三鈷』金剛三鈷杵が保管されている。その空海の言葉「虚空尽き、衆生尽き、涅槃尽きなば我が願いも尽きん」デビューから30年を経てもシェイプされたボディ、存在感変わらず30周年にして新たなる技の会得に意欲、超然とやってのけてしまう永遠不変のプロレスラー新崎人生の生きざまはまさに「世界宇宙がなくなるまで、みちのくプロレスがなくなるまで、そして悟りの境地に到達するまで、終わることはない」だろう。

『みちのくプロレス 新崎人生30周年記念』
日程:2023年6月25日(日)
開始:15:00
会場:宮城県・仙台サンプラザホール
観衆:1888人(満員)

▼メインイベント 60分1本勝負
○新崎人生
29分51秒 スパニッシュフライ→片エビ固め
●MUSASHI

  • はてなブックマークに追加
  • LINEでシェア

関連記事

サイト内検索

日別

2024年11月
« 10月    
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

月別

ページ上部へ戻る