【試合詳細】10・20 PANCRASE新木場大会 【フェザー級KOP】ISAOvsカイル・アグオン アラン“ヒロ”ヤマニハvs春日井 寒天 たけし 東陽子vsタチアネ・フォンテス 三浦広光vsレッツ豪太 ライカvsアニー・カロリネ
『PANCRASE 309』
日程:2019年10月20日(日)
開始:17:30
会場:新木場スタジオコースト
観衆:1827人
《プレリミナリーファイト》
▼第1試合 キャッチウェイト 3分3R
○立花恵介(スーパータイガージム田中塾)
2R 1分33秒、KO(スタンドのパンチ)
●大城正也(T-Rex Jiu-Jitsu Academy)
▼第2試合 フライ級 3分3R
○竜己(KRAZY BEE)
判定3-0
●中嶋悠真(マッハ道場)
▼第3試合 バンタム級 3分3R
○聖王DATE(Team DATE)
判定3-0
●藤井 徹(RBアカデミー)
▼第4試合 バンタム級 3分3R
●井関 遼(GRABAKA)
判定1-2
○諏訪部 哲平(和術慧舟會 駿河道場)
《メインカード》
▼第1試合 ライト級 3分3R
●阿部右京(OOTA DOJO)
判定0-3
○平 信一(網島柔術)
▼第2試合 ウェルター級 5分3R
●髙木健太(リバーサルジム川口REDIPS)
2R 2分02秒、チョークスリーパー(タップアウト)
○アレキサンダー・ラカス(CRO COP TEAM)
▼第3試合 ウェルター級 5分3R
○三浦広光(SAMURAI SWORD/RINGS)
1R 1分08秒、TKO(グラウンドのパンチ→レフェリーストップ)
●レッツ豪太(総合格闘技道場コブラ会)
▼第4試合 フライ級 5分3R
○ライカ(RIGHT THING ACADEMY)
判定2-1
●アニー・カロリネ(NAJA FIGHT TEAM)
▼第5試合 バンタム級 5分3R
●東 陽子(和術慧舟會AKZA)
判定1-2
○タチアネ・フォンテス(WARRIORS MSP)
▼第6試合 セミファイナル バンタム級 5分3R
○アラン“ヒロ”ヤマニハ(ブルテリア・ボンサイ)
判定3-0
●春日井 寒天 たけし(志村道場)
▼第7試合 メインイベント フェザー級キング・オブ・パンクラス タイトルマッチ 5分5R
○ISAO(NEVER QUIT)
判定2-1
●カイル・アグオン(Spike 22)
ISAOがアグオンを制してフェザー級KOPを2度目の防衛に成功!ライカが国際戦で勝利を飾り白星先行!三浦が2年ぶりの参戦で快勝しタイトル挑戦をアピール!
第1試合
阿部は今年3月よりパンクラスに参戦。1勝1敗で迎えた3戦目となる。白星を先行させたい一戦。
対する平はパンクラス2戦目。今年7月の初戦では、松岡嵩志に判定負け。元ZST王者の意地で勝利を掴むか。
1R。平がパンチで出ると、組んだ阿部が首相撲からヒザ。平はボディを殴る。アッパーがヒットし、阿部がダウン! まだ効いていそうだが、上になった阿部。ボディを殴る。平はガードからヒジ。平は返し、パウンド連打。阿部はバックマウントにまわり殴るが、終了。
2R。平が組みつき、そのままボディを殴る。阿部がバランスを崩すと、平は上になり、ケージ際へ押していき殴る。立ちたい阿部だが、パンチをもらってしまう。阿部が上になったところで終了。
3R。近距離でパンチを打つ平。立ったままでボディ。阿部がタックルからケージへ押し、尻もちをつかせる。平は背中をつかない。阿部は殴るが、残り30秒しかない。お互い殴って終了。
ジャッジは二者29-28、一人が29-27、3-0で平が勝利。
第2試合
前戦(今年6月)では、パンクラス参戦8年目にして初めてタイトルマッチに挑んだ髙木。手塚裕之と激しい打撃戦になると予想されたが、なんとチョークスリーパーで一本負けを喫してしまった。その後、引退も考えたが、「ローを効かせて、あとちょっとというところでの負けだった。まだ燃え尽きたわけじゃない」と話した。再起戦で再び浮上なるか。
対するラカスは、ミルコ・クロコップのチームメイト。パンチ力を買われ、ミルコ自らスカウトしたという。空手・キックからMMAに転向し、チームでは石井慧から寝技の技術も教わっているという。
1R。髙木、ラカスともにロー。一気に寄り、両者のパンチが交錯する。離れると、ラカスがロー。髙木がプレッシャーをかける。しかし、ここでタイムストップ。高木の指がラカスの目に入り、口頭注意が与えられる。
すぐに再開。ラカスが右パンチを打ち込む。しかし、高木の左パンチがヒット、ラカスがダウン! 髙木は離れ、「立て!」のゼスチャー。立ったラカスはタックルに入る。しかし、髙木は切って上になるが、自ら離れた。あくまでスタンドで勝負するつもりだ。
ラカスは左右のパンチを大きく振り回していく。組んでケージへ押し込み、さらにフックを打ち込む。しかし、髙木のパンチがヒット! ラカスが膝をつく。髙木は上になるが、立って離れる。しかし、ラカスがパンチを振り回し連打。やや下がった髙木だが、右フックを振る。終了。
ジャッジは三者10-9で高木を支持。
2R。髙木がプレッシャーをかける。ローから左右のパンチ。ラカスも左右パンチ。プレッシャーをかける髙木に対し、ミルコ直伝の左ハイ! 髙木もパンチで出ると、打ち合いに。
ラカスがタックルからテイクダウン! ケージへ押し込み、バックに回る。殴って一気にチョークを狙う。髙木はディフェンスするが、ラカスは腕を抜き極めた! 髙木はタップアウト。
第3試合
元KOP同士(三浦は第10代、レッツは第7代)の対戦。
三浦は2016年、第9代王者・村山暁洋に判定勝ちし、タイトルを奪取。しかし、翌年7月、阿部大治にTKO負けし、防衛に失敗した。2018年はパンクラスでは試合をしていない。今年6月、手塚裕之との暫定王座決定戦が組まれるも負傷欠場している。計量では「パンチしか出さない」と宣言。豪腕が唸るか。
対するレッツは、4年ぶりのパンクラス参戦となる。2014年8月、王者決定戦で村山暁洋を破り、第7代王者に。同年12月には近藤有己を下し、初防衛を果たしている。しかし、2015年10月、鈴木槙吾にバックチョークで敗れ、タイトルを失った。その後、GLADIATORに主戦場を移し、同級王座を獲得している。
1R。回りながら様子を見る両者。三浦が巧みなボディブロー。レッツが組みにいくと、三浦の右パンチがヒット! 三浦はすかさず上になり、パウンド連打。レッツはなす術なく、レフェリーが止めた。
▼三浦 ケージ上コメント
「2年ぶりのパンクラスで、ちょっと緊張しました。もう1回ベルトを獲りますんで、タイトルマッチを組んでください!」
第4試合
元ボクシング世界王者のライカは2015年よりパンクラスに参戦。パンクラス成績は3勝3敗。中井りん以外は全て国際戦で、今回もまた外国人選手との試合となる。白星先行できるか。
対するアニーはMMA歴7年目で、戦績は6勝7敗。散打がバックボーンで、現在はムエタイを教えながらMMAを続けている。将来はUFCに上がるのが目標と言う。
1R。アニーがローを蹴っていく。動じない感じのライカ。組もうとするライカだが、アニーは離れる。ライカは再びくみに行き、ケージへ押し込む。お互い入れ替えながらヒザ。
アニーが離れ、パンチ連打。組んでライカに尻もちをつかせる。ハーフマウントになり、鉄槌、パンチ連打。ライカは立つが、アニーは投げてテイクダウン! さらにマウントに。ライカは反転するが、アニーがバックマウントに。チョークを狙う。残り1分。アニーは首を絞め直しが、残り20秒。アニーが殴って終了。
ジャッジは三者10-9でアニー。
2R。パンチを出すアニー。しかしライカは突っ込んでいき、テイクダウン! アニーはガード。ライカは返させずヒジ連打。さらにパウンド。しかし、アニーは腕十字を仕掛ける。ライカは腕を抜く。
アニーはさらに腕十字を狙う。ライカはヒジ、鉄槌。アニーは腕十字から返そうとするが、ライカは殴って立たせない。残り60秒。
アニーは三角を仕掛けるが、ライカ頭を抜いた。サイドからボディを蹴って終了。
ジャッジは三者10-9でライカ。
3R。アニーが左ジャブ。ライカは押し込むような右パンチ、そしてボディブロー。アニーはケージを背にしている。首相撲からヒザを打ち込むが、ライカはすぐ離れる。打ち合う両者。
やや下がり気味のアニー。消耗しているか。ライカがパンチからケージへ押し込み、お互いにヒザ。アニーが鼻から出血している。お互い打つが、ライカが押し気味で終了。
判定は二者29-28ライカ、一人が29-28アニー。2-1でライカが勝利した。
▼ライカ ケージ上コメント
「楽しかったです。必死でした。練習してきたことを思い出しながら、セコンドの指示を聞きながら、勝つために必死でやりました」
第5試合
元柔道強化選手の東は2017年よりパンクラスに参戦。デビュー戦ではキムミョンボに一本負けを喫したが、昨年、今年で4連勝中。打撃で押して行くスタイルが定着しつつあるが、「そろそろ柔道も見せたい」と言う。
一方のタチアネは柔術がバックボーンで、MMA戦績は3勝1敗。2019年5月の修斗ブラジルで勝利するなど、現在2連勝中だ。
1R。お互いにパンチを出していく。組みに行ったタチアネ。東は堪えるが、タチアネがテイクダウン。立とうとする東を殴ってバックを取る。しかし、反転して上になった東。殴っていくが、タチアネが立つ。ここで東が投げ! しかし、タチアネが入れ替えてバックを取る。ケージへ押し込み、ヒザを打ち込む。東が投げるが、上になったのはタチアネ。東は下から腕を狙うが終了。
ジャッジは三者10-9でタチアネ。東は鼻から出血している。
2R。プレッシャーをかける東。ジャブ、ボディとパンチを打ち分けていく。タチアネが左ミドル。さらにプレッシャーをかける東。タチアネはアッパー。タチアネも鼻から出血。東が前蹴りを打ち込むと、タチアネがスリップし尻もち。東は上になり殴る。しかし、タチアネは下から腕十字を狙う。腕を引き抜いた東だが、タチアネは足を取り、足関を狙う。東は鉄槌、パウンドを落とす。
ジャッジは三者10-9で東を支持。東、再び鼻から出血している。
五分で迎えた3R。
3R。お互いパンチを出していく。距離を詰めてパンチを入れた東が首投げを狙うが、タチアネはこらえ、崩れるようにバックにつく。タチアネは背中に乗って行きバックマウント。しかし東、脱出! スタンドに戻る。
パンチで前に出る東。しかし、タチアネが組みつき、ケージへ押し込む。倒れずこらえる東が殴る。残り2分。
お互いヒザを入れる。抜けた東。タチアネはやや下り気味だが、最後はお互い打ち合って終了。
ジャッジは二者29-28タチアネ、一人が29-28東。2-1でタチアネ勝った。
IMMAFアマチュアMMA世界選手権 出場選手あいさつ
11月にバーレーンで開催される、アマチュアMMA世界選手権に出場の4選手がケージイン。日本選手団を代表し、山口怜臣があいさつした。
山口「まず初めに、このような機会を与えてくださった、パンクラス酒井社長に感謝します。アマチュア最高峰の舞台で、この4人で戦って来ます。応援よろしくお願いします!」
第6試合
ヤマニハは2013年12月、石渡伸太郎の相手に急きょ抜擢されてパンクラスデビュー。石渡を苦しめ、ファンを驚かせた。ここ3戦は連敗していたが、今年に入りTSUNEにTKO勝ちし、連敗を止めている。
一方の春日井は2016年よりパンクラスに参戦。1試合は相手の体重オーバーでノーコンテストとなったが、それ以外は3戦全勝。前戦は今年5月、福島秀和に判定勝ち。また、HEATではバンタム級、フライ級の2階級で王者となっている。
現在、バンタム級のランキングは1位・金太郎、2位・ヤマニハ、3位・瀧澤謙太、4位・春日井となっている。金太郎と瀧澤はすでに王者・ハファエル・シウバに挑戦しているため、この試合は、そう銘打ってはいないが、勝者が次期挑戦者となっておかしくない。友人でもある両者の、どちらが勝ち名乗りを上げるのか。
1R。お互いロー。ヤマニハ、春日井のローが効いたか。ヤマニハがジャブを出すと、春日井は入ってパンチ。さらに打っていくが、ヤマニハのパンチを貰いダウン!
ヤマニハが上になる。春日井は抵抗するが、ヤマニハがマウント。
上になったヤマニハ。首を抱えてハーフに。足を抜いてマウントに移行し、立たせない。苦しい春日井。しかし、春日井返した! パンチ連打から立つ。かぶさって殴る。ボディ、細かく鉄槌を入れて終了。
ジャッジは三者10-9でヤマニハ。
2R。お互いロー。春日井、右ハイキック。パンチからくむが、ヤマニハは突き放す。春日井は、思い切って中に入りボディブロー。春日井、さらにプレッシャーをかけていく。ヤマニハもパンチを返す。春日井の右。ヤマニハやや効いたか。春日井のボディブローがいい。
しかし、ヤマニハのパンチがヒット、春日井ダウン! ヤマニハが上になり、ハーフマウント。ガードに戻した春日井は腕を狙うが、これは外されてしまう。ヤマニハがサイドからバックに回りチョークを狙う。厳しいが、春日井はギリギリで抜け、さらに立つ! 会場から拍手がわく。しかし、ここで終了。
ジャッジは三者10-9でヤマニハ。
3R。もう倒すしかない春日井。パンチで出ていき、タックルからテイクダウン! 殴る。しかしヤマニハは立ち、押し倒して上に。さらにバックに回る。しかし、春日井、反転した! 殴る。立ってパンチを落とし、さらに上に乗りながらパンチ連打を見舞う。ヤマニハは蹴り上げるが、春日井はケージへ押し付けていく。
入れ替えたヤマニハがケージへ押し付ける。尻もち状態の春日井だが、立った! ヤマニハを追っていき、大振りのパンチを振り回す。パンチ連打からタックル、テイクダウン。殴る春日井。最後に首を狙った春日井だが、極めるに至らず終了。
ジャッジは三者とも29-28、3-0でヤマニハが勝利。3Rに素晴らしい猛攻を見せた春日井だったが、残念ながら届かず。ヤマニハが勝負を制した。
第7試合
両者の対戦は2度目。前回は2017年8月、ISAOが当時の王者ナザレノ・マレガリエに挑戦予定だったが、マレガリエ欠場のため、元PXCバンタム級王者・アグオンが代役に選ばれた。
この時、判定2-1でアグオンが勝利。ISAOはパンクラス2つ目の黒星をつけられてしまった。
その後、ISAOは2018年4月に松嶋こよみと対戦し、松嶋のヒザ蹴りによる反則勝ちで暫定王座を獲得。しかし、その時に負った傷で1年1カ月間の長期欠場を余儀なくされた。しかし、2019年5月、当時正規王者だったナザレノ・マレガリエとの統一戦に勝利。晴れて正王者となっている。
一方のアグオンは、ISAOに勝利したあと、2017年12月に松嶋こよみに判定負けを喫したが、2018年10月、田中半蔵に勝利。今年4月、中島太一との次期挑戦者決定戦に判定勝利、ISAOへの挑戦権をつかんだ。
1R。少し距離を取っているISAO。プレッシャーをかけていく。アグオンはカーフキック。アグオンパンチ、前蹴り。ISAOは注意深くアグオンのパンチを避けている。ISAO右フック。ローが力強い。
組もうとしたISAOだが、アグオンが組んでケージへ押し込む。ヒザ、ボディ。離れたISAOはプレッシャーをかけ、ロー、パンチを打って終了。
ジャッジは二者が10-9でISAO、1人が10-9アグオン。
2R。左右パンチから組んだISAOだが、アグオンがケージへ押し込む。ボディ、ヒザを入れて離れる。
飛び込んでパンチを入れるアグオン。ISAOは左右パンチから組むが、アグオンが入れ替えそうになり離れる。ISAOが片足タックルを仕掛けるが、これは切られてしまう。
ISAO、右ミドルからタックルからケージへ押す。速い! しかし、アグオンが離れたところで終了。
ジャッジは三者10-9でISAO。ISAOの左目が少し腫れている。
3R。お互いパンチを出す。ISAOはタックルのフェイントからパンチ。前けりからケージへ押し込むが、アグオンが離れる。1、2Rに比べてペースを掴んで来たISAO。
アグオンがパンチからケージへ押すと、ISAOが入れ替え。戻したアグ徳郁んが片足をつかむが、ISAO振り切った。そして大きく右パンチ! アクセサリー はタックルには入れない。ISAOが組んでケージへ押すが、アクセサリー は離れる。
アグオンのパンチをもらわないよう注意しているISAO。パンチから片足タックル、ケージへ押していく。離れてパンチを振るアグオン。終了。
ジャッジは二者10-9でアグオン、1人が10-9 ISAO。お互い一発でも当たればKOできるパンチ。ピリピリとした緊張感が漂う。
4R。ISAOがロー。さらにローをもらい、アグオンがバランスを崩す。アグオンはそのままタックルに入るが、ガブるISAO。さらにかわしてバックに回る。しかし、アグオンは立ってケージへ押し込んでいく。ISAOはこらえ、ヒジを振って離れる。被弾しないよう気をつけているISAOだが、右まぶたがやや腫れている。
ISAO右ハイキック! しかしアグオンの右フックがヒット。ISAOやや効いたか。ケージへ押し込むアグオンだが、ISAO投げ! 立って来たアグオンをケージへ押し込む。ヒザを入れ、ボディブロー。離れて、アグオンもパンチを返したところで終了。
ジャッジは三者10-9でISAO。
いよいよ最終ラウンド! ISAOが右ハイキック、パンチ。アグオンもパンチを返す。ISAOが片足タックルからケージへ押す。ヒザ連打。逃さない。ここでブレイクがかかり、スタンドに戻る。
プレッシャーをかけるISAO。パンチを出し合う。ISAOが片足タックルを仕掛けるが、アグオンはこれを切る。ケージへ押していくアグオン。残り2分。
ISAOがヒジ。押し付けながら殴るアグオン。ISAOヒジ連打! さらにヒザを入れ、入れ替えてケージへ押し込む。アグオンが入れ替えたところで終了。
ジャッジは1人が48-47アグオン、二者が49-46でISAO。2-1でISAOが2度目の防衛を果たした。
▼ISAO ケージ上コメント
「1回目の時も過酷で苦しい闘いだったので、(今回も)こうなると思っていました。でも、自分はキング・オブ・パンクラシストなので何が何でも防衛する気持ちでやりました。まだまだ上がっていきますので、これからも応援よろしくお願いします」
▼ISAO 試合後コメント
「絶対に苦しい闘いになると思っていました。想像通りでした。被弾しないように注意はしていましたが、どうしてもいくつかはもらってしまいます。カイルの拳は硬くて、地味に重いパンチなので、晴れちゃうんです。
でも、何発かもらっても、絶対に慌てるなとセコンドにも言われていたので、テンパることはありませんでした。
(緊張感がすごい試合でしたが)最後、ちょっともらい始めちゃって、目が腫れて見えなくて。距離感が取れませんでした。パンチが見えなかったです。自分の闘いは、いつも顔が腫れてしまって(笑)。ジャッジは聞いているので、点差が開いているのはわかりましたけど、誰が1-9をつけているのか分からないので、5Rは明確に取りたかったです。
(勝因は?)やりきった、闘い抜いたことだと思います。気持ちが切れたら終わりなので、最後の最後まで気を抜かずにやりました。たとえポイントを取っていても、最後までやり切るという気持ちでした。
(北米での試合を望んでいる。アグオンは北米でも闘った経験があるが?)全然、北米の選手の方が強いです。でも、自分も最近は勝ち切ることができているので。
(ONEでなくパンクラスを選んだことは?)後悔はないです。バッチリ。こちらを選んで良かったです。知人にも、パンクラスが好きな人がたくさんいて、僕がパンクラスの舞台で闘うことを喜んでくれています。そういう人たちの前で闘えて、防衛できて良かったです。
(ファンに伝えたいことは?)パンクラスを見に来てくださっている人も、昔とは変わってきていると思いますが、パンクラスが歴史ある団体だということ、そして、このベルトが重みのあるベルトだということが伝わればいいなと思っています。そして僕は、これを守ること、防衛を続けていくことが真の王者だと思っています」
ISAOの右目は、まぶたが腫れて完全にふさがっていた。本人も話しているように、最終ラウンドは左目だけで闘い抜いた。前回もパンチをもらって顔が腫れたが、今回、壮絶な闘いを制したのはISAOだった。再び戻ってきたベルトを見つめるその表情には、満足感が溢れていた。
つい1週間前の10月13日には、ONE Championship両国国技館大会が回愛され、修斗VSパンクラスの対抗戦で両団体の王者同士が闘った。
当然、KOPであるISAOにもそのチャンスはあった。しかし、13日ONE、20日パンクラスと日程が近いだけに、両方の大会に出ることはできない。
ONEの対抗戦で勝者に与えられる500万円超の賞金。両国という大きな会場――格闘家にとって、ONEは魅力あるイベントと言える。それでもISAOはパンクラスを選んだ。
ISAOは小さい頃からパンクラスが好きだった。髙橋義生に憧れ、見続けて格闘家になった。だから、闘う舞台はパンクラスしか考えられなかった。「頑固なところがあるんですよね」とISAOは自分について話していたが、その気持ちを、強くなってどこにでも行ける現在までずっと持ち続けるのは、並大抵のことではない。
お金は大切だと、重々分かっている。それでも、お金に関係ないところで、どうしてもパンクラスに上がりたい、パンクラスでベルトを守りたい、ISAOはそんな心意気でパンクラスに上がった。パンクラスとベルトの価値を高めるために。そのパンクラス愛と勝利に拍手を送りたい。
(写真・文/佐佐木 澪)